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「ペコロスの母に会いに行く」の作者の言葉(文芸春秋)

2014年1月27日発売の文芸春秋SPECIAL季刊春号「認知症に勝つ」(認知症特集号)に
「『ペコロスの母に会いに行く』秘話 俺と母ちゃんの陽だまりの日々」という岡野雄一さん(ペコロスの作者)の記事があります。
8ページに渡る長い記事ですが、その中の一部を抜粋してご紹介します。


「(母親の認知症に)僕は一緒に暮らしていたのにまったく気づきませんでした」

「認知症の人に対しては病人と思わずに普通に接しているほうが、接し方としては良いそうですから(ボケを病気だとも思っていなかったのは)その意味では幸せだったのかも知れませんが」

「(読者カードに「甘い介護はそんなもんじゃない」。)それは十分わかっています。
男だし息子だから女性と違って細やかさが足りないんですよ。
もうひとつは、母が緩やかにボケていったということもあるでしょう」

「改めて気づいたのは、母の介護をマンガのネタと考えていたということです。
母が何かをしでかすと、僕は『あ、ネタができた』と喜べたんですね(略)

ねじめ正一さんもそのこと(お母さんの認知症介護)をネタに小説を書いているんですが、作家の業でお母さんの言動をネタとして持っているところがあり、それを書くことが自分への処方箋になったとおっしゃっていました。

普通の人は介護をしていても、どんどん不安鬱憤がたまっていって吐き出すところがなく、いつかパンクしてしまうんでしょう。
特に在宅で介護をしている真面目な人ほど『逃げたいけれど逃げられない、24時間追い詰められ続けている』という重圧の反動として、介護を苦にした自殺などへとつながってしまうのではないでしょうか」

「『在宅介護は相手を抱きしめている状態』と言いましたが、必死の思いで「抱きしめて」いた人たちも、ちょっとその腕を緩めて離れてみてもいいのではないかと思うんです。
認知症をもう少しふわりと受け止めて、精神的にも最適な『それぞれの距離』を見つけることが、明るく接していくための方法なのではないでしょうか」

「親がボケたせいで自分がしゃかりきになって、無理をして一緒に共倒れするよりは、世間から何といわれてもいいから『自分たちなりの距離』を保ち、きちんと地に足をつけているほうが絶対いいと思います。自分が楽であれば、きちんと面倒を見られるんです」


追記:コメント欄に記事の補足があります。是非お読み下さい。

<関連記事>
*「原作漫画の作者 岡野雄一さんと田口ランディさんの対談」(介護の何が辛いか)
*「レビー小体型認知症を描いた漫画集」(介護職員の研修にも利用されています。)
*「介護短歌で心の整理」(誰でも、書く事で気持ちが楽になる)
*「ドラマ版 主演女優 草村礼子さんとダンス・ボランティア
*「監督自身が認知症と闘いながら撮った映画「ペコロスの母に会いにいく」
 (ETV特集「記憶は愛である ~森崎東・忘却と闘う映画監督~」から)
*カテゴリ「認知症とは/ケア・介護

ペコリス母に会いに行く
漫画「ペコロスの母に会いに行く」
121129_3.jpg
作者の岡野雄一さん(ペコロス)とグループホームに暮らす母・光江さん
(写真は、「ハートネットTV」公式サイトから。)
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No title

レビーの場合は、どうにもならない症状に苦しみ、まじめに治療しようとする人が薬害にあったり、アルツハイマーを中心としたケアのとおりに
ケアされて、こころはどんどん閉じ込めらていく、だから、やっぱり、まじめな家族は必死で守ろうと抱きしめてる。ゆるやかに考えられるようになるには、レビーを理解し、治療方針、ケアの方法を仲間に教えてもらったときから、、やっと。それでも気は抜けませんけど。

岡野さんの場合

ygraciaさんのお言葉、よくわかります。その通りです。

「緩やかに穏やかに少しづつボケていった」というのは、
ある日突然、錯乱状態になったり、リスパダール等の薬を処方された途端に体が固まって動けなくなったり等というレビー小体型認知症の体験とは、あまりにも違うなぁと思いました。

