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怒らなくなった母

母の経過→「若年性レビー小体型認知症だった母」「60代後半からの詳しい経過
…………………………………………………………………………………………………

今月、実家に戻りました。母は、精神的にとても落ち着いていました。
今までで一番かも知れません。

ある日は、ほとんど正常に流暢に会話を楽しみました。でも幻視だけは常に見えるようで
「あぁ!あの人、あんな狭い所に入り込んで!危なくないの?」
「刀を持った人が、あんな所で何してるんだろう?」などと言い続けていました。

ある日は、眠そうな半眼で、反応も少しにぶいのですが、普通に会話ができました。

ある日は、顔も声もシャキッとしているのですが、会話の内容が混乱し、理解力も低下。
現実と過去の記憶と妄想が混ざっていて、会話が噛み合ないことが時々ありました。

それでも困ること(突然怒る。泣く等)は、一度もなく、終始穏やかでした。
今までは、「そろそろ行かないと(帰らないと)」と言うと、「どこに行くの?!」「ここ以外のどこに帰るというの?!」と言って怒り出しました。
今回は、「そう?忙しいのに来てくれてありがとうね!気を付けて帰ってね。またね」と毎日笑顔で見送ってくれたのでした。

こんな日が、来るんだな・・と思いました。
激しく怒ったり、泣いたりの繰り返しで大変な日々から数年かけて少しつづ落ち着き、こんな穏やかな母を見る日が、本当に来たんだなと思いました。

何を飲んで激変したということはありません。薬は、種類も量も少しづつ減らしました。
睡眠薬を止めた時、手の動きやうつが、大きく改善したと感じました。→詳細
ここ数ヶ月では、アリセプト(微量)を止めて、リバスタッチパッチに変えました。
4.5mgを半分に切って始め、少しづつ増やし、現在7mgで止めています。(→治療実例

それが原因で怒らなくなったのかどうかは、医師ではないのでわかりません。

母の施設の医務局に熱心な方がいらっしゃり、その方が職員を説得して睡眠薬を止めてみたり、副作用に気を付けながらリバスタッチパッチを試してみたりという「冒険(トライ)」をして下さいました。本当に心の底から感謝しています。

自宅介護なら薬の作用の見極め(怒りっぽくなる/動きが悪くなる/食欲が落ちる等)も簡単にできるのですが、施設では、難しいことがあります。
『一人だけをずっと観察することはできない。何かあった時に責任が取れない』と、「冒険(トライ)」を避けられることを2つの施設で経験してきました。


去年の末、発作のように怒り出しながら、母は、顔をゆがめて言いました。
「ほら。始まった。私、頭が変なんだよ。怒り出すと止まらなくなるんだよ。頭がどうかしちゃったの。怒りたくなんかないのに止められないの」

「怒っていい。怒ればいい」と言いました。
我慢しなければいけないことが一番多く、病気で一番苦しめられているのは、母です。
せめて家族には、何も我慢せずにぶつければいい、それで少しでも楽になるならそうすればいい、私には他に何もできることがないと、その時、思っていました。
しかし怒る母を相手にすることほど消耗することはないというのも、事実でした。

<関連記事>
*「レビー小体型認知症に対するアリセプトの効果と副作用
*「処方箋をチェック 危険な薬一覧
*「レビー小体型認知症の治療 注意点

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木瓜(ボケ)
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映画「明日の記憶」2月25日に放送

   — 速 報 —

BSプレミアムシネマで 2014年 2月25日(火)午後9:00~11:00

若年性認知症をテーマにした名画明日の記憶を放送します。

素晴らしい映画です。是非見て下さい。(原作の本も)

   < 物 語 > (NHK BSオンラインから転記)

広告代理店に勤める営業マン、佐伯雅行(渡辺謙)は、今年50歳。
一人娘・梨恵(吹石一恵)の結婚と大きなプロジェクトを控え忙しい日々を送っていた。
ある日、雅行は原因不明の体調不良に襲われる。
突然物忘れがひどくなり、心配する妻・枝実子(樋口可南子)と共に病院で診察を受けた雅行は、“若年性アルツハイマー病”と診断され…。
映画化を熱望した渡辺謙が自らエグゼクティブプロデューサーを兼任。
第30回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞を受賞した。

【出演】渡辺謙、樋口可南子、坂口憲二、吹石一恵、香川照之、及川光博、木梨憲武、
    渡辺えり、木野花、田辺誠一、大滝秀治 ほか

<関連記事>
*「若年性認知症の方が抱える問題
*体験談「若年性認知症の方に必要な公的支援・申請の仕方(障害者年金他)
*「若年性レビー小体型認知症の苦しみ(本人談)」ominaeshiさんの場合 経過
*「若年性レビー小体型認知症の苦しみ(本人談)」Kさんの場合 その他の記事
*「若年性レビー小体型認知症 Hさんのリハビリ入院体験談

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退職後、突然「会社に行く」と言い出し出掛けるシーン。
実は真夏に撮影したという話を渡辺謙の本で読みました。
(画像は、個人の映画ブログから)

死ぬときは、苦しいのか

「親が死ぬ日が来ると思うと恐怖を感じる」と何人かの方から伺ったことがあります。
「死がわからない。きっと苦しく、恐ろしく、辛いことなのだろうと思う」と。

最近、祖父の死に立ち会ったという若い女性の話を聞きました。
「死ぬって、テレビとかでしか見たことがなかったから、凄く苦しんで、何か一言言って、ガクッて・・、そういうものなんだって思っていたのに、全然違うんですね」

病気などで、人が自然に死ぬとき、人は、ガクッとは死にません。
長い時間をかけて、徐々に弱っていきます。
弱って、食べたり、飲んだり、会話をしたりすることが難しくなります。
やがて意識を保っていることも難しくなります。
その頃には、痛みも苦しみも全く感じなくなると言われます。

やがて呼吸をすることが難しくなり、苦しそうではありませんが、独特の呼吸(下顎呼吸)が始まります。それも徐々に弱まっていきます。
止まったり、また呼吸をしたりを繰り返し、そしてやがて静かに止まります。
旅立ちは、出産と同じように、いえ、それ以上に長い時間をかけて少しづつ進みます。
それは、とても静かで、穏やかで、自然で、苦痛とは遠いものです。
(私の経験ですが、色々な本を読んでも同じように書かれています。)

