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漫画「ペコロスの母に会いに行く」1(Eテレ)

Eテレ「ハートネットTV」で2012年11月29日に放送した「みつえとゆういち ―親子で紡ぐ“認知症”漫画―」。番組の内容は→「ハートネットTV公式サイト」
(再放送12月6日午後1時5分)

田口ランディ(作家)も出演するというので必ず見ようと思っていて見逃しました。
以下、公式サイトから一部抜粋します。(青字部分。原文通り)

今、1冊の漫画が大きな注目を集めています。
還暦を過ぎた息子が、認知症の母を介護する日々をつづった『ペコロスの母に会いに行く』です。
作者は、長崎在住の漫画家・岡野雄一さん(62歳)。
とかく深刻になりがちなテーマにもかかわらず、岡野さんは、老いて記憶を失ってゆく母・光江さん(89歳)の変化をありのまま受け止め、その姿を愛らしいタッチでユーモラスに描いています。
作品は思わぬ反響を呼び、映画化されることが決まり、9月から長崎での撮影が始まっています。
公式サイトより)

岡野さんは、「『ペコロス』は介護漫画ではない!」と言い切ります。
確かに、作品では認知症や介護の様子が描かれてはいますが、今まさに介護に悩みを抱えている人に役立つ“具体的”かつ“実践的”なノウハウは記されていません。
『ペコロス』を読んだからといって、明日から介護が楽になる!なんてことはないかもしれません。
なぜなら、岡野さんが作品を通じて見つめているのは、その人をその人たらしめているはずの「記憶」について、だからです。
記憶を失いながら生きるとは、どういうことなのか――。
岡野さんは、漫画を描きながら、日々その難問と向き合っているのだと思います。
そんな岡野さんの漫画には、「記憶を失うのは悪いことばかりではないのではないか」というメッセージが込められています。
「ハートネットTV]のブログより)

<関連記事>
*田口ランディの体験に触れた記事「意識がないように見える人に話しかける
*漫画にしたら絶対に面白いと思う「レビー小体型認知症の母の日常
*カテゴリ:「認知症ケア・介護など

ペコリス母に会いに行く
漫画「ペコロスの母に会いに行く」
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作者の岡野雄一さん(ペコロス)とグループホームに暮らす母・光江さん
(写真は、「ハートネットTV」公式サイトから。)
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認知症という言葉

「認知症」という言葉は、2004年に「痴呆」という言葉の代わりに厚生労働省の検討会で決められました。「痴呆は、侮蔑感を感じさせる表現であること」が変更の第一理由でした。しかし今は、「認知症」という言葉が、侮蔑的に使われることが度々あります。

生活の中だけでなく医療や介護の現場で、「あの患者、ニンチだから」「ニンチ入ってる」という言い方を見聞きします。(母のいる老人ホームで聞いたことはありません。)

重症の圧迫骨折で手術をし、せん妄を起こした母(2010年当時71才)は、車いすにベルトで固定され、ナースステーションに終日置かれていました。物のように。
誰一人声も掛けず、肩や手に触れることもなく、微笑みかけることもないままに。
看護師さんたちは、認知症の人に感情はないと教育されているのだろうかと思いました。
(ご迷惑をお掛けしていることは十分分かっていましたから何も言いませんでしたが。)

退院後は、デイケアの職員にも親類にも「お母さんは、認知症じゃない」と言われました。母には、最近まで記憶障害がほとんど目立たなかったからです。

「認知症=ひどい物忘れ」と広く浸透したため、初期のレビー小体型認知症やピック病(前頭側頭葉型認知症)の人は、認知症だと気付かれにくくなっていると思います。

「認知症」より「脳機能障害」と呼ぶ方が、より本質を表すのではないかと言う友人がいました。同感です。様々な種類の認知症の多種多様な症状にもしっくりきます。

認知症の症状(障害)は、脳のどこに影響(損傷)を受けたかによって変わります。
レビーの人の多くは、記憶力や理解力ではなく注意力や集中力が落ちると言われます。
(長谷川式で計算間違いが特に目立つのは、計算能力ではなく、注意力の低下が原因)

先日ご紹介した動画の中では、前頭側頭葉型認知症の方が、言葉にひどい障害を持ちながらも一流企業でミスなく仕事をこなしていた実例が紹介されていました。

認知症は、脳の機能の全てを丸ごと冒されるわけではありません。
無数にある脳機能の内のほんの一部分が、低下するだけです。

一時的低下なら誰でも体験します。酔った時、高熱の時、病気、過労、睡眠不足の時。
強いストレスや薬の副作用によって。もちろん老化でも。
脳は、もろいものです。
認知症の人とそうでない人の脳機能には、大した差などないのでないかと感じています。

