認知症に見えないピック病(前頭側頭型認知症)とレビー小体型認知症

邦画『「私」の人生 我が命のタンゴ』(2012年公開)を見ました。→予告動画
ピック病(前頭側頭型認知症。詳細)を主題に精神科医の和田秀樹氏が監督しています。

ピック病を患う名誉教授(演じるのは、橋爪功さん。)の症状は、
● 若い女性を見ると抱きついてしまう。目の前に足やヒップがあると触ってしまう。
● 店のアイスクリームを(自宅の冷蔵庫から取り出して食べるように)食べてしまう。
● 店の雑誌数冊を持って、お金を払わずに、堂々と店員の前を歩いて出て行く
● 非難されると激怒し、突然、猛然と暴れ出す。(イスを振り回す。)
● 食べ切れない程たくさんの食べ物を注文してしまう。他。

しかしそれ以外は、まったく病気には見えず判断力もあり、家族の頼みを聞いて病院にも行き、身体介護がまったく必要ない段階で素直に施設にも入ります。
(私のピック病の父と比べ、この部分はちょっと信じ難いと感じました。)
施設では、タンゴのステップを覚え、以前のように立派に英文学の講演会もこなします。

松原智恵子さん演じるピック病の施設入所者の方は、さらに健康な人にしか見えません。
問題は、「きれいなものを見ると無断で持って来る」という点だけです。
和田監督は、医師として、認知症に全く見えない方々をご存知なのでしょう。

ピック病は、症状を調べると常同行動(同じ字を書き続ける。机を叩き続ける等)など異常行動がずらりと並んでいます。しかし実際には、まったく健康な人にしか見えないという体験談(→記事)を伺っています。私の父も家族から見れば判断力の低下著しいですが、他人からは認知症には見えません

レビー小体型認知症も認知症にはまったく見えない方々がいらっしゃるのは、繰り返し書いてきた通りです。

最近、医師のブログに私の母にぴったり当てはまる記述を見つけたので転機します。
(追記:現在の母は、波はあるものの、普通に会話のできる状態をほぼ保っています。)
(青字部分のみ。いちは氏のブログから)レビー小体型認知症では:

「(略)幻視をありありと覚えていることが多い。
認知機能は時間帯、あるいは日によって大きく揺れ動く
状態の良い時には、とても認知症には見えない人が、悪い時には
最重度の認知症になってしまう。そしてまた、状態が良くなるとすごくまともになる

<参考→本人が語る「波」(意識障害)の時の感覚と気持ち

これは薬剤過敏性という特性から処方薬が原因で起こることも多々あります。
向精神薬通常量のアリセプトなど様々な薬で劇的に悪化し廃人化。薬を止めたり減らしたりすると普通の人に戻ります。(投与された期間や人により戻らない場合もあります)

「認知症とは物忘れのひどくなる病気」だと常々聞いている私たち一般人は、こうしたピック病レビー小体型認知症が「認知症という名のつく病気の1つ」だとは、中々気づきません
また医師も「歳のせい」などと言って、誤診することが珍しくないのが現実です。

*朝日新聞記事「ピック病を超えて生きる」2014年3月27日。中村成信さんについて

<関連記事>
*カテゴリ:「ピック病」(体験談も)
*「高齢者の認知症を悪化させる薬一覧」(家族会サイト)
*「レビー小体型認知症は、”認知症”なのか?
*「レビー小体型認知症を重症認知症に見せる”せん妄”の種類と具体例
*「レビー小体型認知症 体験談集」(家族会サイト)
*認知症を描いた映画「明日の記憶」「サッチャー元首相」「きみに読む物語
          「ペコロスの母に会いに行く」(監督自身の認知症について)

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レンギョウ
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プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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