パーキンソン病の脳刺激療法の仕組み解明(新聞記事)

2013年1月16日中日新聞夕刊の記事から抜粋。(以下、青字部分)

レビー小体型認知症の発見者の小阪憲司医師は、「パーキンソン病とレビー小体型認知症は、レビー小体がみられる脳の部位が違うが、本質的には同類の病気・スペクトラム(連続性をもつもの)だと考えられ、両者を合わせて”レビー小体病”という」と自著に書いている。(「第二の認知症」P.101)
しかし先日の記事にも書いた通り、そういう前提に立っていない新聞雑誌記事はとても多い。

この記事も朗報ではあるけれども、頭は、疑問でいっぱいになる。

レビー小体型認知症にもまったく同じ効果があると理解してよいのか?
脳の情報伝達物質にも「善玉」「悪玉」があるということか?
GABAは、有名な物質で様々な食品(発芽玄米など)も売られているが、食べることで似た効果を得られる可能性はあるのか?
(効果があるとして)食べることで得られる量では少な過ぎ、薬やサプリメントでなければ効果はないということか?
その素が開発され、患者の手に届くまで何年かかるのか?

調べてみたが、結局何もわからない。
もう一歩、せめて半歩、患者とその家族の側に立った報道であって欲しいと願う。
藁にもすがる思いでこの記事を読むのは、患者とその家族なのだから。


  <パーキンソン病 脳刺激療法の仕組みを解明  情報伝達遮断が効果>

パーキンソン病や似た症状を起こすジストニアなどに伴う運動障害の外科治療の1つに「脳深部刺激(DBS)療法」がある。
大脳の「淡蒼球内節(たんそうきゅうないせつ)」という部位に電極を埋め込み、電気刺激を与え続けると症状が改善する

電気刺激が淡蒼球内節につながる脳神経細胞(ニューロン)に「GABA」と呼ばれる物質の放出を促し、GABAが情報伝達物質の働きをストップさせることを突き止めた。
南部篤教授ら自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)のチームがサルを使った実験で解明した。

     → 記事全文は、こちら(中日新聞公式サイト)

追記:この記事のコメント欄にパーキンソン病とレビー小体型認知症の違いなどについて書かれています。

<関連記事>
*「パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係
*「神経内科医はレビー小体型認知症とパーキンソン病の症状は同じとしている」2013年6月の記事

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中日新聞公式サイトから

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パーキンソン病とレビー小体型認知症について

両者は共通点が多い事は確かです。
まず、神経細胞内にレビー小体と言う封入体ができる点んが共通しています。

パーキンソン症状についても、
#1歯車様固縮をレビーでも認めることが多いのですが、歯車様固縮は基本的にパーキンソン病でしか見られないと言われています。
#2静止時に症状が悪化する点
パーキンソン病は振戦が静止時に強まることは有名です。レビーの固縮は静止時に強まります。

ともに自立神経障害が生じます。交感神経が障害されます。

両者の差は?
パーキンソン病の方で大脳にレビー小体が生じることはあまりないようです。またレビーの方でパーキンソン病を合併することは少ないのです。

もうひとつレビーでは薬剤過敏性が強く、パーキンソン病ではあまりないようです。
この事実をどう評価するかで、レビー小体型認知症とパーキンソン病をレビー小体病として取り扱うことが妥当か否かの判断が違ってきます。

この二つは、最終的に病理診断と言って神経細胞の変化や障害部位を確認しないと診断がつきません。剖検例を積み重ねていくしかないのですが、日本では剖検を増やすことが難しい状況のようです。このため確定した見解がなかなか出ないという面があるようです。

臨床的には、レビーのパーキンソン症状とパーキンソン病の共通点と差について興味がありますが、共通点が多いということが、問題を引き起こしています。
レビーのパーキンソン症状は、神経内科医からみるとパーキンソン病のためと言う臨床診断になります。海外の剖検データなどではパーキンソン病だけですと当然認知症にはなりません。
すると認知症はアルツハイマーのためという事になります。百歩譲ってレビーを認めたとしても、パーキンソン病とレビー小体型認知症の合併ということになるでしょう。

コウノメソッドでもパーキンソン病とレビー小体型認知症は別のものとしています。これは薬剤過敏性の有無とパーキンソン病治療薬への反応の仕方の違いから分けているのですが・・・。

hokehoke先生

ありがとうございます。

「パーキンソン病とレビー小体型認知症の違いは、医師の間でも意見が分かれている。
一番大きな違いは、薬物過敏性のあるなし」という理解で良いでしょうか?

最後の行の「パーキンソン病治療薬への反応の仕方の違い」について具体的に教えて頂けますと嬉しいです。

パーキンソン病とレビーの違い

パーキンソン病は抗パーキンソン病薬への反応が良く、薬の使用の仕方を工夫することで、寝たきりになるのを10~15年かそれ以上防ぐことが可能になってきています。
レビーは抗パーキンソン病薬に対して反応は良くないことが多いです。
レビーの軽度パーキンソン症状に少量の抗パーキンソン病薬が効果を示すのは、前頭葉のドパミンが増え、意識障害の改善の関与が考えられます。ペルマックス少量で効果があるのは、パーキンソン病の固縮の改善効果ではなく、慢性のせん妄などの意識障害の改善効果があるためかも知れません。
レビーの場合、進行性のパーキンソン症状に対して、治療効果が出にくい事を感じています。河野先生は私が経験した非常にパーキンソン症状の進行が早い方に遭遇していないと言っています。
このタイプのパーキンソン症状には抗パ剤もフェルガード100Mもあまり効果がありませんでした。
あと、レビーでは大脳辺縁系のドパミン過剰の存在が考えられますが、この点もパーキンソン病と違うところです。大脳辺縁系のドパミンが増加すれば、幻覚・妄想などの出現や非刺激性の亢進(興奮しやすい)などの症状が出ることは確認されています。統合失調症では、この領域のドパミン過剰があるようです。
抗パ剤はドパミンを増やしたり、ドパミンの働きを高める薬ですので、幻覚・妄想は当然悪化します。

レビーに対して、L-ドパ製剤と呼ばれる、メネシットやマドパーは、どドパミンの原料であり、脳のドパミン不足の領域に取りこまれドパミンを増やします。それ以外の部位には基本的にドパミンを増やす可能性はあまりありません。多量で増えることがあるようですが、メネシットで300mg/日程度までは問題を起こすことはあまりないと思われます。
ドパミンの働きをた高める薬の場合、脳内の多くのドパミン作動性の繊維に影響を及ぼす可能性が高いです。大脳辺縁系のドパミンの働きをも高めることで、幻覚・妄想の原因に成りやすいです。

No title

詳しくご説明して頂き、ありがとうございます。

コメントを読ませて頂きますと、パーキンソン病と診断され、治療しても体の動き(頭の回転も含めて。)が、どんどん悪くなる一方だった母は、抗パーキンソン病薬が効かなかったということですね。

パーキンソン病と診断された場合、レビー小体型認知症についても良く知り、常にその可能性について考えながら注意深く観察する必要があると感じます。

追記:こちらのコメント欄にもパーキンソン病とレビーの違いが書かれています。
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-924.html#cm
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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