「治す」介護(自立支援介護)新聞記事から

2013年2月1日の日本経済新聞から。→記事全文(日経新聞公式サイト)
以下(青字部分)、一部抜粋して要約。

   < 介護はお世話からリハビリへ 「普通の生活」基本に >

おむつゼロ、自力歩行などの「自立支援介護」に力を入れる介護施設が増えている
(自立支援介護とは、介護施設で治し、自宅へ戻る介護。「出たり入ったりする」)
それを推進している国際医療福祉大学大学院教授竹内孝仁氏へのロングインタビュー。

*高齢者ケアには、非常に重要な<基本ケア>がある。
1. まず水が大切。1日1500cc位の水が必要。脱水が意識低下、失禁の原因となる
2. エネルギー源になる食事も1500~1600kcal位は必要。普通食が良い。
3. 便秘にさせない。便通が体調を悪化させ、認知機能低下も起こす。
4. 運動。1番良い運動は歩くこと。自立した生活を可能にする。

*「おむつゼロ」を達成している特別養護老人ホーム(全国で40位ある。)では、要介護4の人のほぼ全員が歩けるようになる
要介護5で寝返りが打てない人でも、5秒つかまり立ちができれば、すぐ歩行器訓練を始め、歩けるようになる

床ずれを防ぐのに一番効果があったのは、座らせること。寝たままにさせない。

*認知症は、引っ越しや家事を嫁に全て任せたこと等をきっかけになるという話が多い。
脳だけの問題ではなく、非常に多くの心理的、社会的な要因が絡んでいる
そういう病気だと考えないと認知症を正しく理解することはできない。

*紙を食べる等の異食は、水分、食事、お通じ、運動の基本ケアで3分の2は治る
基本ケアは、すべて体調に関係している。体調が良くなれば、認知機能も上がる
残りの3分の1は別の理由があるので固有のケアを考えていく。

追記:この記事に関しては、水分量と栄養量に対する疑問視や重要なご意見を頂きましたので、是非コメント欄も併せてお読み下さい。

<関連記事>
オムツなし・パワーリハビリを実践する特別養護老人ホーム

パワーリハ5-thumb-2048x1536-971_convert_20130210090516
特養で使われている6種の器機の内の1つ。(世田谷区立きたざわ苑の公式サイトより)
目的は、筋力増強ではなく、使っていない筋肉を(「楽です」と言う範囲で)使うことで、全身のバランスを改善すること。
これらの器機を使うことで、歩けない人でも安全に無理なく入浴と同程度の運動を気持ち良くできる



関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

高齢者の基準は?

医学的に老年(高齢)者の基準は、私が学んだ学生時代には75歳以上を指しています。
現在は、もう少し高齢(80歳以上)としても良いかも知れません。

高齢者に一日1500~1600kcal以上食事が必要と言う説には、同意できません。
必要なカロリーの量は、基礎代謝から産出されていますが、測定結果があるのは60歳までと聞いています。それ以上の年代は、測定した基礎代謝が同じような割合で減少すると言う仮定で算出されていると聞いています。でもそれでは多すぎるのでは?と私は常々思っています。
基礎代謝の減少は80歳代半ばで顕著になるのではないかと考えています。同じように食べていても、やせていく(脂肪の蓄積が無くなる)方が目立ちます。この年齢になると必要ない影響は吸収しなくなるようです。
私の印象では、80歳代半ば以降の方は、1000kcalでも多いのではないかと考えています。実際にその程度しか食べられない方が多いです。
認知症の方は、たくさん食べますが、不消化のまま排泄されることが多いのも、不要な影響は、消化吸収しなくなるためと考えています。
カロリーオーバーは、不要な体重増加につながり、転倒のリスクや、心臓や肺への悪影響もありますので、注意してください。

hokehoke先生

コメントありがとうございました。

摂取カロリーに関しては、私もずっとわからずにきました。
「良い栄養状態を保つことが、床ずれ予防にもなりとても大切だ」と本などで読んだことがあるのですが、全く動かない方(歩けない方)が、こんなに沢山食べる必要があるんだろうか・・と特養で働いていた頃、いつも思っていました。

そこでは痩せた方よりは、太った方の方がずっと多く(元々ふくよかだったのか、特養に入ってそうなったのかはわかりません。)入浴介助で自分の体重の2倍位ありそうな方を持ち上げる時は、いつも『大丈夫だろうか?できるだろうか?』と不安でした。(元々腰痛持ちでもあったので余計に)
すみません。余談になってしまいました。

最近は、摂取カロリーを少なくした方が、長寿になるとか、癌でも長く生きられるとか書かれた本がありますね。
食に関しては、正反対の情報が氾濫し、何を信じたらいいのかよくわかりません。

私も、歳と共に徐々に食べる量が減って、痩せて、ある日、枯れ木のように静かにパタリと亡くなるのが、最も自然で苦しみもなさそうだなと感じているのですが、中々そんな風には死なせてもらえない現代ですね。

最期まで自宅に居られれば、家族も自然に「食べられる物を食べられるだけ与える」という風になり、1500kcalにはならないだろうと思います。

No title

この記事を読んだとき、私は違和感覚えました。
おむつはずしも、多目の水分も最近、地方の施設などで
積極的に全体的に取り入れられているのを聞いていますが、

じゃあ、レビーの人にも同じことを??

