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「正常」と「異常」の間(幻視)

レビー小体型認知症患者には、幻視(幻覚)と本物は、全く見分けがつかないという。
消えて初めて幻視とわかったり、こんな所にこんなものが居る訳がないから幻視だろうと考えたり、周囲の人の反応を観察してわかると患者本人から聞いた。→(体験談)

病気の進行と共にその幻視に対応して行動したり(「妄想」と呼ばれることが多い。)、混乱したりして(錯乱状態などと言われる。)、本人も家族も悩むことが増えていく。→(体験談)

しかし「そうした行動を”妄想”(症状)と呼べるのか。正常な反応ではないか」とレビー小体型認知症のフォーラムで尾崎純郎氏(レビー小体型認知症家族を支える会顧問・日本老年行動科学学会常任理事・レビー関係者必読本「第二の認知症」の執筆協力者)が言われた。
「誰でも自分の家に知らない男が侵入して来れば、当然警察を呼ぶと思う」と。

それは、私たちに最も必要な(しかしよく忘れられる)視点ではないかと思った。

「病気、BPSD、異常、頭が変」と決めつけられ、向精神薬を処方され、副作用で劇的に悪化する例が後を絶たない。→(体験談。非常に多くの介護家族から同様の話を聞く)
周囲が声高に否定し、叱責したり、見下したりすれば、本人もストレスから更に悪化する。
(自分を脅かすものの存在自体を信じてもらえず、自分が家族や人から「異常者」としか見られないやり切れなさ、悲しみ、苦しみを想像してみよう。)

困難があっても、周囲が、普通の人だと思って普通に接すれば、普通の人として穏やかに暮らしていける道もあるだろう。容易ではないにしても。

「最強のふたり」という仏映画の中で、介護者として雇われた若者には、身体障害を持つ雇い主への同情がかけらもない。
自分より劣った者(可哀想な人)という意識がなく、対等な存在として見ている。
その時、障害は、障壁にならない。2人は、深い友情を築くことができる。
それは、脳の病気(認知症、うつ病、統合失調症など)や障害でも同じだろう。

「みんな私のことを妄想があるというが、正常だといわれている人だって同じようなものだ。仕事の休憩時間の雑談で、みんなが芸能人のゴシップ記事を、実際に起きていることかのように喜んで話している。それこそ妄想ではないか」という統合失調症患者の言葉を大野裕氏が紹介していた。(2012年11月2日の日本経済新聞夕刊「こころの健康学」)

「異常」と「正常」の間は、深い海で隔てられているわけではない。
それは陸続きで、見た目もあまり変わらない。境界線などどこにもない。
違うのは、ただそこに偏見と差別が満ちあふれているか、いないかだけ。

<関連記事>
*クリスティーン・ブライデンさんの書く「認知症への偏見」→こちら
*認知症や障害を受け入れること→こちら
認知症という言葉

P1010738_2_convert_20121105085633.jpg
百日草(ジニア)
同じ茎から出ているように見えたので、金子みすずの「みんなちがって、みんないい」みたいな花だなと思いました。
よく観察したら2種類の百日章を1つに束ねてありました。
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No title

この花は百日草にそっくりですね。
一株で八重と半八重が同居するものなのかは分かりませんが・・

確かに百日草でした。

昔からあったオレンジ色の百日草とは随分違っているんですね。
どんどん品種改良されているんでしょうか。
花壇まで行って確認したら2つの茎をひもでしばってありました。
やっぱりありえないですよね。

No title

「そうした行動を”妄想”(症状)と呼べるのか。」
そもそも行動は妄想とは呼ばないですよね。行動は妄想に対処するための"反応"じゃない?

妄想とは本人の意識の中に芽生える、現実にはない物事・・英語ではよくファンタジーとかディリュージョンとか言ってますね。

60年代のアメリカの警察小説にも「男が家に入って来て乱暴する」と毎日警察に電話をかけてくるおばあさんが出てきます。最初は行って調べたけど、今では電話で相手をするだけ、と。迷惑がりながらも、それが日常に組み込まれていました。
妄想に対する心理的アプローチの理想は「肯定も否定もしない」「話題を変える」。その警察官たちのやっていたのが、まさにそれでしたよ。

妄想

レビー小体型認知症の症状として、よく「妄想」と書かれているんですが、一般の人である私たちは、物盗られ妄想(嫁が財布を盗った)とか統合失調症の妄想(「宇宙人が誘拐しに来る」とか「宮家の血筋」等)を連想するので、「レビーの母(父)には妄想はない」と言います。

でも医療や介護の現場では、幻視の子供のために食事を作ったり、不審者が居ると警察を呼んだりする行動を「妄想」と呼び、BPSD(周辺症状。何らかの対策を取らないといけない困った症状)ととらえているようです。

これは、実際、(妄想の特徴として)説得して変えられるものではありませんし、本人も家族も本当に苦しみます。

こうしたら上手く治まっていったという体験談があれば、是非、皆さんから伺いたいです。

ちなみに嫉妬妄想(「夫が浮気をしている」)は、アルツハイマー型では少なく、レビーに多いそうです。
浮気現場の幻視から起こることが多いと「第二の認知症」に書かれていました。

プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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