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「ペコロスの母に会いに行く」の作者の言葉(文芸春秋)

2014年1月27日発売の文芸春秋SPECIAL季刊春号「認知症に勝つ」(認知症特集号)に
「『ペコロスの母に会いに行く』秘話 俺と母ちゃんの陽だまりの日々」という岡野雄一さん(ペコロスの作者)の記事があります。
8ページに渡る長い記事ですが、その中の一部を抜粋してご紹介します。


「(母親の認知症に)僕は一緒に暮らしていたのにまったく気づきませんでした」

「認知症の人に対しては病人と思わずに普通に接しているほうが、接し方としては良いそうですから(ボケを病気だとも思っていなかったのは)その意味では幸せだったのかも知れませんが」

「(読者カードに「甘い介護はそんなもんじゃない」。)それは十分わかっています。
男だし息子だから女性と違って細やかさが足りないんですよ。
もうひとつは、母が緩やかにボケていったということもあるでしょう」

「改めて気づいたのは、母の介護をマンガのネタと考えていたということです。
母が何かをしでかすと、僕は『あ、ネタができた』と喜べたんですね(略)

ねじめ正一さんもそのこと(お母さんの認知症介護)をネタに小説を書いているんですが、作家の業でお母さんの言動をネタとして持っているところがあり、それを書くことが自分への処方箋になったとおっしゃっていました。

普通の人は介護をしていても、どんどん不安鬱憤がたまっていって吐き出すところがなく、いつかパンクしてしまうんでしょう。
特に在宅で介護をしている真面目な人ほど『逃げたいけれど逃げられない、24時間追い詰められ続けている』という重圧の反動として、介護を苦にした自殺などへとつながってしまうのではないでしょうか」

「『在宅介護は相手を抱きしめている状態』と言いましたが、必死の思いで「抱きしめて」いた人たちも、ちょっとその腕を緩めて離れてみてもいいのではないかと思うんです。
認知症をもう少しふわりと受け止めて、精神的にも最適な『それぞれの距離』を見つけることが、明るく接していくための方法なのではないでしょうか」

「親がボケたせいで自分がしゃかりきになって、無理をして一緒に共倒れするよりは、世間から何といわれてもいいから『自分たちなりの距離』を保ち、きちんと地に足をつけているほうが絶対いいと思います。自分が楽であれば、きちんと面倒を見られるんです」


追記:コメント欄に記事の補足があります。是非お読み下さい。

<関連記事>
*「原作漫画の作者 岡野雄一さんと田口ランディさんの対談」(介護の何が辛いか)
*「レビー小体型認知症を描いた漫画集」(介護職員の研修にも利用されています。)
*「介護短歌で心の整理」(誰でも、書く事で気持ちが楽になる)
*「ドラマ版 主演女優 草村礼子さんとダンス・ボランティア
*「監督自身が認知症と闘いながら撮った映画「ペコロスの母に会いにいく」
 (ETV特集「記憶は愛である ~森崎東・忘却と闘う映画監督~」から)
*カテゴリ「認知症とは/ケア・介護

ペコリス母に会いに行く
漫画「ペコロスの母に会いに行く」
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作者の岡野雄一さん(ペコロス)とグループホームに暮らす母・光江さん
(写真は、「ハートネットTV」公式サイトから。)
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レビー漫画(8)レム睡眠行動障害

このブログの読者のSimsimさん(お母様がレビー小体型認知症)の作品です。
(幻視3部作→その1  その2 その3 転倒→その4 妄想→その5 アルツハイマー型との違い→その6 人物誤認→その7 レム睡眠行動障害→その8 異変の始まり→その9 夜中の転倒→その10
症状の描写が正確ですので、介護・福祉・医療関係の方々にも是非読んで頂きたいです。

注:著作権はSimsimさんにありますので、勉強会の資料などで利用されたい方は、
  コメント(公開/非公開)でご一報下さい。
  既に医学部やケアマネの研修、家族会の勉強会などで利用して頂いています。
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レム睡眠行動障害_convert_20140127130035
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 < 解説 by しば>
夜中に寝言大きな声で言う/悪夢を見て叫ぶ手足をバタバタ激しく動かす/隣に寝ている人に殴り掛かる/起き上がって壁に激突する・・。
寝ぼけにも見えるこうした行動は、「レム睡眠行動障害」という症状です。

最初に現れる症状(前駆症状)と言われ、診断される何十年も前から現れる方もいます。
出典
介護家族のお話を伺うと、程度・頻度には、かなり個人差があります。
若年性レビーのHさんは、毎晩のように激しく叫ぶのでホテルには泊まれないそうです。
私の母は、ベッドに立って頭から床に飛び込みました。まだしっかりしていた頃です。
その後、母は、毎晩自分でベッドと手をヒモで結びつけて寝ていました。
逆に、「叫んだだけで、動いたことはなかった」という方もいます。夢の内容を聞くと
「いつも同じ殺される夢。恐怖で体が固まって逃げたくても動けない夢」だそうです。

この症状は「パーキンソン病でも見られるが、レビーでは極めて多い。多系統萎縮症(オリーブ橋小脳萎縮症・シャイ・ドレーガー症候群・線条体黒質変性症)では更に多い」と2013年のレビー小体型認知症研究会(代表世話人:小阪憲司医師)で聞きました。
(追記:出現の割合は、コメント欄に書きました。)
レビーでも中期以降では見られなくなると小阪憲司医師は書いています。(出典

悪夢を見ていることが多く、夢の通りに実際に叫んだり、動いたりしています。
目が覚めてから叫んだり、暴れることはありません。夢だという自覚もあり、夢の内容は「襲って来る強盗と闘っていた」などと説明できる例が多いようです。

