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映画「わが母の記」が描くリアルな認知症

2014年5月6日、BSで、映画「わが母の記」(原作:井上靖。監督:原田眞人。
主演:役所広司、樹木希林。2012年公開)を見ました。(→予告編 動画

樹木希林名演もあり、感動的な良い映画なのですが、私は、例によって、ひたすら
この認知症(=症状)の原因となっている病名を考えていました。

レビー小体型認知症「通常型」(=アルツハイマー型の記憶障害を伴う。3割には
歩行障害等のパーキンソン症状が出ない。→出典)ではないかと強く思いました。

(レビー小体型認知症発見者・小阪憲司医師による3分類。通常型は70歳前後の発症多。
パーキンソン症状から始まる「純粋型」(30代40代で発症多)「自律神経型」がある。
出典:小阪憲司著「第二の認知症」2012年発行。P.105)

例えば、映画の中の以下のシーン。 (→レビー小体型認知症の症状チェックリスト

物忘れがあるという自覚(病識)があり、「何度も言っているか?」と家族に確認する。
(アルツハイマー型では物忘れをした事も忘れ、早期に病識を失うと言われます。)

●「ソフト帽をかぶった(知らない)男は、どこに行った?」と家の中を探しまわるのは、
 レビー小体型の幻視(→幻覚の種類)に伴う行動そっくりです。

●夜中に懐中電灯を持って各部屋を見回り、その後は一人で自分の部屋に戻るという行動
 も幻視や(幻視から生まれる)妄想(→詳細)が出やすいレビー小体型に思えます。
 (アルツハイマー型では、家の中で迷子になると介護家族から聞きます。)

夕方になると一定時間錯乱状態になるのは、レビー小体型に多いせん妄に見えました。
 (→せん妄の種類と具体例 →入院中にせん妄を起こしやすい人の共通点
(アルツハイマー型の方が、せん妄は少ない。→参考論文を紹介したサイト)

追記:「”夕暮れ症候群”と呼ばれるものが、認知症には多い」という記述があちこちにありました。(一例:論文。原因は不明と書かれています。) 
追記:夕暮れ症候群とせん妄については、医師により説明も違い、よくわかりません。
   認知症の種類別発生頻度なども様々ありはっきりしません。

●せん妄以外の時は、穏やかに(普通に)家族と生活している。
(私の知るアルツハイマー型認知症の方は、一見普通の方に見えて、家の間取り、服の着方、トイレの使用法、食事の仕方も分からなくなっていきました。
普通に歩き、会話もできるのですが、朝起きた時から寝るまでの間、何から何まで手伝ってあげなければ、一人では生活できない状況です。)


懐中電灯を持って夜中に歩き回る行動を息子(役所広司)は「徘徊」と呼びます。
(→徘徊の種類 →徘徊への対応方法(体験談)
私は、『本人に理由を聞きたい』と強烈に思いました。
傾聴の姿勢で尋ねたら、レビー小体型であれば、きちんと説明してくれると思います。
「不審な男(=幻視)が夜になると家をウロウロしているから、探しているのよ」等と。

追記:コメント欄を是非お読み下さい。

<関連記事>
*「幻視(幻覚)にどう対応すれば良いのか」(具体的声かけの方法他)
*「認知症を描いた名画」(アルツハイマー型とレビー小体型の幻視の違い)
*「認知症かも?と思ったら。ゼロから分かる認知症Q&A」受診は?治療は?
*「5種類の認知症別 本人・家族の体験談集」(役立つヒントが一杯)
*「役に立つ認知症・介護動画集」(各種認知症の違いや対応方法が分かる!)
*「認知症の種類別 早期発見するための基礎知識とチェックリスト

a8.jpg
映画のワンシーン。母(樹木希林)と息子(役所広司)。画像はここから
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わが母の記

私も「わが母の記」を見て、レビーだと思いました。
それと文豪井上靖の人間観察の鋭さも、強く感じました。
最初のお父様の死去と葬儀のシーンでは、典型的なアルツハイマーと考えられましたが、その後れびーの症状が主体になった事が、しっかり描かれていました。

アルツハイマーの場合、認知症医発症から20~30年以内に家を建て替えたり引っ越した場合に、家が判らなくなるケースが多いです。
これは、アルツハイマーが過去の記憶を頼りに生きていることから、起こる現象だと理解できます。以前住んでいた家の記憶に基づいて行動するため、新しい家が判らなくなっていると理解できます。
アルツハイマーの大きな特徴は、最近の記憶が無くなる事と、短気記憶障害の自覚が全くなくなる事だと、私は理解しています。
この点がレビーと大きく違う点だと思います。

No title

私の母は、レビーと診断されましたが、しばさんの書かれた家の間取り、服の着方、トイレの使用法、食事の仕方も混乱していました。
「家にトイレが何個もある」「トイレに便器が何個もあって、どれに座ったらいいか分からない」と言っていました。もしかしたら、幻視の一種かもしれませんが・・・・

玄関の鍵穴に鍵を入れて回すこともできなかったし、植物と間違えて扇風機に水をあげたりもしました。とても普通に生活できるような状態ではありませんでした。車で一緒に外出しても、自分がどこにいるか分からないで、その場をうろうろと徘徊していました。
アルツハイマーとの混合型だったのかもしれません。
今言ったこともすぐに忘れる、同じことを何度も訊く、もありました。

でも、なんだか認知症の種類を分類すること自体、無意味な気がしてきました。重要なのは名前ではなく、本人と周囲の人が困る症状ですよね。
ある医師の言葉「名医ほど診断名に拘らない」は正しいと思います。

ある医科大学の標語「病を見ずして人を見よ」ですよね。
診断名に拘り過ぎると、人よりも病を重視し、結果ステレオタイプな判断「レビーだから・・」「レビーは・・」に繋がる怖れがあるのではないでしょうか?

