認知症アニマルセラピー 自宅で猫を飼う効果

犬や猫と接することで様々な病気や問題を抱えた方の症状が緩和する、
イルカと泳ぐことで自閉症の症状が良くなる等、動物を介在したセラピー(療法)をアニマルセラピーと呼びます。

そんな仰々しい名称を付けなくても、動物を飼っていらっしゃる方でしたら誰でも動物の癒し効果を日々実感していらっしゃると思います。

しかし特別養護老人ホームなどでは、様々なリスクや費用の問題もあり、実施している所はほとんどないのではないかと思います。とても残念です。

最近、を飼ったことでレビー小体型認知症を患うご家族に笑顔が増えたというお話を伺い、とても感心し、感動しました。
しかもご本人は、元々「猫は嫌い」という方だったということに驚きました。

以下、介護者(娘)ご本人の言葉を抜粋してご紹介させて下さい。(青字部分)

色々な人から「ペットが認知症に良い」と聞いていたので、できることは何でもやってみようと思い、飼いました。
「犬より猫の方が、年寄り向き」という家族の意見で猫に決めていましたが、猫を飼ったことがなく、母は猫は嫌いと言っていたので、2年ほど迷っていました。
私が、介護にだんだん疲れてきて、状況打開のため決心しました。

里親を探している保護団体に、年寄り向きのおとなしそうな猫をお願いしました。
賭けみたいな気持ちで飼い始めましたが、今ではすっかり家族の一員で、介護の担い手です
デイから帰ってくる母を出迎え、トイレ中はドアの外で待ち、夜は添い寝をしてくれます。
寝室を1階に移した時、それを忘れて、1階と2階を行ったり来たりの混乱の日々でしたが、「猫と一緒に寝るため」ということで1階の寝室に定着することができました。
夜中のトラブルが減りました

母は猫の食事をいつも気にして食事係になっています。(キャットフード山盛りです。)
母は「猫と仲良くなれるとは思っていなかった。この猫に本当に助けられている」と今でも言っています。

<関連記事>
*「魚ロボットセラピー」NHKで紹介された本物そっくりのロボット。
*「自宅でできる認知症向けセラピーの数々
*「アロマセラピーと脳」アロマオイルにも副作用あり!
*「腸内細菌のバランスと病気の関係」脳の伝達物質は腸で作られる
*「ほのぼの認知症マンガ・シリーズ」面白くてためになる!

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画像は、ここから。(←個人のブログで、猫写真サイトではありません。)

認知症になっても普通に、安心して暮らしていける社会を目指して

NPO法人「認知症フレンドシップクラブ」(→公式サイト)が、
今年も「RUN伴(ランとも)」(→公式サイト)をスタートしました。

認知症の人や家族、支援者、一般の人が、少しずつリレーをしながら、
1つのたすきをつなぎ同じゴールを目指す感動的なイベントです。

  < 目 的 >

私たちが暮らす地域の中には、支えを必要としている認知症の人、その家族がたくさんいるということを、同じ地域に暮らす人達に知ってもらうこと

地域に暮らしている認知症の人やご家族にも、暮らしている地域の中にはたくさんの仲間たちがいて、力を貸してくれるということを知ってもらうこと

認知症になっても安心して暮らしていける町とはいったいどんな町なのかを、すこしでも多くの人たちに考えてもらうこと

  < 賛同される方へ >

参加者(3人以上のチーム参加)、協力者、募集中です。(エントリー

走るのもボランティアも無理だけど、少しでも応援したいという方は、
寄付をお願いします。(→寄付受け付け

    < 日 程 >

  北海道 7月25日(木)〜28日(日)
   東北  9月13日(金)〜16日(月)
   関東  9月21日(土)〜23日(月)
   中部  9月28日(土)〜29日(日)
   関西 10月12日(土)〜14日(月)

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詳細は、上記の公式サイトを。

アルツハイマー発症前から追跡調査(新聞記事)

2013年7月23日の日本経済新聞の記事から一部抜粋、一部要約。


     アルツハイマー、発症前から追跡 東大など41施設
           たんぱく質蓄積を調査 予防・治療の時期探る
                     発症後に投与、効果薄く

東京大学病院、九州大学病院など全国41カ所の医療施設は、アルツハイマー病の予兆がある予備軍の人を発症前から観察して発症の仕組みを突きとめる臨床研究を始める
脳の画像で発症の主因とされる異常なたんぱく質(アミロイドベータ)がたまっている人を3年間追跡する。
完全にアルツハイマー病に至っていない軽度の患者も長期間調べる。
発症予防や発症を遅らせる薬などの超早期の治療法の開発につなげる

東大の岩坪威教授らのグループが厚生労働省と経済産業省のプロジェクトとして始める。
陽電子放射断層撮影装置(PET)でアミロイドベータの蓄積を調べ、蓄積している150人と、そうでない150人を3年間追跡し、蓄積の様子や血液、脳脊髄液、認知機能を調べる。
発症前後の様子が分かれば、予防や発症を遅らせる方法が見つかるかもしれない。

軽度認知障害(MCI)の人も「健康な人に近いMCI」と「アルツハイマー病に近いMCI」を100人つづ集め、同様の追跡調査をする。

すでに米国では、症状が出ていないが、アミロイドベータが蓄積している人を対象にアミロイドベータを取り除く薬を投与する臨床試験(治験)が始まっている。

アルツハイマー病の治療薬開発は、転換期を迎えている。
製薬企業に臨床試験が相次いで失敗しているためだ。
2012年に発表された米イーライ・リリー社の新薬候補ソラネズマブは、アミロイドベータを取り除く抗体だが、期待する効果が出なかった。(軽度の患者では、認知機能低下抑制効果があった。)

専門家の間には、発症してからアミロイドベータを取り除いても効果には限界があるという認識が広がりつつある
発症を直前で押さえる戦略に活路を見出そうと研究者が動き出している

ただ、アミロイドベータが蓄積し始めても全員がアルツハイマー病になるとは限らない
健康な人に薬を投与して副作用が出ないかなど検討課題は多い。


*関連カテゴリ:認知症予防・診断・治療

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半夏生 (半化粧 ハンゲショウ。別名 片白草 かたしろぐさ)
七十二候の1つ 半夏生の頃に咲くから。

認知症医療の問題

私は、最近、自分の書いてきたことが、正しかったのだろうかと考え続けています。

認知症専門医は、誰もが「早期発見、早期治療が大切!」と言います。それならば、
早期発見するにはどうすれば良いかと考え、チェックリストを作ってみたりしました。

けれども実際には、気付くのが、早ければ早いほど、私の知るほとんど全ての方は、認知症と診断されませんでした。脳の画像も知能検査も「正常」と言われてしまうのです。

鋭敏な方は、小さな違和感から認知症を疑い、家族を助けたい一心で病院を訪ねます。
しかし「年相応」と言われ、正しい診断まで更に何年もの間、葛藤を続けています。

つい最近、有名な大病院で心筋シンチグラフィ検査を受けた方は、「レビー小体型認知症ではない」と断定されたそうです。
このブログを読んで9割の精度しかないことを知っていたので、医師に確認すると
「レビーじゃなくて良かったじゃないですか。レビーなら治療法はありませんよ」
と言われたと、ご本人から直接伺いました。
そんな話ばかりをここ数年、多くの方から聞き続けています。

多分、世の中には、早期発見早期治療で順調な方もいらっしゃるのでしょう。
問題がなければ悩みも葛藤もありませんから、家族会やブログの運営者になど相談してこないでしょう。そういう例もきっとある、あって欲しいと私は、切望しています。

誤診され、治療で悪化した例ばかりを限りなく聞き続け、私の迷いは、深まっています。
『ならば、病院に行かなかった方が、まだ良かった・・・?』
そんなことは、ないはずです。薬が適切でさえあれば、患者は救われます

ただ1つ、間違いないと思えるのは、最低限の薬の知識を持って、自衛することです。

レビーは、薬剤過敏性という特性のために、薬の副作用が激しく出る方が多い。
医師が、アルツハイマー型と誤診して、処方する3mgや5mgのアリセプトで悪化する例がとても多いのです。
「落ち着かせましょう」と処方する向精神薬動けなくなってしまうのです。
「認知症が進行したね」と更に増量されて寝たきりになり、食べることも話すこともできなくなります。その過ちに気付かない医師が、全国にまだいくらでもいます。

レビー小体型認知症にも、対処療法ではありますが、ちゃんと治療法はあります
治すことはできませんが、様々な症状を緩和し、穏やかな生活が可能になります
薬剤に過敏」=「ごく少量(適量)で非常に良い効果も出やすい」ということです。
その方に合った薬と量医師と根気強く探していけば、良い結果が出やすいのです。

レビーは、病状が不安定になりやすく、薬を抜きにしても、原因のよくわからない急激な悪化や劇的な改善を繰り返される方が少なくありません
私の母も要支援2から一気に要介護4、そして5に進み、「長くはない」と言われました。
その後、薬の量も種類も減らし、2年経った現在は、とても元気に(私とは)普通に会話をしています。(→母の記事

<関連記事>
*「認知症の種類別 見極めのための知識とチェックリスト
*「認知症症状を悪化させる薬剤リスト(朝日新聞)
*「早期発見されず薬で悪化するレビー小体型認知症
*「プロの言葉を鵜呑みにして絶望しない・諦めない」
*「レビー小体型認知症を理解する動画」(この病気の発見者の講義)

*薬について知識を得られる資料→認知症薬物療法マニュアル コウノメソッド2013

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イワダレソウ(岩垂草)
花の大きさは、1cmくらい。
グラウンドカバーによく使われる。

認知症と共に生きる方が必要としているもの

認知症を患う方に対応するときの心構えとして認知症サポーター養成講座では、3つのことを教えているそうです。

 驚かせない。 急がせない。 自尊心を傷つけない。

私は、認知症と共に生きる方が、最も必要とするのは、2つのことではないかと考えています。

     安心、そして敬意。

認知症と共に生きることは、日々不便と不自由、不安に陥る瞬間の繰り返しではないかと想像します。例えアルツハイマー型や前頭側頭型(ピック病)のように病識(自分が病気であるという意識)がなかったとしても。
病識がずっと残ると言われているレビー小体型認知症の母は、長谷川式簡易スケール4点ですが、
「どんどんボケていくのがわかるから、時々、すごく恐くなる」
と先日、私に語っています。

安心を与えること。
「大丈夫だよ。何も心配いらないよ。今のままのあなたを愛しているよ。これからもずっと愛していくよ」というメッセージを笑顔で、全身で伝えられたら、きっと変わると思います。

敬意を示すこと。
どんな小さなことでもいいから、残っている能力を活かせる役割を持ってもらうこと。
その仕事に対して(完成度に関係なく)感謝や誉め言葉で敬意を示すこと。

何もできなかったとしても、挨拶を返してくれること、笑ってくれること、食べてくれることに感謝し、敬意を持つことができます。

暴言などBPSD(周辺症状)が激しいときは、誰も(特に肉親は)敬意を感じにくいですが、それでもその人の過去の人生を尊敬することはできます。
懸命に働いてきたこと、子育てをしてきたこと、苦労の多い人生を生き抜いてきたことを。

すべての方には、尊敬すべき人生の瞬間、瞬間があります。
例え、「ひどい父だった、冷酷な母だった」と恨んでいたとしても、産んでくれたこと、育ててくれたこと、自分のために何かをしてくれた瞬間、瞬間は、あったはずです。

見下されるのは、誰にとっても最も辛いことです。認知症に罹っても同じです。
何もわからないかのように見える方にも、それは、きっと伝わっています。
認知症と共に生きている方にこそ、敬意が必要だと思います。

<関連記事>
*「認知症の人と接するということは、鏡を見ること
*「認知症のパーソン・センタード・ケア」5つのポイント
認知症の母からの「手紙」
若年性アルツハイマー型認知症、佐藤雅彦さんの動画
母親の介護はなぜ辛いのか
*「長谷川式テストの開発者の言葉」(接し方など)

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朝顔(アサガオ)

若年性レビー小体型認知症 Kさんの体験談 No.3

No.2の記事からの続き。(Kさんは、40才前後で発症。現在、50代初め)

  < 認知症薬を使い始める >

リバスタッチ半枚を貼り始めてすぐ、うつの苦痛が日中の数時間だけ消えた
(消えて初めて苦しみの原因が、不眠や頭痛や倦怠感ではなかったと気付く。)
1週間後、1枚にするとそれが1日中持続。他の症状は同じでも楽に生活できるように。
発作的に体がつらくなり、倒れるようにして眠り込んでしまうこともほぼなくなった。
幻視も見ていない。記憶力等の変化は感じない。体調不良ながらも元気が出てきた。

しかし1週間後、効果が薄れた。体調が良い日もあるが、があり、とても不安定
今は猛暑だが汗が出ず、すぐ体温が上がる。常に霧吹きを使い、時々首を氷で冷やす。
薬のことを相談するため、病院へ予約を入れ、今、受診の日を待っている。


