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胃ろうのメリット ある医師のコメントから(後編)

胃ろうについての記事(日経新聞の記事紹介)について、ある医師から貴重なコメントを頂きました。
胃ろうを「生活の質」の向上のために活用されていらっしゃる医師の視点から胃ろうの利点や効果的な使い方などが書かれています。
医療関係者ではない私も胃ろうの利点が、理解できるようになってきました。
しかしその利点を活かすためには、医療・看護・介護のスタッフや介護家族らのより深い理解と意識改革が必要と思われます。

以下、その医師のコメントです。
*これは、ご厚意によって寄せられた一医師の個人的な見解であり、各医師が夫々違った見解をお持ちだと思います。胃ろうに関しては、主治医と納得いくまで話し合って下さい。
*補足を加えたり、読み易いように若干書き直した部分があり、原文通りではありません。
*このブログの胃ろう・嚥下障害に関する今までの記事は、こちら。

***********************************

口から食べ物を味わって食べるという行為は、人が生きていくうえで絶対必要なことだと私(医師)は、考えています。
(胃ろうではなく、経鼻チューブの場合は、チューブが嚥下―飲み込み―の妨げになり、窒息のリスクも高くなるため、経口摂取は、基本的にさせません。)

口から十分に食べられれば、胃ろうは不要となりますが、在宅の場合は、とりあえず胃ろうを残したほうが良いと思います。
肺炎で高熱が出た時や、水分でむせるなど口からの摂取だけでは不十分な場合が一時的に起こっても容易に対処できるからです。
胃ろうチューブの交換時(半年毎)に、交換か、チューブを抜くか検討すれば良いと考えています。
胃ろうの再挿入は難しいことではないので、当分不要な状態が続くと考えられればその時点で抜去します。

また在宅の場合、半固形食をお勧めします。
より短時間で注入できる、胃腸の環境をより自然なものにできる、逆流による誤嚥性肺炎を防ぐ、流動食による下痢を防ぐなどのメリットがあります。
市販されているもの(OSゼリー等)を直接注入する方法、とろみ剤(固形化する補助食品)を先に胃ろうで注入した直後に流動食を注入する方法とがあるようです。
市販されているものを注入するには、かなりの力が要ることがデメリットになりますが、在宅で家族が行うには、メリットの方が大きいようです。

<「早めが良いのなら、胃ろうにするタイミングはいつ?」という質問に対して>  
 
ST(言語療法士。嚥下機能訓練も担当)が居れば、嚥下機能と誤嚥のリスクを評価してもらって決めるのが理想ですが、ケースバイケースだと思います。
基本的には、一時的にせよ嚥下障害のため食事摂取が十分出来なくなった時点だと思います。
その時点での全体的な運動機能や精神活動のレベルなども問題になると思います。

「むせ」が見られなくても嚥下障害を起こしている場合は、多くあります。
(誤嚥により炎症を起こしても症状が出ないまま治るということも少なくありません。)
しかし(むせない)嚥下障害による苦痛からも摂食や飲水を拒否することがあります。
パーキンソン症状が急に進行した方レビー小体型認知症の方には、よく見られます。

誤嚥性肺炎を起こす前に、胃ろうを作成した方が良いと思いますが、本人や家族の心理的な抵抗が強く、導入は難しいでしょう。
嚥下機能訓練で十分対応できる場合もあるようです。
しかし誤嚥性肺炎を繰り返すようになると、手おくれの感が否めません。

また、胃ろうを造設すると、在宅介護・療養型医療機関(老人病院)・老人保健施設(老健)への長期入院・入所しか選択肢がありません。
特別養護老人ホーム(特養)もごく一部で受け入れていますが、人数制限のある施設が多いようです。

高齢者の場合、寝たきりになり嚥下障害から胃ろうを造設している方の多くは、レビーではないかと思います。(注:1番下をお読み下さい。)
昔と違い、廃用性拘縮で寝たきりになることは、現在では減ってきていると思います。
1日に何回か車いすに座らせるだけでもかなりの拘縮予防が図られます。

昔よりも患者数が増えている印象が強いレビーの場合は、体幹~下肢の固縮のため寝たきりになり易く、嚥下障害を伴う事が多いです。
摂食訓練を続けていても嚥下機能の低下は避けられず、導入時期の設定は、非常に難しくなっています。

以上は私の個人的な考え方ですが、このように考えている医療関係者はそれほど多くはないと思います。
胃ろうを作ったら「口から食べるなんてとんでもないことだ」と考えている医師が少なくないと思います。


注byしば:パーキンソン病、アルツハイマー型認知症等と診断されている患者の中にレビー小体型認知症、或は併発している患者が、相当数いるということです。
これに関しては、また記事を書きますが、1つの根拠を知りたい方は、こちらの論文(久山町認知症研究)をお読み下さい。

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蝋梅(ロウバイ)
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プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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