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「うつ」誘発、たんぱく質特定(読売新聞)

うつ病の解明につながるたんぱく質を特定したというニュースが読売新聞に載った。
(2012年2月17日)

この記事を読んだ時、うつ病を経験した私は、恐怖と不安こそが、うつ病患者の心理ではないかと思った。
うつ病を、憂うつな気分、或は、ひどい気分の落ち込みが長く続く病気と思っている人は多い。
実際には、(私自身の経験で普遍性の有無はわからないが)正気を保っていられなくなる程の激しい恐怖感に襲われたり、巨大な不安の渦に飲み込まれ消滅してしまいそうな感覚に振り回された。

それは、脳を含めた身体全体を何か恐ろしい野獣に乗っ取られ、それが突如、暴れ狂う感覚だった。(最初の主治医は、それがうつ病の症状なのだと説明した。)
そんな時は、いても立ってもいられなくなり、全速力でヘトヘトになるまで歩き回ったりした。
病気のためにほとんど動かず、ストレスを受けると突然体が重く動けなくなったりしていた時期にでもだ。

電話も恐怖の対象となり、親しい友人からの電話にすら出られなかった。
人と目を合わせるのが恐ろしく、つばで目を隠す帽子なしには外出できなかった。
当時は、自分のハート(心臓、心)が、体外にむき出しにされているように感じた。
人がちょっとぶつかったり、引っ掻いたりすれば、ハートは、破裂し、即死する。
人の些細な言動や視線に対してそんな恐怖感を常に抱いていた。
刺激に異常に敏感になり、一言や一瞥(べつ)を致命傷のように受け止めていた。

うつ病患者の心理は、回復していく段階によって変わっていくが、恐怖は消えても不安は長い年月続いた。
かなり回復して日常生活を取り戻しても、記憶力はかなり低下し、頭も体もテキパキとは動かず、集中力も持久力もなく、ミスを繰り返す。
職場で叱責されると消えていた症状がぶり返し、悪循環が始まる。
自分自身への信頼や自信を回復することは、人が思うほど容易でない。

(*うつ病についての今までの記事は、こちら。

抑うつ症状は、レビー小体型認知症の患者に多く出る症状の1つでもある。
レビー以外でも認知症の初期にうつ病と誤診されるという話は、よく聞く。
特にレビーの場合は、薬物への過敏性という特徴から抗うつ剤で寝たきりになったりするので、よくよく気をつけなければいけない。

以下、2月17日の読売新聞の記事を全文引用。(原文はこちら。


「うつ」誘発、たんぱく質特定…新薬開発に期待

愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所(春日井市)は、体内のたんぱく質の一種に、恐怖や不安の増幅、ストレスによる活動低下など、うつ症状を誘発する働きがあることを突き止めた。

この働きを抑制する化合物をマウスに投与したところ、抗うつ薬を投与した場合と同様の効果も確認できたといい、同研究所は「うつ病の解明や新薬の開発につながる」としている。研究成果は米・学術誌「プロスワン」に掲載された。

このたんぱく質は「HDAC6(ヒストン脱アセチル化酵素6)」。同研究所はマウスを使った実験で、うつ病や自閉症と関連があるとされる脳内神経細胞に多く含有されることを発見した。さらに、HDAC6をなくしたマウスは、普通のマウスと比べ、慣れない環境に置かれても活発に行動し、不安や恐怖を感じにくくなることも分かった。


P1040704.jpg
フユシラズ(冬知らず/寒咲きカレンジュラ/冬咲きキンセンカ)だそうです。
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その通りです!

世間では「気が重い」「やる気がでない」「なんだかメロウな気分」を”うつ”と呼ぶ人が多いですが、とんでもない! 文字通り理由のない恐ろしい不安がのしかかり、押しつぶされそうな恐怖です。

そして、ほんの些細な失敗、偶然の不運も「ほらやっぱり自分のせいだ」と感じる。「自分の事を皆が困っている=迷惑をかけないようにするには自分を消すしかない」・・正常に考えると全くバカげた思考に捕われます。彼らは「この状態から逃げたい」「苦痛を終わりにしたい」と苦しんでいます。

また、最近同級生と話す機会が多くあり、世間の人は躁鬱病(双極性障害)をもの凄く誤解しているというのも知りました。反社会的な事を平気でする、人を傷つけて何とも思わない、危険な人間・・どちらかというと人格障害や統合失調症のような病気だと思っている人が多いです。残念ですね。私の知る双極性障害(bipoler disorder)の人は皆、魅力的でナイーブで大胆、素敵な人ばかりです。世界一幸福な人と、世界一不幸な人が交互に現れますが、どちらも相手を気遣い、その為に何かしたいという気持ちがあります。行動の方向性は逆ですが・・

