レビーフォーラム2015 当事者の講演⑤悪化させるもの

④(幻覚)からの続き。 レビー小体型認知症と生きる当事者・樋口直美さんの講演。
……………………………………………………………………………………………

私を劇的に悪化させたのは、薬、特に抗精神病薬の副作用です。
レビーには、薬にとても弱くなるという他の病気にない特徴があります。

逆に言えば、少しの量で大きな効果が出ます。程度は、人によります。
私は、36才の時にアレルギーの処方薬を飲んで寝込んだことがありました。  

11年前、うつ病と誤診され、薬を飲み始めた時は、体も脳も滅茶苦茶になりました。
朦朧として、ATMにカードを置いて来ました。イスから立つと失神し、手が震え
が出ず、パニック障害のような精神症状も急に初めて出ました

駐車場に置いた車を見つけられない等、ミスを連発して、
主治医に「認知症だと思うので検査をして欲しい」と言いました。
でも「それもうつ病の症状だ」と言われました。

認知症のような症状も含めて、こうした症状は、治療の直後に始まり、薬を弱いものに
変えたら治まり
ましたから、薬の副作用だったと今は考えています。

医師に言われるままに抗うつ剤を飲み続けた6年間は、今よりも記憶力も頭の回転も
悪く
、生き生きした感情も消えて別人の様になっていました。
そういう自分を全て自覚していましたから、辛い6年間でした。
抗うつ剤を止めて、すべて回復しました
 
ストレス。私は、強いストレス感じた瞬間に意識障害を起こします
を飲まされた感じです。
毎日、ちょっとミスをしても、病気が進行したのかと思って青くなっていた頃は、
頭も上手く働きませんでした。
食材を見てもメニューが何も思い浮かばない。 
メニューを決めても段取りがぱっと浮かばない。2つのコンロに鍋をかけると、
一方のことは完全に意識から消えるということがありました。

でもストレスが減れば減る程、改善しました。
去年の秋、病気を隠して生きるのは止めようと決めてからは、更に大きく改善して、今、認知機能の低下は、ほぼありません
病気を隠すことも、とても大きなストレスです。

天候と一緒に体調も崩れます台風は拷問のように感じます。   
気候は変えられませんが、他のことは、自分で気を付ければ、避ける事ができます


「⑥症状を改善するたくさんのもの」に続く。



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薬の副作用で起こる具体的な症状集(進行したのではない!)
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水仙(スイセン)
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レビー小体症は薬の副作用が原因では

しば様
以前母の薬剤過敏性について非公開で投稿させていただきました。
先日レビー小体フォーラム2015に参加し、一番よかったことは「当事者・樋口直美さんの講演」を聞く機会があったことです。感動的でしたし、この病気特に幻視について本当によくわかりました。ありがとうございました。
胃腸障害の治療に処方されたドグマチール(抗精神病薬)少量長期服用からレビー小体発症、アリセプトの副作用→錐体外路症状+大興奮→抗精神病薬→その後介護士からの薬の無理強い拒否で車椅子のまま転倒急性→後頭部強打による「急性硬膜下血腫」→興奮のため「穏やか」(つまり扱いやすくしないと施設においてもらえないため)やむなく抗精神病薬少量投与承諾→錐体外路症状→一時扱いやすくなったが、より興奮し2度の転倒→今骨折で入院中です。薬の拒否は薬により本人の体調が悪いための自然の対応です。それが高齢であると樋口さんが指摘されたようにBPSD といわれ本人は周りをすべて理解しているため本当にストレスを感じています。母も幻視や悪夢を詳細に覚えているため、「同じ病の人と話してみたい」と言っており、仕事のストレスに対するプロによるカウンセリングが必要と思います。本人からの訴えに答えられないことが本当につらいです。高齢でも私たちと同様に当たり前のことを訴えているだけなのに、「認知症」呼ばわりされていて「死にたい」と訴えるのが本当につらく、私自身も医師に薬の副作用をいろいろ伝えるためうるさがられている始末です。

私はレビー小体症が医療費の高いアメリカにはほとんど見られず日本に多いことから、そもそもレビー小体症とは母に関する限り中枢神経に作用する薬の副作用が原因ではないかと思っています。仕事があるため、人にゆだねるしかないのが歯がゆい限りです。

レビー小体症は薬の副作用が原因では(訂正)

先ほどの投稿一部訂正です。

訂正 「仕事のストレスに対するプロによるカウンセリングが必要と思います。」⇒⇒「仕事のストレス同様、認知症といわれることのストレスに対する本人へのプロのカウンセリングが必要と思います」でした。
薬の投与では「抑制系で朦朧とさせて認知機能をおとす」一方「賦活系で興奮させて暴言を誘発し」、多重人格のようになってしまいます。その結果認知症が進みましたとなるわけです。

レビーと抑うつ症状

レビーの場合、中脳のアセチルコリンが低下していると考えられます。中脳のアセチルコリンは、大脳の活動を維持する為重要な働きをしています(大脳賦活系の主要な系)。
このため、脳全体の活動が低下し、抑うつ状態を示すことが考えらえます。
レビーの方が、「うつ病」と誤診されることが多いのは、このアセチルコリン不足による大脳の活動低下(=抑うつ状態)のためだと考えています。
私が精神科を学んだ30年以上前は、うつ病の原因は、「アセチルコリン不足説」が有力でした。

うつ病は、前頭葉のある領域のセロトニンが減少して起こる事が確認されています。現在ではうつ病の治療は、セロとのンを増やす薬剤(SSRIなど)が主体に行われています。
レビーの場合、セロトニンはむしろ相対的に(アセチルコリン・ドパミンの減少に比較し)増加していると考えられます。
抑肝散が有効なのは、セロトニンを調整(どちらかと言うと抑制)してくれることで、効果があると考えられます。
レビーの方は、前頭葉症状を伴うケースも少なくないのですが、この場合、セロトニン過剰に成るケースが少なくないようです。
レビーを「うつ病」として治療すると、返って病状が悪化することは、このような理由からと考えています。
レビーの一部に、体性感覚(痛みなど)の異常で、実際の痛み刺激を全く感じず、本来痛み刺激が無い領域の強い痛みを訴える方が少なくないのも、セロトニン過剰のためと考えられます。

セロトニン過剰は、不安を増強し、こだわりを深めます。特定のことに強い衝動を覚える原因にもなっているようです。うつ病の方を治療すると、自殺が増えると言われています。これはセロトニン過剰による自殺念慮の異常な高まりを反映しているのではないかと私は、考えています。

しろくまさんへ hokehoke先生へ

しろくまさん

お母様は、PCを使うことは、不可能でしょうか?

今、樋口さんも含めて数人で、
レビーと診断された本人のためのネットワーク作りができないだろうかと
話をしているところです。

50代〜70代のレビーの方は、「同じ病気の人と話をしたい」という方が多いです。
その声を受けて、樋口さんが、本人同士の交流の掲示板を作ったのですが
http://smile-always.bbs.fc2.com/
中々参加して下さる方がいらっしゃいません。

ご家族の代筆でもよいので、参加されたら、同じ病気の人と交流することができるのですが…。

お母様の周囲の方には、なるべくこの講演原稿を読んで頂いて
お母様の苦しみを理解して頂けたらと思います。

hokehoke先生へ

詳しいご説明、ありがとうございます。
セロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどは、よく聞く脳内伝達物質ですが
脳内伝達物質の種類と作用について、詳しく知ることのできる資料、本、論文などがありましたら、教えて頂けないでしょうか。

アセチルコリンとレビーの自律神経症状との関係は、どの程度解明されているのでしょうか。

「試しに、レビーにも飲ませてみたら/貼ってみたら、メカニズムはよく分からないけど、とにかくよく効いた」という感じなのでしょうか。

No title

しば様

ありがとうございます。

>お母様の周囲の方には、なるべくこの講演原稿を読んで頂いて お母様の苦しみを理解して頂けたらと思います。
そのようにしたいと思います。

今は相当おかしくなっているので、体調がよくなったら、ネットワークに参加させていただきたいと思います。
母は急速に悪化したのですが、悪化要因の筆頭はアリセプトと抗精神病薬、次に認知症であることのストレスです。薬によって悪化し、あわてて止めると良くなるという繰り返しです。低気圧などはあまり関係ないようです。

hokehoke先生

セロトニン過剰による不安について大変よくわかりました。
マイネルト基底核におけるアセチルコリン低下はよく聞きますが、アリセプトを服用しても必要な部位で選択的にアセチルコリンを増やせるのでしょうか。なんとなくあっちこっち不必要な部位も興奮させているような気がいたしますが。