寝言が大きい、悪夢を見て叫ぶことは、健康な人にも稀に起こるそうです。(出典

追記:この記事のコメント欄に、楽しい夢の例やパーキンソン病とレビーの違い・
   悪化させる薬等が紹介されています。

<関連記事>
*「激しい寝言があればレビーになるのか?朝日新聞レビー特集(2013年1月)
*「4大認知症動画集」斎藤正彦医師のレビーの説明は12分ながら中身が濃いです。必見
*「レビーを理解するために、まずここから読もう!」(リンク集)

若年性レビー小体型認知症 リハビリ入院 体験談

若年性レビー小体型認知症のHさん(63才。東京都在住)は、10年前にパーキンソン病と診断され、昨年2月にレビー小体型認知症と診断され直しました。
昨年11月から、45日間のリハビリ入院をされ、大きな効果があったとのこと。
これは、奥様のMさんの書かれた体験談です。(原文は、もっと長く丁寧ですが、字数の関係で敬語表現他を省かせて頂きました。)

 < リハビリ入院体験記 「リハビリで自分の病気と闘う」(2013年11月)>

夫は、2013年秋から立ったり座ったりの動作などが難しくなり、車いすを使い始めた。
薬もだんだん効かなくなり、気持ちも落ちていった。
そんな時、パーキンソン病を対象としたリハビリも行う専門病院が兵庫にあると知った。
東京では、回復期リハビリがほとんどで、進行性の病気のリハビリを行う病院は少ない。
本格期なリハビリを強く望んでいた夫のために、遠いけれど思い切って入院を決めた。

夫は、ヤール3(運動障害の段階)で特定疾患難病)の制度(医療費助成制度。都では通称「マル都医療券」)が使えるので、収入に応じて、医療費、入院費は月一定額で済む。
しかし都の制度(マル都医療券)は、都と契約している病院でしか使えない。
入院先の病院は、今回初めて都と契約して下さったので、入院の希望が叶った。
主治医の診断書を持って診察を受けに行き、入院の必要を認められ、後日入院した。

パーキンソンを熟知したスタッフによる理学療法(体を動かす)、作業療法(手先や日常動作)、言語療法(発音や飲み込み)が、毎日それぞれ40分ずつ。
他に音楽療法、水泳、料理、集団でのゲーム等も入り1日平均4種類のリハビリを受ける。

東京では、デイサービスでのリハビリを週数回(1回20分)と訪問リハビリを週1回(1回40分)だけだったので、このメニューについていけるかどうか、初めは心配だった。
しかしリハビリを望んでいた夫にとっては、まさに天国。「1日があっという間だった。」

リハビリの結果、夫は、行きに使った車いすではなく、杖2本を使い、自分の足で歩いて帰って来た
お土産に、クリスマス会やリハビリの様子を撮影したDVDと、自宅用リハビリメニュー(本人が実際にしている写真入り)をいただき、大感激だった。

「どんなに良い薬を飲んでいても、リハビリをしなければ身体が弱る。身体が弱ればますます動きたくなくなり、悪循環だ」と先生から伺い、私もリハビリの大切さを再認識。

帰宅した夫は、「デイケアのメニューが物足りなくなった」と言い、デイケアの後に散歩に行くなど、リハビリに対する意識が、ますます高くなった。
できることは、なるべく自分でやりたい』という自立性も高まったように思う。

「厳しいリハビリをすることが、自分の病気と闘っている実感が持てる唯一のときだ
63才の夫は、リハビリ=闘病という意識で取り組んでいる。

<関連記事>
*「Hさんの体験談」と「車いすで行った沖縄家族旅行
*「若年性レビー小体型認知症Kさんの体験談と具体的治療法
*「若年性レビー小体型認知症ominaeshiさんの幻視体験談」リンクでその他体験談。
*「レビー小体型認知症7人の体験談」家族会サイト。年齢も症状も多様

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兵庫県のリハビリ専門病院で杖2本を使って歩かれるHさん

「わが家の母はビョーキです」中村ユキ著

27才で統合失調症を発症した母を持つ女性(発症当時4才)が描いた漫画(良書)です。
適切な医療も支援もなかった長年の生活は壮絶ですが、母子が支援を得て、心穏やかな生活を取り戻していく過程は、レビー小体型認知症にもそのまま当てはまると思いました。

困ったら、まず相談!」(地域包括支援センターに。家族会に)。それが最初の一歩。
(連絡先は「地域包括支援センター 市区町村の地名」で検索できます。)
次に病気を知ること。知れば知るほど、本人も介護もどんどん楽になるからです。


著者が<失敗だったと思うこと>(P.138から抜粋。下線部以外は本の内容を私が補足)

 母の症状に巻き込まれ、負の感情を抱き、過激に反応していたこと
怒りには怒り興奮には興奮で応えることで、状況を更に悪くしていた。→詳細

 病気と母の気持ちに、家族が無関心でいたこと
本人の苦しみや羞恥心(恥ずかしいと医師に症状を隠す)を考える心の余裕がなかった。
適切な医療対応がされないため、病気がどんどん悪くなり、壮絶な毎日を送っていた。

 病気を隠して、誰にも相談しなかったこと
地域生活支援センター(認知症なら地域包括支援センター)に行って初めて、親身になって全面的に強力に母子2人を支えてくれる人達と出会った。適切な支援によって長年の苦しみから救われ、治療も生活(経済面も含め)もすべてが嘘のように好転していった。

 治療病院まかせ、当事者まかせにしていたこと
症状の記録をつけず、通院に付き添わないため、正確な症状が医師に伝わらなかった。
そのため正しい治療(処方)がされず、悪化して、母子で苦しんでいた。
副作用によって「死んだ魚の目」だったが、病院と処方を変えると別人のように回復
障害者年金更新のための診断書に正しい病状を書いてもらえず、支給を打ち切られる。
(地域生活支援センターに相談し、問題が解決され、年金を受け取れるようになった。)