私の友人は、スキューバダイビング中の事故で臨死体験をしました。
「呼吸ができなくて、パニックになってもがいていた時、急に、ふっと楽になった。
辺り一面に見たこともない美しい光が現われて、それにうっとりと見とれた。
最高に気持ちがよく、言いようのない深い幸せに満たされていた。
『死ぬんだな』と思ったが、まったく構わないと思える程の恍惚感に満たされていた」
それ以来、友人は、死ぬことが少しも怖くなくなったと言います。

科学では、これは、脳の酸欠状態で起こる現象と説明されています。

死ぬとき、人はもう意識がないように見えます。(聴覚は、残っていると言われます。)
でもその体の中では、きっと見たこともない美しいものを見、至福の中に安らいでいるのだと、私は、思っています。(まだ経験したことがないので確証はないのですが・・)
そして自分もいつかそんな体験をすることを楽しみにしています。

私は、私の死後、私の感情が残り続けることもないと考えています。
「さぞかし無念だったろう」という言葉をしばしば聞きますが、私の苦しみ、悲しみ、無念は(もし仮にあったとしても)私の死と同時にきれいさっぱり、見事に消え去り、どこにも残ることはないと思います。
家族には「無事に死ねてよかったねぇ。長い間お疲れさん」と微笑んで欲しいです。

<関連記事>
*「死のイメージ」(ヤゴに例えた美しい寓話)
*カテゴリ「死を受け入れるために
*「米国ホスピス・ボランティア体験記

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レビー介護の裏技2種(オフ会から)

私の2014年度「わくわくプロジェクト」の1つ、最初のオフ会を先日行いました。
(オフ会=ネット上でつながった人々がオフラインで、つまり実際に集う交流会です。)

ブログでお声をかけた時は『希望者ゼロかも・・』と内心思っていたんですが、少なからず多からず、丁度良い人数で、とても楽しく充実した時間がすごせました。
雪も残る中、遠くから来て頂き、本当にありがとうございました!
またブログでお声かけしますので、どなたでもお気軽にいらして下さいね。

家族会ではないので、話題は自由にと思っていたんですが、やはりレビーの話題で白熱。
共通する苦労があるので、 初対面という感覚がない。でもお一人おひとりの経験は、それぞれに唯一無二なので、本当に貴重なお話(データ)だということを改めて思いました。

お話の中で、介護者だけが発見できる「特許取得もの」の技があったのでご紹介します。

1. パーキンソン症状の「オフ」状態(突然体が固まって動けなくなる状態)の時、
  くすぐって笑わせると、直後に体が柔らかくなり、自分で立って歩ける。

笑うと脳でドーパミンが出る」という話からヒントを得て 試したら効いたそうです。
私も笑顔の形に口角を上げるだけで脳からセロトニンが出ると聞いたことがあります。

2. 飲み込みが悪い(嚥下障害)時、首、肩、肩甲骨などを揉みほぐしてもらったら
  かなり改善した。(口腔ケアより何よりも高い効果を実感。プロのマッサージです)

私は、整体師のブログで「パーキンソン病患者は、首の付け根(背中側)が特に固まる」という一文を見たことがあります。そこが「カチコチに凝って痛い時に葛根湯(漢方薬)を飲んだら楽になった」というレビーの体験談を伺ったことがあります。
(ただし虚弱体質の方には向かないそうです。漢方薬治療の実例・注意点
(その後、背中が痛いという方には、痛む場所を聞いていますが、個人差があるよう。)

1も2も害はありませんから是非試して結果を教えて下さい!お待ちしています。

口腔ケアの動画」や「ユマニチュード」(フランスの認知症介護技術) の話題も出ましたね。「記事が役に立った」と言って頂けると、心底嬉しいです。それを期待して書いている訳じゃないんですが、そんな風に言って頂けることって、そうそうないですから。

追記:安保徹ら3人著「非常識の医学書」には、パーキンソン病に効くマッサージのツボとしてつむじ(百会)仙骨(背骨の一番下)周辺と書かれていました。→その他のツボ

<関連記事>
*「認知症に効くツボ」(鍼灸のツボ。家族でもマッサージで刺激できます)
*「自律神経障害に効くツボ」(冷え、頭痛、だるさ、不眠、めまい等)
*「意識障害のツボ」(気付けのツボと脳の血流を良くするツボ。文末に)
*「万能ツボ(痩身効果も)」「爪もみ療法」「耳の後ろの万能ツボ
*「笑いヨガ・イメージ呼吸法など
*「一日一笑シリーズ」(踊るオウムラーメンズ動画子猫動画

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マッサージで思い出しました。これは「あずきのチカラ」という商品。
私の愛用品です。電子レンジで温めて使います。気持ちいいですよ〜。
これで温めてからマッサージしたら、効果が高まるかなぁ??


レビー漫画(9)病気の始まり(幻視か妄想か)

このブログの読者のSimsimさん(お母様がレビー小体型認知症)の作品です。
(幻視3部作→その1  その2 その3 転倒→その4 妄想→その5 アルツハイマー型との違い→その6 人物誤認→その7 レム睡眠行動障害→その8 異変の始まり→その9 夜中の転倒→その10
症状の描写が正確ですので、介護・福祉・医療関係の方々にも是非読んで頂きたいです。

注:著作権はSimsimさんにありますので、勉強会の資料などで利用されたい方は、
  コメント(公開/非公開)でご一報下さい。
  既に医学部やケアマネの研修、家族会の勉強会などで利用されています。
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 < コメント by しば>
私も遠距離に住んでいるので、母の異変を実感したのは、この漫画の通りの電話でした。
パーキンソン病と診断され、歩く歩幅は極端に小さくなっていましたが、家事をし、普通に会話をし、物忘れもないと家族は思っていた時(本人はその5年前から記憶力低下を自覚)に、いきなり始まりました。

「(母の居る実家から)どうして黙って帰っちゃうの?!」母は、怒っていました。
漫画のように説明すると、母も不思議がるのですが、電話は増え続けました。

私「だから!毎日行ける訳がないじゃない!往復いくらかかると思ってるの?!」
母「そうだよねぇ。だから大変だなぁと思って・・。お金、どこから工面してるの?」
どれだけ時間をかけて丁寧に優しく説明しても、思い込みは、揺るぎませんでした。

