認知症医療の問題

私は、最近、自分の書いてきたことが、正しかったのだろうかと考え続けています。

認知症専門医は、誰もが「早期発見、早期治療が大切!」と言います。それならば、
早期発見するにはどうすれば良いかと考え、チェックリストを作ってみたりしました。

けれども実際には、気付くのが、早ければ早いほど、私の知るほとんど全ての方は、認知症と診断されませんでした。脳の画像も知能検査も「正常」と言われてしまうのです。

鋭敏な方は、小さな違和感から認知症を疑い、家族を助けたい一心で病院を訪ねます。
しかし「年相応」と言われ、正しい診断まで更に何年もの間、葛藤を続けています。

つい最近、有名な大病院で心筋シンチグラフィ検査を受けた方は、「レビー小体型認知症ではない」と断定されたそうです。
このブログを読んで9割の精度しかないことを知っていたので、医師に確認すると
「レビーじゃなくて良かったじゃないですか。レビーなら治療法はありませんよ」
と言われたと、ご本人から直接伺いました。
そんな話ばかりをここ数年、多くの方から聞き続けています。

多分、世の中には、早期発見早期治療で順調な方もいらっしゃるのでしょう。
問題がなければ悩みも葛藤もありませんから、家族会やブログの運営者になど相談してこないでしょう。そういう例もきっとある、あって欲しいと私は、切望しています。

誤診され、治療で悪化した例ばかりを限りなく聞き続け、私の迷いは、深まっています。
『ならば、病院に行かなかった方が、まだ良かった・・・?』
そんなことは、ないはずです。薬が適切でさえあれば、患者は救われます

ただ1つ、間違いないと思えるのは、最低限の薬の知識を持って、自衛することです。

レビーは、薬剤過敏性という特性のために、薬の副作用が激しく出る方が多い。
医師が、アルツハイマー型と誤診して、処方する3mgや5mgのアリセプトで悪化する例がとても多いのです。
「落ち着かせましょう」と処方する向精神薬動けなくなってしまうのです。
「認知症が進行したね」と更に増量されて寝たきりになり、食べることも話すこともできなくなります。その過ちに気付かない医師が、全国にまだいくらでもいます。

レビー小体型認知症にも、対処療法ではありますが、ちゃんと治療法はあります
治すことはできませんが、様々な症状を緩和し、穏やかな生活が可能になります
薬剤に過敏」=「ごく少量(適量)で非常に良い効果も出やすい」ということです。
その方に合った薬と量医師と根気強く探していけば、良い結果が出やすいのです。

レビーは、病状が不安定になりやすく、薬を抜きにしても、原因のよくわからない急激な悪化や劇的な改善を繰り返される方が少なくありません
私の母も要支援2から一気に要介護4、そして5に進み、「長くはない」と言われました。
その後、薬の量も種類も減らし、2年経った現在は、とても元気に(私とは)普通に会話をしています。(→母の記事

<関連記事>
*「認知症の種類別 見極めのための知識とチェックリスト
*「認知症症状を悪化させる薬剤リスト(朝日新聞)
*「早期発見されず薬で悪化するレビー小体型認知症
*「プロの言葉を鵜呑みにして絶望しない・諦めない」
*「レビー小体型認知症を理解する動画」(この病気の発見者の講義)

*薬について知識を得られる資料→認知症薬物療法マニュアル コウノメソッド2013

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イワダレソウ(岩垂草)
花の大きさは、1cmくらい。
グラウンドカバーによく使われる。
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No title

正確にいえば、アルツハイマーでも進行を抑制できる薬剤は少ないのです。
現在進行を抑制できる事が確認できているものは、フェルガード類だけでしょう。あと抗認知症薬の中で、レミニールとメマリーの少量投与で長期予後が改善するケースがあるようですが・・・・。
あとレビーやLPCの場合、脳血流の不安定さの関与が否定できません。
抗血小板療法(プラビックスやプレタール)やプロルベインと言うサプリメントがあります。抗血小板療法はレビーの方には、リスクがあるかも知れません。
レビーの方は自律神経障害のため、胃酸分泌過多になりやすい事から上部消化管出血が起こりやすいようです。このような出血を起こした時に出血量が増える恐れがあります。比較的早期に対応すれば、問題を起こす事は少ないと言えますが・・・。
出血症状を気にしなくともよいプロルベインのほうが、安全性は高いのですが、サプリメントのため高いと言う事が問題になります。
レビーの方も、アルツハイマー性の変性・レビーに伴う変性を、フェルガードで抑える事が可能と考えています。
脳血管性の要素は、抗血小板療法やプロルベインで抑える事が可能です。
認知症の発症・進行予防については、フェルガード類とプロルベインが大きな役割をしてくれると考えています。
このような認識がある医師は、コウノメソッド実践医を除くと非常に少ないと思います(コウノメソッド実践医は、私のような非公開の医師が多いようです。

No title

hokehoke先生、コメントありがとうございました。

河野和彦名古屋フォレストクリニック院長(コウノメソッドを考え出し、ネットでも公開されている医師)には、様々な批判もありますが、情報を完全に公開されていらっしゃることは、本当に偉業だと思います。
私もそうした情報から薬のことを知りながら、母の主治医と処方について相談できました。

