認知症の人が求めているもの

長谷川式簡易知能評価スケールを開発した長谷川和夫氏(認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授)の「認知症ケアの心 ぬくもりの絆を創る」を読んだ。

その中に「認知症のパーソンセンタードケア」(トム・キッドウッド著)に書かれているという「認知症の人たちが求めている心理的な5つの条件」が紹介されている。

少し分かりにくいが、本からそのまま引用する。(以下、青字部分)


*なぐさめ(安定性)
原語の意味は、優しさ、親近性、痛みや苦しみを和らげる、不安を鎮める。
混乱して気持ちがバラバラになりそうな時、温かさと力を用意してくれるのがなぐさめ。

*愛着(きずな)
認知症になると常に不安に置かれ乳幼児期のように愛着のニーズが強くなる。

*帰属意識(仲間に入りたい)
注意を引く行動やまとわりつく行動として表現される。

*たずさわること(役割意識)
何かに従事することで能力や気力を引き出すことができる。
逆は、退屈、無為、無関心。
何かしたいというニーズは、認知症になっても残っている。

*その人らしさ(物語性)
自分らしさを持つことは、自分がだれであるかを知ること。
過去からの連続性の感覚を持つことであり、他人に自分についての物語をすることでもある。
認知症の人から物語を聞くこと、さらに内的体験を聞くことが認知症ケアの質を高める。


この5つを考えると、認知症の人たちの困った行動が、なぜ起こってくるのかを想像することができる。
それを改善する方法が、見えてくる。
上記の5つを私なりに書き直してみる。

*愛情を持って、優しく接する。
*「例えあなたが病気でも、私たちの絆は、揺るがない」という信念を感じてもらう。
*「あなたは、私たちの大切な仲間(家族)の1人だ」と感じてもらう。
*できる仕事をできる範囲でしてもらい、生き甲斐と喜びを持ってもらう。
*その人らしく生きられるようサポートし、心をこめて話を傾聴する。

理想と言えば理想だ。
「現実は、そんな簡単にはいかない」と言えば、確かにそうだろうと思う。
でも認知症の人に八つ当たりしても、突き放しても状況は悪化する一方だろう。
悪循環を断ち切り、良い循環が起これば・・・。
私も努力したい。

(追記:この本は、良い本です。)

(いつも自分で撮った植物の写真を入れていますが、ソフトが動かなくなり、直るまで写真はお休みです。ごめんなさい。)
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プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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