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9月2度目の帰省4日目(前半)ピック病への疑問 幸せなランチ

夕べは、私も母の主治医(河野和彦氏)が書いた本3冊を読む。父が病院で買った自伝的な本は、ほとんど読んでいなかったが、巻末にコウノメソッド(認知症薬物療法マニュアル。ネットでも公開している。)全文を見つける。
夜、悪夢を見て叫ぶ場合は、アリセプト(認知症の治療薬)を当面中止するようにと書いてある。主治医は、介護者(家族や施設職員)が患者を観察しながら薬の量を調整する事を勧めている。母が悪夢を見るかどうかはわからないが、男に襲われるという妄想はあり、一晩中よく叫んでいると職員から聞いていた。
なぜもっと早く読み返さなかったのかと悔やむ。グループホーム宛に手紙を書き、本のコピーをとった。

朝、妹が、実家に来て、多くの連絡事項を伝え合う。これからやらなければいけない多くの仕事を分担する。
妹は、父の症状は、生まれつきのものが老化で強まっただけではないかと言う。CTの結果も生まれつきそういう傾向があったのではないかと。
私も悩んでいる。私にもわからない。ただ私は、直感で父が変わったと感じる。父は、元々変わった人ではあったが、異常な人ではなかった。意味のないことで激怒することもなかった。思いやりもある人で、反社会的な人ではなかった。(妹は、全て最近始まったことではないと言う。ならば数年かけて進んできたのかも知れない。)
理解できない言動も毎日ある。(後日、詳細を書く予定。)しかしそれがピック病の一言で片付けられるとも思えない。ピック病に関する情報も少な過ぎる。

11時、グループホームに3人で母を迎えに行く。(兄はショートステイ中)
(「私の車で行くからね!」という妹の言葉に、父は、不思議と黙って従った。行き先がわからないからか?)
職員にコピーした資料と手紙を渡し、簡単に説明するが、笑顔で言われる。
「夕べはちゃんと寝ましたよ。毎晩叫んでいる訳ではないですし・・。そんなに心配しないで下さい」
母が、夜、寝たという話を初めて聞いた。

母は昨日のように穏やかな顔をしていた。頭もしっかりしている。良かった。
母は、職員や他の入所者に微かな笑顔で手を振っている。
「こんな風にご飯(外食)に連れ出してもらえる人なんか他にはいないから、みんな”いいねぇ!”って言うよ」
車は妹が運転し、私は、母に、ずっと声を掛け続けた。母は、比較的しっかり受け答えする。

妹がネットで調べてくれたバリアフリー(車椅子で行ける。)のフランス料理店に行く。
母は和食より洋食が好きだが、父が洋食嫌いなので、そんなレストランには行ったことがないと思う。
コース料理を頼む。母は「ステーキが食べたい」と言うので、コース料理の内容を特注で変えてもらった。
母は、きれいに彩(いろど)られた一品が来るごとに目を丸くしている。
黙々と全部平らげて行く。(母は、食べることと話すことの両方を一緒にはできなくなっている。)
父は、黙って、それをとても嬉しそうに見つめている。
4人で40年近く前の家族旅行の話で盛り上がる。父も母も驚く程細かいことまで覚えていて、楽しそうに饒舌に話した。
旅行が生き甲斐の1つだった母も話している間にどんどん笑顔が出てきた。昔の母の笑顔だ。私は、全ての哀しみも疲れも消えて行く気がする。

旅行の話を終え、今度は、母の(病前の)明るい思いやりの深い性格を持ち上げていると母が言う。
母「お父さんだって褒めてあげて」
私「う~ん。お父さんの良い所を見つけるのは、ちょっと難しいかも(笑)」(父を見ながらおどけた。)
妹「支払いは、お父さんだものね~!お父さ~ん、ご馳走さま~!」
父も母も皆で笑った。病気なんてなかった昔のように・・。
私「○○(妹)のお陰で、こんな美味しいお店に来られて良かったね、お母さん!」
母「ほんとだよ。今まで行ったレストランの中で一番美味しかったよ。○○(妹)、ありがとうね!」
皆、それぞれに幸せな気持ちでレストランを出た。

最高に調子が良い母、にこやかな父・・・。
こんな和やかな食事ができるのは、あと何回もないのだろう。これが一生心に残る宝物のような思い出になるのだろうと考えている自分がいた。
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プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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