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胃ろうのメリット ある医師のコメントから(前編)

胃ろうについての記事(日経新聞の記事紹介)について、ある医師から貴重なコメントを頂きました。
胃ろうを「生活の質」の向上のために活用されていらっしゃる医師の視点から胃ろうの利点や効果的な使い方などが書かれています。
医療関係者ではない私も胃ろうの利点が、理解できるようになってきました。
しかしその利点を活かすためには、医療・看護・介護のスタッフや介護家族らのより深い理解と意識改革が必要と思われます。

以下、その医師のコメントです。
*これは、ご厚意によって寄せられた一医師の個人的な見解であり、各医師が夫々違った見解をお持ちだと思います。胃ろうに関しては、主治医と納得いくまで話し合って下さい。
*補足を加えたり、読み易いように若干書き直した部分があり、原文通りではありません。
*このブログの胃ろう・嚥下障害に関する今までの記事は、こちら。

********************************

レビー小体型認知症の方の場合は、嚥下(えんげ)障害を起こす方が多く、誤嚥性肺炎も起こりやすくなります。
たまたま食物を多く誤嚥した場合などは、肺炎になりやすいですが、免疫力があれば肺炎を再発することは少ないです。
誤嚥性肺炎を繰り返すようになる時は、免疫力の低下(体力の低下)が大きな原因ですので、胃ろうを作っても予後(後の病状)が変わらないと言われています。

レビーで誤嚥性肺炎になった方は、腹筋の固縮(パーキンソン症状による緊張の亢進)などにより、胃ろうで胃内に流動食を入れても、それが逆流して誤嚥を起こし、むせたり、啖が増えたりすることがよくあります。
胃ろうによる流動食の注入を一旦止める(点滴や注射による栄養補給にする)と、呼吸器感染による症状(発熱や喀痰の増加など)が改善してきます。

レビーの場合、パーキンソン症状を含め症状が不安定になりますので、経口摂取(口から栄養や水分を取る)が一時的に安全に出来なくなることは、よく起こりえます。
食事の時に嚥下(のみ込み)が良くなくても、胃ろうがあれば、一時的に胃ろうからの流動食を増やすとか、発熱時に胃ろうから水分補給を行うなど、メリットは多いと考えています。
こうした場合、胃ろうがあることで、無用な入院が不要になると思います。

この場合、胃ろうは、経口摂取を安全に行うための補助手段と考えるべきでしょう。
誤嚥性肺炎を防ぐには、口から食事をしてもらうことで嚥下機能の低下を防ぎ、改善させることが重要です。
嚥下機能(のみ込む力)が衰えないように、経口摂取も続けながら、量が足りない分を胃ろうで補うことが理想的です。
そういう意味で、私は、胃ろうを作るなら早期に作った方が良いと思います。

しかし看護スタッフには、むせると窒息や肺炎を恐れたり、「胃ろうにした患者は、経口摂取なんてとんでもない」と頭から思っている医療関係者も少なくありません。
「むせる」ということは、誤嚥したものや痰を自力で外に出すことが出来るということです。
「むせる方」は、多少誤嚥をしても窒息事故を起こさないように気をつければ、「誤嚥してもあまりむせない方」より危険は少ないと私は考えています。
胃ろうから流動食を注入する前提に立てば、無理に食べさせなくとも良いので、リスクは少なくなります。
しかし胃ろうにしていても唾液の誤嚥により誤嚥性肺炎は起こります。
(後編に続く)


00.jpg
胃ろう。NPO法人「PEGドクターズネットワーク」のサイトの中の「胃ろう入門」より。
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No title

<「むせる方」は、多少誤嚥をしても窒息事故を起こさないように気をつければ、「誤嚥してもあまりむせない方」より危険は少ない

私も同意見です。

ところで始終むせる義母、最近自分のやってる事を忘れます。食事中動きが止まってぼぅ~っとしてたり、空の匙を何度も口に運んだり・・口に入っていてもそれを飲み込む事を忘れて次を入れようとしたり・・
2年前ですが「多少の誤嚥」どころか、肺一杯にお茶を吸い込んだりもしました。その時はいくらむせても出て来ず、息をする度ゴボゴボという音が胸から聞こえて、みるみる顔が紫色になりました。人間はコップ1杯の水で溺死する可能性があるということを学びましたが、彼女はいつまで経口摂取を続けられるか?