漢方薬の抑肝散が、認知症(特にレビー小体型認知症)に効果があることがわかり、数年の内に広く使われるようになったように、これからも次々と認知症に効果のあるものが見つかっていくことを願っています。

No title

ずいぶんと遅いコメントですみません。
私はこのブログで義母の症状への疑問に対する答えが見つかり
とても感謝しています。
しばさんは早期発見のための色々な手立てをたくさん紹介して
くださっていて、レビー小体型認知症について説明されている
どのHPやブログより詳しくてわかりやすいです。
それに、お医者さんとの付き合い方の注意も書かれていて、
このブログを読めば、どうやって無理解なお医者さんから
患者を守ればいいのか、ということもわかります。
しばさんのおかげで、義母の主治医は治療に積極的とは言え
ないけれど、レビー治療に否定的ではない先生だとわかって
ちょっと安心できましたよ。
レビー治療の河野メソッドみたいに、レビー家族のための
「しばメソッド」ができるといいなあ。
もっといろんな情報を載せてくださいね。

個人的には、実際にどうやって病気に気づいたか、色々な実例が
紹介されるといいなと思います。
義母はレビーのチェックリストそのまま、というくらい当てはまって
いましたが、それでも確信が持てなかったりしました。
日常生活の中のどんな場面で気づくのか、とか、どんな行動で
おかしいな、と思うのか、とか、もわかるといいなあと思います。

このブログが、もっとたくさんの悩みを抱える患者さんや家族の
人たちの目に触れるようになるといいのですが。

しいさん 

しいさん、私は、このコメントにどれほど励まされ、慰められ、勇気を与えられたか・・・、言葉になりません。

本当に、本当に、ありがとうございます。(泣けてきます。)

「役に立つ」と言って下さる方が、お一人でもいらっしゃれば、私は、書き続けようと思います。

しいさん、とても良いアイデアを下さったので、そのご要望にこれから応えていきたいと思います。

「病気に気付いたきっかけ」というのは、私もとても興味を持っています。
これも近い内に記事にしたいと思います。

1つ。定年後の男性は、女性に比べて発見が遅れるようです。
女性は、家事など色々な仕事を担っているので、家事の失敗で発見されやすいのですが、定年後、毎日同じような生活をしている男性は、そうした失敗が露出しにくいようです。

若年性の場合は、仕事でミスをして気づくことが多いようです。

健康な人間は、「最近、物忘れがひどくて!」と言いつつ、仕事でとんでもないミスを連発するということはありません。

ミスの連発は、認知症、過労やストレスで起こるうつ病など、何らかの病気(或は、病気になりかけている状態)を疑った方が良いのではないかと思います。

しばさん

しいさん良かったですね。

私の父は診断の難しいタイプの様なのですが、しばさんの発信して下さる冷静な情報から偏った思考にならずに、お陰様で薬の副作用などから速やかに脱する事が出来ています。
これからも頼りにさせていただきます。宜しくお願い申し上げます。

冷静であること

karaさん、ありがとうございます。
karaさんのお父様も一日も早く回復されますように!

以下は、介護家族に皆さんに向けて書きます。

「冷静であること=客観視すること」は、危機的状況にある時、最も大切なものだと私は信じています。

今、ひどい状況だから、これからもずっと悪くなる一方だと思い込む。
抑肝散で効果がなかったから、抑肝散陳皮半夏も効かないと決めつける。
2つの施設に断られたから、もうどこの施設でも受け入れてもらえないと思う。
一人の医師が、ケアマネが、介護職員が、「○○なんて無理ですよ」と言ったから、もうだめだと思い込む。


これらは、皆、間違った思い込みです。
3つがダメなら、4つ目をあたるだけです。
「無理」と言われたら、どうすれば「無理でなくなるか」の対策を考えるだけです。
0か100かではなく、0を5にする方法、5を10にする方法を考えていけば、絶対に道は開けます。

そのための知恵は、優秀なケアマネや家族会(「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」など)が持っています。

プロは、『たかが介護家族に、いったい何がわかる』と思っています。
(私も何度もそう思われてきました。)

でも最近、一番広く深く知っているのは、家族会など「介護家族の情報が集まる場所」ではないかと考えるようになってきています。

どんな症状があり、どこの病院の何という医師にかかって、どんな検査をし、何と言われ、何を処方され、どんな効果や副作用が出たか、ということを一番広く把握しているのは、家族会ではないでしょうか。

勿論、毎日の介護の中での問題(幻視、介護拒否、食べない、飲めない、排泄の問題、睡眠の問題などなど)やその対処方法についての知恵もデータベースのように蓄積しています。

素人(家族会)よりプロに聞くのが一番と思い込んでいらっしゃる介護家族のみなさんは、その思い込みを捨てた方が良いと思います。


(蛇足)
私自身、いつでも冷静沈着でいられるわけではなく、泣いたり、怒ったり、落ち込んだりする普通の人間です。
このブログからご想像されるような人間とは、ちょっと違います。
このブログは、医師や認知症に関わるプロが読んでも「素人のたわごと」と切り捨てることがないように、気を付けて書いているだけです。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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