ところで、その花は通称「冬知らず」正式名は「寒咲きカレンジュラ」。カレンジュラは日本語ではキンセンカ(金扇花)です。

kimiさん  

私が読んだ色々な本には、そんな症状は書かれていませんでしたし、うつ病経験者多数と症状について語り合った経験もないので、他の方はどうなのかなと思っていました。

コメントに書かれているように自責もうつ病患者を苦しめるものの1つですね。
自分の中にもう1人居て、失敗をどこまででも責め立て、ののしり、「お前のような無能な人間はこの世にいる価値はない」と絶え間なく耳元で言い続けられているような感じでした。

「この世にいる価値なんて考えたこともない」と友人が言いましたが、健康になった今は、確かにそんなことは全く考えず、失敗も「あれま~」と笑って、じきにケロリと忘れることができます。
そういう思考に捕われるのは、異常になった脳の不思議ですね。

私は、躁鬱病の友人もなく人格障害や統合失調症の方ともお話をした経験がないのですが、認知症や知的障害者と同様にひどい誤解や偏見の目で見られているということに何とも言えないやり切れなさを覚えます。

うつと認知症

「レビーをうつと誤診する」という話を聞くと、「おたんこナース」という漫画を思い出します。

元気でパワフルな新人看護師が、入院している「パーキンソン病」患者を、「うつ」と早とちりします。「無表情」「動きが止まる」「楽しい事はない」「夜眠れない」「心配事がある」で、何か思い詰めて大変な事をしでかさないかと・・
そこで先輩看護師の一言、「食欲減少は?」

自分のうつと母のレビー(最初うつと言い張った)と比べても、言動ではなく「食べられなくなる」という肝心の症状が異なっていました。
いくら「うつだ」「生きていたくない」と連呼しても、食べられていたら真性うつではないでしょう。うつの人は、目の前に大好物があっても体が受け付けません。食べても砂を噛むように味がしないし、嚥下困難のように飲み込むのが苦しい。
医者には、どうしてそれが分からないのか不思議でした。きっと、本物のうつになった事がないのですね。

同じ漫画に「痛いのは肝臓だ。内科に回せ!」と言い張る不良患者の話がありました。救急隊員は「肝臓は痛まないんだけど・・」と困り果てます。(沈黙の臓器ですよね!?)
本人が「うつだ」と言うと、医者もそれを否定できないのでしょうか。

「老人性うつ」が「抑うつ感や不安感が少なく、意欲減少」と説明されますが、それは単なる認知症の症状ではないかと思います。
うつ経験者としては、あの凄まじいうつと同じとは考えにくいですよね?

うつ病の症状

認知症の症状と同じで、うつ病の症状も一人ひとり違うようです。
食べられなくなる、眠れなくなるのが一般的ですが、中には食欲が増してかなり太る人や昼夜眠り続ける人もいるようです。(眠っていても睡眠の質は悪いそうです。)

自責(自分を責める)という症状すらなく「ひたすら人を責める」タイプ、会社や学校には行けなくても遊びに行く時は元気になるタイプもあるそうで、そうなってくるとうつ病の定義は、とても難しくなるという印象がありますね。誤解を防ぐために別の病名を作って欲しいとも思います。
(そういうタイプのうつ病には、抗うつ剤があまり効かず、治療も異なり、休養よりも通勤・通学を含めた規則正しい生活をすることの方が大切なのだそうです。)

No title

私はとにかく、自分を責めまくりました。でも、食欲はもりもりありました。
そして、しばさんが書いていたように、とにかく動きまくってました。今思えばなんであんなに動けたんだろうってくらいです。ゆっくり深呼吸なんてできなかった。


認知症にしても、うつにしても、生きている環境、住んでる環境、食べているもの…。みんな違うのだから、病気の症状も違って当たり前なんだと最近思います。

訪問マッサージの先生と話していて、脳梗塞の麻痺の出方も十人十色、認知症で体が固まっている人も、母のように足が伸びてしまっている人もいれば、ひざを抱えて曲がったままの人もいるそうです。
本当に人それぞれなんだなあと思いました。

みやさん

自分で自分の感情も思考も体もコントロールできないというのが、うつ病の恐ろしいところだと思います。
とてもじっとしていられないから止むに止まれず歩いた訳ですが、今、振り返ればヘトヘトになるまで歩くと発作のような衝動も治まって気持ちが落ちついたんですよね。(気持ちを落ち着けようと考えて歩いた訳ではないのに)
「運動が脳に効く、うつ病に効く」というのは、確かにそうだと、当時を振り返って改めて思いました。

認知症の症状は個人差が大きいというテーマは、近々記事に書く予定でいます。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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