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漢方医学セミナー(難病と漢方薬)

2014年5月18日東京大学で行われた漢方医学講座(2時間)に行きました。

題:漢方病理学に基づく、癌・膠原病・神経変性疾患がどこまで治療できるか?
講師:岡部哲郎医師(去年まで東大医学部で漢方医学を教えた特任教授)
(追記:「病気を治せない医者」の著者)

講演を聴き、漢方医学の考え方は、私たちに希望を与えると私は、感じました。
茂木健一郎氏も「体に良いことは、脳にも良い」と著書に書いていますが、
難病認知症にとっても健康的な生活が重要であることをあらためて感じました。

ただ良質な漢方治療をする病院の探し方は、岡部氏もわからないと回答し、
岡部氏の説く治療が安価に受けられるものではないことも普及を妨げていると思います。

以下、この講座、講師の著書、講師への質問の回答から一部抜粋してお伝えします。

     < 西洋医学とはまったく異なる漢方医学の考え方>

西洋医学では、病気を部品(臓器)の故障ととらえるが、
漢方医学では、五臓の働きの乱れ・バランスの崩れが、症状を出していると考える。

西洋医学では治療法がないといわれる難病は、漢方医学の得意分野である。
(パーキンソン病等の神経難病や各種認知症、遺伝病、進行がんへの効果も論文に)

漢方医学の五臓は、西洋医学的な臓器よりも幅広い、心身の働きを含む機能を意味する。
例えば「肝」は、肝臓ではなく、「血(けつ)を貯蔵し栄養を供給する機能。神経活動を司り精神を安定させる機能」等も表す。

     < 東洋医学の「五臓」とその主な機能 >

 肝=神経系(自律神経、大脳辺縁系、静脈等の血液循環、免疫等)

 心=循環器および中枢神経系(情動、意識、睡眠リズムの調整等)

 脾=消化器系(消化・吸収・エネルギー供給等)

 肺=呼吸器系および皮膚(呼吸作用、体表の免疫機能等)

 腎=内分泌系(水分代謝、ホルモン分泌、生命力、骨格形成)

    (出典:岡部哲郎著「漢方で治す気になる不調」P.176〜178)

は、孤立したものではなく、五臓の働きの中に含まれている。
脳の病気も、脳が単独で病んでいるわけではない。
五臓の働き・バランスを正常化することで、完治はしなくても、多くの症状は治まる。

    < 日本で「漢方薬が効かない」といわれる理由 >

①東大医学部でも6年で講義は、3時間のみ。医師に十分な知識がない。
②漢方薬は品質の差が大きい。品質が悪ければ、十分な効果は出ない。

基本的に漢方薬は、空腹時(食事と食事の中間時)に飲まなければ十分な効果が出ない
食前や食後では、食べ物の影響を受け、正しく作用しない。

    < 質問に対する回答 >

保険適用の漢方エキス剤だけで効くかは、病気による。効く病気もある。
例えば、高血圧でも原因は全員違うので、オーダーメード処方になる。

漢方薬により体質が変わるので、飲むのは一時期(数ヶ月〜1年)
(難病のため、しばらくして症状が再発したら、再び一定期間飲む、を繰り返す。)
西洋薬のように一生同じ薬を飲み続けることは、漢方では有り得ない。

中国には5年間漢方医学を学ぶ国立大学が50カ所以上あり、正式な漢方医がいる。
韓国、台湾にも同様の漢方医がいる。
しかし日本には、そんな制度がないため(同じ意味で)漢方医と呼べる医師はいない。
日本で漢方治療をする各医師の実力は、私(岡部氏)にもわからない。調べ方もない。
神戸中医研には優れた医師がいる。

ある臓器にトラブルがあると、その異常は経絡(五臓六腑の作用で生産されたエネルギーが循環するルート)により他の臓器に伝わり経絡上のツボに情報として現われたりする。
そのツボを介して病気を治すアプローチが、鍼灸、あんま等の外治であり、漢方薬を用いた内治とともに重要な漢方医学の治療法となっている。
この2つの方法は、病気の症状に応じて選択または併用される。
   (出典:岡部哲郎著「漢方で治す気になる不調」P.179)