あの時、レビー小体型認知症だと分かっていて、幻視という症状(→詳細)なのだと説明していたら、母は理解でき、落ち着いたのではないかと、今は思います。

しかし病気とは知らない父から「何をバカなこと言ってるんだ〜!!」と毎日怒鳴られ、誰からも理解されない内に、母は追い詰められ、幻視も混乱も悪化の一途を辿りました。

私が血まみれで居間に寝ていたと泣きじゃくりながら毎日電話をしてくるようになり、「私が病院に連れて行く!」と言って、止める父に殴りかかったと連絡を受けました。

母には、紛れもない「現実のもの」として見えていたのです。
レビー小体型認知症の幻視は、本人にとっては、決して幻などではありません
「百聞は一見にしかず」というように、人は、自分の目で見たことを信じるのです。
しかしそれを知らなかった私も父も、ただただ困惑し憔悴していました。

そして、今頃になって、思います。
あの時、家族にも理解されず、「訳のわからないことを言う人」と思われながら、母はたった一人で、一体どれ程大きな不安苦悩恐怖と闘っていたのだろうと・・。

<関連記事>
*「幻視は、本人には、どう見え、どんな気持ちでいるのかを疑似体験」リンクも必見
*「レビー小体型認知症の幻視を取り上げた”ためしてガッテン”関連記事集
*「誤解だらけの認知症」市川衛著 (多くの医師も誤解しています。)
*「幻視に対してどういう言葉かけをすればいいか

アルツハイマー型認知症 grandodoさんの体験談

2014年1月の記事(こちら)でご紹介したgrandodoさんの貴重な体験談です。(青字)

「認知症も早期発見・早期治療が大切」と言われますが、実際には、早期では「脳の萎縮もないし歳相応」と見過ごされる場合が少なくありません。
本人や家族が「おかしい今までと違う」と思う感覚の方が、正しい場合が多いです。

またアルツハイマー型認知症では、レビー小体型認知症と違い、病識(病気の自覚)が早期に失われ、明るく元気な方が多いと言われたりしますが、grandodoさんの奥様の場合は違っています。

追記:2014年4月11日の朝日新聞の記事:「アルツハイマー型認知症では早期からもの忘れを自覚しなくなる(病識がない)と広く言われているが誤っている。認めたくないという思いが否認となる。取り繕いも異常に気づいているからこそ。中期でも病識はある」(記事全文

(追記:その後、2014年夏から薬剤過敏性や幻視などレビー小体型認知症の症状が現れてきているそうです。)
………………………………………………………………………………………………………………………

カミさん:69才。アルツハイマー型認知症 (2014年2月現在)
私(夫):73才。視覚障害者の音訳ボランティアをしていた影響で福祉に関心を持った。

2009年(65歳)カミさんがもの忘れを自覚し一人で受診する。異常なし。経過観察。
2011年(67歳)カミさんが同窓会の場所に一人で行けず付き添う。MRI撮るが異常なし。
        別の病院に行っても「異常はない」と言われた。
2012年(68歳)3つ目の病院で初めて「アルツハイマー病の疑いがある」と言われる。
        しかし「まだ軽度。進むばかりなので画像は撮らない」と言われたりし
        私には、納得できない部分があった。

カミさんは、診断時も冷静で、その後も取り乱したり、落ち込んだりはしなかった。
介護をした認知症の実母と同じ経過を辿ると考えていて「怖くはない」と言うが「早く死にたい」と言うことがある。
毎晩寝る前に、カミさんは、弥勒菩薩像の絵に5〜10分手を合わせている。

私たち夫婦は、長年、近所に住む3人の幼い孫達を毎日預かっている。
妻の脳にも良いと考えて、積極的に引き受けているが、負担が大きくなってきている。

カミさんは、「おばあちゃんは、すぐ忘れるからね」と孫達に言い聞かせている。
孫達は、それを素直に受け入れているように見える。
「手を洗ったの?」等と何度も同じことを言われると、うるさそうにはしている。

私が倒れて妻や孫達の世話ができなくなることが一番辛いので、健康には留意している。

現在(2014年)、カミさんの初めての介護認定を申請中。
近くに小規模多機能施設ができたので、少しづつ利用して慣れておこうかと考えている。
今まで認知症について相談する相手はいなかった。家族会等に関心は持っている。

夫婦が、元気で居られることが、一番の望み。
2人でお喋りすることが、楽しみでもあり、幸せだと思う瞬間。
一緒にハイキング・散歩・コーラス・外食・テレビ・カミさんに教えてもらいながらの料理などを楽しんでいる。
進行を遅らせる(少なくとも現状維持する)ために積極的にしている。
しかし進行を遅らせることは、とても難しいとも感じている。

  <2013年の奥様の発言から  日常生活の様子は→こちら
(慣れた道が分からなくなって歩き回わり)「たまらなく不安で辛かった」
「生き恥を晒すのは、侮辱されているのと同じ。とてもしんどい」
「人に迷惑を掛けて生きる自分を許せない」
「今していることが覚えられないのが、どんなに辛いか・・なった者しかわからへん」
「何度も何度も、同じことを聞くのがイヤになる」
「こんなボケた頭で、生きていくのがイヤになる」

………………………………………………………………………………………………………………
<「しば」から、まだ介護認定を受けていらっしゃらない皆さんへ >
認知症を疑ったら、診断されたら、とにかくまず「地域包括支援センター」に電話をして相談することをお勧めします。連絡先は、市区町村の役所の福祉窓口で。

「どこの病院にどうやって連れて行けばいいか分からない」「何をどうすればいいか分からない」と言えば、親切な職員適切なアドバイスや情報をくれます。万々一ダメだった場合は、違う地域包括支援センターに電話してみて下さい。必ず助けてもらえます。

追記:コメント欄に「何型の認知症か」を区別する方法へのリンクがあります
(レビー小体型、前頭側頭型がアルツハイマー病と誤診される例は少なくありません。)

<関連記事>
*「早期発見のヒント」と「進行を遅らせるヒント」(NHK「あさイチ」から)
*「認知症と診断されても」悲観しないで!できることはいくらでもあります。
*「4大認知症 早期発見のための知識とチェックリスト

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梅(ウメ)

若年性レビー小体型認知症体験談 本人の語る症状と治療

若年性レビー小体型認知症 Kさん「本人の語る症状」からの続き。
(注:症状や治療法、薬の効果や適量は、お一人おひとり違います。)