<関連記事>
「正常」と「異常」の間(幻視)
若年認知症になった佐藤雅彦さんご自身の講演動画 

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ヤツデの花
去年ヤツデを載せた記事←(レビーかどうかのチェックリストを掲載してあります)

検索をご利用下さい。

このブログの読者の方から「記事数が多くて、求める情報を中々見つけられない」という非公開コメントを時々頂きます。

サイト画面の一番右上に「サイト内検索」用の窓があります。
思ったよりは、使えますので、是非ご利用下さい。
(タイトルだけで中身がわからない所が不便ですが)

私自身は、グーグルで検索することが多いです。
「レビー しば ○○○○」と入れて検索しています。
だいたい見つかります。

あとは、左下のカテゴリーで狙いをつけて探してみて下さい。
でも分類し難いものが、分かりにくい所に入っている可能性もあります。
すみません。

有効活用して頂けたらうれしいです。

質問も受け付けています。
公開か非公開(送信時に選べます)コメントでお気軽にどうぞ。

しば

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何の木ですか?

11月の帰省(1)

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認知症の医療知識を得られる新刊紹介

「コウノメソッドでみる認知症診療」(河野和彦著)(2012年10月17日第1版)という新刊を実家でもらってきました。(左上の書籍名をクリックするとアマゾンにつながり「クリックなか見検索」で目次など本の中身も一部見られます。)

これは、名古屋フォレストクリニックの院長が、医師(プライマリケア医)向けに書いた認知症診断・治療のための極めて実践的な教科書(マニュアル)です。

認知症関連の本は、中身も見ずにすべて買って来る父(ピック病)が入手したのですが、理解できないと譲ってくれました。

このブログでご紹介している程度の基礎知識があれば、この本は、楽に理解できます。
実践的な(すぐ役立てる)情報が満載で、様々な疑問が解決します。
主治医と治療について話し合う時には、とても参考になると思います。
(→話し合う理由を書いた記事

もちろんこれは、河野医師の経験に基づいた考え方で、他の専門医には他の考え方があります。
レビー患者の薬への反応は、個人差が非常に大きいので、ある患者に良かった処方が、ある患者には効果が出ない、それどころか悪化するということが起こります。(→レビーにも安全と言われている薬で悪化した例
ですから唯一絶対の処方などどこにもありません。家族の観察と薬の微調整が必須です。

ある方も仰っていましたが、レビー小体型認知症専門医の先生方は、治療の情報を公開して欲しいです。
成功例と併せて一般的な治療で特異な副作用が出た例外的な事例も。
専門医が集まって、医師や介護家族の前で徹底的な公開討論をして欲しいです。
患者とその家族を救うという唯一最大の目的のために、知恵と経験を共有し、より良い診断と治療を確立するために協力し合って欲しいです。

圧倒的多数の患者は、レビー専門医のいる病院になど通えません。数が少な過ぎます。
レビーは、歩けなくなりますし、体調も不安定で、長距離移動は負担が大き過ぎます。
待合室で何時間も待つことも無理です。
近くに勉強熱心で誠実な医師を捜すしかありません。

日本中どこに住んでいてもレビー患者が、近くの病院で安心して治療が受けられる日が来ることを介護家族は切望しています。

*「向精神薬を処方されて悪化した4例
*カテゴリー:「レビー小体型認知症について

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錦木(ニシキギ)だそうです。


レビー・若年認知症・ピック病の動画

前回ご紹介した「認知症スタジアム」というサイトにある動画をいくつか見ましたが、とても勉強になります。その中から3つご紹介します。(他にも良い動画が多数あり)

   <動画1>「レビー小体型認知症とは

介護家族には、少しショックな内容ですが、「対応上の注意点」(19分目辺りから)の話は、聞いておいた方が良いです。(青字部分。一部抜粋)ただ個人差は大きいと思います。母は、歩けず、最近は記憶障害も進んできましたが、嚥下障害は見られません。

*体も記憶もしっかりしていて、食べる意欲がある内に嚥下(えんげ)障害によって食
 べられなくなる。(すぐ誤嚥性肺炎を起こすようになる。)そのためアルツハイマー
 型認知症と比べると胃ろうや終末期の対応が難しくなる。
*薬物過敏性は、風邪薬でも起こる。
*レビーは早期発見、早期診断をして薬の微調整をすることが、とても重要。



<動画2>「若年性アルツハイマー型認知症になった佐藤雅彦さんが伝えたいこと

認知症を患う人が、何を思い、何を望み、どう接して欲しいか、
認知症と診断された後、充実した生活を続けていくための具体的工夫やポイントを
「本人」の立場から詳しく語られています。(特に動画後半で)

   <佐藤さんの言葉>(青字部分。抜粋)