 病気に対する知識のなさ/治らないとあきらめていたこと
どういう病気なのかを理解していないため、激しい症状(認知症では「BPSD」と呼ぶ)に対応できなかった。適切な治療支援・サービス利用改善することを知らずにいた。
認知症に完治はないが、適切な医療と介護によってBPSDを和らげることはできると言われている。病気と共に、穏やかに笑顔のある生活を送る方は多数いらっしゃる

●レビー小体型認知症が誤診されることのある統合失調症(旧病名:精神分裂病)は、
 100人に1人の割合で誰にでも起こる、ごく身近な脳の病気です。(→両者の類似点

追記:統合失調症から回復した2人のドキュメンタリー映画全編(YouTube)
(同じ治療は日本では難しいですが、脳の病気から回復するためのヒントと大きな希望を与えてくれます。)

<関連記事>
*「レビー小体型認知症 治療の注意点」(適切な治療とは)
*「レビー小体型認知症 初めの一歩 まずここから読もう!」(重要リンク集)
*「公的支援の受け方(体験談)」(障害者年金など経済的支援を受けるには)
*「レビー小体型認知症がよくわかる漫画集」(Simsimさん作。好評のシリーズ)

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(画像元は→アマゾン。本の詳細や書評も)

認知症「常識」クイズ (初級篇)

今日は、「レビー小体型認知症・正誤クイズ」に挑戦してみて下さい。
『レビー?何それ?そんな聞いたこともない病気、関係ないわ』と思った貴方。
貴方の周囲にも、必ず1人は、レビー小体型認知症の方がいます。
ただ間違った診断名がついているだけです。特に多いのは、次の病名です。
うつ病アルツハイマー病パーキンソン病統合失調症(→その他5つの診断名)。

このブログをずっと読んで下さっている皆さんには、簡単過ぎるクイズですが、多くの医師が知らない内容です。そのために誤診が絶えません。では、クイズ、スタート!

 1. 認知症になると物忘れがひどくなる。(短期記憶障害がある。)

 2. 認知症になると『自分がボケてきた/ボケている』とは考えない。(病識欠如)

 3. 認知症かどうかは、脳の画像検査(CT,MRI,SPECT)などをすれば、すぐわかる

 4. レビー小体型認知症は、人や虫や幽霊などの幻覚(幻視)が見える病気だ。

 5. レビー小体型認知症は、パーキンソン症状が出て、歩きにくくなる

 6. 便秘立ちくらみ汗の量の異常、食事時のむせ等は、認知症の症状ではない。

簡単でしたか?では、答え合わせをしてみましょう。
(レビー小体型認知症のことだけを書きます。他の型は省略しますのでご了承下さい。)

1. レビーでは、記憶障害よりも注意力の低下などが目立ちます。(→参考)
  知能検査で高得点を取り、「認知症ではない」とよく誤診されます。
  しかし初期から記憶障害が強いタイプも、アルツハイマー型との合併もあります。
  <前頭側頭型認知症(ピック病)でも記憶障害が目立たない場合があります。>

2. レビーでは、自分の失敗や物忘れをよく記憶し、苦しんでいます。(→参考)
  症状が進んだ私の母も「どんどんボケていくのがわかるから怖い」と言います。
  重症の認知症のように見えてもレビーでは、長い間、思考力が残り続けます

3. レビーでは、通常、脳の病的萎縮はなく画像だけではわかりません(→詳細)
  レビーの特徴とされる後頭部の血流量の低下も何割かの方には、見られません。
  最も精度の高いMIBG心筋シンチグラフィでも1割の方は異常が出ません

4. 幻覚(幻視)をまったく見ない方も数割います。(幻聴・体感幻覚・幻臭の場合も)
  見ても本物だと信じているので言わなかったり、異常者と思われることを怖れて
  言わない場合もあり、医師が診察室で幻覚の有無を確認するのは、極めて困難です。

5. パーキンソン症状が、最後までまったく出ない方も数割います。
  パーキンソン症状から始まった方は、パーキンソン病と診断されています。
  この2つの病気は、ほとんど同じですが、治療法の注意点が異なります。

6. レビー小体型認知症では、全身の自律神経にレビー小体が溜まり、多種多様な
  自律神経障害が出ます。パーキンソン症状が出ず、認知機能の低下も目立たず、
  自律神経症状だけが強く出るタイプがあります。
(→実例)

<関連記事>
*「レビー小体型認知症 早期発見チェックリスト(3種類)(小阪・河野医師作成他)
*「レビー小体型認知症の症状一覧」(多種多様。家族会のサイトに私が書いた物です)
*「レビーの診断が難しい6つの理由」へのリンクを貼った記事
*「レビー小体型認知症 初めの一歩 まずここから読もう!
*「小阪憲司医師のすすめるレビー小体型認知症を診断・治療できる医師一覧
*「名古屋フォレストクリニック(河野和彦医師)のHP・コウノメソッド実践医一覧
注)介護家族のお話を伺うと上記2つのサイトに紹介された医師が、全員レビーの名医
  ということはない
そうです。「病院は何科へ?」を参考に。
*「レビー小体型認知症は認知症なのか?」3人の例と特有の問題点

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水仙(スイセン)
子供の頃から好きな花です。凛としたたたずまいも香りも。

遠距離介護研究の協力者を大学が募集

島根県立大学の教員、中川氏から研究協力者を探しているというお話が、このブログ経由(非公開コメント)で来ました。まず、内容をごく簡単にご紹介させて下さい。

 < 何の研究? >

遠距離介護(2時間以上の距離、または県外)中の方とケアマネとのコミュニケーション。
そこからより良い支援の方法を探ろうという目的です。

 < 協力の仕方は? >

ケアマネと話し合っている所を撮影します。
特別な話でなくても、ケアやサービスに関するごく普通の会話で良いようです。
映像は、研究、教育目的以外には使われません。
プライバシーも保護されます。

