「認知の変動」という症状(ためしてガッテンに補足)

レビー小体型認知症に特徴的な症状の1つに認知の変動があります。

例えば、「健康な人のように問題なく普通に会話ができる時」と「重症認知症患者のようになる時」が、(不規則に)交互に入れ替わるという症状です。(講義動画)
(人により程度の違いはあります。同一人物でも状態は、軽度から重度まで多様です。)

表情も一変しますので、家族は、顔を見ただけで「今は、調子が悪いな」とわかります。
(生気や表情がなくなる。目が虚ろで健康な人に見えない。)

アルツハイマー型認知症では、この変動は起こらないと言われています。
「アルツハイマー病なんだけど、ちゃんと覚えている時もあるのよ」
「しっかりして、身の回りのこともちゃんとできる時もあるんだけど」
と聞くことが時々ありますが、誤診を疑うべき例だと思います。

(追記:「3つの会」で当事者の”声”を読むと、アルツハイマー型でも変動があることがわかります。2014年12月)

レビー小体型のこの変動は、規則性なく起こり、短い時間の中でコロコロと変わることもあれば、週、月といった長い単位で変わることもあります。(家族でも気づかない場合があります。)
通常は、1日の中でも変化(波)が見られます

小阪憲司医師は、悪い状態を「ぼーっとしている時」と表現しています。
ためしてガッテン」のゲストの榊原郁恵さんは、「リラックスている時」と受け取っていました。

認知の変動」は、ぼんやりとリラックスしている状態ではありません
脳内の急激な変化(脳内物質の量の変化なのか血流の変化なのかはよくわかりません。)により、脳が、正常に働かなくなっている状態です。

恐らく、高熱時や極度の睡眠不足の時に近い状態なのではないかと想像します。
若年性レビー小体型認知症のKさん(50代)は、心身共に辛い状態と語っています。
私の母も「悪い時は、嫌なことばかり考え、暗くなる。眠くなる。体が重く、何もしたくない、考えたくない、誰とも話したくない」と語っています。(→記事

「自分に話し掛けられる内容は、全部理解も記憶もしているが、会話する気力が出ない」とKさんは説明します。→(記事)

無理に何かをさせたり「しっかりして!」と叱りつけたり、わからないだろうと家族同士で本人が傷つくような話をしないように気を付けましょう。

<関連記事>
*「認知症の種類別 早期発見のための知識とチェックリスト
*「レビー小体型認知症を知る最重要リンク集」(初心者でもよくわかる)

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山不如帰(ヤマホトトギス)
野草です。
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No title

しばさん、こんにちは。

うちの義母もその変動がありますよ!
「今日は調子が悪いみたいだね」「今日は目に生気があって、言葉も良く出る」と見ていて分かります。
調子が悪い時は、死んだ魚のような目になっています。

いつ頃からあったのかな〜?
なにしろ、脳梗塞してから25年も経っているので・・
でも、空間に話しかけたり、ないものを凝視したりはないし、いつもニコニコしてます。どうも、他人が近くに来ると必ずそっちの方を見る、知らない人でも嬉しそうに会釈する、という行動が見られます。
iPadで絵を描かせたら、上手に人間の絵を描きました。
棟方志功みたいな味のある絵。ビックリです。

脳血管性認知症にも

kimiさん、コメントありがとうございます。

はい。脳梗塞など脳の血管の破損によって起こる認知症では、「意識レベルのゆれ」」があると言われています。

朝日新聞に症状をとても具体的に理解しやすく書かれたものがこれです。

<血管性認知症(皮質下血管性認知症)の「まだらボケ」 症状>
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-1056.html

では、レビー小体型認知症の「認知の変動」とどこがどう違うのかというと私もよくわかりません。
どなたか詳しい方、いらっしゃいましたら教えて下さい。


特養で少し働いていた頃を思い出すと、教科書通りの典型的な症状の方というのは、むしろ例外だったような気がします。

アルツハイマー型認知症は、明るいとか、多幸症が出るとか言われますが、訳もなく幸せそうだった方は、ほとんどいらっしゃいませんでした。

今、考えても「あの方は、一体何型認知症だったんだろう?」という方ばかりです。

そのため逆に、介護職員の方たちは、どんな症状の方でも全部を「認知症」というくくりに入れて、「認知症は、人により色々な症状が出るものだ」と納得。
認知症の種類、分類、違い、特徴にあまり関心がない方がほとんどだった気がします。

パーキンソン症状のある方は、全員「パーキンソン病」ということになっていました。
レビー小体型認知症と診断されている患者は、ゼロ。

母が、特養に入った時も、規模からして何十人ものレビー患者がいるはずでしたが(認知症患者の20%はレビーですから。)レビーの診断をされている方は、一人ということでした。
こうしたギャップは、全国的なものだと以前、読みました。

「レビーの人なんて、いないから」と、今まで医療・福祉・介護のプロの方から何度聞いて来たことでしょう。
先週の「ためしてガッテン」を見て、「もしかして、あの人、レビーだったの?!」という方が、凄まじい単位で見つかったことと思います。

追記
河野和彦医師のセミナーで、認知症の種類を見た目で見抜く方法を解説していて、とても面白いと思いました。DVDにもなっているようです。
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-1054.html

(これも以前、kimiさんが指摘されたようにレビーと脳血管性は、かぶっていて、区別がつきにくい部分があるようですね。)

なるほど・・

読み返してみると、殆ど当てはまりますね。
私はここ4年くらいしか知らないけど・・

認知の変動というよりも、段々目に霞がかかってきて、言葉が出なくなって、目を開いていながら頭は寝ているような・・
「あぁ、閉店か」と感じます。「疲れた?」と訊くと頷くので、お部屋に帰します。最初からダメな時もあります。