大事なのは、患者の不安を減らして、楽に生活できるように支えること。
医療も、介護も、家族も、ここをスタート地点にしてほしいです。

病気の分類がなぜ大切か

hokehoke先生、コメント、ありがとうございました。

アルツハイマー型の「短期記憶障害の自覚が全くなくなる
(=新しいものから、記憶が、きれいさっぱり消えてなくなる。
言った/尋ねた記憶もないので際限なく同じことを言う/尋ねる
という症状は、レビー小体型認知症の私の母とは、全く違い、
身近で見ると、新鮮な驚きを感じます。


kimiさん、とても貴重なご指摘ありがとうございます。

ご指摘の通り、診断には「意味がない」という面があります。
認知症の多くは、合併し、入り交じるからです。
アルツハイマー型が、レビー小体型認知症を。
レビー小体型認知症の多くにもアルツハイマー型の脳の変化が起こります。


(久山町の研究調査)
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-627.html
(認知症専門医のセミナーの内容)
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-1054.html

病名にこだわるより、本人と家族が、今、何に一番困っているのか
それを緩和、改善するために医療やケア(介護)にできることは何なのか、
その方が、はるかに重要であることは、間違いありません。

ただ、今、目の前に(日本中に)溢れている問題は
レビー小体型認知症を知る人が、あまりに少なく、医師にすら気づかれず、
誤診され、治療で悪化し、気づかれないまま亡くなっていることです。

わが母の記」を見て、
「これは、アルツハイマー型ではなく、レビー小体型ではないか?
と思う人が、何%いると思いますか?
極端に言えば、レビー小体型の専門医介護家族だけじゃないでしょうか?

「認知症のほとんどは、アルツハイマー型です」と講演し、テレビで話し、新聞に書く医師は、減っていないと思います。

繰り返し記事に書いていますが、
アルツハイマー型が、レビー小体型と誤診されても大した問題は起きません。
「あ、違いました。アルツハイマーでした」と笑って済みます。

けれども薬剤過敏性(薬の作用・副作用とも大きく出やすい)という特徴を持つ
レビー小体型が、アルツハイマー型と誤診されて治療されたら危険です
薬の副作用で悪化し、歩けなくなったり、廃人、寝たきりになったら
「違いました」では済みません。

私が、病名診断に、病的にこだわっているのは、その一点です。

私の母に起こったこと、その後も数え切れない程の方に起こり続けている
同じ間違いが、2度と起きて欲しくない。ただそれだけです。

レビー小体型の問題は、あまりに多く、どうしても一言で言えず、
記事を書くたびに、必ず誤解を招いていると思います。
kimiさんのお陰で、ここで少し説明できて良かったです。
ありがとうございました。

最後にアルツハイマー型で、トイレの使い方、食事の仕方がわからなくなる例
も補足しますね。

(私は、アルツハイマー型は、詳しくないので、介護体験のある方から
教えて頂きたい
のですが)

私が実際に見た例は、アルツハイマー型の方が、
「トイレに入ったら、服を下ろして、便器に座って・・」という手順が
わからない
んです。
トイレで、何をどうすればいいのかわからず、立ち尽くしているんです。

食事は、「まず箸を持つ」という所からわからない。(説明すればわかる)

でも、特別養護老人ホームでも、歩けて会話もできる方の多くは、
そうではなかったと思うので、少し例外的なのかなとも考えます。

私の母は、当時、要介護5でしたが(現在は4)、記憶力もあり、
箸が何かわからないといったことはなかったので、
レビー小体型とアルツハイマー型では、「困ること」がこんなに違うのか
と衝撃を受けました。

薬剤過敏性はレビー小体型認知症に限らない

薬剤過敏性=レビー小体型認知症とは言えないのではないか」
という非公開コメントを頂きました。

その通りです。重要なご指摘です。
アリセプトで悪化するアルツハイマー型認知症の方もいらっしゃいます。
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-981.html

認知症とは関係なく体質的に薬が効き過ぎる方はいらっしゃいますし、
高齢者の多くは、薬の副作用が出やすくなっています。
http://apital.asahi.com/article/kasama/2013013100011.html

レビー小体型に限らず認知症の薬物治療には、多くの深い問題があります。

変えなければいけない問題ですが、厚生労働省、製薬会社、医師、学会、
それに、私たちの意識も変わらなければいけません。

しかし変わるのを待っていては手遅れになるので、私は、より現実的な手段として
各自が自衛するよう呼びかけています。
http://lewyoshaberikai-yuruyurugumi.jimdo.com/2013/08/30/家族と医療-1-まず処方箋をチェック/

に関する最低限の知識がなければ、
老いた親も家族も自分も守って行くことはできないと思います。
理不尽かつ残酷な現実だと思っています。

追記:レビー小体型認知症でも、私がコメントに書いたアルツハイマー型の方の例と全く同じ症状(トイレや食事の手順がわからない。)があったというご報告も受けました。
ありがとうございました。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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