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自分の症状を語る母

<はじめに母のことを少し説明します。>
74歳。3年前から歩けず。興奮して怒ることの多い数年だった。2年前に要介護5になり「余命わずか」と言われたが、その後、要介護4に回復。幻視は常に見え、現実と混同し、妄想も多いが、特別養護老人ホームで落ち着いた生活ができるようになっている。

今月受けた長谷川式簡易知能評価スケール長谷川式テスト)はわずか4点
低得点の原因とレビー小体型認知症の知的能力についてはこちらを

追記:改善の理由に付いては「12年9月の記事(睡眠薬を止めて)」「13年2月「進行しない母」」などをご参考に。薬を飲んで改善したのではありません。

追記2:レビー患者は処方薬(向精神薬等)で劇的に悪化する方が多く、原因となった薬を止めたり減らしたりすると「劇的に治った」と形容される状態になりやすいです。向精神薬は、突然止めると危険あり。特に大量・長期服用の場合。一番下の関連記事参照。

何もわからない人と思われがちですが、今年2月から私とは、正常な会話をします
以下は、今月の母と私の会話。症状について母が語っています。

「お母さん、病院で治してもらいたい所ってある?」
頭を治したい。頭が回るようにしたい」(間を置かず即答)(レビーは病識がある
「全然悪くないじゃない。他はないの?困ってることとか、辛いこととかないの?」
「・・他はない。・・どんどんボケていくのがわかるから、時々すごく恐くなる・・。
 たまに眠れない時とか、(不安な)気持ちが止められなくなる

「調子の悪い時と良い時があると思う?」(「認知の変動」はレビーの症状
「うん。調子の悪い時、良い時は、自分でもわかる
 悪い時は、嫌なことばっかり考える。・・眠くなる。・・誰とも話したくない
「体は?体はどんな感じがするの?だるいような感じ?」
「だるくはないけど・・。体が重くて、何もしたくないし、考えたくないし・・。
 良い時は、気持ちも明るくなるよ」

「虫は見えないの?」(母の幻視は、人、子供、動物が主。虫の幻視は1度も訴えない)
「羽虫はよく飛んでるね」
「ご飯に虫が付いていたりすることはない?」
「時々ついてるよ。アリみたいなので、もっと大きくて、足も長いの。この位。(指で
 大きさを示す。)ご飯の上を何匹も歩いてる
「どうして今まで1度も言わなかったの?」
「だって、別に重要なことじゃないし。”あら、また虫がいる。いいのかなぁ”って思う
 けど、他の人を見ると、みんな平気で食べてるし・・、食べちゃう(笑)」

雲を見ながら、「馬がいる」「お爺さんがいる」等と幻視(幻覚)を話し続ける母。
「それは、雲だけど、よく見るとお爺さんの顔にも見えなくはないっていうこと?
 それとも本物のお爺さんの顔が、くっきり見えるの?雲とは、別にはっきり見える?」
「(早口言葉のように)くっきり、すっきり、はっきり見える!」
「くっきり、すっきり、はっきり〜?!」(見事なテンポと滑舌に驚いて)
「うん!くっきり、すっきり、はっきり!」(言葉遊びを楽しんでいるかのよう)
「凄い!」
わざと得意げな顔を見せておどける母と一緒に大笑い。
(これは母の元々の性格。周囲に細かく気を配り、わざとおどけては場を和ませた。苦難にある人を助けずにはいられない人、真面目で几帳面で何でも全力投球の人だった。)

*次の記事「レビー小体型認知症と知的能力」に続く

追記:この記事のコメント欄にレビー介護家族から見た幻視について色々書かれています。

<関連記事>
*「今年の2月の母との会話」(自分で症状を説明しています。)
「幻視について補足」(私が他のサイトに書いたものです。)
*「完全版:レビー小体型認知症の症状」(どのサイトよりも詳しいです。)
*「早期発見のためのチェックリスト(レビー&その他の認知症)
*「興奮して怒り出しそうになった時に効果があった対応
*「認知症を悪化させる薬の処方(新聞記事)
*「認知症を悪化させる薬一覧(新聞記事)