幻視、錯視(見間違い)、幻聴と共に幻臭(強烈な悪臭)が、最近、時々ある。
生ゴミのある所で魚が腐ったような臭いがしたり、現実にありえる臭いなので幻臭とは気づきにくいが、臭いが強過ぎるし、周囲の人が平気でいるので幻臭だとわかる。

幻視幻聴本物かどうかは、自分ではわからない
周囲の人の反応を観察したり、家族に「見えない/聞こえない」と言われて分かる。

記憶力の低下が進んでいるとはあまり感じない。(10年前にひどく低下して戻らず)
何でも忘れるということはないが、家族から「○○しておいてって言ったのに」と言われて、言われた記憶がかけらもないということが時々ある。

自分が、何を忘れ、何を覚えているのか、自分でもわからない。
物事の全体をきちっと把握できているという感覚が、まったく持てない。
常に何かが抜け落ちているような漠然とした不安自分が信頼できない感じがある。
家(脳)の鍵を泥棒が持っていて、知らない間に忍び込み、何か1つづつ盗んでいくよう。
すぐには消えたことにも気づかないが、ふとした時、気づかされ、とても困惑する。

頭の中で言葉の回線がうまく繋がらなかったり混線することが時々出て来た。
「伊藤」という字を見て『伊予のい、藤娘のふじ。一体何と読むんだろう?』と考えた。
Aと言っているつもりでBと言い、「本当に?」と何度確認されても同じ過ちを繰り返す。
聞いた言葉の意味(漢字変換)を間違えて混乱する。(「見込んで」を「未婚で」など)
とんでもない聞き間違いが多く、相手の言葉の意味が分からず困惑する時もある。
症状なのか、たまたまなのかの区別は付かないが、その度に進行したのかとゾッとする。

しかし言わなければ、家族にも中々わからず、人からは、普通の人にしか見えない
駅で混乱して困った時、駅員に聞くと「あの表示を自分で見ろ」と言われ途方に暮れた。
こうした生活上の困難苦しさ不安を人に理解してもらうことは無理だと諦めている

主治医と相談したが、まだ認知症薬(リバスタッチパッチ)の量は増やしていない。
(記憶力への影響は感じないが、意識障害は、この薬を使う前と比べると大きく改善。
幻視もしばらく消えた。その後、また現われたが、頻度は治療前より減っている。)

の日の頭痛だるさ漢方薬五苓散(ごれいさん)を処方されたが効かず、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)で効果を感じた。少量から試し、使い方を試行錯誤中。

飲み続けている真武湯は、低体温、冷え性、発汗異常に大きな効果を感じているが、飲み初めの頃のように意識障害が治る感じはなくなった。長年の不眠は改善している。
漢方医は、効果が変わってくることは多く、変化に合わせて微調整するものと言う。
量を微量づつ増やして試しているが、日によっても効き方が違い、適量を探している。

体調が悪い時はうつも出て悲観的になりやすいが、諦めず、体(=脳)に良さそうなことは何でも試して、『私は大丈夫だ』と強く思い続けることが最大の課題だと思っている。


 <Kさんの今までの経過・治療・気持ち>(クリックして下さい)
体験談治療と経過漢方治療本人が語る症状認知症の苦しみ空間認知能力

<関連記事>
*「レビー小体型認知症は、”認知症”なのか」記憶力・思考力が残っている実例
*「レビー小体型認知症 早期発見チェックリスト(3種)」(全症状へのリンクも)
*「幻視はどう見え、どう感じているのか疑似体験しよう!」本人の気持ちは?
*「幻視はどう見えるのか」若年性レビー小体型認知症 ominaeshiさんの場合

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椿(ツバキ)

若年性レビー小体型認知症体験談 本人の語る新しい症状

若年性レビー小体型認知症と生きるKさん(50代女性)ご自身が語る体験談です。

 <Kさんの今までの経過・治療・気持ち>(クリックして下さい)
体験談治療と経過漢方治療本人が語る症状認知症の苦しみ空間認知能力


病状は、治療を始めた頃より波が大きくなってきている。
1日の間にも変動はあるが、7〜10日位続く好不調の大きな波も出て来た。
数多くの症状(幻臭立ちくらみ耳鳴りなど)が、出たり消えたりし続けている。

温泉に行った後、1週間ほどとても調子が良かったが、年末年始は、ぐったりしていた。
温泉が原因かは不明だが「体を温めると体調が改善冷えると悪化」は、経験的に確か。

毎日30分気持ち良く続けていた運動も急に疲労感しか感じなくなり、出来なくなった。
こうした急激な変化は、過去にも何度かあった。また元に戻ると信じたい。
運動も効果を実感してきた。気を取り直し、今は、室内で数分の運動を繰り返している。

秋(4ヶ月前)には、嗅覚の低下を自覚した。
日によって大きな差があるが、匂いがほとんど分からない時は、もよく分からない。
臭覚の異常は、認知症の前触れと言われているので、精神的なダメージが大きかった。
周囲が「いい匂い!」と皆で喜んでいる時に、何も感じられないのは、ショックだった。

コンロで料理やお玉の柄が焦げていても、煙が出るまで気づかないこともあった。
家族から料理の味付けが変だと指摘されることが増え、将来に対し、悲観的になった。
(酢や醤油の匂いは、鼻を近づければ分かる。味付けは、みそ汁など汁物が難しい。)
しかし臭覚・味覚も日によってかなり差があり、味付けに困らない時もある。

地図を逆さまにすると分からなくなる。(元々方向音痴だが、以前にはなかったこと)
地下鉄の駅の矢印の表示が指す方向がよくわからない。(乗り換えに混乱。よく間違う)
初めて使うATM券売機などが操作できない時があり、とても焦り、気が動転する。

そのために慣れない場所への外出は、緊張し、心身も脳も神経もとても疲れる
帰りの電車の中では、疲れから意識障害を起こしてもうろうとなることがほとんど。
意識障害ツボ(脚注)を指で刺激して一瞬で治る時もあるがあまり効かない時もある。

意識障害は、程度以外にも種類が数多くあると感じるが、分類できない。
自分では何の異常も感じないが注意力が著しく下がっている時、眠気はないが苦しくて横になったまま起き上がれない時、異常な眠気に襲われる時など色々ある。
ほとんどが特に理由なく急に起こり、ほとんど瞬間的に治る
脳への血流量が突然下がったり上がったりしていると考えると納得できるが、理由不明。
意識障害を起こさない日はない。(ストレス疲れは、意識障害の原因になる。)

