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レビー小体型認知症の症状と誤診の多さ(1)

数ヶ月前、ある介護職員がツイッターに書いていました。
「今まで500人以上を介護してきたが、レビー小体型認知症と診断された人は、1人もいなかった。それは、この地域にレビーを診断できる病院がないということか?」

それを読んだとき、叫びたくなりました。
大都市は違うと思いたいですが、私の郷里(小さくはない地方都市)でもそれが変わらぬ現実です。

母が、規模の大きい特別養護老人ホーム(特養)に入所したとき(2011年)、
「レビー小体型認知症の方は、1人しかいない。珍しい病気なのでよくわからない」
ということを職員から言われました。

レビー小体型認知症は、認知症患者の2割を占め、アルツハイマー(5割)に次いで多い病気と言われています。(レビー小体型認知症の発見者・小阪憲司医師による。)
パーキンソン病、アルツハイマー病、うつ病(統合失調症と診断されることもあったそうです。)等と診断され、過った投薬で劇的に悪化していく患者が、全国に何人いるかと思うと、胃が引き千切られるような思いです。

詳しい症状は、専門のサイト(レビー小体型認知症ライブラリ)を見て頂ければ良いと思っていましたが、家族がすぐにレビーと気が付くように、ここにも症状を書いておきます。

幻視(幻覚)は、最も特徴的な症状です。
「それは、パーキンソン病薬の副作用です。止めれば動けなくなります」と言う医師がいますが、それを鵜呑みにしてはいけません。
母も神経内科の医師にそう言われ、症状が揃っていたのにレビー小体型認知症と診断されませんでした。
誤診が、あまりにも多いのが、この病気です。


 *** レビー小体型認知症の症状 ***

<幻視(幻覚)>  
実際にはいない人、遊ぶ子供、動物、虫、風景等が、現実と同じように見える。
自分にしか見えない幻視であることを理解していて人に(医師にも)隠す場合がある。
幻視を現実と思い(妄想)、お菓子を出す、退治するなどの行動に移す場合がある。
見間違い(ハンガーに掛けた服が人に見える等)や物が歪んで見えることもある。
医師の本人への問診では、幻視を確認できないことも多い。家族の観察と報告が大切。

<パーキンソン症状>(初期には出ない人や最期まで出ない人もいる) 
歩幅が小さくなり、すり足、すくみ足、バランスの悪さ(よく転倒)が見られる。
膝と腰を曲げたままヨタヨタと不安定に歩く。座っていても体が傾いていく。
動作が遅く少なく、表情が乏しく、筋肉や関節が固くこわばる。

<認知の変動>
時間や日により頭の回転が正常に見える時と停止したような時があり、差が激しい。

<抑うつ症状>
初期では、7割の人に憂うつな気分や自己に対する否定的な言葉が出る。

<薬物への過敏性>
薬(医師から処方されたものでも。)による激しい副作用が出やすい。
(アリセプトで興奮したり、リスパダールで歩けなくなったり、抗うつ剤で寝たきりになったりする。種類や量に注意が必要。アリセプトは、1mgなど少量なら良い効果がある人が多い)

<レム睡眠行動障害> 
睡眠中にうなされる、大声を出す、しゃべり続ける、起き上がって激しく動く、等。
最初に出る症状であることが多い。

<自律神経症状> 
起立性低血圧(立ち上がって失神する等)、便秘、尿失禁など多様な症状が出る。

<記憶障害>
物忘れは、初期にはほとんど目立たないタイプと初期から強く出るタイプがある。
(多くの患者にアルツハイマー型の記憶障害が出る。物忘れがない患者は、少数。)
病識(自分のミスを覚えていて、自分は変だと自覚している。)は、ある場合が多い。

(出典:小阪憲司著「レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック」より。
分かりやすいように若干表現を変えたり、私が書き加えた部分があります。
症状は、個人差が大変大きく、一人ひとり異なります。
私は、医療関係者ではありませんが、記事は正確であるよう裏付けを取っています。)

(2)に続く。
<関連記事>
*「症状集(完全版)非常に詳しいです。
*「「どうやってレビー小体型認知症と知るか」(更に詳しい症状)