 < 住んでいる(撮影)場所は? >

日本国内であれば、場所は、どこでも構わないそうです。
 
 < 協力したら何か良いことが? >

遠距離介護で苦労されている方は多く、今後どんどん増えていくはずです。
そういう方々のために、少しでも役立つことになると思います。
また協力者には、謝礼が出ます。


人の役に立つなら、ちょっと協力してみてもいいかなと思われる方は
   詳細(依頼文)を。
(「添付ファイルをダウンロードして下さい」と出ます。大丈夫ですのでクリックを。
  中川氏の連絡先もあります。)

協力者が予定の数に満たないためにご苦労されていらっしゃるようです。
ご協力頂ければ、私もうれしいです。どうぞよろしくお願いします。
しば

追記:認知症介護と仕事の両立に関するインタビュー調査も協力者を募っています。
  (放送大学教授の調査 です。)

私、しばは、メールインタビューによる 体験談(レビー小体型認知症と前頭側頭型認知症)を常時募集しています。詳細は→こちらを

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山茶花(サザンカ)

公的支援の受け方 (体験談)(3)障害者年金

子供の教育費や住宅ローンがのしかかる時期に発症し、働けなくなる若年性認知症(推定発症年齢、平均51才)と生きる方には、特に必要な支援です。(→関連記事
(この体験談は、複数の方から伺ったお話を合わせています。)


レビー小体型認知症と精神科で診断された時、病院のソーシャルワーカーが勧めたのが
自立支援医療障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の同時申請
(同時なら1枚の診断書で可。詳細は、夫々の上をクリック)
その後、勧められたのが、精神障害者年金だった。(初診から1年半は申請できない。)

「自分では、”何とかやっている”と思っても、普通に生活ができている訳ではない。
病気で働きたくても働けなくなったのだから、事故で働けなくなったのと変わらない。
そういう時のために、若い頃から保険料を払い続けてきた。堂々と申請するべきだ」
と言われ、勇気を奮い起こして年金事務所に電話をし、言われた通り、年金手帳病院歴を持って年金事務所に行った。(若年性レビー小体型認知症。50代前半)

初診日前からの年金保険料の未納の有無初診日から1年半以上経っていることを確認。
今までの病状やかかった病院(名称、場所、初診日、最終通院日)などを詳しく伝える。

うつ病と誤診された時点から対象になる(誤診を証明する必要はない)と言われ、沢山の書類の書き方の説明を受け、手渡される。
書類には、書くべき所に鉛筆で印をつけられたので、自宅で混乱することはなかった。

戸籍謄本、住民票、初診の(誤診した)病院現在かかっている病院両方の診断書(5千円弱〜1万円強かかる。申請が通らなくても自己負担)を用意しなければいけない。
自分で書くものの中では、病気の症状や経過等を詳しく書く申立書が大変だった。

指定の診断書の項目はとても細かい。日常生活能力(7種類)の判定等は、余程詳しく日常生活のことを伝えておかなければ、短い診察の中では医師も把握できないような内容
診断書を書くことに協力的な医師と日常生活の何でどう具体的に困っているのか(症状)を正確に伝える努力の両方がなければ、作成は不可能だと思った。

また初診の(過去の)病院での病状は、初診時の病状ではなく、初診から1年半後からの3ヶ月間に限定される。レビー小体型認知症特有の波で、その時期にたまたま調子の良い状態が続いていれば(理不尽だと思うが)過去の障害の認定は困難になるかも知れない。

過去の障害を認められると5年前まで遡って年金が支給される。それ以前は時効。
当時の病状や生活の困難さを詳細に記録した日記などがあれば、役に立つと思う。

書類を揃えて年金事務所に行くと、全て(診断書含む)を念入りに点検された。
訂正部分が複数あったが、1つ1つ指摘されるままに訂正印を押し、その場で書き直す。
無事終了し、書類を受理された。

審査結果が来るのが、3ヶ月半後、年金の最初の支払いは、その50日後と説明される。
(支給金額など詳細は、日本年金機構の公式サイトを。


追記:若年性レビー小体型認知症で障害者年金を受給していらっしゃる方とほぼ同じ病状で、年金事務所では該当すると言われた方ですが、不支給(障害が軽く、該当しない。)の通知が来たそうです。

<関連記事>
*公的支援の受け方・体験談 自立支援医療 障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)
*「若年性レビー小体型認知症の症状と治療」(体験談)リンクも参照
*「認知症という病気を隠す苦しみと打ちあけて良かったこと」本人と家族の体験談

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シャコバサボテン(しゃこ葉サボテン。別名:デンマークカクタス)

認知症と生きる方と一緒に楽しむ

先日、テレビでパキスタンの子どもたちが、小石で遊ぶ映像を見ました。
驚きました。母が、昔、見せてくれたお手玉遊びにそっくりだったからです。
「お〜て〜だ〜ま〜お〜ひ〜と〜つ〜」と可愛い数え歌を歌いながらします。

すぐYouTubeでお手玉の動画を探したのですが、母の見せてくれたものはなく、代わりに見た事もない複雑な遊び方の動画が、いくつも出て来ました。(→動画

こんな豊かな文化だったとは。ちゃんと教えてもらえば良かった・・と悔やみました。
(ちなみにけん玉は、最近、米国で流行って逆輸入されているそうです。→動画
またお手玉は、脳に作用してうつ病や認知症に効果があると書いてある本があります。)


認知症を知らない多くの方に訊かれます。「認知症の人と何を話せばいいんですか?」
勿論、なんでも話せます。普通の人間ですから。宇宙人ではないですから。
言葉の出ない方だったら、こちらから好きなことを話せばいいです。

ただ記憶は、新しいものから消えていきますから、昔の話ほど盛り上がります。
人生で一番輝いていた頃のこと、楽しかったこと、子供時代や若かった時のことは、目を輝かせて詳細に話してくれます。

私も母が認知症になってから初めて知った家族の歴史が、たくさんあります。
母が小さな子供だった戦争中の暮らしのことも色々聞きました。
終戦の日、どこで、どんな風に玉音放送を聞き、何を思ったかも聞きました。

また、体で覚えたことは忘れないといいます。(六車由実著「驚きの介護民族学」)
お手玉、農機具の使い方など、「どんな風にするの?」と質問してみると手真似でやってくれると思います。

絵が思い出すきっかけになることもあります。(「昭和こども図鑑」写真参考)
母は、慢性せん妄だった頃、この本の三輪自動車の絵を見て、赤ちゃんだった兄と父と3人で行った旅行のことを、突然、目を輝かせて話し始めました。

そんな昔のことを色々教えてもらうのは、とても面白く、濃密で豊かな時間がゆったりと流れていくのを感じます。
知らない土地を相手の案内で、散歩するつもりで、ゆるやかに付いて行けばいいです。
立ち止まったり、寄り道も一緒に楽しんで、色々教えてもらいましょう。

追記:歌もずっと覚えているものの1つです。歌詞の本などがあると一緒に歌えます。

<関連記事>
*「認知症の高齢者の楽しめるもの
*「驚きの介護民俗学」六車由実著
*「高齢者にタブレット端末を

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アルツハイマー型認知症と共に生きる日々(ツイッターから)

アルツハイマー型認知症と生きる奥様との日々をツイッターに綴られていらっしゃるgrandodo@grandodoさんのツイートをご本人の許可を得てご紹介させて頂きます。

貴重な体験記であり、美しい小説のようでもあり、心に残る映画のようでもあります。
奥様が、初期の認知症という診断を受けられたのは、2012年5月末。
2013年1月〜2014年元日のツイートの中から選んだものを新しい順に並べています。

(追記:その後、2014年夏から薬剤過敏性や幻視などレビー小体型認知症の症状が現れてきているそうです。)


私 「おめでとうございます。昨年はお世話をしました (笑)」
カミさん 「お世話をもっとして下さい。よろしくお願いします (笑)」
我が家ではこんな会話から、1年が始まりました。         2014年1月1日

3年6ヵ月前、小さな庭に植えた柿の木が実をつけた。 
カミさんと1個食べた。 至福のひととき。           2013年10月15日

「こんなボケた頭で、生きていくのがイヤになる」
と言っているカミさんだが、私の話には真剣に聞いてくれる。話し相手になってくれる。
名月や背高くして古き塔                    2013年9月29日

いくら説明しても、また同じことを聞かれる。何度も何度も、同じことを聞かれる・・。
やがてカミさんが苦しそうに言った。「何度も何度も、同じことを聞くのがイヤになる
カミさんの辛さが、私にはまだ分かっていない。         2013年9月15日

カミさんの叔母(94歳) が亡くなったので、お葬式に二人揃って参列する事にした。
急いで式服や小物を準備していると、何ともいえない、笑いをこらえたような顔で、上目に私を見て「誰のお葬式に行くんやった?」
その時のカミさんが愛おしく思えた。              2013年9月3日

カミさんとの会話では、いまの記憶が出来ないので、あれ・それが通じない。 
主語・述語を明確にし、ゆっくりと大きな声で話している。
しかし情緒的・印象的な記憶は可能なので、二人は懸命に新しい記憶を創り出そうとしている。またそれを楽しんでいる。                  2103年7月7日

カミさんが歌っている。
♪ 人は誰もただひとり旅に出て、ひとは誰もふるさとを振り返る。 ちょっぴりさびしくて、振り返ってもそこにはただ風が吹いているだけ・・・ 
私も一緒に歌いだすと、カミさんは胸がつまり、声が出ない。 涙を流している。

今している事が覚えられないのが、どんなに辛いか・・・(認知症に) なった者しかわからへん・・」 とカミさんは悲しそうに話す。

カミさんが言う 「生き恥を晒すのは、侮辱されているのと同じ。とてもしんどい
人に迷惑を掛けて生きる自分を許せない
病気なのだからと、納まっていた自分が恥ずかしくなってきた。
カミさんに申し訳ない。反省。                   2013年4月20日

カミさん (私) が自治会の班長になった。出産された人の為に、一人で自治会館で用紙を受取り、その人にお祝金の案内をしていた。
これだけの事だが、カミさんは何日も前から何回も何回も頭に入れようとしていた。
実行後もすぐに消えてしまうので、ノートに書き込んでいた。
大変な緊張と努力だった。                    2013年4月9日

朝、私がいない間に、カミさんが孫(小5女)の忘れ物を届けに、近くの小学校へ出かけた。そしてそのまま帰ってこない。
心配になって学校へ行って見るとまだ来ていない。校門で先生と話しているとカミさんがやってきた。道が分からず、歩き回っていたようだ。
たまらなく不安でつらかったと話していた。            2013年1月8日


<関連記事>
*「レビー小体型認知症 体験記集」(家族会のサイトに私が書いたものです。)
*「若年性レビー小体型認知症 幻視体験談」(リンクも是非)
*「若年性レビー小体型認知症 症状と治療の実際
*「レビー小体型認知症 体験談 病気を隠す苦しみ・打ち明けることの利点

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蝋梅(ろうばい)
ろう細工に見える半透明の小さな花。

レビー小体型認知症に多い誤解(トモさんへ)

1月11日に非公開コメントでご質問下さったトモさん。回答をお送りしましたが、メールアドレスが正しくないようでエラーになります。
他の方の参考にもなると思いますので、簡単にまとめてここに書かせて頂きます。

MRI(画像)で正常(脳の萎縮もない)なので認知症ではない」は間違っています
  MRIでは、レビー小体型認知症は、異常なしと出ることが多いです。
 レビーの検査誤診の多い理由についてはこちらを

頻尿失禁便秘もレビー小体型認知症の症状です。(症状一覧
 (4大認知症を早期発見するための知識とチェックリスト

*色々なものが顔に見えるという現象は、レビーの特徴と言われます。(→参考記事
 レビーの幻視は、人、子供、小動物、虫が多。幻視についての詳細→こちら
 アルツハイマー型でも幻視はあるが、今、目の前にリアルに見えている幻視を詳しく
 説明できたり(「髪の長い30才位の女性で青いワンピースを着ている」等)
 過去に見た幻視について説明できるのは、レビー小体型認知症の特徴。 

*レビー小体型認知症は、向精神薬(リスパダール等)(認知症薬アリセプトでも)
 パーキンソン症状が悪化し、歩きにくくなったり、体が硬直したりすることがありま
 す。(レビー小体型認知症を悪化させる薬こちら必読

*急激に悪化し、家族が衝撃を受けるようなことをする場合、せん妄を疑って下さい。(→具体的症状
 レビーは、せん妄を起こしやすく「急に認知症がひどくなった」と感じますが、これは
 一時的なもので、せん妄が消えれば元に戻ります

反社会的と呼ばれる異常行動は、レビー小体型認知症の症状にはありません。
 前頭側頭型認知症(ピック病)で起こる場合があると言われています。(→詳細
 河野和彦医師は、レビーとピック病の合併例(LPC)を多数紹介。(→こちら

買い物の「異常」については、買ったことを忘れてまた買ってくるのか、判断力が低下
 して買ってしまうのか、必要のないものを大量に買うのか等、様々な種類があります。
「異常」の一言でくくらず、本人はなぜ、どういう気持ちでそうしているのかを懸命に
 考えることが、とても大切だと思います。解決の糸口が見えてくるからです。

*「レビー小体型認知症は、薬による劇的な回復の可能がある」とどこかで
 読まれたそうですが、「薬による」は、「ある薬を飲んだら」という意味では
 なく「ある薬を止めたら(或は減らしたら)」という意味だと私は思います。
 レビー小体型認知症は、薬(特に向精神薬)で劇的に悪化をすることがよく
 あるので、そういう方が、薬を止めたり、薬を減らすと「劇的に回復する」
 ことが多いです。

追記:レビーの特徴である「薬剤過敏性」は良い方向にも悪い方向にも出ますので、(通常量と比べて)少量の認知症薬(アリセプトやリバスタッチパッチ・イクセロンパッチ等)が「非常に良く効いた」抑肝散(漢方薬。医師処方)で幻視が消えた」という体験談は複数聞いています。(全く効かなかった/副作用の方がひどかったという例も)
ただ、「最初は劇的に効いたけれど、その後、効果が薄れた」とか、「アリセプトを続ける内に急に体の動きが悪くなった」という例もあります。

*「レビー小体型認知症は、進行が早い」と多くのサイトに書かれています。
 しかし介護家族の方々のお話を伺うと、そうでない方が大勢いらっしゃいます。

 進行を早める(劇的に悪化させる)のは、向精神薬などの薬です。
 せん妄で一時的に劇的に悪化したようにも見えます。
 そういうことを避けられれば、長く穏やかに過ごされる方もいらっしゃいます

 レビーの状態(症状)は、不安定で、よく変わります。
 急に悪くなったり、急に良くなったり、良くなったと思ったらまた悪くなったりを不規
 則に繰り返す
方が多いのが、レビーです。
 右肩下がりで徐々に、或は急激に進行していくということはないと思います。

*レビーを疑った時の病院選び→「病院は何科へ?

*検査のこと、薬のこと等は、こちらを一通り読んで頂けば、安心です。(→こちら)  

<関連記事>
*「レビー小体型認知症 初めの一歩 まずここから読もう!
*「小阪憲司医師のすすめるレビー小体型認知症を診断・治療できる医師一覧
*「名古屋フォレストクリニック(河野和彦医師)のHP・コウノメソッド実践医一覧
注)介護家族のお話を伺うと上記2つのサイトに紹介された医師が、全員レビーの名医
  ということはない
そうです。以下を参考にして下さい。
*「病院は何科へ?

映画「ペコロスの母に会いに行く」の監督自身の認知症

2014年1月10日の日経新聞に「ペコロスの母に会いに行く」が、昨年のキネマ旬報(邦画部門)で1位に選ばれたと書かれていた。(→映画公式サイト・予告編動画

12月21日のETV特集「記憶は愛である ~森崎東・忘却と闘う映画監督~」では、86才の監督が、自らの認知症と闘いながらこの映画を撮る姿が描かれていた。以下、青字部分は、この番組の中で語られた言葉をそのまま聞き書きしたもの。


映画を撮り始める前、血管性認知症の疑いありと医師から言われていた。
監督の手紙「ショック。映画を撮る心労を己に課すことで、認知症なる病魔をねじ伏せる

監督「僕、ほとんどもう認知症になってるんじゃないかと思うんですね。
   そういう風に思うと、ぞっとするんですけども・・。
   相当に思考力は落ちてるんですよ。ちょっと病気のせいばっかりにはできませ
   んが・・、やっぱり現実に考え始めると頭が痛くなって、しびれたようになる。
   ・・それに慣れて、その中から何かを出して来なきゃいけないわけで・・


監督を支え、監督に代わって細かい指示を出したのは、監督補の佐藤雅道氏。
正確な意図さえ伝えてもらえれば、俳優は(自分で)動くと佐藤氏は監督に言う。
監督「正確な意図というのがね・・。中々言えないんだ・・この口が・・
佐藤:監督の意図は、こういうことだろうと私が伝えるから「安心して下さい
監督「是非お願いします!