抜粋なので、色々誤解される方も多いと思いますので、補足します。

岡野さんは、自宅介護をするべきだと思いながら、それが無理になり、お母さんをグループホームに入れたことで罪悪感に苦しめられたようです。

また親戚の人達からも非難され、かなり辛かったと、以前、テレビで話されていました。

漫画が世に出て、読者から「それで良かったんだよ」と言われたとき、驚き、そして救われたと話されていました。

特に男性介護者が多いと思うんですが、
何が何でも自分が看るんだと、一人で歯を食いしばって自宅介護を続けようとする方が、よくいらっしゃると思うんです。

そういう方に、『限界が来て2人共つぶれてしまう前に介護をプロに任せて、自分は、精神的ケアに回るという手もあるんだ』と伝えたくて、この記事を書きました。

施設に預ければ、心身のゆとりを取り戻せます。
余裕を持って、笑顔で、優しく接することも容易になります。

自分が通える範囲で、笑顔を届けに行くことは、疲れ切った顔で自宅介護するよりも本人にとって良いということもあります。

とはいえ、それも様々な事情で許さない方も大勢いらっしゃいます。

そうした方には、ショートステイなどを利用して気分転換の時間を持つこと、遊びに行く時間を作ることを「頑張って」して欲しいと願っています。(頑張らないとできませんから)

そして、書く(日記でもブログでも短歌でも俳句でも何でもいいです。)ことが、救いになるということも是非伝えたいと思いました。

書くことで、少し距離を置いて見ることができるようになるんです。
距離を置いて見ると、違う面が見えてきます。

書くのが無理なら、想像だけでもいいです。
今、この様子を誰かがテレビカメラで撮っていたら、
天井から誰かが覗いていたら、
ラジオで実況中継されていたら、
どんな感じだろう、その人は、どんな風に感じるだろうと、
ちょっと想像するだけで、自分とは違う見方があることに気づくと思います。

以前にも書きましたが、チャップリンは、「人生は、アップで見たら悲劇、遠くから見たら喜劇」という内容のことを言っています。

私は、母を自宅介護した時、この言葉を繰り返し思い出していました。
トイレの失敗で滅茶苦茶になっている母を「ぎゃ〜!」と言いながら、アタフタかけずり回りながら、大汗かきながら処理している自分・・。
『あぁ、遠くから見たら漫画だわ・・』と思いました。

お一人お一人に、人には言えない耐え難い苦しみがあって、それは、決して簡単には解決できないものです。

でもその苦しみに押しつぶされてしまうのではなく、なんとか(どんな方法であっても)知恵を絞って乗り越えて頂きたいと、ただただ願うばかりです。

ygraciaさんのコメントに寄せて

ほんとうにその通りなのです。

プロの方々のお力添えに関しても 安心してお任せしてはいけなかった事「まさか!」がしばしばありまして、残念ながら 家族は気や手を抜けないのが現実なのです。

レビーの家族の気持ちを代弁し 啓蒙活動に尽力下さっているygraciaさんに 『ありがとうございます。』と この場をお借りして一言お伝えしたく思います。

しばさん、すみません。

No title

くろまめさん、コメントありがとうございます。
ちょっと誤解を生んでしまったみたいで、こちらこそすみません。

ygraciaさんは、レビーの問題を私よりもずっと広く、多く、具体的にご存知の方です。
数え切れない程のレビー家族の相談にのってこられた方なので、その情報量というのは、ものすごいものがあります。

私の最も尊敬する方の一人であり、親しくもさせて頂いています。

そんな親しさがあって、ygraciaさんが、せかっく話題にあげて下さったレビー介護家族特有の苦しみをサッと岡野さんの話に切り替えてしまい、大変失礼しました。

ygraciaさんにもみなさんにも心からお詫びします。

レビーの本人は勿論、家族の苦しみは、それはもう、書いても書いても尽きません。

医師が処方する薬で悪化し、それに誰も気づかず、
薬剤師もケアマネも介護職員も誰もレビーをよく知らず、
適切な対応ができず、どんどん悪化し、誰も助けてくれる人がいない・・という地獄のような状態に陥るのが、レビーです。
私もありえないことの連続に頭が爆発しそうでした。

家族会に連絡を取り、情報やアドバイスを頂き、暗闇の中で初めて光を見つけることができました。

レビーについて学べば学ぶほど、道は開けていきました。
そして母は、驚くほど回復していったんです。

そこまでの道のりが、どれほど困難で、苦しく、孤独で、耐え難いかということを、私は、知っています。
そしてその状況が、現在もほとんど改善されていないことも知っています。

だから、変人だと思われているだろうなと思いながら、しつこく、しつこく、このブログを書き続けています。
こんなブログが必要でなくなる日が、1日でも早く来ることだけが、私の望みです。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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