認知症の種類による長谷川式スケールの答え方

長谷川式スケール(HDS-R。認知症かどうかを診るために最もよく使われる口答テスト。→動画)は、認知症の種類によって答え方(正誤)に特徴があるそうです。
河野和彦著「コウノメソッドでみる認知症診療」(P.105〜109)に書かれている内容の一部を転記します。(以下の青字部分)

これは、家族によって病院に連れて来られるある程度進行した高齢の認知症の方の一般的な特徴であろうと思います。
初期の場合(病識があると言われる。)や若年認知症の場合は、少し違って来るのではないでしょうか。
河野氏もレビー小体型認知症やピック病の初期の場合、高得点を取り、「認知症ではない」と誤診されることがあると別の著書で書いています。

追記:一番下の関連記事にもリンクを張りましたが、認知症は、複数を合併することも多く、それによって症状も混ざり合って複雑になります。誰もが、この通りにくっきりと分類できるわけではありません。

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 <アルツハイマー型認知症の方の答え方>

7番の「先程覚えた3つの言葉は何でしたか?」が、まったくできない。
8番の「野菜の名前を10個」は、少ない野菜の名前を何度も繰り返す。
7番の問題と「混線」して「大根、セロリ、桜、大根、サラダ菜、大根」となったりも。
抽象概念が障害されると「野菜、野菜、野菜、野菜・・」と10回言うこともある。

できないからと深刻にはならず(楽観的)、深く考えずに、でまかせを答える。
「わからない」と正直に言わずに、適当な答えを即答する。
低得点の方に「自分で記憶は良いと思いますか」と確認すると「別に問題はないです」と答える。(病識欠如)

 <レビー小体型認知症の方の答え方>

5番(7を引く引き算問題)と6番(3桁の数字を後ろから言う)は苦手。
7番(3つの言葉を思い出す)は、得意。
8番(野菜の名前)や9番(5つの物品)は、長考し言葉に詰まりあまり出て来ない。
(アルツハイマー型は、ベラベラとデタラメを答える。)
声が小さいことも特徴。

 <脳血管性認知症の方の答え方>

病識があり、レビーと同様に長考する傾向があり、「申し訳ないです」と謝ることも。
7番(3つの言葉を思い出す)は、普通にできる。
失点する項目もまだら状で個人差があり、一定の特徴はない。

 <ピック病(前頭側頭葉型認知症)の方の答え方>

考え無精。「わからん!」と怒り出すことがある。


<関連記事>
*「認知症の種類による症状の違い
*「認知症の種類別早期発見のための知識とチェックリスト
*「認知症はなぜ誤診されるのか(合併患者の多さ)
*「長谷川和夫氏の講演(新聞記事から)

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葉牡丹(ハボタン。ハナキャベツ)
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No title

23年前から脳梗塞を数回やった義母は最初の脳梗塞から、答えられない事を訊かれると怒り出し、病識はあまりなく、それを指摘されてもキレました。TVを眺める以外は何もやりたがらなくなり、この表で見るとピック病に一番近いです。
感情を通わせる事ができない、ロボットのような人間になりました。
今は脳萎縮が進み、何を言っても「もうとっくに忘れた!」と開き直って、怒る事もなくなりました。

脳血管性を一つのカテゴリーにするのは難しいんじゃないかな?

kimiさん

ご指摘ありがとうございます。
記事本文に追記として書かせて頂きました。

ピック病も多分、色々あるんだと思います。
父の場合は、テスト自体をとても面白がって、終わった後は、高得点だったことを盛んに自慢していました。
自分がそんなテストを受けなければいけない状況にあるという深刻さが、欠落していて、私は、そのことに異常さを感じました。

ピック病の症状は、前頭側頭葉が障害されることで起こるので、レビー小体型認知症でもピック病のような症状が強く出る人がいると河野氏も書いています。

ちなみに父(ピック病)が、意味のわからないことで怒り狂っていたのは、一時期(母の自宅介護で苦労していた時)のことで、あとは、ずっと穏やかです。
むしろ深刻な状況でニコニコ(時にヘラヘラ)していることの方が多いです。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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