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「新版 認知症 よい対応・わるい対応」浦上克哉著

追記:コメント欄をご覧下さい。記事の補足があります

浦上克哉(鳥取大学医学部教授)著「新版 認知症 よい対応・わるい対応」(→アマゾン)を読みました。認知症の予防法や介護家族が直面する問題への具体的な対応方法などが丁寧に書かれ、とても良い本だと思いました。

認知症になったら、どう接すればいいの?」という家族に向けて「良い対応の心得」を本から抜き書きします。(内容は要約です。)P76から。

「分かってますけど、腹が立ってそんなことできません!」という方は多いです。
それでも叱れば叱るほど困った症状は悪化し、安心を与えれば治まるのは事実です。
自分が楽になるために、まず自分が接し方を少しだけ変えてみるのは、賢い方法です。

どうしても無理な時は、介護者の心身が追い詰められ、限界に来ている時です。
ケアマネなどと話し合って、ショートステイを利用するなどして少し離れる時間を作り、何とかして休みましょう。周囲の方も介護者が休めるように援助することが必要です。
(追記:介護に疲れた方は、こちらも是非→この記事のコメント欄を

この10ケ条は、認知症と生きる方に限りません。
私たち一人ひとりが、年齢性別に関係なく、誰でもそう接して欲しいと望んでいます。


    < 安心ケア10ケ条 > (浦上克哉教授)

安心感を与える
 いつ怒られるのかと思って不安な毎日は、よい環境とはいえない。
 目を見てゆっくり話す、うなずく、微笑むことも大切。

普通の人と同じように接する
 困った病気になった人と見ない。
 できない部分は支え、さりげないフォローを心がける。

プライドを傷つけない
 家族が思っている以上の人生経験と誇りがある。
 傷つけられれば怒ったり、暴力に及ぶことも。

失敗を責めない
 失敗した時は、「大丈夫よ」「心配いらないよ」と不安を取り除く言葉がけを。
 安心させてあげることが大切。

叱ったり命令したりしない
 同じ間違いを繰り返すことがあるが、叱責はマイナス。
 さりげなくフォローし温かく見守ることが大事。

説得しない
 説得は効果がない。(注byしば:妄想に説得は効果がないだけでなく逆効果。)
 記憶力は落ちても「嫌な経験」をしたという感情だけは、いつまでも残る。

一生懸命指導したり、教えようとしない
 できないことを覚えなさいと言うのは、無理な要求であることを理解する。

訴えは頭ごなしに否定しない
 幻視や妄想がある場合でも訴えを一生懸命聞くことで安心する。

短く簡潔な言い方をする
 1度に2つのことを言われると混乱する。
 「杖を持って車に乗ってね」ではなく「杖を持ってね」「車に乗ってね」と言う。

一人の人間として尊重する
 認知症でも感情面は大人のまま。
 楽しいことは楽しく、悲しいことは悲しい。
 一人の人間としての尊厳をぜひ守る。


*この本で1つだけ気になったのは、レビー小体型認知症の患者本人は、幻視に困ることが少ないよう」(P29とP189)と書かれていることです。
これは同意できません。幻視を幻視と理解して冷静に受け止めている方、本物にしか見えないために幻視とは考えていない方など様々いらっしゃいます。
しかし幻視と完全に理解していても恐怖感を持つ方、不審者の幻視しめられ、警察に電話をしたり、錯乱状態になる体験談は、何人もの方から伺っています。体験談集
幻視は、本物そっくりに見えるのですから、それは、正常な反応・当たり前の対応です。

<関連記事・カテゴリ>
*カテゴリ:介護家族の心理変化・気持ち(メンタル・ケア)
「介護で鬼になってしまう自分が辛い」(田口ランディさんと岡野雄一さんの対談)
母親の介護はなぜ辛いか(立場の逆転。混乱は長くは続かない)
フランスの認知症介護術ユマニチュードの方法(動画もご紹介)
薬以外の方法で劇的改善した体験談(すぐできる方法を多数紹介)
認知症と共に生きる方が必要としている2つのもの
「ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!」長尾和宏・丸尾多重子著
「誤解だらけの認知症」(市川衛著)

みょうが
茗荷(ミョウガ)の花と実
わが家のプランターで収穫。
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No title

しばさん、こんにちは!