  < これまでの認知機能の変化 >

ここ数年、記憶力判断力低下を感じたが、友人達に話すと皆「私も同じ」と笑った。
うつ病は誤診。既にその頃からレビーを発症していたと思う」と医師には言われた。
その頃(10年程前)は、日常生活に困る程の認知機能低下があり、今よりも悪かった。

その後の認知機能は、常に体調の波と同期。体調さえ戻れば、大きな低下はなかった。
体調が悪くなると同時にうつっぽくなり、考えること、話すこと、何もかも億劫になる。
それがレビー特有の「認知の変動」なのかどうかは、医師に聞いてもわからなかった。

  < 若年性認知症と診断されることの意味 >

若年性認知症という診断名は、深刻で救いがない。不安恐怖悲しみしか与えない。
このブログで認知症がないレビーの症例もあることを知り、希望を持った。(→記事
そうした様々な明るい情報がなければ、告知は、死の宣告以上に残酷だと感じた。

  < 思考力の低下は感じない >

今、計算や運転ミス状況判断能力の低下料理に時間がかかる等問題は色々あるが、
自分のミスや変化は、1つ1つ正確に自覚していると思うし、自分で対応策を取る。
思考力だけは、まだ低下を感じない

自分は、これからも「自律神経症状だけが出るタイプ」なのだと信じ続けたい。
レビーの3つの型の1つ「自律神経症状型」についてもっと情報が欲しい。(→記事

  < 自律神経症状緩和のために >

自律神経を整えるために何でも試し、自分でする棒灸アロマ等は、効果を感じている。
鍼灸治療も受けたいが、今は、ツボを調べて自分で刺激している。
進行を食い止めるために運動もしたい。体調不良でそれができないのが辛い。
主治医は懐疑的だが、全国の病院で取り扱っているサプリメントも去年から飲み始めた。

  < これから >

今ある日常をこのまま保てたら、それだけで幸せだと思っている。
失ったものにはもう目を向けないで、まだあるものだけを見て生きなければと思う。
そしてもし自分の経験が、少しでも人の役に立つのなら心から嬉しく思う。

ネット上情報発信をして下さっている方々、的確なアドバイスを下さった家族会の方やネットで知り合った方々には、感謝しても感謝し切れない。
今、レビー患者には、それだけが、命綱になっていると思う。
私のように10年も正しい診断に辿り着けず、不調に苦しみ続ける人などいない社会、
この病気を誰もが理解し、自然に受け入れられる社会が来て欲しい。


(その後の治療については→こちらを

<関連記事>
*「若年(性)認知症の方の抱える問題
*「認知症発症を食い止める方法(Eテレ番組から))運動の効果など。
*「医療や介護のプロの言葉を鵜呑みにして絶望しない・諦めない。
*「認知症と診断されても」できることは色々ある。
*「認知症に鍼(はり)治療」(認知症症状を改善する主なツボを紹介)
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フードに取り付けた棒灸(もぐさを棒状に固め紙で包んだもの)。皮膚とは接触しない。
「マッサージより気持ちが良いし効果も高い。煙だけがちょっと難点かな」とKさん。
(画像は、ここからのコピー)

パーキンソン病治療に一酸化窒素が効果(新聞記事)

全国に14万人いるという「パーキンソン病患者の治療に光」という新聞記事です。
レビー小体型認知症(推定患者数64万人)のパーキンソン症状にも効果があるはずです。

「パーキンソン病の新薬・認知障害」の記事の中でも詳しく書きましたが、現在、
パーキンソン病とレビー小体型認知症の症状は、(認知機能低下も含めて)「同じ」ということになっています。

この2つの病気を「同じ病気」と見る医師と「違う病気」と見る医師がいます。

レビー小体型認知症の発見者・小坂憲司医師は、
薬剤過敏性(薬物、特に抗精神病薬に対して悪い影響が現われやすい特徴)は、レビー小体型認知症特有のものでパーキンソン病やアルツハイマー型など他の認知症にはあまり見られない」と著書「第二の認知症」P.92に書いています。

名古屋フォレストクリニックの河野和彦医師は、立った時の左右の足の開き方が、パーキンソン病では狭くレビー小体型認知症・正常圧水頭症・脳血管性認知症では広い患者が多いと説明しています。→こちら

私は、母が、幻視(幻覚)から起こった妄想せん妄(意識障害)に苦しめられてもパーキンソン病の診断を押し通され悩んだ経験があり、両者は違うという立場です。
そしてこうした記事には、「パーキンソン病」と並べて「レビー小体型認知症(LBD)のパーキンソン症状」と必ず書いて欲しいと願っています。

以下、2013年7月16日日経新聞の記事全文。原文通り。(→日本経済新聞公式サイト


< パーキンソン病治療に光 一酸化窒素、役立つ可能性 >

手が震え、体がこわばる難病「パーキンソン病」の治療に、体内にある一酸化窒素(NO)が役立つ可能性があることを奈良県立医大や京都大、三重大のチームが突き止め、16日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に発表した。

パーキンソン病は、不要な物質を分解するタンパク質「パーキン」が働かなくなり、神経細胞が不要物質により傷つけられ発症すると考えられている。
NOはパーキンをよく働くようにし、神経細胞を保護することが分かり、チームは「NOを増やす薬剤を開発できれば、新たな治療薬となり得る」としている。

奈良県立医大の小沢健太郎准教授らは、ヒトの神経細胞から培養した細胞にNOを加えると、細胞内にある特定の不要物質の分解が、加えない場合の約2倍促進されることを解明。
パーキンソン病を防げる可能性があることを明らかにした。

一方、NOを長時間加え続けるとパーキンの働きが低下。これはNOが別の物質に変化し、パーキンを働かなくするためだと分かった。

小沢准教授は「NOの細胞保護の作用だけを利用できる薬剤を造れれば、多くの患者の症状を緩和できる可能性がある」と話している。


<関連記事>
*「パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係(違い)
*「完全版:レビー小体型認知症の全症状
*「レビー小体型認知症を理解する動画」(この病気の発見者の講義)
*カテゴリ:「レビーと各種認知症の症状と早期発見チェックリスト)
*家族会のサイトに私が書いている→<レビー小体型認知症 体験談集>
*「神経内科医はレビー小体型認知症とパーキンソン病の症状は同じとしている
2013年6月の記事

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サボテン

若年性レビー小体型認知症のKさんの体験談 No.2

No.1(→こちら)からの続き。(Kさんは、40才前後で発症。現在、50代初め)

