うつ病は「克服する」ものなのか

「うつ病克服し頂点へ 五輪レスリング女子・小原選手、はい上がった」という新聞記事を読みました。(2012年8月9日中日新聞。全文は、こちら)
優勝した時のあの涙の意味を初めて知った気がしました。
小原選手には、あらためて拍手を送りたい気持ちです。

 <ここからは小原選手ではなく、うつ病について書きます。>

よく使われる言葉ですが、私は、「克服」という言葉に首をひねります。
うつ病(脳の病気)は、意志の力や本人の頑張りで治るものではないからです。

病気は「敵」なのでしょうか。
うつ病によって変化してしまった脳も自分の脳、自分の体です。自分自身です。
一部分とはいえ自分自身を敵視するということは、良いことなのでしょうか。

私は、うつ病を敵視し克服しようともがいている間は、良くなりませんでした。
諦め、受け入れ、折り合いを付けて共存していこうと心から思った時から、少しづつ症状が出なくなっていきました。

うつ病は、私を救ったのではないかと後になって考えるようにもなりました。
あの時、あのまま走り続けていたら心筋梗塞かくも膜下出血などで死んでいたのではないか。
心身の疲労がピークに達した時、「危ないよ」と誰かが、私に急ブレーキをかけてくれたのではないかと。

うつ病は、人生をリセットもしてくれました。
失ったものは膨大でしたが、私は、無理のない穏やかな生き方を手に入れました。
しあわせは、手の届く所にあるのだと知りました。

生き方をすっかり変えることは、意志の力だけでは、到底できません。
余命わずかと告知されるなど生死の境に立たされて初めて、人は握りしめてきたものを手放し、人生をリセットできる気がします。

認知症にも、まだ見えていない何か深い意味があるように思えてきます。

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準決勝での小原日登美選手(畦地巧輝撮影)。
優勝した時の涙は、強く印象に残りました。
中日メディカルサイトから。
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プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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