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認知症は治るか

父は母の認知症を薬で治すのだと言い続けている。
けれども特定の認知症(正常圧水頭症など)を除いて認知症が治ることはない。

患者本人や家族が困り果てる症状(周辺症状/BPSD)を落ち着かせて、より良い生活を送ることは、可能なことがある。(レビー小体型認知症では、それが劇的に起こることもあれば、どれだけ努力しても変わらないこともある。)

レビー小体型認知症の発見者である小阪憲司医師は、薬(向精神薬など)を増やしていくことよりもケアの方法(本人を安心させる接し方)がより重要だと言っている。

薬の副作用が激しく出る特徴のあるレビー小体型認知症の場合は、問題を起こしている薬を止めたり減量することで大きな効果が出ることもある。
逆に医師の処方した向精神薬で劇的に悪化する例も少なくない。(母もそうだった。そういう例を今まで多く聞いてきている。)

介護家族が「認知症を治したい」と言う時には、どういう症状を治したい(=どういう症状に苦しめられている)のかをきくことが大切だと思う。

父は、幻視(幻覚)を薬によってなくしたいと思っている。
母が、「空にライオンが寝ている」「(亡くなった父親が)手を振っている」などと言うことが、父にとっては、最も耐え難いことのようだ。
父は、「そんなものはいない。いる訳がない」という最も不適切な対応しかできず、常に母と喧嘩になる。

母は、幻視に苦しんではいない。
亡くなった家族が頻繁に見舞いに来てくれたり、大好きな動物たちを見ることは、むしろ楽しみになっている。
時々不気味な幽霊も来るというが、無視していれば大丈夫だという。
幻視は、家族にとって(最初は)ショッキングな症状だが、本人が苦しんでいない限り問題視せず共生していけば良いのだと思う。

レビー小体型認知症は、不思議な病気だ。
「認知症は進行していくもの」と覚悟していたが、突然、状態が良くなることがある。
ほとんど会話もできない時もあった母は、現在、ごく普通に会話ができる。
(記憶障害―物忘れ―は、最初からずっと目立たない。)
幻視と妄想さえ口にしなければ、会った人は、認知症とは分からないかも知れない。

手だけがどうにか動く程度でいすに座ることも困難だった身体機能もなぜか突然改善し、ものにつかまって立つという信じ難いこともできるようになった。
脳と体の奇跡的改善の原因は、わからない。
だからまた突然、会話も成立せず、体も動かせない状態に戻ることも覚悟している。

奇跡を期待することは、勧めない。
けれども「認知症は、悪くなっていく一方」という「常識」は、少なくともレビー小体型認知症には当てはまらないことを私は、母から教えられた。

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桔梗(キキョウ)
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幻視

ラマチャンドランの本に、6歳で矢が刺さって片方の視力を失い、35歳で完全に失明したアメリカの漫画家の話があります。
その人は視力を失うにつれ、イマジネーションが解き放たれ、ますます面白い漫画を書いたとか。見えない世界は闇ではなく、様々な色や形のちりばめられた魔法の世界のようとのこと。
その人が失明前、眼鏡が割れた後で言った言葉。
「キューバの国旗がナショナルバンクにはためいているのが見えた。灰色のパラソルをさした灰色の老婦人がトラックの車体を通り抜け、縞のある小さな樽に入った猫が転がりながら通りを渡っていた。橋が空中にぽっかりと、風船みたいに浮かんでいるのも見えた。」

レビーの幻視に似ていると思いませんか?

ラマチャンドランは、「おそらくシャルル・ボネ・シンドロームと呼ばれる神経系の異常な状態にあったのだろう」と言っています。
「この奇妙な障害のある患者は、ふつう眼あるいは脳の視覚路のどこかに損傷があり、視力が全くないか、ある程度損なわれている。ところが、その代わり生き生きとした幻覚を見るようになる。これは世界中でごく普通に何百万人もみられるが、おかしなことに、ほとんどの医師はこの障害のことを知らない。その理由は、こうした症状のある人は気が変になったと思われるのを恐れて言いたがらないからだろう」と書かれています。

この幻視は「現実よりも真に迫っている。鮮明である」そうです。
夢に似ていますね。

人は必ずしもありのままを見ているのではなく、脳の視覚野で「取捨選択」及び「脚色」された情報を視覚として捉えているようです。ですから同じものを見ても、人によって目撃証言が異なったり、錯覚(誤認)が起こったりします。我々の見ている世界も実はいい加減なものなのですよ。

話が逸れましたが、お父様には「無いものが見えている」のではなく、「目を開けて夢を見ている(白昼夢)」のだと考えて頂いてはいかがでしょうか?「無理に起こすのは可哀想」だと。

でもお父様からすると、分かっちゃいるけど、あっちの世界に行くのを食い止めたくて必死なのかもしれませんね。

kimiさん

「ほとんどの医師はこの障害のことを知らない。その理由は、こうした症状のある人は気が変になったと思われるのを恐れて言いたがらないからだろう」と書かれています。

ここを読んで、以前、コメント欄でhokehoke医師とお話したことを思い出しました。
レビー小体型認知症患者の幻視を医師は診察からでは中々知ることができない。その理由の1つが、ここに書かれたことだろうという話でした。

父が(そしてもしかしたら意外に多くの家族が)幻視を消したいと必死で願うのは、幻視には、そうしたスティグマ(烙印)があるからなのでしょう。
単に脳の病気によって見えるというだけで、それ以上でも以下でもない、ただの現象(症状)なのですが・・。

レビー小体型認知症の幻視は、確かに興味深いです。
鮮やかで、動きもあり、しかもちょっと思い付かないようなものが見えたりしますね。
私は、母と幻視の話をするのが好きですよ。詳しくきいていくと本当に面白いです。母も喜んで話し、会話も盛り上がります。
幻視を話題にするのは、お薦めです。
(幻視によって苦しんでいないということが前提ですが)

No title

わかやにわおばあちゃんかいるしんそびょうで毎日おばあちゃんわかようもくようよどようびといつましのデイけやにわでかけているかふだんねてばかりでそとにわいかない母かふだんひとりでばあちゃんのかいこにかかりつけてははわとつせんおかしくなりひとりででいつたもうかいこどうすればいいかわからない

大津留さん

はじめまして。このブログをかいている「しば」です。

地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんせんたー)か市(区)役所(しやくしょ/くやくしょ)か保健所(ほけんじょ)に行(い)くか、電話(でんわ)をして、「こまっています!」とつたえてください。

0120-1652-44(9時からよる9時)に電話(でんわ)しても近(ちか)くの地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんせんたー)を教(おし)えてくれます。

3つのうちのどこでも、たすけてくれる人(ひと)を 紹介(しょうかい)してくれます。

その人(ひと)は、やさしく、ていねいに大津留さんのお話(はなし)をきいて、どうすればいいかを教(おし)えてくれます。

必(かなら)ず 助(たす)けてもらえます。
大丈夫(だいじょうぶ)です。
おちついてくださいね。

(念のために漢字にふりがなをふりました。不必要でしたら大変失礼しました。どうぞお許し下さい。)

No title

皆さん大津留雅子てすおはあちやんかなくなりました

大津留さん

そうでしたか。

おつらいですね。

お母さまは、だいじょうぶ でしょうか?

おばあさまの ごめいふくを こころから おいのり いたします。

雅子さんも どうぞ おからだに おきをつけて ください。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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