  < 体調不良に苦しみながら仕事を続ける >

去年、幻視を自覚する前から、また急に体調が悪化した。
仕事中にたまらなく眠くなったり、午後になると高熱時のような感覚に襲われるように。
自分しかいない部屋で、人が後ろを通った気がする幻覚もあり恐ろしくなった。
仕事では、ミスを繰り返し、帰宅すると疲れて動けなくなり、そのまま眠ってしまった。

このブログでレビーの症状チェックリスト等を見て、多くが当てはまると思った。
レビーの専門医を受診しようと思ったが、どこに行けば良いのかよく分からなかった。
近くには全くいないし、体調が悪い中、何時間もかけて行く気力が中々出なかった。
しかし高額の検査の末に「原因不明です」と言われるのは、もう2度と嫌だった。
誤診は決してしないだろうと思える医師を1人で受診した。

  < 精密検査を受けるが、診断できないと言われる >

心筋シンチグラフィMRI異常なし脳血流検査もレビー特有の異常はなかった
長谷川式の知能検査では、計算を間違い、「軽度の認知機能低下はある」と言われた。
医師は、MRIで異常がないことと計算の間違いは、「レビーらしさではある」と言った。

起立テストをしたが、起立性低血圧なしパーキンソン症状もない
医師は、この2点を重視していて、症状がないことを不思議に思っている様子だった。
レビーの可能性は、とても高いが、今の段階では、診断はできない治療もしない
幻視に困るようになったら抑肝散を出す。3ヶ月毎に通院するように」とだけ言われた。

自分の真後ろに鎌を振り上げた死神が居るのに「鎌を振り下ろして怪我をしたら薬を出しましょう」と言われた気がした。
早期発見なら治療で進行を食い止められると思っていたので、命綱は切れたと感じた
幻視には困らず、その後8ヶ月間は、予約を延ばし続けるだけで受診はしなかった。

  < 自律神経症状などに苦しみ、仕事を辞める >

職場では、体調不良を理解されず、仕事のミスを上司に叱責され自信を失い、辞めた。
「こんなこと間違うはずがない!忘れるはずがない!」と責められても言葉がなかった。

その後、体調が良くなった時期もあったが、再び自律神経症状に苦しむようになった。
不眠、起床時からの頭痛倦怠感耳鳴りは毎日。そして長年なかった重い抑うつ気分。
立ちくらみ手足の冷え幻聴(音)など沢山の症状が、次々と出たり消えたりした。

突然、高熱が出たような感覚になり、横になった瞬間に眠りに落ち、1〜2時間眠ってしまうということが毎日、何度も起こるようになった。熱はなく、血圧の低下でもなかった。

  < レビー小体型認知症と診断 >

今年、再び同じ医師を訪ね、自律神経症状を訴えると「レビーだと思う」と診断された。
アリセプトを出すと言われ「困っているのは、物忘れではなく体調の悪さ」と言った。
レビーは、脳内の物質が極めて不安定。薬で安定すれば症状も消える可能性はある

レビーに良いとネットに書いてあるリバスタッチパッチ(認知症薬)をアリセプトの代わりに処方してもらった。
4.5mgを半分に切って1週間試し、効かなければ、1枚を貼るよう言われた。
副作用は、他の認知症薬に比べて小さい。胸がムカムカする程度ならすぐ慣れます」

 No.3の記事に続く

*家族会のサイトに私が書いている→<レビー小体型認知症 体験談集>
*同じく→<レビー小体型認知症の症状集>(ネット上で最も詳しいです。)
*カテゴリ:「レビー小体型認知症
*カテゴリ:「認知症とは/ケア・介護
*カテゴリ:「認知症の予防・診断・治療

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小待宵草(コマツヨイグサ)かその仲間

若年性レビー小体型認知症患者本人 Kさん(樋口直美さん)の体験談No.1

追記:2014年12月現在、症状は大きく改善され笑顔で幸せに生活されています。
追記:2014年11月19日発行の東田勉著『認知症の「真実」でインタビューが掲載されているKさん(樋口直美さん)の体験記です。
追記:樋口さんが作ったレビー小体型認知症本人の交流のための掲示板
  (掲示板では、アピさんというハンドルネームです。「3つの会」の掲示板でも)
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「レビー発症は、多分10年以上前の30代終わりだと思う」と語る患者ご本人のKさん。
「去年、自分で幻視に気付いてから、ネットで若年性レビーについて調べたが、情報はほとんどなかった。”進行が早く、すぐ死ぬ”など希望のないものだけで、深く絶望した。
まだ治療を始めたばかりだが、もっと情報が欲しいし、同じ立場にある人もきっと同じだろうと思った」と体験談取材に応募して下さいました。

 <若年性レビー小体型認知症の診断を受けたばかりのKさん(50代女性)の体験談>


  < うつ病と診断(誤診)される >

40代初めに受けた大きなストレスを機に、眠れなくなり一人で精神科を受診。
うつ病と診断されたが、自分では、意外だった。
体調不良は、それまで何年も続いていた。冷え性で、だるかったり頭痛も頻繁だったが、元々頭痛持ちだったので病気とは思わずに過ごしていた。(追記:原因不明の股関節の激痛もあった。)

治療が始まってからATMにカードを置き忘れて帰る等の不注意物忘れがひどく、主治医に認知症ではないかと訴えたが、それもうつ病の症状だと説明された。
今(2014年12月)考えると、処方された抗精神病薬の副作用だったと思う。

最初に処方された抗うつ剤(パキシル)を飲むと手の震え、極度の低血圧(イスから立ち上がると失神)、食欲がまったくなくなる、が出なくなる、感情がなくなったように感じる等の副作用が起こり、一日中横になってぼんやりしていた。

その後、抗うつ剤の種類を変え(治療の効果は何も感じなかったが)医師に言われるままに6年間、薬物治療を続けた
何年経っても記憶力低下が戻らないと感じたが、医師は「年齢的なもの」と説明。
今、思うと、頭も心も麻痺したような6年間だったが、抗うつ剤の副作用だったのかと思う。薬を止めてから生き生きした感情が戻り、頭も正常に回転するようになったと感じた。

40代の10年間、体調は、常に波があり、時々とても不調になると何もできなくなった。
何もしたくなくなり、倦怠感がひどく、ずっと横になっていた。
その後、腎臓、甲状腺の機能低下も起こったが、精密検査をしても原因不明と言われた。
どこでも最後には「更年期障害じゃないですか?」と言われて情けなかった。
体調不良の原因を突き止めて、なんとかして健康を取り戻したいと10年以上願ってきた。

