レビー小体型認知症(小体病)の症状

レビー小体型認知症は、人、動物、虫の幻視(幻覚)が特徴ですが、2割の方には幻視が見られません。(この病気の発見者小阪憲司著「第二の認知症」P.66)

初期には、「幻視が見えることを隠す」場合もあります。
壁・床がゆがむ(波打つ)/人の気配がする/夫が2人いる等」特殊な幻視も。

パーキンソン症状(よく転ぶ。腰と膝を曲げ、小股で足をすりながら手を振らずにヨチヨチ歩く。手が震える等)も特徴ですが、記憶障害から始まる「通常型」では、3割の方にこの症状が出ません。(前述の本P.105)
(母は、歩けませんが、手の震えは、まったくありません。)

では家族は、どうしたらレビー小体型認知症と見抜くことができるでしょうか?

まずパーキンソン病と診断された後に認知症/アルツハイマー病と診断された場合は、レビー小体型を考えなくてはいけません。(2つの病気の関係は、こちら
最初に認知症、アルツハイマー病、うつ病等と診断された方も注意と観察が必要です。(前述の本P.121)

毎日新聞に載ったレビー小体型認知症のチェックリストは、こちらです。
その他の認知症のチェックリスト

介護家族に聞くと「歳のせいだと思っていたが、言われてみれば・・」と、診断のかなり前(5年以上)から様々な症状があったことがわかります。(個人差大きいです。)
(レビー小体型認知症の主な症状と症状をわかりやすく解説した動画もご参考に。)

寝ていて叫んだり、大声で寝言を言った。寝ぼけて暴れた」(REM睡眠行動障害)
「普段は普通なのに、時々ボーッとして反応がにぶくなる時があった」(認知の変動)
日中も眠そうだった。1時間以上昼寝をしていることがよくあった」(睡眠障害)
風邪薬や鎮痛剤を飲んで、もうろうとなったことがあった」(薬物過敏性)
「立ちくらみ、便秘、不眠、だるさ、食欲不振、多汗や無汗があった」(自立神経症状)
「陰気、気力・関心低下、感情のにぶり、不安感、心配性、焦燥感」(うつ症状)

パーキンソン症状から転倒骨折や動きがゆっくりになって何でも時間がかかるように。

見えないものが見え(幻視・幻覚)それを現実と思って行動することも特徴。
追記:本物にしか見えないからです。→患者本人が語る幻視

家族は、見間違い・目の錯覚・寝ぼけ・疲れ・ストレスだと思っていることが多いです。
「トイレにヘビが出た」と棒を持って行く。「押し入れに子供がいる」と話し掛ける。
「人がいる」と110番したり食事を用意したり、「虫がいる」と退治しようとする。
ブツブツ独り言を言っていたり、何かをつまもうとする等、奇妙な動作をしている。
「”誘拐された”等、ありえない妙なことを言った」(妄想)という家族もいます。

書く字が小さい声が小さく抑揚がない/まばたきが少ない/尿失禁などの症状も。
進行してくると:
座っていて段々体が傾いていく/つまずいた訳でもないのに頻繁に転び起き上がれない
話す時に目を合わせようとしない表情が全くなく目つきに生気がなく異様な顔に。

「歯車様固縮・歯車現象」もあり、簡単に確認できます。
患者に肩の力を抜いてもらい、腕を取って回してみます。
カクカク(ガクガク)と抵抗しながら回り、油の切れたゼンマイ仕掛けのロボットが動いているような感じがします。

追記:その他の症状=失神/頻尿/注意力低下/頭痛/イライラ/耳鳴り/息苦しさ/動悸/胸痛/肩こり/背中の痛み/下痢/倦怠感/むくみ/インポテンツ/微熱/手足の冷え・しびれ/のぼせ

追記:ごく初期から植物やシミなどが人や動物の顔に見えることがあります。本人は、幻視を目の錯覚と思っています。→関連記事「幻視を利用した検査方法

追記:原因不明の意識消失発作がある。「5分位意識がなくなり、救急車が来た時には意識が戻り、検査しても原因がわからなかった。1ヶ月に2回ほど続いた」など。(河野和彦著「コウノメソッドでみる認知症診療」P.42)

追記:多くの介護家族は、睡眠時の無呼吸があると言う。睡眠時無呼吸性症候群と診断されることがある。

「レビー小体型認知症の幻視(幻覚)の種類と特徴」
*「幻視(写真)を利用した簡単な検査方法と利用写真の実物
*カテゴリー:「レビー小体型認知症について」
*パーキンソン病の初期症状(NHK「総合診療医ドクターG」放送内容)は、こちら。
*「ためしてガッテン」の公式サイト「急増中のパーキンソン病」

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名前のわからない花。植木鉢で下向きに咲いていました。
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母の場合