脚注:水溝合谷(クリックすると位置が分かりやすい図のあるサイトに飛びます)

 *「症状と治療」に続く。

<関連記事>
*「認知症に鍼(はり)治療」(新聞記事。ツボの名前や探し方も紹介)
*カテゴリ「ツボ療法」自律神経失調症に効くツボ等(私の別のサイトへ)
*「温泉旅行が認知症にも効果があるのではないかとする医師の記事」(産經新聞掲載)
*「臭覚異常でパーキンソン病患者の認知症発症を予測」(東北大学。新聞記事)
*「レビー小体型認知症7人の体験談」(若年性から89歳まで。症状も多様)

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三叉(ミツマタ)
樹皮は、和紙の原料。1万円札にもなるとか。

退院後はどうすればいいのか(レビー小体型認知症体験談)

ねこやまさんの体験談「異変に気づく時」の続きです。
入院、「せん妄」を経験した多くの家族(私も)が直面し、苦悩する/した問題です。

医療・介護職員と家族に対しては言動が違う、環境が変わった(自宅に戻った)途端にせん妄を起こす、発言がコロコロ変わる、自宅に帰りたがるのは、私の母と全く同じです。

「異常な早食い/途中で帰る」は、レビーの症状としては、あまり聞きません。
「すぐ横になる」「寝てばかりいる」のは、レビーでは自律神経症状意識障害、過眠(日中の異常な眠気。小阪憲司著「第二の認知症」P.85-86)という症状です。

以下、文章は、ほぼねこやまさんが書いて下さった通りです。
***************************************

措置入院解除の日が近づき、退院後の生活について考えなくてはいけなくなりました。

母は、身の回りのことは、ほぼ一人で出来ます。看護師や介護職員との会話も正常です。
家族に対してのみ、有名人が来ると言ったり、宙に向かって「うるさい!黙ってろ!」等、妄想のようなことを言い続けています。 

集中力はなくなりました。散歩に出ても景色などには興味を示さなくなりました。
食事は、異常な早食い。外食先で待ちきれず「帰ろう」と途中で出てしまったりします。

退院後は、安全を考えて母の貯えで有料老人ホームに入居してもらうことにしました。
要介護1の母では、特別養護老人ホームは、申し込んでも順番が回ってきません。)
「退院したけど、まだリハビリが必要だからリハビリ施設に少しいてね」と説明。
罪悪感しか感じられませんでしたが、この選択は誤りだとは思いませんでした。

ホームでは、軽い体操くらいが唯一の運動で 外出家族の同伴で出掛けるのみです。 
母は、1時間位歩けるので、私が出来る限り頻繁にホームを訪ね、一緒に散歩しました。
会う度に母は「家に帰りたい」と言い、私は、どうすればいいかと考え続けました。

介護職員「妄想は、聞いた事がない。何でも一人でされる。夜も眠り,問題ない」
それなら私の家で介護できる、介護しようと決め、自宅に母と荷物を取りに戻りました。
すると母は「私はここ(自宅)にいる。あなたの家には行かない」と言い出しました。
その夜は眠らず訳のわからないことを言い続け、私は、介護の困難を思い知りました。
その後、何日経っても母は、ホームに戻ることを頑として拒み続けました。

母は 以前うつ病と誤診され通院していた病院に行きたいと自分から言い出しました。
その医師には入院した病院から連絡があり、受診時、専門の大学病院を紹介されました。
私達家族は、誤診を謝罪されました。〔2年前にいち早く異変を感じた妹が、認知症ではないかと訴えた時も「違います。うつ病です」と言われた経緯がありました。〕   

紹介された大学病院の精神科で、時計描画テストMRI、SPECT等の検査を受けました。
問診の時点で、レビー小体型認知症と言われ、検査で診断が確定しました。 

母がホームに戻ることを拒否し、私は自分の家に帰れず、1ヶ月を共に過ごしました。
母は、横になったり、近くの商店に私と買い物に行ったり、散歩したりしていました。
掃除はしますがで〔もともときれい好き。)日に何度もトイレを掃除したりしました。 
料理好きだったのに、料理を作ることを億劫がり、はやり雑でした。 
しかし徘徊など困る症状はなく、見守る人さえ居れば、家で生活できそうでした。

最終的に叔父に来てもらい、どうにかなだめて車で母をホームに送ってもらいました。
その後も「家に帰りたい」と言い続け、私は小規模多機能等を検討し始めました。 
しかし最近になって「家には帰らないと思う」と言い出し、月に1度の通院も拒否
ホームを訪ねると、母は、目を開けてベッドで横になっています。
「昔の同僚が、洗濯物を洗ってくれる」「子供に見捨てられた」等と話します。


<関連記事>
*「最初にうつ病と誤診されることの多いレビー小体型認知症
*「料理を作る苦労(若年性レビー小体型認知症 本人の体験談)
*「レビー小体型認知症が起こしやすいせん妄の種類・具体例・治療薬による悪化」必読
*カテゴリ「介護施設の費用・選び方など

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木瓜(ボケ)

アルツハイマー型認知症を描いた映画

追記:コメント欄にレビー小体型認知症の幻視の特徴(あまり知られていないものも。)
   や対応の仕方・注意点などを書きました。
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映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(2012年)を見ました。
予告篇とは違い、アルツハイマー型認知症を病んだサッチャー元首相の視点から描かれ、認知症と生きることの不安、混乱、孤独、そして同時に幸せ、強さも胸に迫ります。
類い稀な人生と夫婦愛のドラマとしても感動的な名画です。お勧めします。

メリル・ストリープは、この演技で2つの主演女優賞を取っています。驚異的な演技です。
晩年の、病み衰えた姿にも消えることのない知性、気品を漂わせています。

アルツハイマー型では、レビー小体型と違い病識(病気の自覚)がないと言われます。
映画の中のサッチャーにも病気の自覚はありません。
(首相だった頃の自分の姿を見て「自分で自分がわからない。I don't recognize myself.」と打ちひしがれる場面はあります。)
しかし自分のことをヒソヒソと話している周囲の否定的な雰囲気は感じています
色々な問題に自力で対処しようとしては、訳のわからない「問題行動」と取られます。


映画を見て、1つ疑問に思ったのは、アルツハイマー型認知症の幻視です。
漫画「ペコロスの母に会いに行く」でも亡き夫が見えるエピソードがありました。
(実際は、数回「父ちゃんが居た」と話しただけと原作者がテレビで語っていました。)
映画の中のサッチャーは、亡くなった夫(幻視)と暮らしています。
アルツハイマー型の幻視について、当事者に直接伺ってみたいと思いました。

レビー小体型認知症の幻視では、家族や友人など知った人間が見えることは、少ないと言われています。
知らない人、子供、小動物、虫が、本物と全く同じように見えることが多いです。
(しかしレビーには常に例外があり、母は、亡き家族や熊など大型動物もよく見ます。)

「今、何が見える?」と聞くと、幻視を見ながら、色、形、大きさ、表情、動きなどを詳細に説明できることが、レビー小体型認知症の幻視の特徴です。

アルツハイマー型の家族会の方のお話では「アルツハイマー型では、幻視の詳細な説明は聞かない。”今、見える”ではなく、”居た”と過去形で言うことが多い。何でも見えるが、は聞いたことがない」そうです。

<関連記事>
*幻視体験談「Kさんの例」「ominaeshiさんの例」「母の例
*「映画化、ドラマ化された漫画「ペコロスの母に会いに行く」の作者の言葉
*「きみに読む物語」アルツハイマー型認知症を描いた映画
*「明日の記憶」記事の下に少し紹介。若年性認知症が主題の小説、映画。

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ストリープ演じる晩年のサッチャー(外出のために身なりを整えたところ)
画像はこちらから。

異変に気づく時(レビー小体型認知症体験談)

レビー小体型認知症の場合、認知障害に気づくきっかけが、突然の「事件」である例は、介護家族の方々から度々聞いています。

レビーの妄想は、幻視(幻覚)によって引き起こされることが多いと言われています。
本物にしか見えない幻視を見て、「大変だ!何とかしなくては!」と本人は、真剣に対処しているのですが、周囲からは異常としか見えません。周囲の反応によって、本人は増々追い詰められ、興奮し、錯乱状態になっていきます。(参考記事

以下は、このブログの読者の「ねこやま」さんが、提供して下さった貴重な体験記です。
(一部省略しましたが、ほぼ、ねこやまさんの原文通りです。入院時は73歳でした。)


    < 警察からの突然の電話と措置入院で気づいた異変 >

母(73歳)は、弟と2人暮らし。私(長女)は、実家から1時間程の所に住んでいます。
母は2年程前に妹に連れられて病院に行き、うつ病と診断。通院治療をしていました。

「事件」の数日前、妹から「電話の母の様子がおかしい」と連絡がありました。
私が実家に行ってみると母は興奮状態で、怒ったように言いました。
「銀行の頭取が私に会いたがっている。約束もしてあるから会わなくちゃいけない」
銀行に行き、事実でないと判明。しかし母は、銀行に行ったことで満足した様子でした。

その翌日、警察から「お母さんを保護しています」と電話がありました。
母に代わってもらうと、第1声は「○○ちゃん、パーティー行った?」でした。
今となれば笑い話ですが、その時は、頭が真っ白になってしまいました。

「店に人が閉じ込められている!助けてあげて!」と母は、通行人に頼んだそうです。
ガラスを割って入ると無人。警察が呼ばれ、興奮状態の母は、精神科に連行されました。

医師「認知症だと思われます。長くて3ヶ月前後の措置入院(強制的入院)になります」

今思えば、予兆は多々ありましたが、私も弟も歳のせいだと思っていました。 
待ち合わせの時間や場所を間違えることが、1年半位前から度々ありました。 
たまにトイレを失敗したり 物事をうまく説明できないこともありました。
へびがいる」と窓際で線香をたいていたこともあったと弟から聞きました。  
 
入院当初は、救急病棟の個室。食事も薬も拒否。拘束され、点滴をしていました。
母は、自分がなぜここにいるか、説明してもずっと理解できませんでした。
「私はどこも悪くない。間違ってここに連れてこられてしまった」の一点張りでした。
家族のことはわかるのですが、訳のわからないことをぶつぶつ口走っていました。

医師「レビー小体型認知症か精神の病のどちらかです。どちらにせよ、薬は同じです。
   レビーかどうかは専門の病院で検査すればはっきりしますが、わかったところで、
   家族が病名を知ることができたという安心程度のことですよ」
(注byしば:レビーにはレビーの治療法があり、向精神薬は、量や種類に要注意

人の幻視も幻聴もある様子で、変なことを口走りますが、日常会話は、普通でした。
変なことを言った時、「何?何か聞こえるの?」と尋ねると「ううん。何でもない。こっちの話」とはぐらかし、自分の症状については、あまり話してくれませんでした。
体にも問題はなく、歩行、トイレ、食事、入浴なども介助なく普通にしていました。
母は、時間と共に徐々に落ち着いていきました。

 続き→こちら

<関連記事>
*「レビーに多い嫉妬妄想の治療(向精神薬)で劇的に悪化した体験談
*「最初にうつ病と誤診されやすいレビー小体型認知症
*「レビー小体型認知症の妄想や精神症状の多様さ」朝日新聞記事
*「向精神薬など薬で悪化しやすいレビー小体型認知症の特徴
*「多くの医師は、レビー小体型認知症を知らない(新聞記事)
「治療法はない」「どんどん進行してすぐ寝たきりになる」「幻聴があればレビーではない」等、医師から間違ったこと言われた介護家族の話は数え切れません。

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サザンカ(山茶花)の変種

若年性レビー小体型認知症 車いす石垣島家族旅行体験談

若年性レビー小体型認知症Hさんの車いすでの家族旅行第2弾です。(→第1弾

2013年10月中旬に行かれた旅行の様子や注意点を妻のMKさんが書いて下さっています。
(文章は、一部省略させて頂きましたが、ほぼ原文通りです。)
MKさん「この情報が皆様のお役にたてれば幸いです。私たちは勝手に『リハビリ旅行』と呼んでいます。63才の夫は、現在、介護2。体調の良い時は、短い距離を歩けます」


     石垣島「リハビリ旅行」   by MK

 < 車いす&トイレ事情  「車いすなしでも行ける!」 >

石垣島へは、羽田から直行便がある。空港内は、羽田も石垣島も車いすトイレが充実。
機内トイレは、機により違うので事前に確認を。(通常の大きさだとかなり大変!)
車いすは、空港でも島でも借りられるので、持参しなくても大丈夫。

車いすは、ペンションのオーナーさんに教えて頂いた島の介護事業所で借りられた。
宿までは届けてくれないので、自分で事業所まで取りに行かなければいけない。
レンタカーの大きさによっては、車いすがトランクに入らない場合があるので注意。

 < ペンションでテラス・セラピー  「自然の中で心身共にリフレッシュ」 >

海の近くの一棟建てのペンションを利用。一応バリアフリーだが、事前に細かい確認を。
夜中に叫んでしまう症状のある夫には、一棟建ては気兼ねがなくありがたい。
前の日にパンや果物を買い、海を見ながらゆっくりテラスで食べる朝食は、最高の気分!
夫を豊かな自然の中に連れ出してあげるのは、心身にとても良いと思った。
夜もテラスで満天の星を眺める。ハブとサソリには注意!