  < ゴミが、歩く虫に見え(幻視)、レビーを疑う >

レビーを考えたのは、去年、綿ゴミが、数秒間歩く虫に見えた時。
『目の錯覚じゃない!幻視だ!』と思い、血の気が引いていった。
幻視の見える認知症があるということは、新聞や雑誌で読んで知っていた。
今、思い返すと、うつ病と診断される前から車の助手席に女性が座っているのが繰り返し見えたり、色々な物を人に見間違えることがあった。
しかしどれも一瞬のことなので、目の錯覚だと思い、気に留めたことはなかった

幻視は、ほとんど虫(最初は歩く虫。その後は飛ぶ虫)だが、毎日見える訳ではない。
体調、天候、時間、覚醒度とも関係がない気がする。
体調が良い日中、不意に現れ、『良かった。これは本物だ』と確信するとふっと消える。
幻視は、本物と何も変わらないので、消えても幻視とは中々信じられない。
1度とても大きな虫が見えて、じっと見たことがある。毛の1本1本まで鮮明に見えた。
急に消えた後も100%本物だと思っていたが、よく考えると肉眼でそんな細かい所まで見えるはずがないと、後になって思った。

扉がゆらゆら揺れて見えたり、床の模様が動いたり、とても不思議なものを色々見る。
部屋がグニャグニャ歪んで立ちたくても立てない、歩けないという夢も随分前から何度も見ている。悪夢も昔から多かったし、悪夢を見て叫ぶことも10年以上前からあったと思うが、もう何年もない。

しばらくは、家の中で男が見えたらどうしよう、運転中に子供が飛び出して来るのが見えたらどうしようと思い、とても怯えていた。幻視を見やすいという夜間は、恐くて外出できなくなった。
でもそれを家族に言うこともできなかった。

No.2に続く


追記: <Kさんの今までの経過・治療・気持ち>(記事の古い順から)
経過治療漢方治療症状(2013年8月)/認知症の苦しみ空間認知能力幻覚をどう感じるか
「認知症に見えない」と言われて症状(2014年2月)幻覚の種類と具体例(いつ、何が、どう見えるのか)2014年5月改善している

1月27日の「レビーフォーラム2015」に登壇された樋口さんの講演原稿全文


<関連記事>
*「病名を隠す苦しみ・病名を打ち明けて得られたもの」(若年性の体験談)
*「フジテレビで放送されたレビー小体型認知症特集の全内容」(当事者が語る)
*家族会のサイトに私が書いている→<レビー小体型認知症 体験談集>
*同じく→<レビー小体型認知症の症状集>(ネット上で最も詳しいです。)
*「レビー小体型認知症を理解する動画」(この病気の発見者の講義)
*カテゴリ:「レビー小体型認知症
*カテゴリ:「認知症とは/ケア・介護
<若年性認知症関連記事>
*「若年性レビー小体型認知症患者本人が語る症状・診断・治療・気持ち
*「若年性認知症 普通の人として普通に暮らす
*「認知症のわたし(朝日新聞連載記事)
*「NHKある夫婦の記録「隠したって何もないもん」
*「車いすで沖縄へ家族旅行」若年性レビー小体型認知症のHさん一家
*「認知症の方本人はどう接して欲しいと思っているのか
*「若年(性)認知症の方とその家族が直面している経済的問題と対策
*「認知症と生きる人のためのサイト」(「3つの会@web」)

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ゴーヤーの花

認知症本人と家族の動画サイト公開

「NPO 健康と病いの語り ディペックス・ジャパン」が、がんに加えて認知症患者とその家族の体験談(動画・音声)をネット上で公開しました。

  「NPO 健康と病いの語り ディペックス・ジャパン」公式サイト→こちら

認知症の種類別立場別(本人、実の親を介護する人、義理の親を介護する人など)、
トピック別(診断された時の気持ち、徘徊など)に知りたいものを選んで見られる所は
画期的だと思います。

例えば、車の運転の問題にんでいる時に、他の介護家族の方々はどうされているのかを見たり、聞いたりできます。(文章化もされています。)

やはり体験談は、本に書かれた内容や症状ではわからないニュアンス、質感のようなものが伝わり、とてもわかりやすく、共感もしやすいです。

症状の出方は、お一人おひとり違いますから、自分や家族とは、少し違っている部分もあるかも知れません。
しかし同じにつけ、違うにつけ、そこから学ぶこと、得られることは、非常に多いです。
病気への理解が深まると、余裕が生まれ、介護は楽になります。
「ああ、こんな風に怒ったり、わがままを言うのは、病気のせいなんだ」とわかれば、許すこともできます。

是非、体験談をご覧下さい。

そして、こちらも!
種類の認知症 種類別 本人家族体験談集こちら

追記:2013年9月26日のNHK「あさイチ」でもこのサイトが紹介されました。

<関連記事>
*若年性認知症「Hさんご一家の車いすでの沖縄旅行ガイド
*うつ病と診断された10年後に若年性レビーと診断されたKさん(50代女性)の体験
 体験談治療と経過本人が語る症状
*「若年性認知症 普通の人として普通に暮らす
*「認知症のわたし(朝日新聞連載記事)
*「NHKある夫婦の記録「隠したって何もないもん」
*「認知症の方本人はどう接して欲しいと思っているのか
*「若年(性)認知症の方とその家族が直面している経済的問題と対策

*家族会のサイトに私が書いている→レビー小体型認知症の体験記集
*<レビー小体型認知症の症状集>(ネット上で最も詳しいです。)
*「認知症の種類別 講義動画集」(大変わかりやすいです)
*カテゴリ:「レビー小体型認知症
*カテゴリ:「認知症とは/ケア・介護
*カテゴリ:「認知症の予防・診断・治療

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茗荷(ミョウガ)
植物は、夜の間に体内の余分な水分を排出するのだそうです。(写真をクリック)
これはベランダで育てているもの。葉の先に大きな水玉が付いていたのですが、撮影直前に落ちてしまいました。

胃ろう後でも食べられるようになる

嚥下(えんげ)障害(=食べたり飲み込むことが困難になる状態)は、レビー小体型認知症患者にとても起こりやすいと言われています。
しかし早期(まだ元気に歩ける時期)に始まる人もいれば、私の母のように一歩も歩けなくなって3年が過ぎても問題なく食べている人もいます。
(母は、寝返りは打てませんが、震えはなく、箸を使えます。)

先日、嚥下障害の有無を調べる簡単な方法を介護家族から伺いました。
ペットボトルで飲ませてみるのだそうです。
嚥下障害を起こしている人は、ペットボトルからでは飲めないそうです。
(追記:理由は、コメント欄のkuririnさんのご説明をご覧下さい。)
さっそく母に試すと、全くむせずにゴクゴクと平気で飲みました。