Twitterからこちらに参りました。
物忘れ等は以前からあったのですが、これはおかしいと感じたことが約2年前にありました。忘れるというよりとんでもない勘違いをする。そしてそのことを忘れる、という感じでした。母は父亡き後に山奥にある実家で独り暮らし。50CCバイクに乗るのをやめてからはめっきり行動範囲も狭まり、月に1週間くらい我が家に滞在する習慣も、4年前の腸閉塞手術後から途絶えておりました。元来性格は明るく活発。畑仕事が趣味でとにかく働き者。世話してくれていた我が家の子どもたちも手がかからなくなり、母は母の楽しみがあるのだからとうちにくることを無理強いせずにいました。それでも月に1度ずつは妹と交互に帰省していました。私たちの為に料理を作るのが億劫そうに見えたのもこの頃からでした。でも年相応かなと。(現在78歳です)TVもNHK朝ドラを楽しみに観ていたのに、関心が薄れていました。理由を訊くと「毎日同じものばかり」と言います。再放送は同じものだよ…と、勘違いを指摘するも、そうではないと言います。そうこうしているうちに↑2年前に決定的なことがあり、迷わず脳外科を受診しました。MRI検査の結果、脳に中程度の委縮が見られ特に海馬付近の委縮が顕著でアルツハイマー型認知症と診断され、独り暮らしができているのが不思議と言われました。長谷川式スケールでは同年代より若干低い程度とのことでしが、アリセプト5mgで服薬スタート。半年後に10mgに増量。副作用は特にありません。1年3ヶ月前に腰椎骨折をしたため(早期に回復)1年前からデイサービスに週2回通っています。週1回は私と妹で交互に帰省してサポートしています。母は現在も実家で独り暮らしで家事や畑仕事は楽しんでやっていて、まだご近所に迷惑をかけることはあまりありません。ただ日によって勘違いや物忘れに差がある「認知の変化」があります。それが私たちの判断を狂わせています。私が今一番気になっていることは、母のデジャブ的な幻視?妄想?です。これも最初はすっかり信じて、アルツハイマーなのになんでこんなに記憶しているの?と不思議に思ったくらいですから。
例えば車で移動している時に、駐車している車を見て(山奥なので交通量は少ない)「この車はいつもここに停まっている」とか「あの運転手はいつもあそこで写真を撮っている」と言います。最初は↑のように思っていました。ところが初めて通る道路で停まっている車や、歩いている人を見ても同じようにいうのです。今見たことが過去にあってなおかつ継続しているような訴えとでも言いましょうか。かと言って、つけられているとか見張られているとかいう被害妄想は全くありません。こういう既視感のせいか、デイサービスの昼食も「いつも同じものばかり」と言ったりします。最初は真に受けてそっと通所先に訊いたりもしたくらいです。もちろん違うのですが。それが他人に迷惑のかかることでなければ、私もあえて母の言うことは否定せずに聞きます。時に「今日もお昼は同じメニューだった?」と聞くと、何回かに1回は「今日は和えものがついていて違っていた」とはっきり答えるときもあります。こういったデジャブが原因でTVも同じものばかりと答えていたのかもしれないと最近は思う次第です。
被害妄想で思い出しましたが、一度だけありました。腰椎骨折をした頃、自分ではギックリ腰と思い込んでいて、その時に打った注射のせいでこんなにひどくなった・・・と私たちにも病院にも繰り返し訴えていました。あまりにも訴える内容がリアルで、私たちももしや医療ミスでは…と思ったくらいでした。母の日記と病院の領収書、それとカルテを照らし合わせてやはり母の勘違いだと分りました。その時点でアリセプトが10mgになりました。それからは1度も被害妄想的な訴えはありません。最近は食事が極端に薄口になり、食材は変えても味付けは2パターンくらいになっています。不潔行動はありませんが、一旦脱いでハンガーに掛けたものを洗濯したものと勘違いして畳んでしまうこともよくあります。ただし下着だけはきちんと洗っています。この両方ともに、生活に支障があることではないので、軽くアドバイスする程度にしています。
今一番私が心配していることは、デジャブ的な妄想?が、今はまだ現実的なものに留まっていて他人には訴えないでいますが、これが本当の妄想に発展してしまわないかということです。レビー小体型認知症のことをTwitterで知り、ひょっとしたら母はアルツハイマーではなくこの認知症の型ではないかと疑問に思ってコメントさせていただきました。
こちらのブログを見ていらっしゃる方で、同じような症状の患者さんを介護されている方がいらっしゃいましたら、教えていただけないでしょうか。

おふくさま

読ませて頂くとなんとなく母に近いものを感じます。

「料理を作るのがおっくうに」
「好きなものへの関心が薄れる」
「毎日同じものばかり」という言葉。
この3つは、母と同じです。

「海馬の萎縮」(多くのレビー患者に起こります。)
「一人暮らしができる。長谷川式の点が高い」(レビーの特徴で記憶障害が軽い)
「認知の変化」(レビーの典型的症状)

(物知り顔で)「○○は、いつも○○しているよ。」は、母もよく言います。
事実か否か、すぐには判断がつきかねるようなことを良く言います。
「今日は、○○が出たよ」と正確に言うこともよくあります。(記憶障害が軽い)

腰椎骨折の原因は何でしょうか?レビーは身体の機能が落ちて骨折しやすくなります。家族は転んだとかすべったと思っていることが多いです。

また「妄想」ですが、多くの方が、「物盗られ妄想」や「嫉妬妄想」を思い浮かべ、「私の親の言動は妄想ではない」と思われるのですが、事実と違うことを事実と信じていることが妄想です。