P1040663.jpg
珍しいタイプの山茶花(サザンカ)?
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No title

私は、現在認知症治療病棟で入院患者中心に診療を行っています。
介護療養型病棟でも仕事をしていました。
どちらも、入院患者の大部分(認知症病棟では8割以上・介護療養型でも少なくとも半数以上)は、レビーだと私は診断しました。
特有の幻視を確認できる方は少ないです。
パーキンソニズムの急速な進行(3か月程度で寝たきりに成ります)を認める方が多いです。介護療養型は、レビーの方で歩ける方はいません(要介護4~5の方が中心ですので当たり前ですが)。

この様な状況でも、入院前にレビーと診断されているのは、稀です。新規の入院患者に限っても、レビーと診断されて紹介されてくるのは、5~10%程度です。

レビーについては、多くの医師はほとんど知識がない状態です。

hokehoke先生

認知症専門医の立場からの貴重なコメント、本当にありがとうございました。

質問が1つあります。
「特有の幻視を確認できる方は少ない」と書かれていますが、幻視という症状が出る方が、多くはいらっしゃらないという意味でしょうか?
それとも「人、子供、動物、虫、風景」以外のものが見える方が多いという意味でしょうか?
私は、勉強不足で、ほとんどのレビー患者にそうした幻視が見えるのだと思い込んでいました。それは間違いだということですね?

No title

レビーの方は、判断力は比較的しっかりしている方が多いようです。
このため、幻視が自分にしか見えない事を理解している方が少なくないようです。
このため幻視に関することは、あまり人に話さなくなるということが考えられます。
実際レビー小体型認知症家族の会で、自分がレビーである事をお話になった方が、「幻であることは判っているが、頻繁に見えるのでうっとおしい」と言っておられたようです。
家族に確認すると、「何気ない独り言で可笑しなこと(幻視についてと思われる)を、口にしていた」と言う家族も少なくありません。
小さな声で独り言を言っている方の中に、幻視に基づいた独り言では?と思われる方もいます。
一人のときに、誰かと話をしていたり言い合っているような独り言?を耳にする方もいるようです。このような場合、話しかけると否定する方が多いようです。
進行すると、問いかけが相手に理解できなくなり、幻視の確認が難しくなる場合もあり、私自身幻視を確認できている方は、レビーと考えている方の1割もいません。

幻視が高率で確認できれば、レビーを見逃す事は少ないと考えられます。もっと早くレビーの情報は医師の間で広まっていたでしょう。
それより圧倒的に多いのがパーキンソニズムですが、パーキンソニズムの専門医(神経内科医)の中にはいまだにレビーを独立した疾患と認めていない医師もいるようです。ですからレビーのパーキンソニズムを、パーキンソン病や脊髄小脳変性症などとして抱え込んでいる神経内科医も多いようです。このことがレビーの認知に大きな障害になっていることは間違いないです。


レビーについての詳しい情報は、ネット上を含め2005年の河野先生の認知症大抗議が初めてでしょう。
それまでレビーについての情報は、「特有の幻視がある認知症」しか情報がありませんでした。
私がエーザイの主催した認知症在宅フォーラム?と題した勉強会で、小坂先生がレビーについて話していたのを聞いて、初めてレビーとパーキンソニズムの関連を聞いて、私が対応に苦慮していた方々のほとんどがレビーだと考えるようになりました。この中で幻視が有ったことを覚えている方は、1名だけでした。(もっとも入院する患者のみで、数年間で70名前後しか見ていませんが・・・)。
この小坂先生の講演でレビーとパーキンソニズムの関連はお話しされていましたが、エーザイ主催と言うことでそれ以上の説明はありませんでした。この勉強会が2007年の秋だったと思います。
その後、ネット上でレビーの情報を探しましたが、2008年の初めに河野先生のブログを見つけるまで、有益な情報はまったくありませんでした。
レビーについての詳しい情報が医師の間に広がり始めたのは、ここ2~3年のことだと思います。それでもまだ限られていますが・・・。
2008年当時は、レビーについてもしっかり診断できる認知症専門医は全国に100人もいないと言われていましたが、最近でも1000人には届いていないかも知れません。