かなり病状が進んでも嚥下障害がないという例は、他の介護家族からも時々聞きます。
両者を分けるものは何なのだろうとずっと疑問に思っています。


嚥下障害を起こすと誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
そうして入院すると胃ろうを勧められるのが一般的です。
胃ろうには様々な誤解がありますが、その1つは、「胃ろうにしたら、もう口からは食べられない」というもの。
実際には、医療スタッフの指導の下、毎日の口腔ケア食べる訓練で可能になります。

医師はよく「治りません」「もう食べられません」「できることはないです」「もう長くないですよ」と簡単に言いますが、そんな無責任な言葉を鵜呑みにしてはいけません。

胃ろうを造ってもケアとリハビリで食事ができるようになる例は、以前にもご紹介しましたが、最近の新聞記事にも掲載されたので抜粋・要約を載せます。(青字部分)

2013年7月9日の千葉日報 シリーズ「食べること 生きること」

             訪問歯科医の口腔ケア日記 筆者:五島朋幸歯科医師

  家族の力添えで「奇跡」 「まさか食べられるとは」

肺炎で入院し、胃ろうになった男性。以後、口からは、全く食べていない。
訪問して口内を見ると、奥さんが質の高いケアをしていて、とてもきれいだった。

私(歯科医師)は、まずベッドを軽く起こして口腔ケアを始める。
頬や舌のマッサージを続ける。男性の目が、しっかり開いた。

「これからゼリーを食べていただきます」と告げるときょとんとした表情。
スプーンでゼリーを口の中に入れると、モグモグした後、ゴクンと飲み込めた。
母娘は、声をそろえて「飲んだ!」と叫んだ。

半年後、男性は、介助をされながら柔らかい食事を食べられるまでになった。
「まさか本当に食べられるとは思わなかった。奇跡」と奥さんは言った。



*介護家族の方々からは、黒こしょうのアロマパッチ(襟元に貼る)で飲み込みが改善し
 た
という話を聞いています。(追記:詳細はコメント欄をご覧下さい。)
*関連カテゴリ:胃ろう・嚥下障害

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オムツゼロ達成の特別養護老人ホームで見た食前の口腔ケア(マッサージ)はこんな感じ。職員が指を使って広くまんべんなく口の中から外に向かって(かなり強めに)押し出します。口回りの筋肉がほぐれて動きやすくなり、唾液も沢山出るようになるそうです。
(写真はこちらから

アルツハイマー病の根本治療薬開発途中(新聞記事)

2013年7月8日の朝日新聞から一部抜粋、一部要約。→記事全文


 シリーズ「ひょっとして認知症」No.190 アルツハイマー病の根本治療に向かって
                            筆者:笠間睦

ミクログリア(=神経炎症、神経細胞死に深く関与)が、アルツハイマー型認知症発症に関わっていることが明らかになってきた。RAGE阻害薬が治療薬となる可能性も。
しかし神経細胞の信号を受けて保護するように働くのもミクログリア。諸刃の剣である。

国立長寿医療研究センター・認知症先進医療開発センターの柳澤勝彦氏は
ガランタミン(ヒガンバナの仲間のスノードロップの成分)には、ミクログリアのアミロイド貪食能を高める作用があることが最近報告された」と発表。
(柳澤勝彦:Alzheimer病の新承認薬-その効能と限界. BRAIN and NERVE Vol.63 863-868 2011)。

「佐賀大学医学部附属病院神経内科の原英夫診療教授らは、
十全大補湯老人斑を除去する効果があることを示した。
これは十全大補湯の免疫機能賦活作用によると思われ、実際、十全大補湯はミクログリアを活性化し、アミロイドの貪食活性を高める作用が認められた」
(田平 武・順天堂大学大学院客員教授:進行中のアルツハイマー病臨床治験と近未来の治療戦略. 臨牀と研究 Vol.88 727-734 2011)。

アミロイドβを標的とした薬がことごとく不調に終わっている現在、タウを標的とした薬剤(レンバー等)にかかる期待は決して小さくない。
「タウ重合阻害薬などについても一部臨床試験が始まっているようであるがまだ将来性が見込める状況には至っていない」と大阪大学大学院・武田雅俊教授らは指摘。(大河内正康、田上真次、武田雅俊:アルツハイマー病薬開発の現状. 脳21 Vol.15 191-200 2012)
レンバーが治験の最終段階(第Ⅲ相試験)に入ったことは、朗報。

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赤詰草(アカツメクサ)

親の認知症やがんは遺伝するか

2013年7月7日のNHKスペシャル「遺伝子が語る運命」を見ました。(→番組サイト
アンジェリーナ・ジョリーさんの乳房切除手術で話題になっている遺伝子検査で、人の未来はどこまで予測できるのかというテーマ。

結論は、「遺伝子だけで決まるわけではない。ある病気になりやすい遺伝子を持っていたとしても、遺伝子以外に環境要因等が加わらないと発症しない」。
環境要因とは、どんな風に育ち、毎日どんな生活を送っているかということです。

多くの人は、親が、がんや認知症など深刻な病気になると遺伝を心配します。
けれども病気になる、ならないは、遺伝子だけでは、決定しないということです。

(追記:家族性アルツハイマーやレビー小体型は、稀と言われています。)

ネットで調べると山梨大学の環境遺伝医学講座に似たことが書いてありました。
以下、青字部分は、抜粋と要約です。全文は→久保田教授の学会見聞録


<文部科学省 新学術領域ゲノム支援 国際シンポジウムに参加して>( 2013年1月9日)

ヒトの全遺伝子を解析できる「次世代シーケンサー」(高速遺伝子解析装置)により
この数年間で、(略)一つの遺伝子の異常で発症するタイプの遺伝病(何万人に一人という珍しい病気)の原因遺伝子は次々と明らかにされてきた

しかし一般の人になじみのあるタイプの遺伝病(生活習慣病、自閉症、精神疾患などで、専門用語で多因子遺伝病と呼ばれる)の原因を次世代シーケンサーが自動的に解明してくれることはない

多因子遺伝病は、遺伝的要素だけではなく、環境要因などの遺伝子以外の要素が加わって発症するので、(略)従来の遺伝学を超えた発想が必要であることを実感することができた。

疾患遺伝子に異常が認められても、発症する人としない人がいる

特に、多くの人になじみのあるタイプの遺伝病(多因子遺伝病)でこれがあてはまる
この場合、主要な遺伝子の異常(変異)に加えて第2の遺伝的要素(疾患修飾遺伝子)にも異常をもっていると発症し、第2の要素をもっていないと発症しない、という考え方をとることができる。

すなわち、染色体微細欠失があっても自閉症にならない者が世の中にはいる。
例外の存在を否定し来たのが従来の純粋遺伝学であった。
しかしこの例外事例から、新たな見方が湧いてくる。

