9月の帰省(1) 母の大きな改善(身体機能と感情)

出発の朝、忙しくて「行ってきます」と書き損ねたのですが、先日帰省しました。
事情があり7、8月と帰れなかったのですが、久しぶりの母は、大きく変わっていました。

 1. 陽気になった。(以前は常に少しうつ気味。今回は初めて躁気味。)
 2. 体の動きが、とても良くなった。(手がほとんど正常に動くようになった。)

認知機能は、ほぼ普通に会話できるまでに回復した6月と比べると格段に落ちました。
意味のわからない発言が時々あり、会話もトンチンカンで噛み合ない時がしばしば。
しかし反応や話すスピードは速く、普通に会話が成り立つ時もたくさんありました。
怒ったり、不安に襲われたりという感情の波がほとんどなかったので、一緒に楽しく過ごすことができました。


母に私の子供も遅れて来ることを伝えると、意外なことを口にしました。
「え?!○○(私の子)が?!(顔が輝く)・・・お化粧しなくちゃ・・」
これは、急激に悪化して以来、初めて言った言葉です。(2年半振り)

すぐに実家にあった母の口紅を持って行き、手渡し、鏡を見せました。
母「やだ!・・ひどい顔!・・ずーっと鏡なんて見たことなかったもんねぇ・・」
昔と同じ手つきでスルスルと口紅を塗りました。(ムラはあったので直しました。)
私「やっぱり口紅1つで全然違うねぇ!凄〜く明るく元気そうに見えるよ」(事実)
母「そう?・・眉墨は?・・眉を描くと違うんだよ。ここ(顔)は白くしないと・・」

優しい職員さんに誉めてもらい「美人じゃないよ〜!そんなこと、昔から言われたこともない!」と言いながら、母は、昔通りの生き生きとした笑顔でした。
(化粧は、認知症患者へのセラピー効果あり。→新聞記事資生堂の化粧療法のサイト

以前は眉間にしわを寄せて「どうしたらいいの?私、どうしたらいいの?」と発作のように延々と繰り返すことが頻繁にありました。
今回は「私、ど〜したらいいんだ〜」と笑いながら歌っていたので非常に驚きました。
(病識がなくなって明るくなったのかと思いましたが、妹の話では病識はあります。)

2人でやった「大じゃんけん大会」(派手な実況中継付き)も盛り上がりました。
母は、勝つ度に「イェ〜ィ!」とガッツポーズ。ベッドの上で小躍りしていました。
(母は、人前ではいつも明るく、おどけて周囲の人を楽しませるのが好きでした。)
翌日私の子供が来た時も「じゃんけんやろう!」と母から言い出しました。

じゃんけんが出来るようになるとは、夢にも思っていませんでした。
帰省の度にリハビリと観察を兼ねてグーチョキパーとやってもらっていましたが、今までは、1つの形を作るのに5秒前後かかっていたのです。(しかも不完全な形でした。)

母は、6月に2年間飲み続けた睡眠薬(レンドルミン)を止めました。
変化の原因は、それ以外に思い当たりません。(肝臓、甲状腺も悪く、便秘薬を含めて10種類以上の薬を飲んでいますから何かと相互作用していたのかも知れませんがわかりません。)

睡眠薬は、処方された当初から全く効きませんでした。(個人差は大きいと思います。)
間もなくグループホームに入り、夜中に騒ぐことが徐々に減ったと聞き、睡眠薬の中止を要望しました。
しかし断続的にでも眠るようになったのは、「薬が効くようになったから」との説明。
「安定してきた時に薬は変えない方が良い」と医師にも看護師にも介護職員にも言われ、繰り返した要望が通ることはありませんでした。
全員が口を揃えて言っていたのですから、それは「常識」だったのだろうと思います。
勇気を持って睡眠薬を止めて下さった現在の施設には、心から感謝しています。

追記:この記事のコメント蘭に認知症専門医の方が、睡眠薬(眠剤/睡眠導入剤)の副作用と取り扱いに関する解説を書いて下さっています。是非ご覧下さい。

P1010518_convert_20120908190742.jpg
サルビア・コクシネア・レッド(ベニバナサルビア)のようです。
関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

お母さんは、眠剤の影響で意識障害(慢性のせん妄)を起こしていたようですね。
せん妄の原因としては、薬物、特に睡眠薬は多いです。抗ヒスタミン薬も、胃薬のヒスタミンH2ブロカーを含め、多いですが・・。
レビーの方は、意識障害全般に副作用がでやすい傾向にあります。
睡眠薬の中では、超短時間型と呼ばれる、ハルシオン・アモバン・マイスリーのリスクが高いようです。アメリカのFADは、この3剤はせん妄・もうろう状態など意識障害を引き起こすリスクが高いので、高齢者に使用しないよう勧告していると聞いています。
日本では、この点はほとんど知られていないようです。マイスリーの発売会社のMR(薬剤情報担当者)でも知らない奴がいたのには驚きましたが・・・。最もMRの多くは文科系の大学卒業者が多く、会社で教育しているようですので、知らなくても不思議はないですが・・。

