「生活力回復 促す介護」日経新聞記事

2011年9月20日~22日の日本経済新聞夕刊 「人間発見」というコラムに掲載された記事。

紹介されたのは、社会福祉法人「夢のみずうみ村」(山口市・浦安市)代表 藤原茂さん(作業療法士)。
「様々な仕掛けで生きる意欲と生活力の回復を促し、要介護度の改善度合いが、全国で群を抜く」と紹介されている。

介護の世界の常識を覆(くつがえ)す方法に驚き、目を開かされる。
見学に行きたい。


以下、新聞からの抜き書き(青字部分)。

例えば入浴で、素早く要領よく手品師のごとく洋服を脱がせ入浴を済ませる、そんなスタッフこそプロと称賛される傾向があります。
一見良さそうですが、実は、本人のできる能力を奪ってしまう可能性があります。
遅くてものろくても、自分でできることが大事でステキなことなのです。

(夢のみずうみ村の)象徴の1つが、バイキングの昼食です。
自身で好きなものを好きなだけ選んで盛りつけ、召し上がって頂く。
車いすの方も体を伸ばし、やっと皿を手にする。
ご家族が見ると、どうして手伝わないのかと腹が立つ光景かもしれません。
しかし、上げ膳据え膳は駄目なのです。
「できる」「できそう」「できない」。スタッフは、そこを見極めます。
見極めには、知識よりも相手への強い思いが必要です。
そして、ご本人が3段階のどこにいるかを自覚してくれれば、そこから、意思の力による自らの工夫が生まれます。

(利用者は)きょう1日、自分が何をするか自分で決める。メニューは200種類。温水プール、料理、陶芸などの他「カジノ」「ごろ寝」「ボーっとする」などユニークなものが並ぶ。

施設内は、バリアフリーならぬ”バリアアリー”。
実生活で出くわす坂道、階段などもわざとこしらえ、施設内は雑然としています。
カジノでは、花札やルーレットなどに施設だけで通用する通過「ユーメ」を儲けます。
ユーメは、洗濯物を自分でたたんだとか人にものを教えたとか、何かをしなければ稼げない。
苦労して稼いだユーメを賭け、カジノに熱中することも意欲や感情を刺激してくれます。
メニューカードはバーコード内蔵で、何のメニューを選んだかを担当スタッフが瞬時に把握し、自己選択の自由を支えます。
自己選択の機会と実生活に戻ったような環境を利用することで生活能力の回復を目指すのです。

(老人病院で働いた時に取り組んだこと)
お年寄りは3日寝たきりにすると起きることができるまでに3ヶ月かかります。
ヤクルトの容器に水を半分入れ、ストローでブクブク吹く。
メロディーに合わせ3分間。きつい。だが肺を鍛えると起きることが苦痛でなくなります。
ベッドを離れることが習慣になります。

7月には、千葉県浦安市に新しい夢のみずうみ村を開設しました。
全部でも一部でもいいから、この自己選択、自己決定方式の介護の手法をまねし、盗んでほしいと思っています。
浦安の施設もどんどん見学してほしいのです。

夢のみずうみ村には、たくさんの先生がいます。
脳卒中の後遺症で車いす生活になり、懸命のリハビリで歩けるようになったものの、利き腕は使えないままの女性。
左手だけで料理をする工夫を続け、ネギを千切りするのに剣山を使うといった料理方法を編み出しました。
現在、75歳を超えたこの女性は、施設外からも声のかかる「片手でできる料理教室」の人気先生。
実社会復帰のモデルです。


P1030738.jpg
珍しい白い彼岸花(曼珠沙華)。
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プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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