遺伝的異常を持ちながら発症しなかった人の存在こそが、生き方の教科書、すなわち、遺伝的異常を持ちながら発症しなかった人がどのような環境で育ったかを知ることで、同じ遺伝的異常をもって生まれてくる人への朗報となるのだ。


<関連カテゴリ>
*「認知症予防・診断・治療
*「認知症を予防する運動」(スローステップ。ウォーキング。スロージョギング)
*記事:「iPS細胞を使った治療について」(リンクで家族性アルツハイマー病、コメント欄に家族性パーキンソン病について書かれています。)

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遺伝子検査を受ける赤ちゃん。
少量の唾液で何十種類もの病気の可能性や才能までも判定するビジネスが海外にはある。
写真は、番組サイトから。

血管性認知症(皮質下血管性認知症)の「まだらボケ」 症状

認知症発症後も高齢者の脳内は、変化を続け、他の病気(認知症)との合併が増えます

アルツハイマー型の高齢者は、血管性認知症やレビー小体型認知症を合併し、レビー患者もアルツハイマー型や血管性認知症等を合併する場合は、決して少なくありません。
*詳細・正確な数値は、こちらを久山町の調査報告

そのため血管性認知症(脳血管性認知症)のことを知っておくことは重要です。

以下、青字部分は、2013年1月7日の朝日新聞掲載の記事からの一部抜粋一部要約です。
(→記事全文—アピタル—)

「血管性認知症では、記憶障害よりも、実行機能障害、遂行機能障害が目立つ。
具体的には、物忘れはそれほど目立たないが、レンジの使い方がわからない、衣服を前後反対に着る、歯磨きのしかたがわからないなど、生活上の支障が出る

感情の易変性(感情障害)が目立ち、怒りっぽい。ときに暴力行為がみられる。」
(川畑信也:エキスパートの思考法・認知症診療─病歴、問診・診察から診断を考える④ 治療 Vol.94 1628-1632 2012)

「アルツハイマー型においては、明確に自己主張するということがあまりない。
脳血管性においては、プライドが高く、ややかたくなに自己主張を押し通そうとされる」
(小澤 勲:認知症とは何か 岩波新書出版, 東京, 2005, pp63-66)

脳血管性では、一般的に「物忘れ」を深刻に受け止める傾向が強く、悲観的な印象。
できることとできないことが入り混じるまだら認知症)。
感情失禁(強制泣き、強制笑い)も目立つ。(笠間睦)

「脳血管性認知症の人たちは、日によって、あるいは一日のうちでも覚醒度(意識レベル)のゆれがみられる。情動にも認知レベルにもゆれが生じる

具体例:朝『おはよう』と声をかけても呆然としていて答えがない
    昼頃にはすっかり元気になって、顔つきまですっきりし、声をかけてくる。
    その中間の時間帯には、挨拶しただけで、涙がどどっとこぼれる(情動失禁)。
    丁度その時、おむつ交換のスタッフが来て声を掛けると急に激怒される。」

(小澤勲著『認知症とは何か』)

<関連記事>
*「脳血管性認知症(皮質下血管性認知症)」(朝日新聞2013年1月5日)
*「脳梗塞・リハビリによる回復の体験談
*「認知症は合併する(久山町の調査)
*「各種認知症早期発見のための知識とチェックリスト
 (前頭側頭型認知症—ピック病—とパーキンソン病も)

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柏葉紫陽花(カシワバアジサイ)

プロに学ぶ介護術(動画集)

介護方法を学んだことは、ありますか? 現在、腰痛はありませんか?

アルツハイマー型の場合は、ゆっくり進行して行くのですが、脳血管性認知症は、倒れて、突然介護が始まります。(倒れない場合もあります。)
レビー小体型認知症ピック病(前頭側頭型認知症)では、うつ病(=レビーの場合)や「認知症」と診断されて薬物治療が始まった途端に副作用で劇的に悪くなったり、
骨折入院してからせん妄(意識障害)により突然「重症認知症患者」になります。
(せん妄が治れば普通の人に戻ります。→せん妄とは

つまり家族は、いきなり介護の海に突き落とされ、死に物狂いで泳ぐことになります。
既に溺れかかっているのですから、泳ぎ方を勉強する余裕などありません。

けれどもカナヅチが、むやみに手足をバタつかせても極度に消耗するだけで進みません。
浮き方、手足の動かし方、息継ぎの方法を知れば、最も少ない労力で最大限に進みます。

身体介護(介助)もまったく同じです。
もしまだ家族が、身体介護を必要としない時期ならば、是非今のうちに介護術を覚えて、練習しておきましょう
既にトイレも歩行も介助が必要?是非、時間を見つけて基本を覚えましょう!
え?!こんなに楽にできるの?!今までの苦労は何?!』とびっくりするはずです。

「週刊ダイヤモンド」公開の「自宅で看る介護 プロに学ぶ安全・効率な介護術」。
起こす、移す、食べる(口腔ケアも)、床ずれを防ぐ、歩く」基本動作介助の方法を解説付きの動画で見られます。とても分かり易いです。
(指導・監修/アライブメディケア 解説/吉田翔一)

口腔ケアなどは、他にも色々な方法がありますが、これらの基本動作は、今日から役に立つと思います。

  プロに学ぶ介護術(動画集) ダイヤモンド社の公式サイト

<関連記事>
*「アルツハイマー型認知症の進行の仕方(FAST)
*「突発性正常圧水頭症とレビー小体型認知症を持つ人の歩き方(動画)
*カテゴリ「認知症とは/ケア・介護
*カテゴリ「介護家族の心理的変化・気持ち

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筋力ではなく、重力(体重移動)やテコの原理を使います。
(写真は「コープのカルチャー」から。)

河野和彦医師の認知症セミナー

2013年6月30日、名古屋フォレストクリニック河野和彦院長の講演に行って来ました。

セミナーで紹介された詳細(数多くの症例と治療法—処方薬と分量—)は、以下を。
 →「ドクターコウノの認知症ブログ

ここでは、セミナーの要約ではなく、私自身が腑に落ちたこと等をメモ書きします。
重要度とは無関係です。詳細は、河野医師の「認知症ブログ」をお読み下さい。

*************************************
 メモ

認知症は、2〜3年で変化する。一生同じ病名と思ってはいけない。
胃を全摘した人は、4年後、ビタミンB12欠乏で認知症状が出てくる。

 <薬について>
薬で悪化している例が非常に多い。家族が病気や薬を学ばなければ患者は守れない。
薬で改善が見られたら(医師が何と言おうと)決してそれ以上増量してはいけない

