アルツハイマー型認知症 grandodoさんの体験談

2014年1月の記事(こちら)でご紹介したgrandodoさんの貴重な体験談です。(青字)

「認知症も早期発見・早期治療が大切」と言われますが、実際には、早期では「脳の萎縮もないし歳相応」と見過ごされる場合が少なくありません。
本人や家族が「おかしい今までと違う」と思う感覚の方が、正しい場合が多いです。

またアルツハイマー型認知症では、レビー小体型認知症と違い、病識(病気の自覚)が早期に失われ、明るく元気な方が多いと言われたりしますが、grandodoさんの奥様の場合は違っています。

追記:2014年4月11日の朝日新聞の記事:「アルツハイマー型認知症では早期からもの忘れを自覚しなくなる(病識がない)と広く言われているが誤っている。認めたくないという思いが否認となる。取り繕いも異常に気づいているからこそ。中期でも病識はある」(記事全文

(追記:その後、2014年夏から薬剤過敏性や幻視などレビー小体型認知症の症状が現れてきているそうです。)
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カミさん:69才。アルツハイマー型認知症 (2014年2月現在)
私(夫):73才。視覚障害者の音訳ボランティアをしていた影響で福祉に関心を持った。

2009年(65歳)カミさんがもの忘れを自覚し一人で受診する。異常なし。経過観察。
2011年(67歳)カミさんが同窓会の場所に一人で行けず付き添う。MRI撮るが異常なし。
        別の病院に行っても「異常はない」と言われた。
2012年(68歳)3つ目の病院で初めて「アルツハイマー病の疑いがある」と言われる。
        しかし「まだ軽度。進むばかりなので画像は撮らない」と言われたりし
        私には、納得できない部分があった。

カミさんは、診断時も冷静で、その後も取り乱したり、落ち込んだりはしなかった。
介護をした認知症の実母と同じ経過を辿ると考えていて「怖くはない」と言うが「早く死にたい」と言うことがある。
毎晩寝る前に、カミさんは、弥勒菩薩像の絵に5〜10分手を合わせている。

私たち夫婦は、長年、近所に住む3人の幼い孫達を毎日預かっている。
妻の脳にも良いと考えて、積極的に引き受けているが、負担が大きくなってきている。

カミさんは、「おばあちゃんは、すぐ忘れるからね」と孫達に言い聞かせている。
孫達は、それを素直に受け入れているように見える。
「手を洗ったの?」等と何度も同じことを言われると、うるさそうにはしている。

私が倒れて妻や孫達の世話ができなくなることが一番辛いので、健康には留意している。

現在(2014年)、カミさんの初めての介護認定を申請中。
近くに小規模多機能施設ができたので、少しづつ利用して慣れておこうかと考えている。
今まで認知症について相談する相手はいなかった。家族会等に関心は持っている。

夫婦が、元気で居られることが、一番の望み。
2人でお喋りすることが、楽しみでもあり、幸せだと思う瞬間。
一緒にハイキング・散歩・コーラス・外食・テレビ・カミさんに教えてもらいながらの料理などを楽しんでいる。
進行を遅らせる(少なくとも現状維持する)ために積極的にしている。
しかし進行を遅らせることは、とても難しいとも感じている。

  <2013年の奥様の発言から  日常生活の様子は→こちら
(慣れた道が分からなくなって歩き回わり)「たまらなく不安で辛かった」
「生き恥を晒すのは、侮辱されているのと同じ。とてもしんどい」
「人に迷惑を掛けて生きる自分を許せない」
「今していることが覚えられないのが、どんなに辛いか・・なった者しかわからへん」
「何度も何度も、同じことを聞くのがイヤになる」
「こんなボケた頭で、生きていくのがイヤになる」

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<「しば」から、まだ介護認定を受けていらっしゃらない皆さんへ >
認知症を疑ったら、診断されたら、とにかくまず「地域包括支援センター」に電話をして相談することをお勧めします。連絡先は、市区町村の役所の福祉窓口で。

「どこの病院にどうやって連れて行けばいいか分からない」「何をどうすればいいか分からない」と言えば、親切な職員適切なアドバイスや情報をくれます。万々一ダメだった場合は、違う地域包括支援センターに電話してみて下さい。必ず助けてもらえます。

追記:コメント欄に「何型の認知症か」を区別する方法へのリンクがあります
(レビー小体型、前頭側頭型がアルツハイマー病と誤診される例は少なくありません。)

<関連記事>
*「早期発見のヒント」と「進行を遅らせるヒント」(NHK「あさイチ」から)
*「認知症と診断されても」悲観しないで!できることはいくらでもあります。
*「4大認知症 早期発見のための知識とチェックリスト

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梅(ウメ)
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No title

この方の奥様は、早期の中でも早期なんじゃないかと思います。
この程度でしたら、義母は55歳で脳梗塞をした直後からありました。
引っ越しの当日の朝にご飯を大量に炊いてしまったり、とんちんかんな受け答えをしたり・・・でも、それから15年間、家族は誰も認知症を疑っていなかったみたいです。(私は最初から変だと思いましたが、もしかしたら生まれつきかもしれないので、言い出せませんでした)