レビーの診断基準を良く見ると
認知症+パーキンソニズムでレビーの疑いになります。この様な方をレビーでは無いと確定させるためには、MIBG心筋シンチをするしかありません。臨床的にはレビーとして対応すべきと言えるでしょう。
パーキンソニズムを合併した認知症の方に、REM睡眠障害や原因不明の意識消失発作や繰り返すせん妄などを認めれば、臨床的にはレビー小体型認知症と確定させて良いとなっています。
レビーのパーキンソニズムをしっかり評価できない神経内科医に一番の問題があると言わざるを得ません。


hokehoke先生

丁寧なご説明、ありがとうございました。

読んで色々思い出しました。
母は、急激に悪化する前、幻視を幻視と理解していました。
しかし現実と全く同じように見えるので「どれが幻で、どれが本物か区別がつかない。急に消えると、あれ、幻だったのかなと思う」と言っていました。
母が、ある集まりに出た時に「(幻視をさして)あら、何、あの変な人?」と知人に言ったら「どの人?」と怪訝な顔をされたので「まずい。幻の方だったと思って、何とかごまかした」とも言っていました。

圧迫骨折で入院中に診察に来た医師にも「何か変なものは見えませんか?」ときかれ「何も見えません」と答えました。後で私から「実際には四六時中幻視が見えています」と伝えました。
偶然私がその場に居たので伝えられましたが、居なければ「幻視なし」とカルテに書かれていたでしょう。

本物だと思っていれば、わざわざ医師に報告はしないでしょうし、幻視だと自覚していれば、頭の変な人と思われたくないという気持ちから隠すということも理解できます。
「レビー=幻視」と思っていれば、医師には、誰もレビーには見えないのでしょうね。初めてわかりました。

私が、母のレビーの症状を訴えても頑にパーキンソン病だと言い張っていたのもベテランの神経内科医でした。
「解剖しなければわからない。わかったところで治療法はない」と言われたのは、2010年の春です。
あんな絶望を2度と誰にも味わって欲しくないと私は思っています。



No title

うちの母も最後まで幻視を頑に否定しました。

母は統合失調症の患者を身近で何十人も観察してきたので、幻覚を見るという自分の"状態"をもの凄く恐れていたので、必死にごまかしました。多分、レビーに罹患した精神科医も同じような行動をとると思いますよ。

「鞄の中に鳥がいる」「大木が揺れながら迫って来て怖い」等と漏らす事はありました。が、それを医師に伝えようとすると「そんな事を言った事はない!」と怒りだしていました。

「いるはずのないものが見える」という事を普通に自然に受け止められるのは、とても純朴な人か、superstitiousな人でしょうね。

幻視の存在は、周りの人間が医師に報告する義務があると思います。
母の同居人はそれをしなかったので、「レビーを診断できる」はずの認定医まで1年半もパーキンソンと誤診していました。


kimiさん

kimiさんのお母様もやはりそうでしたか。
本当に家族の報告だけが頼りということですよね。

母の場合は、しっかりしていた頃には、『こんなものがここに居るはずはないから幻視なのだろう』という判断ができたり、そのまま(幻視か現実かよくわからないけれど)居るものとして受け止めていたりしました。

徐々に幻視を現実と考えて、それに対応する(幻視の子供に食事を出す等)ことが増えていきました。
会話もでき、記憶力も思考力もちゃんと残っているように見えるのに、300km離れた私が、毎日実家を訪ねていると信じ、それを不思議に思わなくなり、いくら幻視だと説明しても理解しないようになってきました。

「家の中で子供が10人遊んでいる。夕食は何を作ってやればいいかわからない」と電話で訴え、幻視だと言っても受け入れませんでした。
「じゃあ、その子達は、どこから来たの?どうして居るの?変だと思わない?」と説得しようとしても「そんなこと知らない。居るものは居るんだもん。お腹空いたら可哀想でしょ」と言い張っていました。

今、思えば、母も幻視に振り回されて混乱し、家族もそれ以上に振り回されて混乱し、父は怒り狂い、何をどうすればいいのかまったくわからず苦しんだ時期でした。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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