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梅花空木(バイカウツギ)
関連記事

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参考になります

私も義母に幻視の様子を聞こうとしていますが、しばさんの
質問の仕方は参考になります。
どんなふうに?って漠然と聞いてもなかなかうまく説明してくれない
ですが、細かく具体的に色々聞いていくと義母も答えやすそうです。

幻視については、義母も自覚はあるようで、最近その手の
訴えが少なくなってきたのは、幻視が見えることに慣れてきた
せいなのかなと思います。
ただ、病院の先生に幻視の話をした?と聞いたらしなかった、と
いうので、なぜしなかったの?と言ったら、抵抗がある、と
答えました。
幻視が見える、というのを、自分から周りの人に話すのは
やはり厳しいことのようです。
だからこそ、家族から色々聞いてあげないといけないのかな。

しいさん 

参考になりましたか?思いがけない言葉にちょっと驚きました。

私の兄(知的障害、言語障害あり)が、「どんな」という質問には、昔から答えられません。
Yes-Noで答えられる質問か、選択肢を出します。
「何」という質問も、「ご飯、何、食べた?」「ゴハン」と答えたりするので工夫が必要です。
認知症を患う方とのコミュニケーションにも役に立つのかも知れませんね。

「抵抗がある」というのは、貴重なお言葉ですね。
レビーの方にそういう思考能力があるということを殆どの医師は知らないのではないでしょうか?
母も「頭のおかしな人」と思われないよう、一生懸命隠していました。

幻視に対する認識が、その人の中でどう変化していくかということに興味があります。
慣れて(幻視と知りながらも)気にしないようになるのか、幻視を幻視ではなく完全に現実と思うようになっているのか。

母は、まだしっかりしていた頃から「幻視と本物は、まったく同じに見えるから区別はつかない。消えて初めて幻視だったとわかる」と言っていました。

幻視が消えずにずっと見え続けていたら、それは現実としか思えないのだろうなと考えます。

でも「空に馬がいるはずがないから幻視だろう」という風に考えられなくなるのは、認知機能の低下なのでしょうねぇ。よくわかりません。

ややこしい話になってすみません。

幻視の話をするのは、母は、とても好きですね。
私も幻視の話を聞くのは、もの凄くおもしろいし、楽しいです。
(母には恐い幻視は、ほとんどありませんからね。最近聞いたレビーの幻視の実例では、「忍者が斬り掛かってくる」。こういう恐怖を伴う幻視は、本当に気の毒です。)

幻視を誰にも話せなかったり、否定されるのは、かなり辛いことのようです。

幻視

なるほど、しばさんは慣れていらっしゃるのですね。
幻視だけじゃなく体調の変化などについても、もっと
うまく聞いてあげられるといいのになあと思いますが、
なかなかうまくいかないんです。
Yes-Noで答えられるような質問をもっと考えないとなあ。

幻視に対する認識の変化は、義母を見る限り、段々慣れて
隠している、という感じに見えますね。
恐らく現実だと思っていたら、もっとおかしな発言が増えると
思うのですが、おかしな訴えはだんだん減ってきているので、
どうもおかしいと思うことは人には言わない、ということに
しているのではないかと思うのです。
それでも時々ありえないことを口走っているのは、しばさんが
言うように認知機能が低下しているときなのでしょうね。
(実際最近のおかしなものが見えたという訴えは夜中や寝起きの
時が多いようです)
で、家族や職員さんが、論理的に説明(人がたくさん天井
付近にいることはないよとか)すると、そうだなあと思い
ながら不本意な気分になる、という感じみたいです。

今度確かめてみようと思うのは、幻視が消えていくのかどうか、
です。
見える、というのはよく聞いていますが、見えたものがどうなって
いくのかを聞いたことがなかったです。
どんな幻視なのかというのももうちょっと詳しく聞いてみよう。

幻視と願望って関係あるのでしょうか。
胃ろうの義母はものを食べる幻視が見えていたらしくて、自分が
食べられるようになっているのだけれど、周りの人には黙って
いた、という認識でいたようです。
そのために、嚥下評価で全く飲み込みが改善していないことが
余計にショックだったようで、その後の機能回復のための提案が
全く受け入れられませんでした。(今も回復しないままです)
残念だけど食べることが出来ていた、というのは幻だ、と言ったら、
「じゃああれはみんな幻だったの?。。。」ととてもがっかりして
いました。
きっと食べたかった、たべられるようになったと思いたかった、
のですよね。。。
しばさんのお母様の幻視が楽しいのは、しばさんのお母様が今
楽しく過ごしていらっしゃるからなのかなと思います。