眠剤を一時中止することは、全く問題ないことです。本当に眠剤の効果があれば、一時中止で眠れなくなれば再開すれば良いだけですから・・・。
またせん妄が考えられる時は、一時眠剤を中止したほうが良い場合が多いです。それだけで改善することもありましたから・・。

hokehoke先生

貴重な情報を本当にありがとうございました。

1年前には食事まで全介助されていた母が(圧迫骨折による痛みがあったせいもあります。)10秒のつかまり立ちまでできるようになったと聞いて、非常に驚きましたが、まさか睡眠薬1つでそこまでの変化が起こるとは思えませんでした。
今回自分の目で見て初めて薬の作用だと確信しました。

多くの施設で「睡眠薬を止めたくない」という事情はよくわかります。
夜中に叫ばれ続けたら職員は、参ってしまいます。
「寝てくれないと困る」と言われれば、家族としてはそれ以上言えません。

(母の場合は、飲んでも飲まなくても状態は同じだったそうです。長時間連続して眠ることはなく、ブツブツ独り言を良い続けていたり、たまに大きな声で人を呼んだりするそうです。)

しかし意識がしっかりすれば、介護も楽になるはずです。
母のいる老人ホームのように勇気を持って、中止し様子をみてみるということを全国の施設、家庭でも挑戦してみて頂きたいです。

もし同じような例がありましたら、是非コメントをお願い致します。

水も覚醒水準に影響

今朝、中日新聞の記事に「毎日1.5Lの水分摂取で覚醒水準が向上して頭のぼんやり感がすっきりし、脳からの指令で立ったり、歩いたりすることを思い出す」というのを読み、これにも驚きました。
記事全文はこちら↓
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120727134337579

水分が足りないと様々な悪影響が出るとは知っていましたが・・。
母は、橋本病もあり、この40年来、夏でも汗がほとんど出ず、水もほとんど飲みませんでした。現在でもそうで、水分を取らせることに苦労します。
何かよい工夫があれば、どなたか教えて頂きたいです。

No title

薬の影響って怖いですね。
私も鎮痛剤はどれも平気なのに、ある風邪薬を飲むと24時間もうろうとして目が半分しか開かなくなります。規定量の半分でも!その状態の時は、滑舌も悪く、耳もじわーんと遠く、手足の感覚も鈍くなり、まるで空中を漂っているみたい。

水分補給ですが、多分施設の方である程度管理していると思います。
認知症の人は逆に水を大量に飲み続け、低カリウム・ナトリウムになっちゃう人もいるらしいし・・
(尤も、酷い施設になるとオムツ交換を減らす為に水分を与えないようにするところもあるかも知れませんが)

義母の施設では、おやつの時間にココア、ミロ、ジョアなどの飲み物を与える事が多いです。
水分は飲料だけでなく、みそ汁、スープ、ゼリー、果物、野菜からも摂れます。夏ならスイカ、冬ならふろふき大根とかどうでしょう?
アフリカの人はサボテンの汁と獣の血以外飲まなくても平気・・汗をかかない人は他の人ほど必要ではないのかも?人間以外の動物は汗腺が発達していなくて、水分摂取量も少ないそうです。

その写真、宿根サルビアの蕾に似てますね。
うちでは雑草と化しています。

いつもブログ拝読しています。
お母様のよい変化、自分のことのように嬉しいです。

まだ暑い日もありますが お母様が明るく、安定した状態でいてくださいますように。

kimiさん くすりさん

kimiさん
施設でも「水分を飲まなくて困る」と言われています。
好きなコーヒーとかマンゴージュースとか持って行くんですが、ゴクゴクとは飲まないみたいです。(施設で保管してくれます。)

薬は、多くの医師が「じゃあ、一応これも飲んどこうか?」「まぁ、一応続けようか」と、増やしても減らさない傾向があると思います。
母のように周辺症状(BPSD)の強い人に対しては、施設も自然に「これ以上困らされないようにせめて薬は飲んでて」という気持ちに当然なると思います。
場合によっては、薬を減らしたら良くなる、止めたら良くなるという新常識が広く浸透しないと・・。

くすりさん
ありがとうございます。幸せとは、喜びを分かち合ってくれる人がいるということだと本当に思います。
お父様は、その後、いかがでしょうか?
良い方向に進んでいかれることを心から願っています。

写真の花名

自信がありませんが、
『サルビアコクシネア・レッド』の一種?かと。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR