早期からレビー小体型を疑って注意深い治療を

ながみつクリニック(山口県防府市)の 長光勉院長が医師向けに書かれた論文をご本人から見せて頂きました。とても重要なことですので、ご本人の許可を得て、一部を抜粋し、一部を一般向けの言葉に書きかえて掲載させて頂きます。
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レビー小体型認知症は、初期には正しく診断されず、苦しむ患者が、依然として多い。
パーキンソン病と誤診されると パーキンソン治療薬によってさらなる幻視に苦しみ、
集中力低下うつ症状うつ病と誤診されると、抗うつ剤でさらに悪化
幻視などから統合失調症老人性精神病と誤診されることもある。

<早期からレビー小体型認知症を疑って対処するメリット>
抗認知症薬による改善や進行を遅らせることが期待できる。
薬剤過敏を持つ患者にも細やかな適量薬剤治療ができる。
パーキンソン症状自律神経症状への生活指導や薬物治療による対策が可能となる。

レビー小体型認知症は、記憶障害が出る(平均)約9年前から便秘臭覚障害が出る。
うつも平均4.8年前から出る。汗や唾液が多いなどの症状も。

レム睡眠行動異常症(障害)は、レビー小体型認知症の早期診断に重要な症状。これがあれば、便秘、臭覚低下、唾液の多さ、立ちくらみ失神などを確認することは重要。

幻視は、パーキンソン病の治療薬の副作用でも起こるが、原因となる薬剤を中断しても幻覚がなくならないのがレビー小体型認知症の特徴。

レビー小体型認知症では、半数近くの患者に薬剤過敏性があるという報告がある。
うつに対しても通常量ではかえって悪化し、増量や他剤の追加でさらに不調となる例も多く、少量の薬剤短期間治療するなどの工夫が必要。

レビー小体型認知症の患者は、診断基準を満たさない初期から生活に支障をきたし苦しんでいる。確定診断に至る前から「レビー小体型認知症かも」という視点を持って治療することが医師に求められる


高齢者と薬の副作用について解説(竹内和彦氏)認知症アシストフォーラム

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「旅のことば」 No.3

是非読んで頂きたい本として以前からご紹介してきた(記事1   
旅のことば 認知症とともによりよく生きるためのヒント」のカードも出ましたので、活用方法を転記します。
旅のことばカード
旅のことばカード」(認知症とともによりよく生きるためのヒント・カード)は、
対話を引き出すのに絶大な効果を発揮します。ぜひ、ご活用ください!

 【 認知症カフェ家族会施設などでの活用方法 】

「旅のことば」カードを用いて、体験談を話し合う場をつくることができます。
まず、数人でグループになり、テーブルのまわりにになって座ります。

そして「本日のテーマ」として、40枚ある「旅のことば」カードから1枚を選び、
グループに渡して日頃実践しているかどうかを話してもらいます。
実践しているという場合には、具体的にはどのようにしているのかを話します。
経験がない方は、経験者に聞いてみたいことがあれば質問してみるのがよいでしょう。

例えば、《なじみの居場所》のカードの場合には、そのような居場所をもっている方は、その場所について具体的に話します。
その場の重要性や、印象的なエピソード、他の人の参考になりそうなことなども交えて
話すとよいでしょう。

司会者がいる場合には、そのカードに書かれている工夫について少し解説してから
グループ内で体験談を話すようにすると、よりスムーズに始めることができます。

旅のことば』書籍版(丸善出版 刊)には、さらに補足的な説明やが書かれているので、参考にしてください。
話し合ったあとは、各参加者に「わが家で明日からできること」をひとりずつ
発表してもらうと、生活をよりよく変えていくイメージを具体化してから終わる
ことになり、さらに有意義な場となるでしょう。


*「旅のことば」(井庭崇・岡田誠編著。慶応義塾大学井庭研究室・認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ著。丸善出版)の帯の言葉→「認知症と出会ったときから手元に置いておきたい人生のノートです(順天堂医学部教授 天野篤)」

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若年性アルツハイマー病の妻と生きる吉田晋悟さんのメッセージ

追記:毎日発信している認知症情報は→twilogをご覧下さい
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「レビーフォーラム2015」の若年性レビー小体型認知症・樋口直美さんの講演動画(→こちら)をご覧になった吉田 晋悟さんからメッセージを頂きました。
認知症の種類は違っても、奥様のご病気(若年性アルツハイマー病)や介護にも通じる所が、色々あったということです。
頂いたメッセージを少し短くして、ご本人の承諾を頂き、ご紹介させて頂きます。
吉田さんご夫婦のご様子は、Facebookでお読み下さい。(→こちら
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(Facebookのプロフィール写真に使われている吉田さんご夫婦)

私の妻が、若年性アルツハイマー型認知症の診断を受けた時、病と向き合うために、関わりのある皆さんに、病いを明らかにする道を選びました
私には牧師、妻には伝道師という公の仕事があったからですが、公にしたことは、とても良かったと思います
診断を受けた年に、京都で「若年性認知症本人会議」という集まりがあり、オーストラリアからクリスティン・ボーデンさん(現、ブライデン)も招かれていました。
本人会議には、7名の患者が出席しましたが、氏名や映像を出すことを承諾したのは、妻を含めて3名でした。その様子(妻の発言、ボーデンさんとの会話等)は、NHKや主要新聞で報道されました。
そうしたこともあり、私は、妻の病は、多くの人々のために、役に立たせていただくのが良いのではないかと思うようになりました。

樋口さんの講演を聴かせていただいて、優れた語り手だと思いました。
妻は、講演をするというより、人に仕えて慰めや励ましを与えるタイプでしたから、別の方法で人々の役に立つ道を二人で話し合ってきました
妻の病は、徐々に進行する道をたどりましたが、それでも、2人で病と向き合う10年ほどの過程を、私が、ありのまま人々に語ったり、ブログやfacebookに書いてきました
それによって、この病に対する偏見が取り除かれたり、理解が深まるのに、多少はお役に立てたかと思っています。こうした思いから、ご本人の思いやお考えを伝える働きは、とても大切だと思っています。

講演から思い当たったこと。
【病人の尊厳について】病の性質は違いますが、妻には、本人の人格を尊ばれなくなる時に、絶望感恐怖感孤独感を強くする傾向が見られました。「早く天国に行きたい」「お母さんに会いたい」「わたしは要らないのよね?」という言葉は、そんな時の妻の心情であったことに思い当たりました。

感性は働いている】言葉で言い表せず、論理的に説明できなくても、状況人の気持ちは、感情で把握できていると分かることが、よくありました。
むしろ、理性で感性の働きを抑えることがないだけに、より敏感に人の気持ちをキャッチしていたようです。
喜怒哀楽の変化が激しいのは、そううつ状態だなどと決め付けて、安定剤に頼ろうとしたこともありましたが、妻の問題よりも、周りの妻に対する接し方に大きな問題があったことに思い当たりました。

【病の改善】介護する私の状態によって、一時的ですが、認知機能が回復することが、よくありました。
樋口さんが、病を隠すことを止められたことで精神的に楽になられて、病の改善が見られたのと、よく似たことがありました。
私たちの場合は、最初から、隠さなければという緊張はありませんでしたが、妻には、仕事をしなければならないという思いが強く(働くことが喜びでした。)、思うように出来なくなると、働けないことが、圧迫感になるようです。自分を責め、人から責められているように感じる時、苛立つだけではなく、認知機能も急激に衰えたようになります。解放してあげる努力は、介護者の務めと思っていますが、うまくいった時には、認知機能が回復します。

幻覚・幻聴】(多くはないのですが)わたしが何も語っていない時に、返事をしたり、語ったりしていますが、私には幻聴とは思えず、むしろ記憶の混乱のように感じます。
幻視も同じで、「あれ!さっきいた人もう帰られたの?」とか「ここに寝ていた男の子は?」とか言いますが、その言っている人物や場所や光景は、ほとんどは時間的なずれで、数日前に寝ていた孫であったり、出かけた公園であったりですから、幻視とは言い難いのですが、症状だけ見ると、幻聴幻視と言われるのかも知れません。


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上記講演原稿全文へのリンク集とプロフィール
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レビー小体型認知症の日常(症状)を描いた漫画10作

プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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