安心ケア10ケ条を見ると、子育てのときと似ていますね。介護と子育てって、共通点が多いのかもしれませんね。

以前、ブログで紹介されていたタクティールケア、触れることの重要さが強調されていました。あれも、小さい子が泣いているとき、よしよしと背中をなでたり、赤ちゃんがなかなか寝ないときに背中をとんとんしてあげるのと似ていますね。

先日、テレビで、幸せホルモンのひとつ、オキシトシンについてレポートされていました。オキシトシンて、相手に触れてあげると、その相手ばかりではなく、触れた自分にも出てくるのだそうです。あるいは、人に親切にすると、親切にされた人だけではなく、親切な行為をした方の人にも分泌されるとか・・・

これは目から鱗でした。

子育ては親を成長させるというけれど、介護も介護者を成長させてくれるのでしょうね。

夫には10か条と真逆なことばかりしているなぁ・・・!
いつも説得し、教えさとし、指導し、命令している!

タクティールケアのように、何分もなでなでできない!
せいぜい、背中や腕に手を添えて話をするくらい。
それでもしないより、ずっといいですね。






わかっていてもできない

MKさん いつもコメント、ありがとうございます。

MKさんは、毎日の重労働(ご自身の体重の2倍位あるご主人のお世話)で
本当にお疲れになると思います。

年齢が近く、ご主人もしっかりされていることもあり、
『やればできる』という期待から指導してしまうのも自然だと思います。

私も介護と子育ては、似ていると思います。
感情面では、反抗期の子どもの子育てと。
私も子どもが反抗期の時期には、毎日バトルを繰り広げていました。

『いけない!いけない!私が、態度を変えなければ!』
頭では思うんですが、毎日ガーッと怒鳴られては、怒鳴り返していましたね。

ではなく、の底から
『子どもは、寂しかったんだ。一人前の人間として認めて欲しかったんだ』
と分かったのは、反抗期が終わってからでした。

10か条が、難しいというのは、わかります。
問題が解決されない時、家族は、どんどん心身共に追い詰められますから。

でも「知っている」と「知らない」では、大きな違いが出ると思います。

落ち着いている時に、一緒にお茶を飲んでみるとか
肩に手を置いて「お父さんが笑ってると、私もうれしいな」と言ってみるとか
何か、小さなことから1つ試してみるのは、凄くいいと思うんです。

それが、お互いのバリケードの突破口になることがあります。
『私が笑うと、相手も笑うんだ』と知るきっかけにもなります。

オキシトシンは、私もテレビで見て、注目しました。
日本は、握手とかハグの文化が元々ないですが、私は、よく母をハグしますね。
とても喜びます。(孫がハグするともっと)
目をみて笑顔で握手するだけで、多くの方は、とても喜ばれると思います。

10か条ができなくても
やった方がいいと思うことができなくても
自分を責めないことが、とても大事だと思います。

優しい方は、自分を責めます。
それが、自分の心を痛めつけて、余計余裕を失い…
という悪循環になります。

それは、避けましょう。

介護をしているだけで、もう十分大変で、凄いことをしているんです。
介護をしていない家族や親戚よりも、遥かに立派なんです。

自分を許し、認め、大切にして下さい。
親よりも配偶者よりも、自分が、一番大切だということを忘れないで下さい。





No title

しばさん、応援ありがとうございます!

「知っている」と「知らない」では、大きな違い・・・
本当にそうですよね!

悔いのない介護がしたいなぁ、と思うのです。
そうすると頑張りすぎてしまう。
それで、いらいらしたり、言葉の暴力が出たり・・・

最近、「着替えをしなくても死なない!」
とおっしゃってくださった方がいて、
それくらいの気持ちでいいのかな、と思っています。

笑顔、大事ですね。
子育てにも介護にも。

励まし、ありがとうございます。







MKさん、 非公開コメントを下さった方へ

MKさん(というより、真面目に頑張り過ぎてしまう多くの方々へ)

真面目な人ほど 一生懸命に「理想像」に近づこうと 全力で頑張って
疲れ切り、悪い方へ向かい、さらに自分を責め、さらに悪い方へ・・・
というのは、本当にそうだと思います。

でも本人は、「こうでなければ、いけない!」と真面目に思い込んでいますから
自分の「一生懸命過ぎる頑張り」が「問題」だとは、中々気づきませんし
人から「力を抜きなさい」と言われても、力の抜き方がわからないと思います。

同じ認知症(できればレビーならレビー)介護家族とおができると
「着替えなくても/一食抜いても/ショートステイに行っても死なないんだ」
など色々な発見があって、力の抜き方がわかるきっかけになると思います。

近くに良い家族会があればベストですが、ない場合は、
友人達に「認知症介護をしているの」と打ち明けてみて下さい。
「そうだったのね。実は、私もよ」という方が、続々と出て来ます。

同じ経験をした方に「毎日大変」「辛い」と一言言えるだけで
心に溜まった「黒々としたもの」は、徐々に消えていくものですよね。
誰にも言えない状態は、
ストレスを「巨大な怪物」に化けさせてしまいます。
男性介護者は、特に、この点に注意が必要とよく言われます。)