自分が覚えてない事を言われると、途端に不機嫌になって、「見てない」「来てない」「話してない」と断定的に言い張ります。そういう頑固さは、脳血管性の特徴かもしれませんね。

でも、いつも幸せそうですよ。ニコニコと嬉しそうで、担当の介護職員さんにもそう言われます。自分が寝たきりで、オムツをしていて、人の手を借りなければ何もできないことも全然苦にしてないみたいです。1週間前の事は全部抜けていても、今が楽しければ、それでいいんじゃないかなって思います。最近は嫌がるのに無理に記憶を引き出そうともしていません。「お義母さん、何歳か分かる?80歳だよ!」「へぇっ!」って、毎回驚かしては、一緒に笑っています。

kimiさん

幸せに暮らせたら、なによりですよね。

レビーの場合は、記憶があり、病識(自分が病気である自覚)があり、悪くなっていること、家族に迷惑をかけていることまでしっかり認識しているので、残酷といえば、本当に残酷な病気です。

でも私は、逆にそれも1つの人間らしい生き方ではないかと思うようになりました。

すべて忘れて生きるのも1つの生き方ですが、すべてを背負って、その苦しみと共に生きることには、大きな意味があるのではないかと思います。

先日、「キャタピラー」という戦争を描いた日本映画を見ました。
主人公の夫は、戦地で女性にひどいことをしたりしているのですが、罪悪感を持たずに「軍神」と呼ばれることに酔っています。

でも徐々に意識が正常化してくると共に、自分のしたことに対する罪悪感に深く苦しめられるようになります。
私は、それを見て、苦しみと共に生きるということは、人間らしい生き方なのだと思いました。

人間らしい心があるから、苦しみ、痛み、悲しみ、悩みがあるのではないでしょうか。

介護家族が苦しむのも、家族を愛しているから。
もし何の愛情もなければ、苦しみも悲しみも悩みもないでしょう。
苦しみには、きっと深い意味があるのだと思います。

No title

しばさん、こんにちは!

認知の変動に関する記事をありがとうございました。
動画もとても役に立ちました。

以前は月単位でなんとなく認知の変動があったのですが、最近、日替わりで認知の変動があり、ショックです。

「認知の変動というよりも、段々目に霞がかかってきて、言葉が出なくなって、目を開いていながら頭は寝ているような・・ 」

そうそう、まさにこれ!!!

会話をしようにも、会話が成り立ちません。
「今日は半袖にする?長袖にする?」という簡単な問いかけにも返事をしません。

始めは怒っているのか、すねているのかして、
返事をしないのだと思って、腹が立ちました。

でも、そうではないのですね。

MKさん

お久しぶりです。どうされていらっしゃるかなと思っていました。

はい。この講義動画(記事中の上から3行目にカッコで紹介)は大変良いもので皆さんに見て頂きたいです。

「認知の変動」というのは、傍目から見ると、本当にボケーっとして、何もわからない(頭につながる回線を切ったような感じ)ようにしか見えないので、「イライラする」とか「腹が立って怒鳴ってしまう」という介護家族の声も聞きます。

でも周囲で起きていることも自分に起きていることも100%わかっていながら、それに反応できない(きちんと受け答えできない等)としたら、そんなに辛いことはないですよね。
(少し違いますが、手足を縛られ、口にガムテープを張られた自分を想像してみて下さい。)

反応してもしなくても「あぁ、今は、とても辛い状態なんだな」と思って、優しくしてあげたいですよね。

そういうことも記憶していられるわけですから、そういう時の周囲の対応も精神の安定・不安定を左右する要因の1つになるだろうと思います。
精神の不安定は、症状の悪化につながります。
大変だと思いますが、あたたかく接することができるといいですね。

また意識障害(意識を正常に保っていられない)が、あまりひどければ、河野和彦医師は、シチコリン(ニコリン)注射とかサアミオン等が効くと書いていますので(「新しい認知症ケア 医療編」他)主治医と相談して試してみるという方法もあると思います。
(参考記事↓)
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-1083.html

誰にでも効くわけではないようですが、効けばラッキーだと思います。

No title

しばさん、お返事、ありがとうございます!

>そういうことも記憶していられるわけですから、
>そういう時の周囲の対応も精神の安定・不安定を
>左右する要因の1つになるだろうと思います。

えっ! あの、ぼーっとした状態のときも
記憶にあるんですか!!!

本当にイライラして、私もつい、声を荒げてしまったこともありました。「聞いてるの?!」「わかったの!?」
などなど・・・・

そっかぁ・・・

それは反省しなければ!!

調子の悪い時の記憶

認知機能が低下した時の記憶があるかどうかというのは、私も調査したわけではないですし、そんな論文も読んだことはないので確証はありません。

でも若年性レビー小体型認知症のKさんは、完全に覚えていると言いますし、私の母も覚えていると言います。
(私の母は、脳も萎縮していますので、言う事のすべてが正しいかどうかはわからないのですが。)

「ためしてガッテン」でも小阪憲司医師が話されていましたが、レビーは、記憶を司る海馬(脳の部分)が、(多くの場合)萎縮しません。

介護家族の方々とお話ししていても記憶力は、(病気が進行しても)かなり残っている印象があります。

母を観察していても、記憶には、消えるものと消えないものがあり、何か規則性(こういう種類の記憶は消えやすいとか、消えにくいとか)がないかとずっと考えているのですが、まだわかりません。

レビー小体型認知症の記憶に関して、みなさんのご体験、ご意見を是非お伺いしたいです。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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