神経障害などきちんと把握してから行うのか
それぞれの方の身体状況、疾病を把握して、医療的管理のもと
するのか、
ただ施設の方針として、すべての人にするのか。

レビーの方のように(レベルはいろいろでも)指示されたことを
頭の中でしっかり受け止め、考え、指示に答えようと努力して、
神経症状のために結果はでない場合、
「失敗例」になるのか。

1500CC飲まなければならない、となると地獄ですよ。

いいことではあるけれど、全部の人に同じ対応されたら、、

この説の本をきちんとは読んだことも講演も聞いたことは亡いので
わかりませんが、レビーやほかの疾病のかたの対応など
きいてみたいもんです。

胃ろうになっても人間は400キロカロリーでも平和に時間を
保ちます、静かな最期にむかって。

ygraciaさん

コメント、ありがとうございます。
hokehoke先生やygraciaさんのように疑問視するコメント(見方)は、賛同のコメントよりもずっと有り難いです。
正解は、常に1つではなく、常に様々な角度から良い面、悪い面、両方を考えていくことが大切ですから。

「平穏死を考える(日経新聞)」の記事
( http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-912.html )
でご紹介した石飛幸三医師も著書(「平穏死」のすすめ)の中で多量の水分や栄養はかえって害になると書かれていますね。(以下、本からの抜き書きです。)

80を超したら腹八分どころか腹五分でも結構。(食事や水分を)入れ過ぎると簡単に嘔吐します。吸い込むと肺炎になります。(略)脱水になるからといって量を増やすと今度は心臓や肺がその負担についていけないのです。調節できる幅が大変に狭いのです。(P.26)

超高齢の寝たきりの方が必要とするエネルギー量は、一般的に提唱されているものよりかなり少ないのではないかと私は思います。(P.29)

「あと一口」が仇になって誤嚥性肺炎を起こし入院(略)退院後、心不全の傾向が見られたので600キロカロリーに減らし、それでも肺水腫が続くので400キロカロリーに落としてやっと落ち着きました。(P.31)


私の母も竹内孝仁教授の提唱する水分量を飲むことは、全く不可能だと思います。
「失禁がひどいからあまり飲ませたくない」という言葉を複数の方から聞いたことがあり、介護ビギナーの方にとっては、「水分も大事」ということは、知っていた方が良いかなと思ったのですが、書かれた通りに実践しようとすると、確かに問題が起こると思います。

私自身は、東京と地方では、医療や介護の分野で差があることが多いと感じています。
「おむつ外し」に取り組んでいる施設が、私の故郷にあるかどうかは、調べてみないとわかりません。

「自立支援介護」の良い部分は、全国津々浦々の特養でどんどん取り入れていって頂きたいと願っています。

ただ、そのとき一番重要になることはygraciaさんが書いて下さった
「(レビーの)神経障害などきちんと把握してから行うのか
それぞれの方の身体状況、疾病を把握して、医療的管理のもと
するのか、
ただ施設の方針として、すべての人にするのか」

だと思います。

介護家族、医師、研究者、介護スタッフ、様々な分野の様々な方が、一人でも多く参加して、経験や意見を出し合っていければ、きっとより良い介護が生まれていくと私は、信じています。

No title

きたざわ苑って、世田谷区でしたね。
世田谷区にちょっと関わっているので、ぜひ質問してみようと
思います。
「身体不調型」というのにレビーは入るのかなあ。

きたざわ苑

はい。小田急線東北沢(下北沢の隣)か京王線笹塚です。
地図 http://shoukichi.org/kitazawa/access.html

実は、最近、きたざわ苑に見学に行ったんです。
思うことは、多々ありました。
レビーと診断されている方がどの位いらっしゃるか質問したんですが、「あまりいない」ということでした。
「(入所前に)違う病名を診断された(誤診された)方もいるのかも」と。

質問して初めてわかったのは、スポーツジムにあるようなトレーニングマシンを使うと「安全に(事故なく)軽い運動ができる」ということでした。
見た目の印象でかなりハードなトレーニングを想像していたんですが、公式サイトにも書いてある通り、ごく軽い運動になるように、一人一人の状態を見てメニューが組まれているそうです。
確かにしっかり座ってできるわけですから、転倒とかのリスクは、とても低くなりますよね。

地域に住む人達も有料でこのマシンを使った予防のための運動ができます。
私は、超高齢化社会では、予防がとても重要だと思うので、そういうシステム(介護施設が、地域の人達にも開かれていて、健康保持機能も備える。)が全国にどんどん広がるといいなと思いました。

ygraciaさんも質問されたら、是非その回答を教えて下さいませ。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR