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せん妄(意識障害)とは

レビー小体型認知症に特に起こりやすい「せん妄」の意味を確認してみましょう。

(河野和彦著「新しい認知症ケア 医療編」P.70から転記。以下、青字部分)

せん妄は、軽度の意識障害に不穏が伴った状態
(注byしば:不穏とは、周囲への警戒心が強く、興奮したり、大きな声で叫んだり、暴力を振るったりしやすい状態。→看護用語辞典から)

患者は、幻覚、妄想、不安、恐怖を味わっていて、精神的に極めてアンバランスな状態。
典型的なせん妄:目をつぶって体を揺する、周囲の人にわからない言葉をつぶやく等。
軽度: 困惑の表情。目がうつろ。相手と視線を合わせない。
中程度:手で空中をつかむようなしぐさ。夕方以降の不穏(夜間せん妄)。
高度: うろうろと歩き回り、転んでばかりいる。大声で叫ぶこともある。

全身麻酔の手術の後、肺炎による脳の酸欠、脳血管性障害の後遺症のある人に夕方から起こるもの(夜間せん妄)などがある。」



この状態を家族は(介護職員も)「認知症だから(ボケているから)当たり前の状態」と誤解したりしますが、そうではありません。

一時的な(が原因になることもある→詳細)脳の不具合により起こり、本人には、大変辛い状態です。
(私達でも高熱時には、脳が刺激されて、異常な言動が起こることがありますよね。)
レビー小体型認知症の場合は、せん妄が治まれば、健康な人と変わらない状態に戻ることが多いです。(→医師の言葉)ただしせん妄が慢性化することも多々あります。


私の母も今年に入ってからは、とても落ち着いて良い状態を保っていますが、最近、こんなことがありました。(74才時)

ある時、私の父(介護能力はない。)が、特別養護老人ホームにいる母を無理矢理自宅に連れて帰り、泊まらせました。父は、それが、母の幸せだと頑に信じ続けています。
しかし母は、自宅に帰った途端、夜間せん妄を起こしました。
「さあ、早く出発しなきゃ、船が出ちゃうよ!荷物も準備しなきゃ!銀行でお金を下ろすから」と興奮して一晩中しゃべり続けました。
(こういう時には、どんな説得も理屈も効果はありません。)

私は、母が気の毒で、父に怒りをぶつけました。
母が、2年半かけてやっと取り戻した穏やかな暮らしをなぜ壊そうとするのかと。

母の前で父と口論していると、旅行に行くと言い続けていた母が、突然言いました。
「やめなさい。お父さんだって、一生懸命やっているんだから・・。
お父さんだって、(介護が)できないながらも、精一杯やっているんだから・・」

そして知的障害のある兄を介護ベッドまで呼んで言いました。
「○○、ごめんね。本当にごめんね。あんたを○○に連れて行ってやろうとしたんだけど、お母さん、できなかった・・。ごめんね。今度は、きっと連れて行ってあげるからね。何にもしてやれなくて、本当にごめんね。お母さんを許してね。ごめんね・・」

<関連記事>
*「”新しい認知症ケア”の紹介」(家族が医療に対してできること)
*「せん妄とは/レム睡眠行動障害とは」(家族会のサイトに書いた記事)
*「若年性レビー小体型認知症患者本人の語る体験談」(意識障害の治療)
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アゲラタム(オオカッコウアザミ)
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しばさん

泣けちゃいました。あたたかいご家族ですね。よいご夫婦だと思いました。‥こんな言葉では表現しきれませんけど。
お父様もお母様の近くにいたいのでしょうね。
しばさんの嘆きにも共感しつつです。

karaさん

ありがとうございます。

せん妄状態の時に、突然、極めて正常な(父に介護ができないという認識も含めて。)ことを言ったので、私も驚きました。
(せん妄が治まった直後にまったく正常なことを言うことはよくあります。)

父の気持ちも確かによくわかるのですが、父の愛情は、周囲の全員から見て「暴走」という形で表現されます。
何もかも振り切って暴走するので、こうして突然、飛んで行かなければ行けないような事態になります。

この時、兄は、母が何を謝っているのか理解できなかったのですが、涙を浮かべて謝り続ける母を心配して「いいよ。いいよ。お母さん、大丈夫?」と、優しく慰め続けていました。

母は、兄を本当に愛していて、2人でいると恋人同士のように見えます。
兄も母の病気を理解できないながらも、常に心配し、常に慰め、そっと寄り添っています。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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