レビーの場合は、幻視を現実と思う妄想が多いです。
「トイレにヘビが出るから恐くて行きたくない」とか「お客さんが居るからお茶を出さなきゃ」など。

そう考えるとデジャブも妄想の一種のような気がしますが、私は医師ではないのでよくわかりません。

是非他の介護家族の方からもコメント頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。

No title

おふくさま、はじめまして。
レビーの父とアルツハイマーの母の元介護家族です。
医師ではないので、私の感触でしか話せませんが、、
お聞き下さい。

私の感じとして、お母様はいまのところ、アルツハイマーのような気がします。

レビーも症状は多様なので、なんとも言えないけれど、デジャブのような発言が幻視でも、妄想でもないと感じます。

家族がおかしいのではと感じている、ことばの捉え方、ここに問題があることもあります。
またお母様がすこし鬱傾向のことも関係しているかも。

「テレビがいつも同じものばかり」とお母様が言ってますが、それは
「テレビがいつも同じようなものばかり」でつまらない、見ないと
言っているのかもしれません。

「お昼のメニューが同じ」も同様で、「似たようなものばかり出て来る」と言いたいのかもしれません。

駐車している車を見て「いつも止まっている」というのは、お母様には
同じような車に見えて、いつも止まっていると言っているので妄想ではないです。

その車がほかのものに見えたり、ないのに車があると言っているわけでは
ないので。
レビーの幻視は、無い物が3D映像でしっかり見えます。
また錯視で、ハンガーが人にみえるとか、ありますが、
それはアルツハイマーの方にも見られます。

発せられる言葉のうしろにある、お母様の思いと背景を
ちょっと考えられては。

「他人に迷惑かけるような妄想」を心配していらっしゃいますが、
一人暮らしの方の場合には、すべてにおいて、とにかく周囲の協力が
必要なので、いつか時期を見て、ご近所にもお話をして
おくこと。遠く離れている家族もすこし安心です。

またアルツハイマーの人の妄想は、レビーとすこし違うように
思います。

アルツハイマーでも急になんでもかんでもできなくなるわけでもなく、
記憶が消えてしまうわけでもありません。

アリセプトも10mgでまだ問題ないようですし、レビーと決めつける要素はいまのところ、見当たりません、元家族の私には、ですが。
(脳の萎縮のことはhokehoke先生、よろしく説明お願いします。)

ただし、変性していくタイプもあるし、混合もあるので
観察は怠らず、そばにいらっしゃるデイの方やケアマネさんにも
観察をお願いすること、医師に伝えてほしいと思います。

骨折時のお話は、認知症の方の場合だけではなく
どこにでもだれにでも起こりうる、お話かと。

高齢者の骨は弱くなっていますから、これからも無自覚の圧迫骨折など
気をつけられるよう、食事内容なども見直しを。
ご家族が帰省されるときだけでも、サプリを飲んでもらうとか
いろいろ出来ます。
おやつにカルシウム入りウエハースとか(調剤薬局にも
ドラッグストアにもあります)。

お母様自身が感じられている、ご自分の変化を
ご家族に心配かけないようにと、押さえていることも
あります。
喜ぶこと、楽しいこと、笑顔が出せること、
寂しくならないようなこと、
たくさん、探してみてください。

病名はあまり気にしないこと。
24時間、認知症なんだと追い回さないで、ふつうに暮らせる時間を
支えてあげてください。
畑仕事にでていらっしゃるお母様、すてきです♪

素人ですが、こんなふうに感じました。


hokehoke先生、医学的見解お願いします。





ygraciaさん おふくさん

コメントありがとうございました!
本当に的確なアドバイスで、いつもながら頭が下がり、尊敬の念を深くしています。

レビーかどうかというのは、薬物過敏性(アルツハイマー病には適切な量のアリセプトで興奮などの副作用を起こす人が多い。抗うつ剤、精神安定剤などの抗精神薬で動けなく人が多い。)の問題を避けるために重要ですが、その問題がなければ、確かに病名にはあまり意味がありませんでした。(併発など脳の中で起こる変化は一人一人違うので。)

大切なのは、ygraciaさんが仰る通り、本人の心を細やかにくみ取り、周囲皆で支えていけるようにするということですね。

ご近所の理解と協力は、本当に大切ですね。
(一人暮らしになったピック病の父のことになりますが)私も症状を説明したり、連絡先を伝えたり、気にかけて頂けるようお願いしました。
帰省の度に挨拶に行くのですが、家族も知らない変化をご存知だったりします。

日々接する方々が、ちょっと気を付けて気にかけて下さっていれば、変化を早く発見でき対応できますよね。
協力者を増やして、悲観せず(でもきっちり先へ先へと準備を進め)明るい気持ちを失わないで、お母様と一緒に笑いながら介護していけたら本当にいいですね。
仲間は一杯います。一緒に元気に歩いて行きましょう!

P.S.個人的には(以前から思っていたんですが)アルツハイマーの方の幻視や妄想の特徴について詳しく知りたいと思いました。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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