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特養での生活の始まり

母は、入所後、調子が良いとは聞いていた。
けれども中々それを信じることは、できなかった。
特養の相談員と電話で話してから沈み込んでいたこともあり、思考も普段よりネガティブになっていたのだろう。
環境が変われば、必ずせん妄(手のつけられない状態)になると、ほとんど確信していた。

けれども父は、久しぶりに弾んだ声で電話をして来た。
「今日、お母さんのとこ、行ったらなぁ、”来てくれてありがとう”って真っ先に言ったぞ!
(リクライニング式)車いすに乗って、みんな居るとこに居てなぁ。かなり(背もたれを)起こしてたけど、30分位、全然痛がってなかったぞ。飯もお母さんが一番たくさん食べてたな。全部食べたぞ!自分でコップ持って、お茶も飲んでたぞ!
変なことも言わんし、文句も言わんし。すこぶる調子いいなぁ!」

自分でコップを持って、お茶を飲んだ?!
信じられない。

グループホームの職員は、介護度の重い人には慣れていない。
(母の居た階の9人の内、寝たきりは、母1人だった。)
特別養護老人ホーム(特養)の職員には、それが日常のことだ。
それにしても随分違う。

翌日、父は、携帯で母の所から電話をくれた。
電話をして欲しいといつも頼んで来たが、(他に母と電話で話す方法がない。)父は、グループホームでも1回位しか電話してこなかった。
この日は、母が、3ヶ月振りに風呂に入った日だった。

「○○(私の名)だよ。お母さん、調子どう?」
「うん。悪くないよ。あんたも元気にしてる?病気してない?」
「元気!元気!元気過ぎて困ってるよぉ。・・お母さん、そこ、慣れた?」
「うん。ここは、みんな優しいし、毎日歌歌ったり、ピアノ弾いたり、色んなことして
 くれて楽しいよ」
「本当?!良かったねぇ!お母さん、今日、お風呂入ったんだって?気持ち良かった?」
「気持ち良かった~!!気持ち良かったよ~!やっと入れた。寝たまま入ったよ」
「そりゃ~良かった!垢、一杯出ただろうねぇ」
「秋?」
「部屋から見える景色もいいんだって?」
「景色もいいよ。○○、見えるよ」
「部屋から?!本当?!凄いね!・・お母さん、何か、困ってること、ない?」
「ないけど・・。ご飯は、美味しくない。でもじき慣れると思うよ。心配しなくていい
 よ」

「ばあば、何だって?」
電話を切った後、近くに居た子供(成人)が訊いた。
「みんな優しいし、楽しいって」
自分でも不思議なくらい笑いながら、涙が汗のように流れた。

P1020856.jpg
アガパンサス(紫君子欄)だそうです。
アフリカ原産なんですね。
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良かったです

お母様のご様子を読んで、ホッとしました。
お母様はきっと、グループホームで自分一人動けないというのも辛かったのかもしれませんね。
しばさんの文章も久しぶりに明るい調子になりましたね。
ホント良かった!

ところで、その花はアガパンサスです。

No title

よかったぁ。
私も涙があふれました。

No title

本当に良かったですね。ホッとしてます。みんな優しいし楽しいっておっしゃったのですね。泣けちゃいます。泣きながら書いています。

No title

グループホームと特養の違いは大きいですね。
今までのグループホームもよくやってくれていましたよ。グループホームの限界はとうに超えていたと思いますから。
お父様もストレスが軽減して、物忘れにブレーキがかかると良いですね。妹さんもホッとしていることでしょう。

皆さん

母のために、父のために、私たちきょうだいのために、共に心を痛めたり、共に喜んだり、共に涙を流して下さる方々がいらっしゃる。
そのことの意味を何と表現すればいいのか、いったいどんな言葉でこの気持ちを表せばいいのか、どんな言葉で感謝すればいいのか、私には、わかりません。

「本当にありがとうございます」
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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