 < マリン・セラピー  「10月中旬まで海水浴可能!」 >

海水浴が今回の目的!海に入ると身体が自由になり、大自然に抱かれて心も解放される。
ただ、台風による高波は危険なので、素人判断せずに地元の人によく聞くこと!
今回は風の影響を受けにくい内湾の底地(すくじ)ビーチをペンションで紹介された。
木陰があり(陽が強い沖縄では大事!)車いす用のトイレとシャワーが設置されていた。

 < ジェラートを楽しみながらの絶景セラピー >

西の外れの高台にぽつんと一軒、小さなお店が。実はこれが有名なジェラート屋さん。
夕陽を背景に、眼前に広がる絶景を楽しみつついただく。最高!!2回も行ってしまった。
この景色を見ていると、いろいろなことが小さく思えてくる。 トイレも広くて助かる。

 < 夫が笑顔を見せたアニマル・セラピー >

石垣やいま村」は、島の伝統的な古民家を移築して作ったいわば「明治村」。
車いすの貸し出しもあるが、砂地なので、実際に押してみると結構きつい。
放し飼いされている「リスザルの森」があり、規定の餌を買って与えることができる。
午前中に行くと可愛いリスザルが寄ってくる。夫は満面の笑みでリスザルと交流
午後はリスザルも満腹で、あまり姿を見せないらしい。

台風の影響で思ったほど海に入れなかったが、十分にリハビリの目的は達したと思う。
独立した娘も参加し、普段私が見逃している夫の体調の変化等を教えてくれたりした。
旅行は、家族のきずなを深めるのに最高の手段だと思う。

<関連記事>
*「Hさんのリハビリ入院体験記」大きな成果!他県でも助成制度利用可能。
*「レビー小体型認知症7人の体験談」(家族会サイト)Hさんも。年齢症状様々。
*「Hさんの体験談(補足)(幻視の見え方も様々)
*「若年性レビー小体型認知症Kさんの体験談と具体的治療法

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H&M夫妻      

レビー小体型認知症を知らないと起こる悲劇

パーキンソン病うつ病アルツハイマー病統合失調症(旧:精神分裂病)などと診断されても、レビー小体型認知症の可能性を常に心にとめて、注意深く薬の作用を観察しなければいけません。(→レビー小体型認知症チェックリスト

  < なぜなら レビー小体型認知症には >

薬剤過敏性」(医師が通常通り処方する薬でも強い副作用が出やすい)と呼ばれる
命にも関わる非常に危険な特徴があるからです。(→実例 →参考記事1 →2

  < レビー小体型認知症だった場合 >  (→詳しくは、文末の関連記事を)

パーキンソン病の薬を増やし続けると、幻視妄想等がひどくなったり、異常に見える
           行動が増え、自宅での介護が困難な状態に追い詰められます。
抗うつ剤を飲ませると、眠り続けたり、ぐったりして動けなくなったりします。
認知症薬アリセプトを飲むと、少量で効きますが、怒りっぽくなる・興奮して暴れ
         徘徊を始めることもあります。規定通りに増やしていくと、
         首が垂れたり、ぐったりして動けなくなったりする方がいます。
統合失調症の薬リスパダール等)を飲ませると、体が固まって寝たきりになります。

何より恐ろしいのは、一旦こうした副作用が出ると、薬を止めても中々(或は、永遠に)元の状態に戻らないことです。誤診や誤った治療は、取り返しがつかないのです。
(私の母は、リスパダールの副作用で、71才から車いす生活になりました。)

医師の多くは(大学病院でも)レビーの薬剤過敏性についてよく知りません。(実例
パーキンソン病などと診断されてもレビーの可能性を常に頭に置いて気を付けましょう。

家族が学び、医師と話し合い、の作用を観察し、医師に報告します。(関連記事参照)
医師に言って薬は少量から試し、徐々に増やしてもらいます。
少しでも異変を感じたら、迷わずすぐ医師と相談して止めるなり、減らします。

もし取り越し苦労だったら「あぁ、良かったね」と笑い合えば良いだけのことです。
起こりうる危険に備えるのは、恥でも心配性でも神経質でも何でもありません。
レビーでなくても高齢者が、薬で悪化することは多いのです。(→朝日新聞

ただ、同じレビー小体型認知症でも薬剤過敏性程度は、一人一人異なります
私は、アリセプト0.3mgでもダメだった例を介護家族から聞いていますが、10mgでも何ともないという方も知っています。
また、薬剤過敏性の強い方は、良い反応も強く出るので、ごく少量の薬で劇的に良くなったり、効果の出にくい薬でも良く効いたりということも起こります。(→実例
薬の調整さえ上手くいけば、ある意味では幸運とも言える特性なのです。

<関連記事>
*「レビー小体型認知症を悪化させる薬一覧」(特定の抗パーキンソン病薬含む)
*「誤診を見抜いて自衛するためのチェックリスト
*「レビー小体型認知症 治療の注意点」抗パーキンソン病薬の使い方
*「レビー小体型認知症 体験談集(副作用に苦しんだ方多数)

*「レビー小体型認知症 初めの一歩 まずここから読もう!
*「小阪憲司医師のすすめるレビー小体型認知症を診断・治療できる医師一覧
*「名古屋フォレストクリニック(河野和彦医師)のHP・コウノメソッド実践医一覧
注)介護家族のお話を伺うと上記2つのサイトに紹介された医師が、全員レビーの名医
  ということはない
そうです。以下を参考にして下さい。
*「病院は何科へ?