*認知症になって不便なことが増えましたが、決して不幸ではありません。
*他人と比べないで生きることが大切です。
*(認知症を患っていても)人間的に劣るとは考えない。
*「理解の遅い人」と捉え、伝え方を工夫し、「言葉の通じない人」とは考えない。
*進行し、言葉が話せなくなっても介護者には感謝していると私は考えます。


   <動画3>「前頭側頭葉型認知症とは(ピック病など)

*「医療・介護関係者の中にピック病への偏見が強い。ピック病だから大変ということは  ない」と語られています。

 <このブログ内の関連カテゴリ・記事>
*カテゴリ「レビー小体型認知症について
*カテゴリ「ピック病について
*記事「若年(性)認知症の方の抱える問題
*記事「若年性認知症の豪女性が講演“支援を”(NHKニュース)

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ネリネ(ダイヤモンドリリー)だそうです。


戻って来ました

昨日の夜、自宅に戻りました。

母は、記憶障害が一気に進んで会話にならないと聞いていたのですが、ほとんどの時間、穏やかに笑顔で会話を楽しむことができました。
以前(2年位続いた。)のように怒り出して手が付けられなくなるということは、まったくなくなりました。

リハビリも前向きに頑張っています。
イスにつかまって立ち上がることもできるようになりました。
「私、最初は、全然立てなかったのにねぇ」と言います。

去年、特別養護老人ホームに入った時には、要介護5の「末期患者」と呼ばれた母がです。

レビーは、波があります。
特に理由がなくても、とても悪くなって会話もできなくなったり、とても良くなって普通に会話ができるようになったりします。
悪くなっても希望は、必ずあります。


*認知症のとても良いサイトを教えて頂いたので、ここにリンクを張っておきます。

    → 「認知症スタジアム」

動画ライブラリー(動画集)などもあり、素晴らしいです。

過去の記事とカテゴリ

このブログをいつも訪ねて頂いて本当にありがとうございます。

突然ですが、24日まで帰省します。

過去の記事をわかりやすくまとめたいと思っているのですが、中々できません。
下の記事などは、レビーに限らず認知症全般について知るのに役に立つと思います。

三大認知症+ピック病を早期発見するための知識とチェックリスト
なぜ認知症は誤診されるのか(久山町の調査)合併の患者の多さ

カテゴリでも色々ありますので、まだ読んだことのないカテゴリがあれば見てみて下さい。(PC版の左下に並んでいます。)
他にピック病、うつ病、ホルモン補充療法、知的障害の兄のこと、スロージョギングなどあります。

<カテゴリ>

レビー小体型認知症について
認知症の予防・診断・治療
認知症ケア・介護など
胃ろう・嚥下(飲み込みの)障害
介護施設について

では、行ってきます。

しば

向精神薬処方の恐ろしさ(体験談)

このブログで繰り返し書いていますが、レビー小体型認知症患者は、薬(特に向精神薬)に対して激しい副作用を起こし易いことが特徴です。(個人差は大変大きいです。)
しかしレビーを理解していない医師によって向精神薬を処方され、体が動かなくなってしまうという例が、少なくありません。
(「全国で推定64万人以上いるレビー患者の圧倒的多数は誤診されている。その理由は、この病気を知らない医師がまだ多いからだ」と「第二の認知症(小坂憲司著)」P.206にも書かれています。)

このブログの読者であるSさんのお母様にも同じことが起こってしまいました。
もう2度と誰の身にもこんなことは起こって欲しくないという強いお気持ちから、Sさんが体験談を提供して下さいました。

***********************************
 <繰り返される「術後せん妄→向精神薬(リスパダール)→体の硬直」という悲劇>

Sさんのお母様が、アルツハイマー病と診断を受けたのは、78 歳の時(2011年)。
ご本人は、告知にショックを受けた。「治す薬はない」と言われ絶望だけを感じて帰宅。

今年、癌が見つかり、8時間に渡る手術を受けた。
術後、せん妄が激しく、夜は眠らず、目が離せない状態になりベッドに拘束された。
Sさんのことも娘とはわからず、毎日黒い蝶や蜘蛛の幻視(幻覚)に苦しめられる姿を見て、手術をしたことを後悔した。しかしその気持ちは、他の人には理解されなかった。

やがて体が硬直して動けなくなり、表情もなくなった
おかしいと思い、薬を確認すると向精神薬(リスパダール)を処方されていた。
「すぐ中止してほしい」と伝えたが、看護師は「判断できない」と言い、医者と話す。
「せん妄がひどく精神科から処方された。この薬で良くなり、夜も落ち着いてきたので問題はない。夜間、看護師が付きっきりになるわけにはいかない。薬を止めてまた手が付けられなくなれば、あなたが毎晩付き添って下さい」
話し合いの末、リスパダールは止めてもらった。

