アルツハイマー発症前から追跡調査(新聞記事)

2013年7月23日の日本経済新聞の記事から一部抜粋、一部要約。


     アルツハイマー、発症前から追跡 東大など41施設
           たんぱく質蓄積を調査 予防・治療の時期探る
                     発症後に投与、効果薄く

東京大学病院、九州大学病院など全国41カ所の医療施設は、アルツハイマー病の予兆がある予備軍の人を発症前から観察して発症の仕組みを突きとめる臨床研究を始める
脳の画像で発症の主因とされる異常なたんぱく質(アミロイドベータ)がたまっている人を3年間追跡する。
完全にアルツハイマー病に至っていない軽度の患者も長期間調べる。
発症予防や発症を遅らせる薬などの超早期の治療法の開発につなげる

東大の岩坪威教授らのグループが厚生労働省と経済産業省のプロジェクトとして始める。
陽電子放射断層撮影装置(PET)でアミロイドベータの蓄積を調べ、蓄積している150人と、そうでない150人を3年間追跡し、蓄積の様子や血液、脳脊髄液、認知機能を調べる。
発症前後の様子が分かれば、予防や発症を遅らせる方法が見つかるかもしれない。

軽度認知障害(MCI)の人も「健康な人に近いMCI」と「アルツハイマー病に近いMCI」を100人つづ集め、同様の追跡調査をする。

すでに米国では、症状が出ていないが、アミロイドベータが蓄積している人を対象にアミロイドベータを取り除く薬を投与する臨床試験(治験)が始まっている。

アルツハイマー病の治療薬開発は、転換期を迎えている。
製薬企業に臨床試験が相次いで失敗しているためだ。
2012年に発表された米イーライ・リリー社の新薬候補ソラネズマブは、アミロイドベータを取り除く抗体だが、期待する効果が出なかった。(軽度の患者では、認知機能低下抑制効果があった。)

専門家の間には、発症してからアミロイドベータを取り除いても効果には限界があるという認識が広がりつつある
発症を直前で押さえる戦略に活路を見出そうと研究者が動き出している

ただ、アミロイドベータが蓄積し始めても全員がアルツハイマー病になるとは限らない
健康な人に薬を投与して副作用が出ないかなど検討課題は多い。


*関連カテゴリ:認知症予防・診断・治療

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βアミロイドは

最新の研究では、脳の変性を引き起こす原因はβアミロイドではないと確認されていると聞いています。
ある神経毒性の強い物質が生じ、その物質により神経細胞にダメージが出来る事が確認され、βアミロイドはその物質の最終産物だと言うことです。
>専門家の間には、発症してからアミロイドベータを取り除いても
>効果には限界があるという認識が広がりつつある
これは上記の研究結果が広まっているからだと思います。

もうひとつ、アルツハイマーで起こる神経原繊維の取り除く過程で出来るのが、レビー小体と言う説も有力なようです。βアミロイドがたまっている方は、レビーを合併しやすいので、このような研究は実りが期待できないと思われます。

このような現状で、認知症=アルツハイマー=βアミロイドと言う認識が強い現状では、きちんとした認知症の診断治療が出来る環境に成るのはいつの事か・・・・。
レビーやLPCの誤診が続くのでしょう。

No title

コメントありがとうございました。

先日、東京医科歯科大学のプレスリリースで以下のようなものを見つけました。
内容はよくわかりませんが、アルツハイマー型のレビー化、レビー小体型認知症のピック病化(LPC)、パーキンソン病のレビー化など、どんどん変化して行く例が少なくないことを考えると、それぞれの原因が、まったく違うものと考えるよりも何か共通する原因があると考えた方が自然な気がしました。


「複数の神経変性疾患にまたがる共通病態(シグナル)を解明」
~認知症、運動失調症などに汎用性のある治療法の開発に期待~

<概要>
東京医科歯科大学・神経病理学分野の岡澤 均教授らのグループは、複数の神経変性疾患グループにまたがる病態シグナルを解明しました。
この成果は、5月7日(米国東部時間)発行のNature Communications誌オンライン版に掲載されました。

アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など神経細胞が死んでいく一連の疾患を神経変性疾患と呼びます。

