認知症医療の良書

新しい認知症ケア 医療編」河野和彦(名古屋フォレストクリニック院長)著 
            編集協力:東田勉 講談社 2012年11月29日発行 3150円
           (内容紹介と目次→講談社公式サイト) アマゾン 楽天 

これは、介護家族、仕事で認知症の方に関わるすべての人に役立つ本だと思います。

私も先日までは、買いませんでした。かなり大きくて重い本ですし、買わなくても、内容は、河野医師のブログに全部書かれていると思ったからです。

しかし本を買って読んでみると、介護家族にも医師にも勧められる優れた本でした。
1. よく整理されていて読みやすい。極めて実践的。問題解決法の解説が懇切丁寧。
2. 目次や検索などで事典のように活用できる。(ブログはサイト内検索がない)
3. PCと比べて目が疲れず、付箋やマーカーを使える。
4. 大きなイラストや図表も効果的。字のレイアウトも良く読みやすい。

河野医師独自の薬物療法(コウノメソッド)は、100%支持する人と頭から否定する人に分かれがちです。
私は、医師ではないのでわかりませんが、効果は、学校時代の偏差値の曲線が示すようなものだろうと想像しています。

(これは、薬剤過敏性のために薬物療法が難しいレビー小体型認知症の場合ですが)
体質と薬(種類と量)が見事に合って劇的に改善する何%かの幸運な患者、
試行錯誤しながら徐々に自分の体に合う薬(種類と量)と出会う何%かの患者、
試行錯誤しても薬の恩恵を受けられない何%かの患者、
薬剤過敏性の激しい体質のためにどんな薬でも悪化する何%かの患者がいるだろうと。

その割合はわかりませんが、介護家族の方々のお話を伺っているとそう思います。
治療の成功は、体質(としか言えないものがレビーにはあります。)、更には、介護家族の医療知識観察眼にもよると思います。

ただ、アリセプトをルール(添付文書)通りに増量し、向精神薬(他の病気と同じ処方量)で症状を抑えようとする大病院で、治療が上手くいった例を介護家族から聞いたことはありません。
(劇的悪化に驚いた家族がネットで調べて初めて薬剤過敏性を知るケースが多いです。もちろん治療に問題がなければ、或は、医師の説明通り、「認知症の悪化」と考えていれば人に相談することもないので、治療の成功率はわかりません。)

それならば、レビー患者と家族が、薬物による悪化というリスクを避ける方法は、1つ。

唯一公開されているこの治療法(リスクを減らすために微量の処方をする等)を知った上で、主治医(勉強熱心で誠実な開業医)とよく話し合いながら一緒に治療を進めていくしかないのではないかと私は考えています。

<関連記事>
*「レビー小体型認知症の治療 家族にできること」(医師の選び方等)
*「河野和彦医師の認知症セミナー」(2013年6月30日東京)
*「レビー小体型認知症は薬で悪化する(朝日新聞)」2013年5月30日付
*「各種認知症におけるアリセプトの副作用」(医師達の言葉)
*「介護家族ができること(医療に関して)
*「病気を知って家族を守ろう」(推薦本。推薦サイト)

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講談社発行
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プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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