介護辛いですよ。辛いと感じて当たり前です。
でも 介護という長旅の途中には、
喜びも 楽しさも 素晴らしさも いっぱいあります。

長旅ですから、なるべく手を抜くこと、いい加減にやること、
自分にも相手にも高水準を求めないこと、
大事だと思います。

追記:もう1つ。「良い所(できたこと)探し」も大事かも知れません。
毎日「今日の良かったこと」を考えてみるのはどうでしょう?
心の余裕がなくなっている時は、
悪い所(できないこと)にしか目が行きません。
でも視点を変えると、良い所も、実は色々あるんですよね。


非公開コメントを下さった方へ

「責めず、叱らず、命令せず、説得せず、指導せず、否定せず・・・・
 では、何をすれば良いのでしょう?」
というご指摘。

この10か条は、「認知症になった家族とどう接したらいいかわからない
という介護家族に向けて書かれた入門書です。
かつ、アルツハイマー型認知症を主な対象に書かれています。
「説得」も「すぐ忘れてしまいます」(から無駄だ)と書かれています。

レビー小体型や前頭側頭型(ピック病含む)では、介護の仕方は変わります。

レビーの場合は、記憶力、思考力、判断力が、長く残るので
(記憶力は、レビーの中でもタイプによっては、ひどく低下します。)
理屈で説明し、真摯に説得すると、すんなり言うことを聞いてくれる
ということが、多々あります。

泣いて暴れて「デイには行かない!!!」と言う母に
「睡眠不足で、このままでは、倒れてお世話できなくなってしまう。
デイに行っている間に眠って、回復して、元気にお世話したいので
辛いだろうけれど、家族のために行って欲しい
と目を見て、真剣に頼むと
「わかった。行きたくないけど、我慢して行くね。ゆっくり休んで」
と言って、行ってくれたことがありました。

もちろん、いつでも成功する訳ではないですが、
「言ったって分からない」ということは、決してありません

介護も(世界に一人しかいない)人間と人間の関係ですから、
2つと同じものはありません。
実際、育児書と同じで、
マニュアルは、あまり役に立たない場面の方が多いと思います。

ただ「こんな言動をする認知症の親(配偶者)には、叱りつけて、
行動を変えさせるのだ!」と思って、事態を悪化させているご家族に
「ちがう形で接してみましょう」と、この本は、を教えてくれています。

柔軟に、臨機応変の対応ができれば、ベストですが、
それは、介護のプロでも中々できません。
私たち素人は、まずは、基本技から、ということです。

「私は、認知症介護に必要なのは、ルール変更ではないかと思うのです。
昔出来た事は関係ない。今、出来る事で、新たな申し合わせを作っていく」

というご指摘。

本当にその通りだと思います。

今、何ができて何ができないのかを介護者が、わかっていることは大事です。
(レビー小体型の場合は、常にがありますから、簡単ではないですが)

1つの簡単な例ですが、
母は、言動が滅茶苦茶な時でもサヤエンドウの筋取りが上手にできました。
これを手伝ってもらい、感謝すると、母は、とてもうれしそうでした。

できることを見つけて、(家事など)役割を持ってもらうのは、
本人にとって、とても良いことだと思います。穏やかになります

もちろんキチンと正確にできることなど要求はしません。
上手くできなくても、目をつぶって、さりげなくフォロー。
そして、誉め、感謝を表す

能力の低下は、(家族には特に難しいですが)受け入れること。
「なんでこんな簡単なことが、できないの?!前はできたじゃない!
 しっかりやってよ!わざとやってるの?!」
と、自分が(頑張っても)できなくなったことを責められることくらい
辛いことは、ちょっとないんじゃないかと想像します。

できなくなってきたことは、どうしたらもう少し上手くできるか
(具体的に、どういうことが原因で、苦労しているのかを)
えてみること、色々な工夫をダメもとで、どんどん試してみること…。
(それが当たると、逆転満塁ホームランを打ったような感激があります。)

…こうして誤解のないようにと細かく書いていくと一冊の本になってしまうので
手っ取り早く、短く、分かりやすい「10か条」をご紹介しました。
これが全てではなく、いつでも誰にでも当てはまるものでもありません。

これを叩き台にして、皆で修正版の知恵を出し合うのも面白いですね。
試しに「私の10か条」を作ってみるとか…。
レビー小体型版、前頭側頭型版とか、認知症別に作ってみたいですね。
(浦上先生、どうぞお許し下さい。)

追記:ちなみに浦上先生は、このブログに何度も登場されています。
(アロマセラピーなど)。検索してみて下さい。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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