本研究は、これらの神経変性疾患は認知症、運動失調症、不随意運動など異なった症状を示すものの、TERA/VCP/p97という分子が共通して障害されていることを発見しました。
TERA/VCP/p97分子を標的とすることで、幅広い適応疾患を持つ新しい治療法の開発につながることが期待されます。

http://www.tmd.ac.jp/press-release/20130508/index.html

No title

どの認知症もパーキンソン症もALSも同じ変性が原因なのですね。
でも、それもどちらが先か分からないかも・・?
そもそも、人間が長生きになったのが原因かもしれませんね。
人生50年の頃には無縁だった病気なのかも。・・
外猫の平均寿命は5年だそうですが、家猫はその3倍以上。
長生きして、幸せな時間が長くなれば良いのですが・・

人生は睡眠と同じで、時間ではなく質ですよね!

kimiさん

確かに人間は、日野原先生の言葉を借りると「土の器」。
50年も使っていれば、あちこち欠けたり、ひびも入るでしょう。
更に10年、20年、30年たてば・・・。

何かに書いてありました。
健康的な生活をすれば、より長生きになる。より長生きをすれば、必ず脳は老化し、いつかは認知症になる。
健康的な生活で長寿を目指すことは、認知症を目指すことでもある、と。

老化は、いのちあるものの宿命ですね。
納得のいく生を生きたいです。

ところで猫で思い出しました。
6月の河野和彦医師のセミナーの中で認知症犬、認知症猫の話が出ました。
そうしたペットの問題行動に対してサプリメントのフェルガードが効くそうです。
『えぇ〜!』と思いましたが、毎晩眠れずに苦しんでいらっしゃる飼い主
の方は、試してみて下さい。
効いたら教えて下さいね。

日本の認知症治療はどこに行く?

九州の久山町のデータを解析していくと、日本人に一番多い認知症はレビー小体型認知症と言う主張が可能になります。
高齢者の場合、レビー小体型認知症の大半(95%以上)は、程度の差はあれアルツハイマー性の変化を持っています。
逆にアルツハイマーの方もレビー小体を全く持たない方はいないのではないかと思います。
病理学的な診断により、認知症を分類するのは若年性認知症や家族性認知症など非常に限られたケースで無いと、意味が無いと言うのが私の主張です。
これらの変化は、その疾患特有の変化で無く、何らかの要因により神経細胞が死滅した後起こる一般的な変化と考えた方が良いと私は考えています。
東京医科歯科大学の研究は、この原因となる変化の一つを見つけたのだろうと思います。

私が認知症診療に携わって数年したころ、それまで認知症に無関心だった神経内科医や精神科医が、アメリカのデータをもとに、認知症の原因は大部分がアルツハイマーだと言いだし、認知症研究に入り込んできました。
この事が、日本の認知症診断・治療を、著しく歪めたと言う事を多くの介護者が実感しているのではないでしょうか?
もっともアルツハイマー対策=レビー対策と言えるかも知れませんが・・・・。

アメリカの白人・特に女性はほぼ100%アルツハイマーだと考えられています。このため、アルツハイマー性の変化を無条件で、認知症の症状発言の原因としてしまったようです。きちんと検証する事が無く・・・。
脳の動脈硬化も、白人と日本人では大きく違い、白人は内頸動脈の根元の太い血管の動脈硬化が強いが、他の血管の動脈硬化は軽いと昔聞いた事があります。この点でも動脈硬化が脳に与える影響は日本人と大きく違います。
アメリカの精神医学界が作成した、診断基準を、日本に持ち込んだの、神経内科医が中心だったと思います。

アルツハイマー型とレビー小体型

hokehoke先生、コメントありがとうございます。

以前から疑問に思っていたことがあります。

アルツハイマー型でも進行すると歩行困難や失禁などが起こりますね。
以前、テレビで見た(進行した)アルツハイマー型の方の歩き方や体の動きが、レビーと良く似ていると思ったのですが、レビーと関係がありますか?

レビー小体とは無縁で、単に脳の萎縮による運動障害と考えられているのでしょうか?

もし(お時間があれば)教えて頂けると幸せです。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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