レビー小体型認知症とパーキンソン病の関係
パーキンソン病(或は、アルツハイマー型認知症、うつ病、統合失調症など)と診断後
「幻覚(幻視・幻聴)」「注意力や記憶力の低下」「現実ではないことを言う」等が
起こった場合は、レビー小体型認知症である可能性が、極めて高いです。→診断基準
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レビー小体型認知症
「発見チェックリスト」(医師作成2種+1種)で確認し、主治医にご相談を。
(更に詳しい情報・診断基準などは→こちらのカテゴリを」)
→「完全版:レビー小体型認知症の症状詳細 リンク集」
(全症状の解説。ネット上で最も詳しいです。)
(注:パーキンソン症状や幻視は出ない方も居ます。記憶力低下が目立たない方も)
< パーキンソン病や他の認知症とレビー小体型認知症の違い >
1.「”薬剤過敏性”は、パーキンソン病や他の認知症ではあまり見られず、レビー小体型
認知症に特有」(レビー小体型認知症の発見者・小阪憲司著「第二の認知症」P.92)
2. 河野和彦医師は、立った時の左右の足の開き方が、パーキンソン病では狭く、レビー小
体型認知症・正常圧水頭症・脳血管性認知症では広い患者が多いと説明→こちら
3. 河野和彦医師は「認知症薬アリセプトを飲んで歩きにくくなった患者は、レビー小体型
認知症」と2013年6月の講演(→内容)で話しています。
追記:レビー小体型認知症患者の中にはパーキンソン症状の出ない方、幻視の見えない方もいます。認知機能がほとんど低下しない症例もあります。(→関連サイト)
注)神経内科医の中には、レビー小体型認知症という病気自体を認めていない方あり。
2013年現在、有名大学病院に通院するパーキンソン病患者に対し、レビー小体型認知症の可能性を無視した例をレビー小体型認知症介護家族から直接伺いました。(→記事)
追記:「少なくとも病理学的にはほとんどの PDD(パーキンソン病)は、DLB(レビー小体型認知症)であることを臨床家は知るべきであ る」小阪憲司医師の論文(「老年医学Update 2006-07」P.133)から。
追記:「認知症を伴うパーキンソン病」とレビー小体型認知症の違い等、パーキンソン病と認知症の関係は、この記事のコメント欄に→こちら
<関連動画・記事>
*「レビー小体型認知症 初めの一歩 まずここから読もう!」(最重要リンク集)
*動画「パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係」齋藤正彦医師
*「レビー小体型認知症を理解するための動画」(この病気の発見者の講義)
*家族会のサイト→<レビー小体型認知症 体験談集>
*→「知識ゼロからでも良く分かるレビー小体型認知症講座」(レビーに精通する)
*カテゴリ「レビー小体型認知症について」
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(以下、2012年5月に書いたもの)
介護家族必読とご紹介した「第二の認知症 増えるレビー小体型認知症の今」(小阪憲司著)。(記事はこちら)
この中に、パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係が記されている。
私は、過去の記事で、「母がパーキンソン病と長年誤診されていた」と書いているが、それは、誤りだった。
パーキンソン病とレビー小体型認知症は、ほぼ同じ病気(「レビー小体」という物質が脳内に現われる病気)であり、パーキンソン病の診断は、誤診とはいえないというのが、小阪医師(レビー小体型認知症の発見者)の考え方だ。
以下、青字部分は、本からの抜き書き。
パーキンソン病は、もともと認知機能が損なわれない(認知症にならない)病気だと考えられていた。
しかし1800年代後半に認知障害が起こることが指摘された。
最近では、パーキンソン病の人の70~80%は、早晩、認知障害を伴うと報告されている。(P.55)
パーキンソン病は、レビー小体型認知症と兄弟のような関係にある。
両者ともレビー小体が必ず現れる同類の病気だ。
そのため、特徴的な症状は両者に共通しているものが多く、認知障害もその1つである。
ちなみに日本神経学会による「パーキンソン病治療ガイドライン」では、2011年版より新たに認知障害の記述が加えられた。(P.56)
1996年 レビー小体型認知症の国際的研究グループ(CDLB)による診断基準の発表。
「レビー小体型認知症」の命名決定。
2005年 診断基準が改訂される。
「パーキンソン病」「認知症を伴うパーキンソン病」「レビー小体型認知症」を
まとめて「レビー小体病」とよぶことが記載される。 (P.63)
レビー小体型認知症の場合、レビー小体が大脳皮質に広く出現している。
一方パーキンソン病では、レビー小体が脳幹を中心に現われる。
つまりレビー小体が主にどちらの部位にみられるかが病名や症状を決めることになる。
2つは、本質的には同類の病気・スペクトラム(連続性をもつもの)だと考えられ、両者を合わせて「レビー小体病」という。(P.101)
<パーキンソン病の主な運動症状>(P.50)(レビー小体型認知症にも共通)
1. 振戦(しんせん)。 手足が震える。
2. 筋固縮(きんこしゅく)。 筋肉がこわばる。
3. 無動・寡動(かどう)。 動きが少なく鈍くなる。
4. 姿勢反射障害。 姿勢バランスがうまく保てない。
注byしば
レビー小体型認知症では、出る症状の種類・出る順番に非常に大きな個人差がある。
パーキンソン症状や幻視がまったく出ない方も少なくない。認知機能の低下が殆ど見られない例もある。→記事(発症10年経過の若年性レビー小体型認知症Kさんの例)

↑ 著者:小坂憲司医師(レビー小体型認知症の発見者)。
全般的な知識を網羅。同著者の「レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック」も。

↑ 著者:河野和彦・名古屋フォレストクリニック院長(講談社発行)
「ドクターコウノの認知症ブログ」に書かれたことが、介護者にも分かり易く整理されている。極めて実践的、実用的。
薬の副作用と気付かずに苦しんでいる多くのレビー介護家族の強力な助けに。(→詳細)
<関連記事>
*パーキンソン病とレビー小体型認知症について書いた記事の重要リンク集
*レビー小体型認知症の疑い/診断 → 初めの一歩 まずここから読もう!
*パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係を説明したTBS「駆け込みドクター」の内容
*5種類の認知症別 本人と家族の体験談集
*とても役に立つ認知症 無料動画集
「レビー小体型認知症フォーラム2015」で当事者が使用したスライド。症状を改善したもの、悪化させたもの、本人や介護家族へのメッセージ他。リンクで講演原稿全文も。http://t.co/NTUGSjqtjr
— しば (@703shiba) 2015, 3月 14
→この講演の動画
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