No title

レビーの場合、中枢・特に中脳を中心に脳幹部のアセチルコリンが減少していることは、間違いないようです。中脳のマイネルト基底核のアセチルコリンは、アルツハイマーより減少していることは、間違いありません。

同時に中脳のドパミン減少も起きやすいようですが、あまり減少していない(パーキンソン症状が目立たない)ケースもいるようです(私の義母がそうです)。
脳内全体でも局所的にも、アセチルコリンとドパミンは拮抗関係にあります。脳幹部のドパミン減少が少ないケースの場合、アセチルコリンの減少を受け脳内のドパミンが増加傾向を示します。
中脳レベルでもドパアミンの過剰が起こっている可能性があります。中脳辺縁系のドパミンの増加や大脳辺縁系のドパミン増加が、大脳辺縁系の働きを亢進させ、妄想や興奮を起こすことが有るようです。幻視やREM睡眠障害も大脳辺縁系の活動の亢進により症状が強く出ます。
アリセプトで、マイネルト核のアセチルコリンは増えますので、脳全体の活動が活発になります。同時にドパミンを抑制しますので、幻覚・妄想や興奮および幻視が改善する事があるのです。この場合多量のアリセプトが必要になるケースも多いようです(私の義母は5mgを11年飲んでいました)。

ただアリセプトは、アセチルコリンだけを増やします。アセチルコリンの増加は、ドパミンの抑制に働きます。
中脳のマイネルト核からのアセチルコリン作動性繊維は、中脳の黒質に繊維を送り、中脳黒質のドパミンの放出を直接阻害します。中脳の黒質領域のドパミン不足がパーキンソン病の原因ですから、パーキンソン症状が悪化します。
中脳辺縁系のドパミン抑制は、幻覚・妄想や幻視を抑えてくれます。この点はメリットになりますが・・・。
中脳にあるもう一つのドパミン系である中脳皮質系のドパミンも抑制させます。この系の障害で前頭葉の機能が低下してきます。このため、せん妄(激しい陽性症状主体から低活動性までさまざま)を起こします。前頭葉の機能障害が、脳全体の機能に異常を与える事は、前頭葉が脳全体の司令塔であることから容易に理解できると思います。

アリセプトの自律神経障害の悪化は末梢で起こります。交感神経の障害から相対的に活動が亢進している副交感神経の働きをさらに増強するのです。副交感神経は、神経伝達物質としてアセチルコリンを使用しています。アリセプトでこのアセチルコリンを増強することで、副交感神経の働きを亢進し、迷走神経反射他さまざまな問題を引き起こすのです。

私が、認知症治療にアリセプトをまあったく使用しなくなってから3年ほどたちます。アリセプトを使用しない理由は、ドパミン阻害作用が強く、前頭葉の機能障害から脳の機能障害を引き起こすことと、パーキンソン症状を悪化させる事も大きな理由ですが、自律神経障害から迷走神経反射を起こしやすくし、脳の血流を不安定にし脳の障害を進行させることが大きな原因なのです。
レビーのピック化は、前頭葉眼窩面の血流が迷走神経の働きが亢進することで、不安定(悪化)することが大きな原因だと考えています。
義母がピック化したのは、長期にわたりアリセプト5mgを続けたためと今は考えています。

PS:芝さんへ
神経伝達物質の脳内での働きは、まだ十分解明されていません。
このためもあり、多くの専門書を突き合わせて、その影響を確認すると言う作業が必要になります。
私が、脳内の相互作用とそれをもたらす神経伝達物質の影響を理解してきたのは、つい最近のことです。
これには、最近の脳科学の知見も大いに参考になっています。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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