認知症薬メマリーレミニールは、もの凄く眠くなる。ハイテンションになる人もいる。
レビー小体型認知症に最適なリバスタッチ(貼り薬)は、ごく稀に眠くなる人がいる。
リバスタッチのかぶれは、ヒルドイドクリームで99%防げる。
(追記:更に詳細なかぶれ対策方法・治療用薬剤名も→こちら

アリセプトで最初の一歩が出にくくなるなど歩行障害が出たらレビー小体型認知症
レビーやピック病の場合、間違った治療→劇的悪化→嚥下障害→誤嚥性肺炎→急逝


 <アルツハイマー型認知症>
一見、健康な普通の人に見える。老化と共にレビー小体型に移行する場合がある。
せん妄(意識障害)を起こすのは、5%。(脳血管性では30%。レビーでは70%

せん妄(意識障害)とは せん妄の3種類と具体例(必見)
認知機能低下が殆ど目立たない若年性レビー患者本人が語る意識障害(認知の変動)

 <ピック病>(前頭側頭型認知症)
元気過ぎる。診察室で腕や足を組む・座らない。子供っぽい行為。家の中をうろうろ。

 <脳血管性認知症>
すぐ泣く。場違いな笑い(感情失禁)。夜間にだけ「せん妄」を起こしやすい。

 <レビー小体型認知症>
まじめ。元気がない。声が小さい。(声が大きい人はレビーではない
体が傾き、よだれ/幻視の9割/話し相手を見ない(下、斜め下を見る)のはレビー

捜衣模床(衣類にこびりついた汚れを両手でこすり取るような意味不明なしぐさ)や
車イスからずり落ちるのは、せん妄
他のどの認知症よりも意識障害(せん妄)を起こしやすく、昼夜問わず起こる。
意識障害=寝る(嗜眠)、意識消失発作(失神)、意味不明の言動など重症認知症患者に見えるが、薬を3分の1から5分の1に減量したり、適切な治療をして意識さえ正常に戻せば、劇的に良くなる。レビー患者は、元々脳萎縮も軽く、潜在能力があるから。


<関連記事>
*「4大認知症 種類別早期発見のための知識とチェックリスト
*カテゴリ「認知症の予防・診断・治療」
*カテゴリ「認知症とは/ケア・介護
*「認知症の医療知識の得られる本
*「正確に自分の症状を話す私の母の例」(時間をかけてせん妄が消え劇的に回復)
*「レビー小体型認知症 体験談集」(家族会のサイト)
*「レビー小体型認知症を理解する動画」(この病気の発見者の講義)

河野医師が公開している治療情報→認知症薬物療法マニュアル コウノメソッド2013

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ベロペロネ(コエビソウ)

「死 それは成長の最終段階」キューブラー・ロス著

シリーズ「死を受け入れるために」9回目。以下、本からの抜粋。


「死、それは成長の最終段階  続 死ぬ瞬間 」 E.キューブラー・ロス著 鈴木晶訳

 苦しみはあまりに大きい・・・でも、私はそれに耐えよう。
 これほど深く愛していなかったら これほど深く心を痛めることはあるまい。
 
 だが、私はあの貴い愛を 寸分たりとも捨てるつもりはない。
 私の心は痛む。 しかし、その痛みに感謝しよう。
 それは 私たちの存在の意味の深さの証なのだから。 
 だから私は そのことを 永遠に感謝しよう。                


 死は 避けることができない。
 人は 誰も いずれは死ぬ。 たんに時間の問題にすぎないのだ。
 
 死は、誕生と同じく、人間の存在と成長発展の一部である。(略)
 死は、打倒すべき敵でもなければ、そこから逃げ出す牢獄でもない。
 死は、人生の必要不可欠な部分であり、人間の存在に意味を与えるものである。(略)
 
 死とは、目には見えないが、親切な、人生の旅路の道連れであり、
 本当にしたいことは 先送りしてはいけないのだということを
 優しく気づかせてくれる友なのだ。   


 死とは この世での成長の最終段階である。
 死によってすべてが滅びるのではない。
 死ぬのは 肉体だけである。
 自己、あるいは魂(どう呼んでもかまわない)は 永遠である。
 気持ちの安らぐようなかたちで、人それぞれ自由に解釈すればいいのである。
 
 自分の気持ちや行為の一つひとつが、自分と関係のある人たちに影響を与え、
 その人たちが また他の人たちへ影響を与えるというように、
 次々に広がっていく影響というかたちで、人間は寿命が尽きたあとでも
 永遠に存在し続けると考えてもいい。
 
 たとえば、出会った人に微笑みかけたり、励ましの言葉をかけたりしたことが、
 さざ波のように広がって誰かに影響を与えているということを、あなたは知るまい。            

(中央公論新社発行。文庫版。著者は末期医療に多大な影響を与えた精神科医)

カテゴリ:「死を受け入れるために

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アゲラタム(オオカッコウアザミ)

認知症シンポジウムのお知らせ

NPO 健康と病いの語り ディペックス・ジャパン(→公式サイト)主宰のシンポジウム。
以下、青字部分は、公式サイトからの転記です。
このシンポジウムにも公開される動画サイトにも非常に期待しています。(しば)

認知症本人と家族介護者の語り」ウェブページが7月にようやく公開されます。
7人の認知症ご本人と35人の家族介護者が、認知症と向き合いながら過ごす日々の生活について語ったインタビューの記録を、動画と音声でお届けするウェブページです。
7月14日に公開を記念してシンポジウムを開催します。

追記:講師の方々からは、語りの中から拾い出された患者さんや介護家族の不安や疑問について、それぞれのお立場からアドバイスをいただきます
患者さんや介護をされているご家族の方々のみならず、認知症医療に携わる方介護職の方にも有益な内容をお届けしたいと思っています。


認知症本人と家族介護者の語りウェブページ公開記念

 < もっと知りたい認知症Q&A~体験者の声から学ぶ >

  [ 講師 ]
  竹内登美子さん/富山大学大学院医学薬学研究部老年看護学講座教授
  松本一生さん /大阪市・松本診療所(もの忘れクリニック)院長
  串田美代志さん/富山県・特別養護老人ホーム大江苑施設長
  加畑裕美子さん/東京都・レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会代表

  日時: 2013年7月14日(日)13:30~16:30(13:00受付開始)

  場所: 東京大学農学部・弥生講堂(一条ホール)
      東京メトロ南北線「東大前」より徒歩1分

  参加費:  非会員1,000円/会員500円

  申込み・詳細 →主催者公式サイト


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詳細・拡大は→こちらをクリック
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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