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NHKスペシャル「認知症を治せ」 レビーを治療する医者と薬

2010年10月31日、NHKスペシャルで認知症の特集があった。
認知症の研究は、この10年でおおいに進み、進化しているというものだった。
アルツハイマーを治す新薬は続々と開発中という内容には期待が持てた。
数ヶ月前、「きょうの健康」でも来春には、3種類の認知症新薬が出ると言っていた。
絶望している家族の希望の光になるだろう。

何かの本(先日紹介した新書?)に「初期のがんです」と言われるより「初期のアルツハイマーです」と言われた方が、本人や家族のショックは、はるかに大きいと書いてあった。
介護負担が、アルツハイマーよりもずっと重くなるレビー小体型認知症(早期から身体介護が必要。骨折の危険性も高い)、ピック病(前頭側頭葉変性症の1つ。体は元気だが行動が反社会的になる)と診断されれば、そのショックは計り知れない。

昨日の番組では、専門医にレビーと診断されれば、適切に治療を受け、歩行困難や幻視(幻覚)などの症状を抑えることができるとかなり楽観的な(希望の持てる)報道をしていた。
しかし介護家族に言わせれば、ことは、そう簡単ではない。

私も母の症状が激変してからの8ヶ月程、どれだけ悩んだかしれない。
どの病院に行けば母を助けてもらえるのか、薬は、何を飲めば改善されるのか。
けれども今は、わかった。答えは、「ない」。ただ1つの正答など、どこにもないのだ。

一番の問題は、レビーという病気の特徴として、薬に対して過敏に反応することだ。
反応の仕方は、個人差がとても大きい。
沢山の人に効いたからと言って、自分の家族に効くとは限らない。
それどころか医者も予想しなかったひどい副作用で苦しめられることは、よく起こる。
(母は、リスパダールやベンザリンで歩けなくなった。)

レビー患者に決まった処方は、確立されていない。これさえ飲めば良くなるというものはない。
時間が経ってから副作用が出ることもあれば、最初は効果があったのに、だんだん効果がなくなるということもある。(母の場合、抑肝散で消えた幻視は再び増えている。抑肝散で副作用の出る人も中にはいるそうだ。)

医師から処方された薬が、良い効果を発揮するのか、思いがけない副作用で苦しめられるのかは、「実際に飲んでみなければわからない」(「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」から聞いた言葉)。
まったくその通りだと実感している。

しかもレビーは、日により時間により頭も体もまるで別人のように変わってしまうので、観察が容易でない。
それでも日々冷静に観察し、家族が薬について勉強し、医師と話し合って調整していくしかないのだ。
専門医なら一度でピタリと最適の薬を出せるなどということは、有り得ない。
主治医が4回変わって思い知った。(最初の1人は、病院の都合で変わった。市立総合病院の神経内科の医師だが、今年3月に”レビーには、薬も治療法もない”と言い切った。後の2回は、自分で調べて主治医を変えた。)

その後、調べると大学病院や「レビー小体型認知症家族を支える会」で紹介している医師やコウノメソッド医(ネットで公開)が、必ずしも良い訳ではないということもわかった。
「医師の人柄も大いに医療の一部」(「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」から頂いた言葉)ということが、今は、身にしみてわかる。

ある程度、レビーの患者を診ていて、勉強熱心で、家族の悩みや相談を真摯に受け止めて努力してくれる医師ならば、その人を信じられるなら、それでいいのだと、「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」の方からアドバイスを受けて確信できるようになった。
(私は、2回目に主治医を変える時、まだかかったことのない2人の医師に「レビーですが診られますか?」と直接訊いた。誠実で、処方に自信がなければ、正直にNOと言ってくれる。)

何より大切なのは、家族が勉強することだ。
難しいことは何もない。医学の専門書を読む訳ではないので、私のようなずぶの素人にも出来る。
どんな名医の処方よりも家族の日々の観察と医師への相談が重要なのだ。
名医(と言われている医師)の言うことならばと鵜呑みにしたり、お任せにしてはいけない。

レビーの薬物療法については、小阪憲司・羽田野政治氏の「レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック」に詳しく書かれている。名古屋フォレストクリニックの河野和彦氏は、ネット上に「コウノメソッド2010(認知症薬物療法マニュアル)」他、レビーに関して膨大な情報を提供している。「認知症治療28の満足」(河野和彦著)にも詳しい。
それらを参考に(妄信することなく。)最適の処方を日々探っていく以外に方法はない。

追記(2013年10月12日):治療(どういう時、何という薬をどの位飲めば良いのか)についての情報を詳しく書本では、「新しい認知症ケア 医療編」(河野和彦著 講談社)が良書です。→詳細

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私も見ました!

