若年性レビー小体型認知症患者本人 Kさん(樋口直美さん)の体験談No.1

追記:2014年12月現在、症状は大きく改善され笑顔で幸せに生活されています。
追記:2014年11月19日発行の東田勉著『認知症の「真実」でインタビューが掲載されているKさん(樋口直美さん)の体験記です。
追記:樋口さんが作ったレビー小体型認知症本人の交流のための掲示板
  (掲示板では、アピさんというハンドルネームです。「3つの会」の掲示板でも)
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「レビー発症は、多分10年以上前の30代終わりだと思う」と語る患者ご本人のKさん。
「去年、自分で幻視に気付いてから、ネットで若年性レビーについて調べたが、情報はほとんどなかった。”進行が早く、すぐ死ぬ”など希望のないものだけで、深く絶望した。
まだ治療を始めたばかりだが、もっと情報が欲しいし、同じ立場にある人もきっと同じだろうと思った」と体験談取材に応募して下さいました。

 <若年性レビー小体型認知症の診断を受けたばかりのKさん(50代女性)の体験談>


  < うつ病と診断(誤診)される >

40代初めに受けた大きなストレスを機に、眠れなくなり一人で精神科を受診。
うつ病と診断されたが、自分では、意外だった。
体調不良は、それまで何年も続いていた。冷え性で、だるかったり頭痛も頻繁だったが、元々頭痛持ちだったので病気とは思わずに過ごしていた。(追記:原因不明の股関節の激痛もあった。)

治療が始まってからATMにカードを置き忘れて帰る等の不注意物忘れがひどく、主治医に認知症ではないかと訴えたが、それもうつ病の症状だと説明された。
今(2014年12月)考えると、処方された抗精神病薬の副作用だったと思う。

最初に処方された抗うつ剤(パキシル)を飲むと手の震え、極度の低血圧(イスから立ち上がると失神)、食欲がまったくなくなる、が出なくなる、感情がなくなったように感じる等の副作用が起こり、一日中横になってぼんやりしていた。

その後、抗うつ剤の種類を変え(治療の効果は何も感じなかったが)医師に言われるままに6年間、薬物治療を続けた
何年経っても記憶力低下が戻らないと感じたが、医師は「年齢的なもの」と説明。
今、思うと、頭も心も麻痺したような6年間だったが、抗うつ剤の副作用だったのかと思う。薬を止めてから生き生きした感情が戻り、頭も正常に回転するようになったと感じた。

40代の10年間、体調は、常に波があり、時々とても不調になると何もできなくなった。
何もしたくなくなり、倦怠感がひどく、ずっと横になっていた。
その後、腎臓、甲状腺の機能低下も起こったが、精密検査をしても原因不明と言われた。
どこでも最後には「更年期障害じゃないですか?」と言われて情けなかった。
体調不良の原因を突き止めて、なんとかして健康を取り戻したいと10年以上願ってきた。

  < ゴミが、歩く虫に見え(幻視)、レビーを疑う >

レビーを考えたのは、去年、綿ゴミが、数秒間歩く虫に見えた時。
『目の錯覚じゃない!幻視だ!』と思い、血の気が引いていった。
幻視の見える認知症があるということは、新聞や雑誌で読んで知っていた。
今、思い返すと、うつ病と診断される前から車の助手席に女性が座っているのが繰り返し見えたり、色々な物を人に見間違えることがあった。
しかしどれも一瞬のことなので、目の錯覚だと思い、気に留めたことはなかった

幻視は、ほとんど虫(最初は歩く虫。その後は飛ぶ虫)だが、毎日見える訳ではない。
体調、天候、時間、覚醒度とも関係がない気がする。
体調が良い日中、不意に現れ、『良かった。これは本物だ』と確信するとふっと消える。
幻視は、本物と何も変わらないので、消えても幻視とは中々信じられない。
1度とても大きな虫が見えて、じっと見たことがある。毛の1本1本まで鮮明に見えた。
急に消えた後も100%本物だと思っていたが、よく考えると肉眼でそんな細かい所まで見えるはずがないと、後になって思った。

扉がゆらゆら揺れて見えたり、床の模様が動いたり、とても不思議なものを色々見る。
部屋がグニャグニャ歪んで立ちたくても立てない、歩けないという夢も随分前から何度も見ている。悪夢も昔から多かったし、悪夢を見て叫ぶことも10年以上前からあったと思うが、もう何年もない。

しばらくは、家の中で男が見えたらどうしよう、運転中に子供が飛び出して来るのが見えたらどうしようと思い、とても怯えていた。幻視を見やすいという夜間は、恐くて外出できなくなった。
でもそれを家族に言うこともできなかった。

No.2に続く


追記: <Kさんの今までの経過・治療・気持ち>(記事の古い順から)
経過治療漢方治療症状(2013年8月)/認知症の苦しみ空間認知能力幻覚をどう感じるか
「認知症に見えない」と言われて症状(2014年2月)幻覚の種類と具体例(いつ、何が、どう見えるのか)2014年5月改善している

1月27日の「レビーフォーラム2015」に登壇された樋口さんの講演原稿全文


<関連記事>
*「病名を隠す苦しみ・病名を打ち明けて得られたもの」(若年性の体験談)
*「フジテレビで放送されたレビー小体型認知症特集の全内容」(当事者が語る)
*家族会のサイトに私が書いている→<レビー小体型認知症 体験談集>
*同じく→<レビー小体型認知症の症状集>(ネット上で最も詳しいです。)
*「レビー小体型認知症を理解する動画」(この病気の発見者の講義)
*カテゴリ:「レビー小体型認知症
*カテゴリ:「認知症とは/ケア・介護
<若年性認知症関連記事>
*「若年性レビー小体型認知症患者本人が語る症状・診断・治療・気持ち
*「若年性認知症 普通の人として普通に暮らす
*「認知症のわたし(朝日新聞連載記事)
*「NHKある夫婦の記録「隠したって何もないもん」
*「車いすで沖縄へ家族旅行」若年性レビー小体型認知症のHさん一家
*「認知症の方本人はどう接して欲しいと思っているのか
*「若年(性)認知症の方とその家族が直面している経済的問題と対策
*「認知症と生きる人のためのサイト」(「3つの会@web」)

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ゴーヤーの花
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プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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