前日に撮影した内容が思い出せなかったり、登場人物の背景を忘れてしまう事があった。
監督の手紙「認知症の存在は明らかに私の前に実在していますが、私は、負けません

監督「病院には行ってません。(検査で)変に人を小馬鹿にしたような質問をされることはわかってますんでね。”それを言うな!"って、言いたくなっちゃうんですよね

人間の一生とは、その人本人の記憶の総和であると同時に、その人本人についての他者の記憶を足した総和であると思っている。
従ってその人本人がこの世を辞しても、その人への記憶を持つ人々が、この世に生きてある限り、記憶されたことも生きつづけると思う

             森崎監督の著書「頭は一つずつ配給されている」から。


<関連記事>
*「原作漫画の作者 岡野雄一さんと田口ランディさんの対談
*「レビー小体型認知症を描いた漫画集」(介護職員の研修にも利用されています。)
*「ドラマ版 主演女優 草村礼子さんとダンス・ボランティア
*カテゴリ「認知症とは/ケア・介護

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せん妄(意識障害)の種類(具体例)と治療薬による悪化

追記:コメント欄が充実していますので是非お読み下さい。

前回の記事「入院中にせん妄を起こしやすい人」からの続きです。)

せん妄」には、3種類があります。「過活動型」「活動低下型」「混合型」です。
(出典:「せん妄の診断・治療」九州大学大学院講師川嵜弘詔)
以下、その具体的内容を分かりやすく書き直してみます。

 < 過活動型せん妄 >

興奮して(幻覚や妄想から)滅茶苦茶なことをする・つぶやく・言う・叫ぶ、暴れる
夕方からそわそわし、夜中に家から出て行く(徘徊する)。困惑した表情。転ぶ
入院中の場合、点滴を引き抜く・ベッドから飛び降りる・騒ぐ・裸になる等。

 < 活動低下型せん妄 >

目がうつろで生気がない。目を開いて寝ているかのよう。人と視線を合わせない
異様な無表情。(穏やかな雰囲気はなく、単に笑顔がないだけでなく病的印象。)
無気力で何もしない(食事をしない場合も)。うとうと眠ってばかりいる。
うつ病や不眠症と間違われやすい。

外見は、ぼんやりしているが「内的不穏は持続している(上記出典)」。
つまり過活動型の時と同じように安定・安心・穏やかとは、真逆の精神状態です。
心の中は、不安で、重苦しく、辛く、耐え難く、追い詰められているということです。

 < 混合型 >

2つの状態が、時間によって入れ替わる夕方から夜間が多いが、不規則にも起こる。
何を言っても返事もせず、ぼんやり(ゴロゴロ)していたと思ったら、急に眉間にしわを寄せてウロウロ歩き回っては転ぶ。真夜中に「虫がいる」と殺虫剤をまき散らし、止めると大声を出して暴れ出す。


3年前の母は、慢性的に「混合型せん妄」を起こしていました。
レビー小体型認知症の介護家族のお話からも、せん妄が非常に多いことがわかります。
しかも長期化、慢性化して介護困難になっている方が少なくありません。

せん妄の治療は、向精神薬(抗精神病薬)を使用するのが一般的です。
上記出典にもセロクエル(糖尿病患者には禁忌)、リスパダール、セレネースが、治療薬として上がっています。
しかしリスパダールセレネースもレビー小体型認知症のパーキンソン症状を劇的に悪化させる薬です(→出典とその他の危険な薬一覧)
レビー小体型認知症患者は、歩けなくなり、動けなくなり、寝たきりになります
(私の母は、リスパダールの副作用で71才から車いす生活になりました。)
少量ならレビー小体型認知症にも処方できる」と書かれた(出典P.167)セロクエルでも体が硬直した例(記事。処方量不明)があります。

追記:コメント欄が充実しています。是非お読み下さい。
   食事などレビー介護の注意点(5番目のコメント)や治療薬の話(セレネースは
   リスパダールとは違い有効)など色々あります。


<関連記事>
*「小阪憲司医師の著書に書かれた”せん妄”」具体例多。
*「せん妄とは」(河野和彦医師の定義)私の母の例も。
*「河野和彦医師の認知症セミナーの内容」(レビーの場合。対応の方法)
*「入院中にせん妄を起こしやすい人の特徴」(コメント欄に治療例あり)
*「若年性レビー小体型認知症本人が語る意識障害(その時の状態と気持ち)

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リスパダール内服液(画像はここから
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リスパダール(色は他にもあります。)

入院中に「せん妄」(意識障害)を起こしやすい人

レビー小体型認知症が起こしやすい「せん妄」については、繰り返し書いてきました。
(関連記事参照)これは、本人と介護者を最も苦しめる症状なので、再び書きます。

入院して「認知症になった」「認知症がひどくなった」というのは、せん妄のためです。
脳が一時的に正常に働かなくなって起こる異常行動ですが、家族は衝撃を受けます。

私の母もベッドから落ちる点滴を引き抜く等まったく目が離せない状態になりました。
しかし一連の異常行動を「せん妄ですか」と医師に聞くと「違う」という答えでした。
私の古い友人(親がレビー)も入院病棟の看護師から「認知症なんですから。(この錯乱状態は)もう治りませんよ」と冷淡に言われ、泣いたそうです。
(退院し、落ち着いたらすっかり元に戻り、新聞も読むようになったそうです。)

せん妄について知らなければ、レビーのケア(医療含む。)は、できないと思います


2014年1月4日の記事の中でご紹介した論文(「急性期高齢患者のせん妄発生の予測に関する看護師のアセスメント構造」長谷川真澄・亀井智子 聖路加看護学会誌Vol.10 2006年6月)の内容を見てみましょう。(→論文全文

看護師の臨床経験から「せん妄を起こしやすい患者」を表にしてありますが、これは、
レビー小体型認知症の典型例にそっくりです。

   <年齢> 70〜80代。
   <職業> 教員、役所勤め、管理職など堅い仕事
   <性格> 几帳面、神経質、(或は、我慢強い性格、自立心旺盛)
(P.5)

