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レビー小体型認知症の症状と誤診の多さ(2)医師に幻視を訴えない

(1)からの続き。

幻視(幻覚)は、レビー小体型認知症の特徴的な症状ですが、ある認知症専門医から「私自身、幻視を確認できている方は、レビーと考えている方の1割もいません」 というコメントを頂きました。(記事へのコメントはこちら)
一瞬目を疑いましたが、色々思い出し、誤診の大きな原因の1つがわかりました。
レビー小体型認知症の患者は、医師との問診で幻視を訴えない(否定する)のです。


少し長くなりますが、母が幻視をどう受け止めていたのかを書きます。
(これは母の例で、これが多くの人に当てはまる例かどうかはわかりません。)

母は、急激に悪化する前(’10年3月に要支援2から要介護4へ変化)、幻視を幻視と理解していました。

母が見えるという人を私や妹は幻視だと説明し、そこ(駐車場や隣の家)まで行って居ないことを一緒に確認したりしました。(父は「バカなことを言うな!」と毎日怒鳴るだけでした。)
母「変だねぇ。どうして私だけそんなものが見えるんだろう?」
私「そういう病気なの。気にしなくていいよ。悪さはしないから。見えるだけだから」
母「いやらしい病気だねぇ。嫌だなぁ。私、なんでそんな病気になっちゃったんだろう」

ある時、幻視は、どういう風に見えるのか尋ねたことがあります。
「本物と全く同じように見える。ぼやけてもいないし、色も鮮やかで幻とは思えない。
人は、歩いたり、子供は遊んでいるけど、そういえばしゃべらない気がする。
親子のネコは、おっぱいを飲んだり、じゃれあったり、眠ったり、もの凄く可愛い。
どれが幻視で、どれが本物かの区別なんて、つきようがない。訊かれてもわからない。
触ろうとして急に消えたりすると、初めて、”あれ?幻視だったのかな?”と思う」

変な人と思われないように、幻視が見えることを人に隠そうともしていました。
母が、趣味のサークルの集まりに出た時(’10年1月。自分で車を運転して外出)、ピエロの格好をした男性と軍服を着た男性が見えたそうです。(母はそういう不思議な人の幻視をよく見ます。)
「(幻視を示して)あら、何、あの変な人?」と笑って知人に言うと、「どの人?」と怪訝な顔をされたそうです。
「”まずい!幻の方だった”と思って、何とかごまかした」と言っていました。

圧迫骨折で入院中(’10年春)に診察に来た医師の問診でも幻視をきっぱり否定しました。
「何か変なものは見えたりしませんか?このカーテンが、人に見えたりはしませんか?」
「いいえ。見えません」

後で私から「実際には、四六時中様々な幻視が見えている。カーテンは常に人に見える」と伝えました。
私は、偶然居合わせたのですが、居なければ「幻視なし。レビーではない」と思われていたはずです。

幻視を本物だと思っていれば、わざわざ医師に報告はしないでしょう。
幻視だと自覚していれば、変な人と思われたくないので隠すということは理解できます。
進行して質問の意味がよくわからなくなれば、意味がわからないまま適当な答えで取り繕ったり、返事ができなかったりして、やはり正確な情報が伝わらなくなります。

医師が、患者の幻視を知ることが、思いのほか難しいということが、初めてわかりました。
誤診があまりにも多い原因の1つは、そこにありました。

家族の注意深い観察(独り言は、幻視との会話の可能性があります。)と医師への報告は、必須です。
レム睡眠行動障害(睡眠中の大声や動き。ごく初期から出やすい症状)も家族が見つけて報告しない限り、医師にはわかりません。
「歳をとるとブツブツ独り言う。寝ぼけている」と見過ごさないことです。

P1020278.jpg

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No title

医者(特に精神科医)は客観的に病気を診る為に、患者と精神的に距離を置きますよね。それが家庭での言動や家族との関わりという認知症診断には大切なカテゴリーについて見過ごし、理解の妨げになるのかも?

母の最初の主治医は、母の同居人をずっと“長年連れ添った本物の夫”と思い込んでたくらいですから。「親族に紹介もせず、突然一緒に暮らし始めた素性の知れない人です」と言ったら、すごく驚き「面倒は困る。さっさと手を引きたい」という感情が顔にほとばしり出ました。

医者は二言目には「年齢のせい」と受け流すし、もっとすごい幻覚(UFOにさらわれた。頭を乗っ取られた。毒を仕込まれた。組織に監視されてる。etc)をいつも聞かされてる精神科医は「大げさに騒ぐな~。実害がなければいいじゃないか」くらいに軽く考えるのかも?

この記事を読んで思ったのですが、医者に信じてもらえなかったら、主張補強のため家庭での言動を撮影して、証拠として(本人のいない場所で)医者に見せることも必要かも?TVの映像で患者が見せる幻視との会話とかは、きっと診察室では発現しないでしょうから・・

kimiさん

色々考えさせられることがあり、簡単に返信を書けませんでした。
またこのことに付いては、記事に書きたいと思います。

撮影して見せるというのは、とても有効な手段だと思います。
これは是非するべきですね。
今は、スマートフォンで簡単に撮影もできますし、カメラの形をしていないので撮られる本人がカメラと意識しないですし・・。

できれば様々な症状の動画が、沢山YouTube等に投稿され、医師でも患者家族でもが、見て確認できるようになるといいなぁと思っています。
「せん妄」と言っても普通の人にはわかりませんし、母の主治医(過去の一人)もせん妄をよくわかっていませんでした。
動画を見れば「あっ。お父さんと同じだ!」という風に気が付くこともあると思います。

No title

DLBでは多彩な精神症状がみられますが、特に幻視は80%の方に現れるといいます。
1. 人物の幻視 
2. 実体意識性(視野の外に、人の「気配」を感じる)
3. 動物・虫の幻視 
4. 物体の幻視(壁が燃えている。廊下に水溜まりがある)・・の順に多いようです。
誤認も多いようで順としては、
1. 物体の誤認(洋服が人に見える。ポットが子供に見える) 
2. 人物の誤認 3. 場所の誤認 4. 幻の同居人・・・など

診察中に幻視が現れることは、ほとんどないと言いますので介護者からの聴取が重要になるのでしょうね。医師は常に具体的な幻視の例を挙げながら質問をしないと幻視の有無を引き出せないといいます。検出力を上げるために構造化質問票(NPI)もあるようです。
認知症専門医は認知症学会と老年精神医学会を合わせても千数百人しかいないようですから、ほとんどの方は認知症に深く理解のない医師の診断となり、早期であればDLBに限らず誤診はよくあります。妻が通う病院の若年認知症の患者は、大部分セカンド・サードオピニオンの方です。
やはりDLBの抗精神病薬に対する過敏性は誤診で間違えて処方されると取り返しのつかないことになりますのでDLBの誤診は問題ですね。
  (データはCognition and Dementiaから引用)
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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