追記:漢方治療の受けられる大学病院は全国にあります。
   名称は、漢方外来/漢方内科/和漢診療科/東洋医学科/漢方医学科など病院に
   よって違います。

*症状に合う漢方薬を紹介する良いサイト→漢方ビュー 
 注:漢方薬の選択は体質(証)によっても変わり、実際はより複雑です。

追記:朝日新聞出版 別冊ムック「正しく付き合う漢方2014(完全ガイド)」は、全国の漢方治療医ガイドなど役に立つ記事が多いです。

<関連記事>
認知症に鍼灸治療(読売新聞)認知症、パーキンソン病に効果のあるツボ一覧
若年性レビー小体型認知症の漢方薬治療の実例  精神科医の説明
自律神経障害・自律神経失調症に効くツボ一覧と刺激の仕方
老年医学 論文集2006−07岡部氏の高齢者の漢方治療。小阪憲司氏、朝田隆氏の論文も

P1050480.jpg
多くの医師が、レビー小体型認知症の幻視に処方するツムラの漢方薬。
保険適用なので、高価ではない。効く人、効かない人に分かれるという。
biwako.jpg
フードに取り付けた棒灸(もぐさを棒状に固め紙で包んだもの)。皮膚とは接触しない。
本格的なお灸が、自宅で気持ち良くでき、効果も高い。(画像は、ここからのコピー)
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漢方は難しい

和漢で言う証の見分けが出来ても、どの処方が良いか簡単に覚えられない。これが漢方の大きな問題だと思います。
証により、同じ症状でも適した処方が違う場合が少なくないようなのです。
本来、生薬一つ一つの作用を学び、その組み合わせと言う考え方が必要なようです。
中国での漢方と日本で言う漢方は、基本的に違うものと言ってよいようです。
この辺が、敷居が高い理由の一つでしょう。

抑肝散や抑肝散加陳皮半下は、証をあまり選ばないようなので、レビーの方に良く使用しますが、それ以外の処方は、私には使えないですね。

あと品質にこだわると生薬を集めて、自分で作る事になります。
この場合、保険で支払われる値段では、品質に良い生薬は買う事ができません。保険での値段が安すぎるのです。私の知っている医師は、毎週土曜日に自費診療で漢方外来を行っています。

No title

hokehoke先生

医師のお立場から率直なコメントを頂き、ありがとうございます。

漢方薬が、単純にいかないことは、
若年性レビー小体型認知症の方の体験談からもよく分かります。
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-1114.html
その後も体調の変化に合わせて、量や種類等を微調整されているようです。

この方が、認知症の薬は、主治医の所でもらい、
自律神経症状には、漢方薬治療を専門とする内科医の所に行くように
私も一人の医師が、漢方薬にも精通することなど無理だと思いますし
そんな必要は、全くないと考えています。

記事にも書きましたが、漢方薬治療のできる実力のある医師
どこにいるのか、容易にはわからないということが問題だと
私は考えています。

(ネットで少し検索した位では、わかりません。
大学病院の漢方治療なら、それほど外れはないと思って紹介しました。)

(できれば、保険の効くツムラなどの薬で治療が可能なら、なお良いのですが)

漢方薬に関しても、私たちは、最低限の知識が必要で、
『効いているのか、いないのかも、わからないけど、
とにかく処方されたから漫然と飲ませ続ける』ということは避けたいです。

「西洋医学で”治療法がない”という病気症状に対し、
漢方医学は、様々なアプローチの方法があり、効果を上げている。
がんを完治することはできなくても、抗がん剤の副作用を小さくしたり、
苦痛を減らし、生活の質を大きく上げることに成功している」
と岡部医師は、講演で。

病気に困っている多くの方が、より簡単に、良い漢方治療とめぐり会い、
あまり経済的負担なく、生活の質を上げることができたらいいのに!
と心から思いました。





No title

こんにちは!

どんなお薬を飲んでも効かなかった方が、
漢方薬を飲んで改善したという話を最近聞きました。

漢方薬でも、錠剤より粉末、粉末よりせんじ薬の方が
効くようです。

うちも便秘に悩まされていますので、
漢方も選択肢に入れてもよいのかな、
と、思い始めたところです。

No title

MKさん コメントありがとうございます。

医師から聞いた話では、
市販されている錠剤の漢方薬は、医療用の粉末
(ツムラ等で出しているもの)と比べると
弱い(成分量が少ない)そうです。

漢方治療に精通した医師が、
患者の証(体質)と症状にぴったり合った複数の生薬と量
(微妙なさじ加減が必要なようです。)
で処方するせんじ薬は、当然、一番効くだろうと思います。

ただ、そうした医師が良いだろうと思って処方しても
飲んでみたら合わなかった/効果が出なかったということもあり
ぴったり合う薬と量に辿り着くまで、
注意深い観察と医師への報告思考錯誤が必要なようです。

そういう意味では、漢方治療は、安直ではありません。



プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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