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レビー小体型認知症の症状詳細3(認知障害/うつ)

症状を正しく理解するためのシリーズ3回目。<→(1))と(2)
レビーの発見者である小坂憲司医師の「第二の認知症 増えるレビー小体型認知症の今」という本(レビー関係者には必読本)からの抜き書きです。(青字部分)


1. 認知障害 (初期には比較的軽い)

初期には、知的能力があまり冒されていない人も少なくない。
記憶力や理解力などに著しい低下がみられないため(略)認知症のテスト(長谷川式簡易知能評価スケール)をしてみても認知症と判定されにくい場合がある。(注1)
レビー小体型の人の海馬(記憶を司る脳の部位)は、アルツハイマー型に比べて萎縮が少なく、健康な人と同程度といっていい例もある。(注2)(P.76〜79)


注1 byしば:レビーの場合は注意力が落ち、計算を間違うようになる(計算能力の低下  ではない)とレビーの専門医から直接伺いました。他の医師も同様に書いています。
  (参考記事→「認知症の種類による長谷川式スケースの答え方」
注2 byしば:脳の萎縮は、病気の進行にともない変わってくるようです。
  (参考記事→「レビー小体型とアルツハイマー型の脳の類似」


2. うつ (レビー小体型認知症を疑え)

初期には、うつ症状が顕著にみられる。
おおよそ40%の人にこの症状が現われるとされる。
(小阪憲司・羽田野政治著「レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック」P.78では、約7割に出るとあり、その割合はアルツハイマー型の2倍以上と書かれている。)
レビー小体型の人は、十分な病識(病気である自覚)をもっていることが多く、悩みやすい。また、まじめかつ几帳面な性格の持ち主で、ささいなことを深刻に受け止める傾向にある。そのためにうつ症状をきたしやすいという面がある。

一般的なうつ病は、気分の落ち込み、悲観的思考、自責感、自殺願望などが中心だが、レビー小体型に多くみられるのは、アパシー(無気力・無関心・感情の鈍麻)や不安感・焦燥感・心気症状など。
((上述の「レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック」P.78「具体的には、やる気が出ない、興味関心が減る、食事をとらない、部屋に引きこもる等」)
心気的なものではなく、実際に不眠だるさ食欲不振などを伴うことも多い。

レビー小体型認知症と診断を受ける以前から長期間にわたってうつ症状がみられる人が多数存在する。
薬物治療が効果を上げず、長引く遷延性うつ病(難治性うつ病)だとされている高齢者の中には、レビー小体型認知症の人が数多く含まれているというのが、専門医の間ではもっぱら定説になっている。(P.86〜87)


*小阪憲司・池田学共著「レビー小体型認知症の臨床」(P.97)にもレビーの発症を予測できる例として「難治性うつで少し物忘れも始まってきた方」「パーキンソン病で少しの抗パーキンソン薬ですぐ幻覚・妄想が出てしまう方」「幻覚、妄想が出ており、特に幻視が非常に強い方」だと池田氏が発言しています。

私(しば)の母の場合は、初期には異常な心配性(不安と焦燥感)が目立ちました。私が家族と帰省する時、「献立が考えられない段取りができない。滞在中の全ての献立と買って置くべき食材をリストにして早く送って欲しい」と繰り返し言いました。
徐々に無表情が多くなり、感情がなくなったかのように見えました。

<関連記事>
*カテゴリ:「レビーと各種認知症の症状と早期発見チェックリスト)
*「レビー小体型認知症の幻視の種類と特徴
*「幻視を利用したレビー小体型認知症の検査法」(検査用写真へのリンクあり)
*「レビー小体型認知症の特集記事(朝日新聞)」(非常に詳しい。)
*「レビー小体型認知症の症状と誤診の多さ(患者は医師に幻視を訴えない)

P1020267_convert_20130420074902.jpg
著莪 (シャガ)
アヤメ科。アヤメは、英語でアイリス。
アイリスは、ギリシャ語で虹の意味だそうです。
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レビーの抑うつ症状について

レビーの抑つ症状は、アセチルコリンの減少が関与しているようです。
私が医師になったころは、うつ病はアセチルコリン不足説が有力視されていました。
アリセプトで、アセチルコリンを増やすと、改善するケースが珍しくないのはこのためです。
あとレビーの場合、不定愁訴を伴う事が珍しくないのですが、私が医師になったころ「高齢者のうつ病は、抑うつ症状より心気的な訴え(不定愁訴)が多いケースがあり注意が必要だ」と言われていましたが、このようなケースにはレビーの方が多かったのでは無いかと今は考えています。

