「認知症に見えない」。若年性レビー小体型認知症体験談

このブログに体験談を提供して下さっている若年性レビー小体型認知症のKさん(50代)
ominaeshiさんは、会って長時間お話ししても、病気とは分かりません
実際には、多くの症状や日常生活の不便日々闘っていらっしゃいます。

「口に出して説明しない限り、誰にも理解されない病気とお2人は言います。
「質問されれば隠さない。でも、自分から”こんなに苦労している”と話して心配させたいとも思わない。病気は知って欲しい、でも正確な理解は難しい。その両方を感じる」

レビー小体型認知症への理解が少しでも深まるならばと、お2人とも敢えて取材に協力して下さっています。以下は、最近のKさんへのインタビューをまとめたものです。


認知症には、全然見えませんよ」と今まで多くの人から言われて来た。
認知症なのに普通に会話ができるのか』という驚きから出た言葉が多いと思うが、「信じられない。誤診ではないのか?」という疑念を持たれていると感じることもあった。

そう言われる度に「認知症」という言葉への違和感と理解されない寂しさを感じる。

進行したがんの方に「がんには、全然見えませんよ」と言ったら、どう感じるのだろう?
人からは見えない多くの苦しい症状、不便、苦労、葛藤が、あるだろう。
そう見えても見えなくても、必ず進行していくことは、本人が一番わかっているだろう。

私が、レビー小体型認知症患者だと名乗るとき、多くの人は、私には、考える力感じる力人間らしさもないか、これからなくなっていくと考えている。
相手の反応からそう感じる。それが、多くの人の持つ認知症のイメージだと思う。

私は、将来、考える力も感じる力も人間らしさもなくなっていくのだろうか?
なくならない」と、今は、信じている。(信じようと決意している。)
レビー小体型認知症では、それらが、最期まで残ると聞いている。

自分が自分でなくなっていくことが怖くないですか?不安ではないですか?」
と2人の人から質問されたことがある。

もし考える力感じる力人間らしさもなくなってしまうとしたら、恐怖しか感じない。
そういう立場に置かれて、平気で生きていける人がいるとは、思わない。
ボケて何もわからなくなるから、認知症は楽だ」と言った人がいるが、自分が認知症と診断されたら、同じことを言って笑ってはいないだろうと思う。

多くの人の抱く「認知症」のイメージをそのまま信じ込むのではなく、レビー小体型認知症の実際の姿を知れば、考える力も感じる力も人間らしさも失われないと分かる。

病名に認知症とついているだけで、多くの人は、私に絶望的な姿をイメージする。
私も絶望した時期があった。
でも(推定)発症から10年以上経っても、私の考える力は落ちていない
理由はわからない。諦めずに、あらゆる努力を続けた結果なのかも知れない。

料理に苦労したり、駅で迷ったり計算ができなかったり、様々な能力の低下があっても、私の思考力人間らしさだけは、変わっていないと思う。
うつになって悲観的になったり、自分に苛立ったり、症状に怯えたりする時もある。
でも、絶望からはい上がってきた分、以前より強くなったと感じる。
病気を持つ人の苦しみを身近に感じられるようになったことは、良かったと思っている。


*その後の症状などは→こちら Kさんの体験談集(リンク集)

 <Kさんの今までの経過・治療・気持ち>(記事の古い順から)
経過治療漢方治療症状認知症の苦しみ空間認知能力幻覚をどう感じるか
臭覚低下など新しい症状/その治療(漢方治療)

追記:レビー小体型認知症の中には、進行早い例も大変遅い例(10年間進行しない等)もあると専門家から聞いています。2013年3月Natureに掲載された論文に「アルファシヌクレイン(レビー小体の主成分となるたんぱく質)には毒性等の異なる2種類があることを発見。病気の進行等の個人差を説明できる可能性がある」と書かれています。


<関連記事>
*「レビー小体型認知症は、”認知症”なのか」記憶力・思考力が残っている実例
*「病気を打ち明けることの利点/打ち明けられない苦しみ」(体験談)
*「ominaeshiさんの幻視/経過/認知症の苦しみ」(体験談)
*「若年性レビー小体型認知症 Hさんのリハビリ入院 体験談
*「若年性認知症ブライデンさんのメッセージ」(週刊東洋経済から)
*「若年性アルツハイマー病 仕事を続けたい!」(週刊東洋経済から)
*「自立支援医療障害者手帳障害者年金 申請の体験談」(若年性認知症)
*「レビー小体型認知症の症状チェックリスト」(3種類)症状リンク集も
*『市川衛著「誤解だらけの認知症」』(良書です)

若年性アルツハイマー型認知症 足立詔一さんの体験談」(読売新聞)うつ病と誤診。

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小さな野の花

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削除されたコメントへの返信

追記:MKさんのコメントは、ご本人のご希望により削除させて頂きました。
Kさんやominaeshiさんへの応援メッセージであり、MKさんご夫妻の実践が書かれ、私は、大変素晴らしいコメントだと思っていました。

なので、私の返信コメントは、そのまま残します。
............................................................................................................
MKさん
この記事にコメント頂けて、とても嬉しいです。ありがとうございます。

Kさんにもominaeshiさんにも複雑なたくさんの思いがあり、常に様々な葛藤があると感じています。
『話したくて話している訳ではない、
多くの方に伝えなければいけないという強い思いがあるから話している』
ということも強く感じています。

そうした複雑な思いの、ほんの一面しか伝えていないという気持ちが、
私には、常にあります。
できる限り正確に、皆さんに伝えようと、最大限の努力はしていますが、
どのくらい正確に伝わっているだろうかという不安も消えません。


差別される病気や障害か、そうでないかというのは、私も大きいと思います。

「私は、パーキンソン病です」と言うのと
「私は、レビー小体型認知症です」と言うのとでは、
人が受ける印象も反応も違うと思います。

認知症への誤解は、限りなく広く、深いです。

認知症をアルツハイマー型の代名詞として使い啓蒙活動を続ける医師たちにも
その責任があると私は思っています。

レビー小体型や前頭側頭型が、アルツハイマー型とは症状が違うと
理解している国民は、何%いるでしょうか?
(アルツハイマー型との合併やアルツハイマー型に近いタイプのレビー小体型もあれば、全く違うタイプもあります。)


MKさん、ご主人様が、トイレの問題があることを隠さないということに、
私は、正直言って本当に驚き、そして心から尊敬しています。

MKさんの書かれるように、トイレの問題は、病気や老化の症状であり、
本人の意志や努力や人格とは、何の関係もありません

MKさんご夫妻のように、自然に、ありのままの姿を
隠さずに生きていこうとされる方々が、
接した人の意識を、社会を、変えていかれるのだなと思います。
それは、本当に素晴らしいことだと心から思っています。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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