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蠟梅(ロウバイ)
花びらが、ろう細工に見えるため。

「パーキンソン病 進行を防ぐ」(「きょうの健康」)

今週のEテレ「きょうの健康」は、パーキンソン病特集です。(→番組公式サイト
進行を防ぐ」がテーマですので、レビー小体型認知症の方にも有効だと思います。

  2014年 2月 3、4、5、6日 午後8:30〜(再放送は翌週午後1:35)
   講師:長村田美穂氏
国立精神・神経医療研究センター パーキンソン病・運動障害疾患センター センター長


  3日初日は、症状について説明していました。
  番組(患者の動きをVTRで多数紹介)を見て、驚いたことが数点。

発症15年目の女性(現在60代?)が、薬によって普通に動き、障害なく暮らしている

●この女性の、薬の効果が切れた時の少し不自由な歩き方(VTR)は、
 パーキンソン病と診断され治療をしていた時の私の母の歩き方よりも遥かにスムーズ。
(母は、歩幅10cm位の歩き方で、主婦としての生活を長く継続していた。)

「純粋な」パーキンソン病(=脳幹だけが障害される)とレビー小体型認知症
(或は、パーキンソン病から脳の障害される部分が広がりレビーに移行した場合)では、
症状の進行速度や重症度に違いが出るのだろうかと新たな疑問を持ちました。
レビーでは、体が固まる症状が強いが、震えは少ない人が多いと言われている。)
或は、レビー小体型認知症には、薬剤過敏性(少量でも薬の副作用が出やすいという特徴)があるために、パーキンソン症状を大きく改善するほどの量の抗パーキンソン病薬を使えないのでしょうか?

   既に知っていたけれども、あらためて驚いたことが数点。

●「パーキンソン病の症状として幻視があり、高齢化によって認知症も見られる」と説明。

(追記:レビー小体型認知症の発見者・小阪憲司医師と織茂智之関東中央病院神経内科部長の共著『「パーキンソン病」「レビー小体型認知症」がわかるQAブック』—2011年発行—P.9には、従来通り「パーキンソン病には、幻視も認知症もない」とあります。)

●脳の仕組みを説明しながらパーキンソン病患者にも見られるレビー小体には触れない。
 レビー小体は、1912年にドイツの病理学者レビー( Lewy。レヴィの表記も。)により
 パーキンソン病患者の脳幹部に発見された
たんぱく質でできた丸い物質。
 レビー小体型認知症の脳では、更に広い範囲にこの物質が見られる。(出典

●パーキンソン病と似た病気について触れながらレビー小体型認知症の名前は出ない。

何度も書いていますが、パーキンソン病を専門とする神経内科医の多くは、レビー小体型認知症の存在を無視します。(→記事
母の主治医は、幻視妄想錯乱状態になってもパーキンソン病の診断を変えませんでした。似た例をレビー小体型認知症介護家族から複数聞いています。

パーキンソン病として治療を続けると何が問題になるのかこちら

<関連記事>
*「パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係
*「パーキンソン病など他の病気に診断されているがレビー小体型認知症である例
*「レビー小体型認知症 初めの一歩 まずここから読もう!
*「レビー小体型認知症 常識クイズ」(多くの医師が知らずに誤診する注意点)

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「ペンの手」と呼ばれる指の形がパーキンソン病、レビー小体型認知症共によく見られます。写真は、読者が提供して下さったもの。私の母には見られません。

誤診を見抜いて自衛する

私は、母がレビー小体型認知症と診断されるまで、「医師が誤診をすることは多くない」「医師が処方した薬で悪化することなどない」と思っていました。
けれどもレビー小体型認知症は、違います

この病気の発見者・小阪憲司医師も著書に書いています。
「全国に少なくとも64万人以上いると推計されるレビー患者の圧倒的多数は、そうと診断されずにいる人たちである。いうまでもなくその理由は、この病気を知らない医師がまだ多いからだ」(「第二の認知症」2012年発行。P.206)

次の「誤診を見抜くチェックリスト」(作成:しば)を読めば、貴方の周囲にも必ず一人は当てはまる人を見つけられるはずです。
認知症の5人に1人は、レビー小体型認知症です。
レビーの多くは、介護家族が「別の病気に診断されているが、レビーではないか?」と
専門医を訪ねて、やっと診断されています。
家族が気づかなければ、誤った治療で廃人にされてしまうことも少なくありません


 < うつ病 と診断されたが >

●治療しても治らない/治療が長期化している。
老年になって生まれて初めてうつ病と診断された。
抗うつ剤を飲むと眠ってばかりいる/体調が悪化した
●憂うつ感より不安感が強い(場合が多い)。
大きな寝言物忘れ目の錯覚など他の症状がある →「症状一覧」「チェックリスト

 < パーキンソン病 と診断されたが >(ほぼ同じ病気なので誤診とは言えない)

幻覚目の錯覚(幻視・錯視)がある。(医師は薬の副作用と説明)
変なこと妙なことおかしなことをたまに言うことがある。
薬で悪化/抗パーキンソン病薬で悪化。 →「レビーに危険な薬一覧
体が固まった感じは強いが、震えはあまりない(場合が多い)。

 < アルツハイマー病 と診断されたが >

物忘れを指摘すると、即座に言いつくろったり、人のせいにしたりせず、
 じっと考え、自分が忘れたと自覚する気に病む
●「頭が悪くなった/変になった/もやもやする」等と訴える。
●早くから失禁(おもらし)が始まる。(アルツハイマー型では重度から)
●調子の良い(頭がはっきりしている)時と悪い(ボケた)時のが大きい。
●元気な時とだるそうにぐったりしている時など体調に波がある。

 < 統合失調症(旧:精神分裂病) と診断されたが >

治療薬で悪化した。
大きな寝言目の錯覚など他の症状がある →「症状一覧」 「チェックリスト


 <「脳の萎縮もなく画像に問題はないので認知症ではない」と言われたが >

無気力で何もしない/変なことを言う何かが見える等、家族は違和感が消えない

<関連記事>
*「レビー小体型認知症 初めの一歩 まずここから読もう!
*「レビー小体型認知症 常識クイズ」(多くの医師が知らずに誤診する注意点)
*「正しく診断されず治療で一時劇的に悪化した体験談」(特殊な例ではありません)
*「10年間パーキンソン病と診断されていたHさんの体験談」(若年性レビー)
*「10年間うつ病と思われていたKさんの体験談」(若年性レビー小体型認知症)

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葉牡丹(ハボタン。別名:ハナキャベツ)
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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