小阪憲司医師は、2012年の講演でレビーは真面目な人しかならないと語っています。(→講演動画。「認知症スタジアム」から)
河野和彦医師は、真面目な性格は半端でなく、教師や弁護士、公務員といった堅い職業に就いている人が多い(「コウノメソッドでみる認知症診療」P.57)と書いています。

またせん妄を起こしやすい薬剤として(書かれている順に):
睡眠薬(リスパダール等含む)/利尿剤(ラシックス、アルダクトンA)/鎮痛剤/精神安定剤/副腎皮質ホルモン剤(ブレドニン)/抗精神病薬 (P.6)

レビーが、特に気をつけなければいけない薬とほとんど同じです。(危険な薬一覧)

せん妄の定義」を読んでもレビーがイメージされます。
「せん妄とは、脳の一時的な機能失調によって起こる注意障害を伴った軽い意識のくもり(意識混濁)を基盤とする症候群であり、落ち着きのなさ、見当識障害幻視幻覚、暴力行為などの症状が急激に現われ、症状は一日の中で動揺するという特徴がある(P.1)

医療従事者も家族も、高齢者が、せん妄を起こした場合、『レビー小体型認知症の可能性もある』と考えて対応することが必要ではないかと、この論文を読んで思いました。
特にレビー小体型認知症患者が誤診されることの多い次の診断名の方は、要注意。
うつ病アルツハイマー型認知症統合失調症などの精神疾患、パーキンソン病

「せん妄の種類(具体例)」に続く。

*入院によって起こった「せん妄」を再現した動画こちら
(せん妄にしては、目つき顔つきもしっかりしているなと思いますが)

<関連記事>
*「小阪憲司医師の著書に書かれた”せん妄”」具体例多。
*「せん妄とは」(河野和彦医師の定義)私の母の例も。
*「河野和彦医師の認知症セミナーの内容」(レビーの場合。対応の方法)

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へクソカズラというのだそうです。
可哀想過ぎて涙が出てくる・・・。きれいなのに・・。

シリーズ認知症(TV番組)

昨年7月(12月再放送)に放送されたテレビ番組のアンコール放送です。
私も全部見ましたが、良かったので、またご紹介します。

 NHK Eテレ「ハートネットTV」

     「シリーズ認知症 ”わたし”から始まる」
      
        2014年1月6日〜9日まで毎日 午後1時5分〜 

<→内容。番組公式サイト> この番組のとても詳しい内容が、「番組ダイジェスト」をクリックすると読めます。写真も多数。これは、素晴らしいです。是非お読み下さい。

8日放送の回に出演されている分部武男さん(85才)は、レビー小体型認知症です。
パーキンソン症状があるそうですが、体も頭もしっかりされており、お一人暮らしです。
(→番組詳細

微量の処方など薬による治療が適切で(→薬物治療詳細)、意識障害などがなければ、
レビー小体型認知症は、健康な方と同じようにコミュニケーションが可能です
(レビー小体型認知症の意識障害せん妄「認知の変動」当事者の語る症状
追記:参考記事「入院患者のせん妄」(2014年1月5日日経新聞公式サイト)
   参考論文→こちら(2006年長谷川真澄氏・亀井智子氏)興味深い論文です。

6日放送の回の和久さん(81才)もレビー小体型認知症です。(→番組詳細
介護されていらっしゃるのは、このブログにも体験談を寄せて下さった「うめのはは」さんです。(→「うめのはは」さんが語る体験談  家族会サイトの体験記

<関連記事>
レビー小体型認知症をテーマにした「ためしてガッテン」
*「若年認知症 ある夫婦の記録」「隠したって、何もないもん」
*「漫画「ペコロスの母に会いに行く」の作者と作家田口ランディさんの対談
「誤解だらけの認知症」(NHKディレクター・市川衛著)

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「ハートネットTV」公式サイトから

わくわくプロジェエクト

   あけまして おめでとうございます。

お陰さまで 穏やかに 2014年が迎えられました。
みなさんの元旦は、いかがでしたでしょうか?

今年のしばは、「わくわくプロジェクト」を再び発動しようと思っています。
考えるだけでわくわくするような計画を立てて実行するというプロジェクトです。

週、月、季節単位でも、年単位でもOK。
1つでも5つでも10個でもOK。
「野の花をつんできて部屋に飾る」でも「オーロラを見にアラスカに行く」でも「昔の恩人に手紙を書く」でも「芝生の上を裸足で歩く」でも何でもいいんです。

とにかく「今週のわくわくプロジェクト!」「今月のわくわくプロジェクト!」「この冬のわくわくプロジェクト」「今年のわくわくプロジェエクト!」を考える。

考えるだけで、結構わくわくしてきます。

実は、これ、ある誕生日を迎えるのが憂鬱だった時に、ふと思い付きました。
「○○才になるのを記念して、生まれて初めてやってみる10のプロジェクト」
半年位かけて考えたんですが、考えている内に、○○才になるのが楽しくなってきました。

コツは、できるか、できないかとか、歳・体裁・周囲の思惑なんか、考えないこと
考えて、わくわくするかしないか、それだけを基準に決めて、やってみます。

みなさんも是非、1つ、試しにやってみて下さい
自分一人のことでもいいですし、ご家族を巻き込んでも、何でもいいんです。
「今年は、車いすのお母さんと思い出の場所に日帰り旅行をしてみよう!」でも。
「お父さんの好きな和菓子を遠くから買って来て、一緒に食べよう!」でも。

あっ。年末に突然思い付いたOFF会も今年の私の「わくわくプロジェクト」の1つです。
詳細はこちらのコメント欄を

30.png
「・・また、後先考えずに・・」
(以前、facebookで見つけた写真。出所は不明)
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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