しいさん 

色々考えさせられるコメント、ありがとうございました。

体調は、中々うまくきけないことの1つですね。
まず、体調が良くない時は、頭もうまく動きません。
何かきいてもぼんやりして無言ということが多いです。

人が天井にいるというのは、色々な方から聞いたことがあります。
天井と壁の隙間から出てくるとか。
母も部屋のすみの天井から色々出てくると言います。
ベッドの上の時間が長いので、自然に天井が目に入るからかなぁと思ったり、部屋のすみの天井は、夜、ちょっと暗いので幻視が見え易いのかなとか。

母は、触ろうとすると消えるとよく言いました。
今は、動けない(触るために移動できない)からか、どうも消えないような印象ですが、私も確認してみたいです。

願望とは、かなりつながっていると、母を見ていると思います。
一番見るのは、兄(一番可愛がって大切にしている子供)です。
小さな子供も頻繁。世話を焼きたがります。
レビーの方が見る動物は、小動物が多いといいますが、母は、馬とか熊とかライオンとか大きな動物をよく見ます。
昔からそういう動物がとても好きな人でした。
食べ物の幻視は、聞いたことがないです。
虫も今回初めて聞きました。

訳の分からない幻視も多いですが、好きなものを見ることが、母の場合は多い気がします。
だから幻視は、母にとっては、慰めでもあり、「娯楽」でもあり、とても良いものだと感じます。

No title

しばさん、こんにちは。

うちの母は、カーペットの隅をしきりに指でつまんでて、
「何してるの?」と尋ねたら、「ビスケット」と答えました。
そこにビスケットが落ちてる幻視だと思います。

母はもの凄く食いしん坊だったからな〜

動物は犬や鳥を見ていたみたい。
やはり、自分の好きな物が多いのでしょうか・・

幻視にも細かい種類がある?

kimiさん、久しぶりです。コメントありがとうございます。

私の母も相当な食いしん坊なんですが・・・(笑)
犬も大好きなのに、不思議と見ませんねぇ。本当に不思議です。

幻視の細かい研究というのは見たことがないのですが、レビーの特徴というなら、細かく研究すれば診断に役立つものが見つかるのではないかと思うんですよね。

「幻視の種類に関して書いた記事」(↓)にある以上に細かく分類できる気がします。
http://nonohana7.blog134.fc2.com/blog-entry-716.html

アルツハイマー型でも幻視は見えるそうです。
「何でも見える。でも虫は聞いたことがない」とこの病気に詳しい方から聞きました。

虫の幻視は、レビー小体型認知症特有のもの」という発言もEテレの医学番組で医師が言うのを聞きました。(番組名も医師の名前も忘れましたが)

でも同じ「虫の幻視」でもゴマやパンくずやほこりが、這い回る虫に見えたりするものと何もない所に見えるもの(歩くもの、飛ぶもの等色々)があるようです。

以前、kimiさんが教えて下さったとても面白い本、「脳の中の幽霊」の中の第5章に幻視のことが色々書いてありますよね。

レビー患者は出て来ませんが、「消えるので幻視とわかる」「ありえない(医師の膝の上に猿が居る。)から幻視だろうと考える」などと患者の言葉が書いてありました。(P.177 角川文庫)
レビーの幻視と似ていると思いました。

幻覚は、できすぎじゃないかと思うほど、本物より良く見えることが多い。色が明るくて強くて、異常に鮮明だし、実際に本物より本物らしく見えるんです」P.178(交通事故が原因で幻視が見えるようになった方の発言)

以前、Eテレで若年性レビーの方が幻視を説明する時、「虫を手で押しつぶすと、お尻から紫色の糸のようなものがスルスル出てくる」というようなことを話されていました。
老眼があるだろうに、そんなに細かい所まで見えるのかと驚いたのですが、「脳の中の幽霊」を読んで、理由がわかったような気がしました。

母が、「わぁ〜きれ〜い!!」と目を輝かせて幻視(風景。鳥)に見入っていた時が、何回かあったんですが、「異常に鮮明」で美しかったんだろうなぁと想像しています。
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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