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認知症介護・医療現場の罪を明らかにする本

「ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!」(長尾和宏・丸尾多重子著
2014年2月発行)を読みました。朝日新聞に記事を書いている医師と高齢者・介護者の交流の場(NPO法人)を作った女性本音対談集です。

施設選びチェックリストもありますが、施設選びの本ではありません。
認知症医療・介護現場の現状と問題の本質を突き、とても優れた本だと思いました。
自宅で介護をする家族への実践的なアドバイスも沢山(漫画で解説も)。
医療・介護従事者、介護家族はもちろん、『認知症になったら終わり。認知症にだけは、なりたくない!』と思っているすべての人に読んで頂きたいです。

本の感想は、また別の記事に書きたいと思います。
以下、青字部分は、本からの抜粋(原文通り)です。


(「ボケ」という言葉には)なんとなく温かさがある。なんとなく愛らしい感じがする。
ところが認知症」と言ったとたんに”脳の難病”みたいに受け止めてしまうのは私だけだろうか。
ボケ」なら家にいてもいい感じだが、「認知症」となれば、専門医を探したり、施設に入れなくてはならないイメージに変わってしまう(略)。
今、「認知症医療」も<がん対策基本法>と同じ間違いを繰り返すのではないかと、私は危惧している。長尾氏P14

<以下、印象に残った言葉のごく一部を抜粋。長=長尾氏 丸=丸尾氏>

長:(略)「家族に迷惑をかける」という気持ちが、前面に出すぎているのが今なんよ。
丸:家族介護する、看取るってことは、ものすごい貴重な人生経験なのにね
  悲しい経験には違いないけど、結果的に人間性が豊かになるのに。P.33

丸:「ウチの親がボケた。困ってる。方法がわからない。私はどうすればいいのか?」
  と、家の中ではなく、家の外に向かって声を上げること。当たり前だけど、これを
  できる人とできない人で、介護の生活にすごく差が出るんじゃないかと思う。P.96

  (杖を振り回し、精神病院系列の施設に移されようとしていた男性の例から)
長:こんな言い方をしたら怒られるかもしれないけど、認知症の人は素直になる分、
  動物的にもなる。たとえば、犬は不審な人には噛みつくが、そうじゃない人には
  噛み付かない。それと似ている部分があります。
丸:どんなにボケボケでも、人を見ているんです
  その人が、自分に対してどういう気持ちで接しているのか、認知症になっても
  わかる
のよ。馬鹿にされていることも、ちゃんとわかっている。P.64
  (男性は、労働組合の委員長で旗を振り回して闘っていた人だとわかる。)
長:ボケて暴れる人には、実はみんなちゃんと理由があるんだね。(略)
  本人はなんらかの意図があってやっているんだ。P.66

丸:上手に話を合わせプライドを傷つけない。そうすれば穏やかな心を取り戻しはる
長:話を合わせるだけで穏やかになるんだから、大変なことでもないと思うけどなあ。
                                    P69
丸:じいちゃん、ばあちゃんの「目的行動」を「徘徊」と呼ぶこと自体に罪がある。何か
 新しい言葉を考えたほうがいい。せめて「迷子」とか、そういう言葉を使ってほしい。
                                    P.74

………………医療・施設・処方薬の問題……………………………

丸:(ある特別養護老人ホームで)車椅子で、ほぼ全員がボーっとしていた
長:それは、薬でそうさせているんですよ、施設の人がね。いや、主治医かな。
  入所者に必要以上にお薬を飲ませて、ボーッとさせて、介護の煩わしさを軽減させる
  のが良い医者なのかな。ちゃんと歩いて特養に入所したのに、たった数週間で家族の
  顔もわからなくなり、車椅子になる。
  おかしいですよ。でも、そんな介護施設いっぱいある。(略)
  医師も多くの職員もおかしいと思ってないんです。罪の意識、ゼロや。P.38

丸:認知症の薬睡眠薬を併用して、状態の良くなった人を見たことがない!P.75
長:薬そのものが悪いというよりも医師の処方の仕方に問題があると僕は思っています。
  医師は、アルツハイマー型認知症と診断すると、条件反射のようにこうした薬を出し
  たがる
んです。患者さんそれぞれの症状の意味をあまり考えようとしないのです。
  (略)
  アリセプトなどの抗認知症薬は、(略)その副作用として、吐き気不眠
  不穏(穏やかではない状態)、徘徊などが報告されている

  (略)
長:そもそも、そうした副作用の現実をよく知らない医師もいるようです。
  副作用のひとつである不穏が、時には過剰になって暴れ出してしまうこともある。
丸:私、この薬を処方された翌日から、夜中に徘徊を始めたというばあちゃんや
  じいちゃんをたくさん知っているよ。P.76
  (略)
丸:自分が出した薬のせいで徘徊が始まったとしても、普通の医師は、そんなん
  認めへんよ。さらに睡眠薬を上乗せして、夜中に無理矢理眠らせて、まもなく寝たき
  り老人のできあがり

 この薬を飲んでこうなった」と(略)お医者さんに伝えるのが家族の役割やと思う
                                  P.77
長:たとえば、アリセプトという薬が、どれだけ認知症治療のウエイトを占めるか?
  と質問されれば、70%と答える医師もいるだろうし、50%と答える医師もいる。
  だけど僕は……10%以下と答えます。ああ、本当のこと言っちゃった。
丸:私の経験から言えば、5%以下。(略)逆効果になっている人が、7割以上やと思う。

本脚注:厚労省によって増量の指導がされているアリセプトは長尾先生いわく
増量したら逆効果になる人がいる。その人その人で合う量を上手に調整していくのが、本来の医療者の仕事。減らすと意識がしっかりしてくる人も多い。医師によっては、
1〜2mgの少量から開始し、増量も少しづつ行うケースがある」P.200

51Lw6IW9ab.jpg
(画像は、アマゾンから)

追記:丸尾さんの書いた連載記事→「介護保険は誰を幸せにした?

<関連記事>
アリセプトの効果と副作用(権威も少量で処方)
とにかくアリセプトを飲ませておけばいいのか?(週刊ポストから)
認知症を悪化させる薬一覧(処方箋をチェック!素人でもすぐ見つけられる)
計算ドリルと認知症(コメント欄を読んで下さい)
フランスから来たユマニチュード(認知症介護の技術)
5種類の認知症別 本人と家族の体験談集
認知症Q&A 最初の一歩(認知症を疑ったら/診断されたらまず何をする?)
「誤解だらけの認知症」市川衛著も良い本です。
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プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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