今は初期離乳食並みの流動食で、最近はモンブランのクリームも飲み込めなくなりました。認知が悪いとはいえ、まだまだ周囲の事が分かり質問に的確に返事もできますが、嚥下の状態は重症です。下半身の感覚が全くなく、同じ姿勢で寝ていても背中の痛みすら感じないみたいですので、中枢由来の麻痺が喉にも出ているのでしょう。
胃ろうの問題は現実に差し迫っています。

一度胃ろうにしたら途中から自然死を選べないとのこと。将来ゾンビの状態で生きさせるのもですが、今の状態で食べられなくなり弱らせるのも耐えられません。再び口から食べられる希望がないとき、本当に重い判断を迫られますね。我々もまだ答えは出ません。

ところで、一つ不思議な事があります。
この数ヶ月、義母は甘いプリンを食べると酸っぱい顔をします。痛いでも、苦いでも、渋いでも、しょっぱいでもなく・・でも「おいしい」と言います。
「どうして酸っぱい顔をするの?」と尋ねても笑ってばかり・・今だに謎で、理解に苦しんでいます。

No title

kimiさんのコメントのなかの
「胃ろうにしたら途中から自然死を選べない」のことばに
また考えさせられました。
父のときは、レビーだったけれど、どうしたいかという意志も
確認できたし、日々の生活の中で、父自身も
「生きたい、生きよう」という姿勢が見えていました。
悩んだけど、「まだ父は生きている」、そして
「父と一緒にまだいたい」と強く思ったので、
胃ろうを選択しました。
その後もいろいろ大変なこともあったけど、父と
過ごせたことはやっぱり良かった。

母は自然死を選択。
救急車も呼ばない、延命もしない、点滴もしない。
癌があったことも理由にはあるけれど、会話もして
母の苦しみをみながらもそれ以上はしないという
選択も私にはきついこともありました。
胃ろうにしたいなあと思った瞬間もあったけど、
それは母の苦しみを長くさせることだったし。。

ただじっと見守ることのほうが、ずっと大変だった
けれど、
チューブにつながれることもなく、最期の治療もなく、
余分な水分などもなく、母はとてもきれいなからだで
眠るように逝きました。
食事がだんだんできなくなり、水を飲むことも
何か口にすることも母の意志に任せて
いたけれど、それが人間の自然な姿なのだと
教えられました。

胃ろうの選択は、本人の死生観、家族の死生観に
関わっているはず。判断できないときにこんどは
他人である主治医、医療従事者の死生観が
入り込んできます。そして、理性的に判断すると、
その時の本人の身体状況をしっかり確認すること。
内臓、四肢、いろんなものを医師としっかり
検討することが大事と考えてます。
あとはタイミングがあって、それがうまくいかない
ことも多いのです。
だから感情ではなく、やっぱり生物学的に判断
することを忘れないことかも。


長くなっちゃうのでここでおわりにしておきますが、
家族の気持ちとして、レビー家族のkyokonurseさんの
ブログ記事がとてもしっくりきます。
自然な思いがあります。

http://kyokamata.at.webry.info/201112/article_1.html



No title

ygraciaさん、貴重な体験を披露してくださり、ありがとうございます。
大変励まされました。

「身体状況を確認。医師と検討。理性的に判断」
そうですね!
今後、苦しみが続くのか、幸せが延びるのか、本人の生きる意志と、それに寄り添う家族の気持ちが重要ですね。
状況はいろいろですし、今から訳も分からず恐れても不毛ですね。いざという時はこれを思い出せるように、冷静に対処する心構えだけでも持っておこうと思いました。

kimiさん  ygraciaさん

お二人とも、貴重なコメントを本当にありがとうございました。
この問題は、本当に多くのことを深く考えさせられます。
多分、正解なんてないのでしょう。
そう、死生観の問題になりますから。

私は、以前、特養で、胃ろうによってただ生かされ続ける人達を見て、自分や家族なら嫌だと思いました。
けれどもhokehoke先生がおっしゃるように胃ろうが生活の質を上げるのであれば、そうしてあげたいとも思わずにはいられません。
でも実際には、胃ろうにした後、口から食べるリハビリを私の母が受けることは、現在の状況では不可能だと思います。

「胃ろうを途中で止める」ということは、現在は不可能ですが、それができるように話し合いが進んでいます。新聞記事にあった通りです。

ygraciaさんの引き裂かれるような想いもよくわかります。
「きれいなからだで眠るように逝かれた」という意味もわかります。
数え切れない程の管につながれて生かされた人が、目をそむけたくなる程、むくんで容姿が変わってしまうのも米国のがんセンターで見ました。

本当に色々なこと、色々な感情が頭を駆け巡り、決して答えなど出ないのが、終末期の胃ろうの問題ですね。
だからこそygraciaさんが書かれたように感情ではなく生物学的な判断というものが、どうしても必要になるのだと思います。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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