アルツハイマーの方が病識がなくて明るく前向きでいられるのは、もう少し進んでからだと思いますよ。新しい経験が全部消しゴムで消すように無くなって、それに慣れちゃって、「忘れること」も忘れちゃって気にならなくなって、忘れないように努力もしなくなった頃。

最近の義母は、面倒なことは全て「もう、すっかり忘れた!」と明るく言い放ちます。
これは「Done!」と同じで、話題を打ち切りたいときの方言にしているみたい。
人にも依るのでしょうが、この魔法の言葉を使いこなせるようになると、楽みたいです。
忘れることの不便さも罪悪感もなくなります。

認知機能検査は?

認知症・特にアルツハイマーの場合は認知機能検査が有用です。
改定長谷川式認知スケールやMMSEなどの質問紙法や、時計描画テスト・立体図形模写・ハトや逆さ狐の模倣などを行うと、異常が確認できる事が多いです。
レビーやピック(前頭側頭型認知症)の場合、これらの検査で異常が確認できない場合も少なくなく、認知症では無いと言われる事が多いです。
画像検査では、認知症か否かは判りません。症状や前記の様な認知機能検査の結果で認知症と診断された場合、原因疾患の鑑別には有効に成る場合が少なくありませんが・・・。
特に脳外科的認知症の場合は、画像診断が必要です。ただ正常圧水頭症に関しては、脳外科医に中には理解が不十分で、誤診される事がありますので、注意が必要です。
正常圧水頭症については、LPシャント手術と言う方法を用いて、正常圧水頭症の治療経験がある医療機関でセカンドオピニオンを受ける事が必要な場合もあるようです。

grandodoさんの奥様の場合

2011年(67歳)カミさんが同窓会の場所に一人で行けず付き添う。MRI撮るが異常なし。
        別の病院に行っても「異常はない」と言われた

とあります。アルツハイマーだとすると、この時には発症していたと思われます。少なくともMCIレベルの状態であったと考えられます。
2年たてば、アルツハイマーだとそれなりに進行しており、病識がある事はアルツハイマーとしては、当てはまらない印象があります。
短期記憶障害が強いタイプのレビーの可能性が高いです。
アルツハイマーの場合、短期記憶の異常な低下(遅延再生が0~1点/6点)と、病識の欠如が大きな特徴となります。
海馬の萎縮を重要視している専門医が多いですが、中等度までの海馬の萎縮はレビーでも起こります。アルツハイマーを合併しているケースも多いので、当然な現象です。
ただアルツハイマーの場合、海馬の高度な萎縮まで進行するようです。
注意が必要な事は、前頭側頭型認知症でも海馬の萎縮は早期から認められる事も多く、進行に伴って高度の萎縮に近い状態まで萎縮が進行します。このため前頭側頭型認知症の場合、画像を重視する専門医だと、アルツハイマーと誤診する事が珍しくないようです。
その割に、MMSEの点数が良いので、首をひねっている専門医が珍しくないようです。


2011年(67歳)カミさんが同窓会の場所に一人で行けず付き添う。MRI撮るが異常なし。
        別の病院に行っても「異常はない」と言われた

認知症の種類別の特徴

kimiさん、hokehoke先生、コメントありがとうございました。

grandodoさんの奥様のことは、わかりませんが、レビー小体型認知症でアルツハイマー型と診断される方は多いので、どうしたら誤診がわかるかというのは、何年も調べ続けていることの1つです。

次の記事が、少しでも参考になればと思います。

認知症の種類別 長谷川式スケールの答え方
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-906.html

認知症の種類別 見た目の違い
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-1054.html

時計描画テストの利点と弱点 認知症の種類別の特徴
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-999.html

写真を使ったレビー小体型認知症発見テスト
(色々なものが人の顔に見えるという症状を利用して)
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-998.html

アルツハイマー型認知症の進行の仕方(FAST)
(大きく違っていれば、誤診の疑いあり)
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-806.html

1つだけ声を大にしてお伝えしたいこと。

レビー小体型認知症の疑い→本当はアルツハイマー型だった。
という時は、別に問題は起こりません。

しかしアルツハイマー型、前頭側頭型(ピック病など)、うつ病、パーキンソン病、統合失調症などと診断されて
本当は、レビー小体型認知症だったとなると重大な問題が起こります。

レビー小体型認知症は、薬の激しい副作用が出やすいという特徴(薬剤過敏性)があるため、誤った治療で歩けなくなったり、寝たきりになったりする可能性があるからです。

ですから安全(危険回避)を考えたら、まず
『もしかしたらレビー小体型認知症かも知れない。そういう可能性もある』
と考えて、薬には十分注意し、飲ませた後はよく観察するべきです。

劇的に悪化して、介護困難になってからでは遅いですから。


プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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