なお心気的な訴えは、セロトニンの不足でも起こりますが、レビーの場合セロトニンが過剰の場合が少なくないと思われ、抗うつ剤で悪化するケースがあると思います。
セロトニンの作用は複雑で、部位により作用が違い、うつ病とパニック障害と言う、一見正反対にみえる症状が、同じセロトニン不足で起こります。
心因性疼痛(心気症など)も、セロトニン不足で起こるケースとセロトニン過剰で起こるケースがあると思われます。
夜間せん妄も、セセロトニン過剰で起こっているケースもあると思われます。
今後レビーを理解していくうえで、セロトニンの影響を考えていく必要があるのでは無いかと私は思っています。

hokehoke先生

コメントどうもありがとうございました。

セロトニンは、うつ病関連の記事等では、よく見かけるようになった言葉ですが、レビーで不足タイプと過剰タイプがあるというのは、初めて知りました。とても興味深いです。
さらに知りたいと思います。

セロトニンは

セロトニンの作用を理解する事は、難しいです。
痛みに対しても影響しており、神経性疼痛とか心因性疼痛と呼ばれる痛みなどは、セロトニンの影響が大きいようです。
セロトニンは痛みに対してですが、シナプスの部位により、全く逆の作用をするようです。
セロトニン不足でも痛みが作られる事が有るのですが、過剰でも痛みが作られるようです。
夜間ヒステリックに腰痛を訴える方が、骨折の痛みを全く感じないと言うケースが有りました。セロトニン過剰ではないかと理解しています。

セロトニンは覚醒させる物質の様で、睡眠をもたらすメラトニンと拮抗関係に有るようです。
セロトニン過剰で不眠が生じますが、レビーの方はしばしば不眠が有ります。せん妄と理解していたのですが、せん妄ではなくセロトニンの過剰では?と思われるケースも有りました。その方は、ショート中1週間ほとんど寝ていませんでした。せん妄を考えニコリンを連日使用しましたが効果が無かったケースです。

あと前頭葉症状は、前頭葉のセロトニン過剰が関係している場合も有るようです。激しい衝動や興奮・易怒などはせん妄以外に、セロトニン過剰が関与していると考えられます。
私は、抑制系の薬剤としてコウノメソッドに無いニュウレプチルと言う薬を愛用していました。
ニュウレプチルは、症状を選べば非常に切れの良い薬剤です。これはドパミン以外にセロトニンの作用を抑える事が特徴です。長期投与で、セロトニンを抑過ぎると過沈静を招きやすいのですが、医原性のうつ病と言う事になるのだと、今は考えています。

抑肝散もBPSDを抑える効果が有りますが、セロトニンの働きを調整(抑制?)している事で、効果を発揮しているようです。

抗うつ剤でセロトニンを増やすと、精神症状が悪化する方もいるのは、基本的にレビーの方はセロトニン不足ではなく過剰のケースが多いのではと推測しています。

以上のような事実から、レビーの方はセロトニン過剰が有るのではと考えています。最近レビーの方を注意してみていると、前頭葉症状を伴うLPCが結構多い事も、セロトニン過剰が関係しているのだと、推測しています。

思い当たることがあります

hokehoke先生
詳しい説明、本当にありがとうございました。
色々思い当たることがありました。

手術後からずっと続いた母の「せん妄」(ある医師からは違うと言われ、ある医師からはそう言われました。)は、治療(ニコリン等)によって改善することがありませんでした。

母も圧迫骨折した腰は、ほとんど痛がらないのに、理由のわからない肩などを痛がって「痛い!痛い!なんとかして!」と大騒ぎすることがありました。
母も眠らない、興奮する、突然激しく怒り出しておさまらない等がありました。

突然介護が始まった時点で、こういう症状だったので(歩行困難や自律神経症状もひどかったですが。)本当に何が何だか訳がわからないまま、とにかく死にもの狂いで介護するという状態でした。

(読者の方々のために)
先生がコメントの最後の方に書かれた「前頭葉症状を伴うLPC」は、「レビー・ピック・コンプレックス」(レビー小体型認知症と前頭側頭型認知症のピック病両方の症状を持ち合わせた病態)という意味ですね。


プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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