前半部分はちょっとだるかったけど、後半の原因特定、新薬、予防の辺りは面白かったです。
でも水頭症とアルツハイマーに挟んで上手く誤摩化していましたが、レビーに関しては治療法がないのは変わらないですね。
「幻視とパーキンソニズムとを薬で抑えて、介護を楽にする方法がある」としか紹介していませんでした。また、明らかにアリセプトを大写しで写していながら名前を出さないのは医薬適用基準外処方になるからなのでしょう。それにアリセプトが効くのは長くて2年というのも言わなかったですね。患者本人が見ていて、希望を失わないようにという配慮があったのでしょう。

うちの母達のように(特に)高齢の人は医者の事を「何でも治せる魔法使い」のように考えて受診するみたいです。ただ診察して薬を出して、様子を見るしか出来ないのに・・だからこそ、話を聞いて、薬の利き方に注意を払ってくれ、励ましてくれる医者が本当の名医だと思います。

それにしても「4~50代からの生活習慣でリスクが2倍」というのにドキッとしました。自分も今から気をつけないと・・

kimiさん

私の両親も医者は認知症でも何でも治せると思ってますよ。
しょうがないですね。

予防のところは、夫もテレビの前に座って見て、お互いに「危ない~!もうかなりやられてる~!」と言い合っていました。
日本の財政のためにも生活習慣病予防をもっと徹底させないと20年後は日本中認知症患者だらけで入所できる施設なんてないですよね。
恐ろしいことです。

No title

見逃してしまいました(泣)
「4-50代からの生活習慣でリスクが2倍」とは、例えばどんな生活習慣でしたか?

ひとみさん

メモしてた訳じゃないのですが、高血圧、高血糖、高コレステロールが悪いと言っていた気がしますよ。尿酸値には触れなかったと思いますが、これも良くないでしょうね。
血管がもろくなって、脳細胞も破壊するということだったと思います。
20年位かけて徐々に認知症を発症するということです。

参考までに、以前、「ためしてガッテン」で紹介したスロージョギングは、これらの数値を正常化すると言っていました。
http://cgi4.nhk.or.jp/gatten/archive/program.cgi?p_id=P20090610

もちろんどんな運動でもいいんでしょうが・・。

私の母も薬で随分苦労しました。同じレビーでもアリセプト10mgで平気な人もいれば、うちの母のように0.2mgでひどい興奮を起こすケースもあります。本当は0.05mg程度で試したかったのですが、もうそこまでは調整不可能と判断しました。

うちもしばさんのお母さまと同じようにリスパダールで歩行障害になりました。入院先の病院でリスパダールが処方され、あっという間に歩行障害となって身体拘束です。

レビーは一人ひとりオーダーメイドの処方でないとならないので、しばさんも書いているように、家族と医師が連携して最適な処方を見つけていく以外に方法はないと思います。しばさんはとても勉強熱心で頭が下がります。

ちゃわさんへ

何も知らない私に薬のことを色々細かく丁寧に教えて下さり、勉強することで無知な医師から自衛することの大切さを最初に教えて下さったのは、ちゃわさんです。

あの頃は、医師の処方する薬で突然歩けなくなり、しかも病院のスタッフ(リハビリの専門家やケアマネなど様々な人を含め)が、退院カンファレンスで誰一人それに気が付かない(或は、気にもしない)なんて、有り得ないことだと思っていました。
今もいったい全国でどれ程の患者さんが、間違った処方で介護困難にされているかと思うと、居ても立ってもいられない気持ちになります。

ちゃわさんのコメントを読んで学んだ方、助かった方もたくさんいらっしゃったと思います。全員を代表してあらためてお礼を言わせて下さい。
本当にありがとうございます。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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