「夜、変な薬を飲まされる。皆が自分を見張っている」とせん妄の母親が言っていたことを思い出す。
何も分からないような状態でも、医療スタッフの冷たい態度や体の変調から本能的に身の危険を感じ、自衛のために夜は寝ないと決めていたのではないかと今になって思い、聞き流したことを後悔する。

その後、病院スタッフからは、嫌な顔をされた。
しかし体の硬直は、しばらくすると緩和し、表情も戻って来た
せん妄も徐々に治まりつつある。

今回のことでレビー小体型認知症との合併を疑い、診察の希望を出したが、医師が正しく診断、治療してくれるのか、今は、疑問に思わずにはいられない。
病気を治すはずの医師が、病気を悪化させるというありえない事実が、腹立たしい
なぜこんなことが起こるのか。信じられない。
未然に防げなかった無力感、やり切れなさで一杯だ。

*「認知症を悪化させる薬の処方」(新聞記事から)
*薬の副作用で悪化した体験談:「加畑裕美子さんの場合」「うめのははさんの場合」「私(しば)の場合
「早期発見されず、治療で悪化するレビーに家族ができること」

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紫式部(ムラサキシキブ)

替え玉妄想について教えて下さい

石飛幸三著『「平穏死」のすすめ』を読んでいます。(関連記事
「口から食べられなくなった時どうするか」という問題について書かれているのですが、目からウロコが落ちるようなことがたくさん書かれています。良書です。
特別養護老人ホームの問題点も内部から詳細に書かれていて驚きます。
こうして問題を公にし、「ではどうすれば改善していくのか」と皆で知恵を絞り、試行錯誤していくということが本当に大切なのだと思います。

この本の中にレビー小体型認知症の方ではないかと思う例がありました。(関連記事→「レビー小体型認知症の幻視の種類と特徴」

この方は、娘のAさんが、2人いるという幻覚がある。(幻の娘をBさんとする。)
仕事に出ているという設定のBさんこそが、本物の娘と言い、執拗に電話を掛け続ける。
Aさんが、目の前でその電話に出ても、偽物が出たと激怒する。
本物の娘であるBさんが、仕事から帰るのを夜中まで延々と待っている。
家族が説得しようとしても「(Aさんは)別人だ」と言い張り、怒り出す。
Aさんが、対処方法として少し場を外して戻ってみると、Bさんが戻ったと思い「どこに行っていた」と怒鳴る。
翌日には「昨日は何時に帰宅した?家を空けてどこで何をしていた?」と詰問する。
まるで発作のようで、治まるまでには長い時間と苦しいやり取りが続く。
雨の日には、夕方からこんな状態になっている。

(『「平穏死」のすすめ』P.70〜71)

同じ外見の家族が複数いると信じる「カプグラ症候群(替え玉妄想)」は、レビーに多いと「第二の認知症」(小坂憲司著)に書かれています。(P.72)

母も、要支援2だった時、幻視の娘に向かって「あんた(本当の娘)から電話だよ」と言ったことがあります。
温厚だった母も、幻視から発展した妄想によって、発作のように激怒し、執拗に責め立て続けるということが、ずっと続きました。(薬物治療でも接し方でも治まりませんでした。)
私は医師ではないのでわかりませんが、これは他の認知症でも起こることでしょうか?

母に多いのは、替え玉妄想より「周囲の他人を家族や親戚だと信じる」妄想です。
(嫉妬妄想もずっと続いています。これもレビーに多いと「第二の認知症」にあります)
通りがかりの人を見間違え、「違うよ。あれは知らない人だよ」と言っても信じません。
特定の介護職員を姪だと信じていて、いつも姪の名前で呼びます。

錯視(見間違い)による妄想に「フレゴリの錯覚(フレゴリ症候群)」というものがあることをネットで知りましたが、母の妄想は同じものでしょうか?
これは、レビーに特に多い現象でしょうか?どの認知症にもよく起こることでしょうか?

替え玉妄想も含め、様々な認知症の介護家族・施設職員の方から教えて頂きたいです。
またこうした妄想への対応で上手くいった例がもしありましたら是非教えて下さい。
悩んでいる介護家族の方は、とても多いと思います。どうかよろしくお願いします。

<追記:雨の日(低気圧の時)に体調も精神状態も悪くなり幻視もひどくなることがレビーでは多いと聞いています。母もそうです。体調悪化は自律神経への影響だそうです>

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レビー小体型認知症介護家族の体験談(4・週刊朝日)

雑誌「週刊朝日」(2012年11月16日号)のレビー小体型認知症特集に掲載された記事から一部抜粋一部要約。(抜粋した文章は、ほぼ原文通り)

***********************************

若年レビー☆キラリ会」代表 金子節子さんの体験談 「おまじない」が家族をつなぐ

オシャレで優しい主人がレビー小体型認知症と診断されたのは、2年前。
膠原病を患っていて、健康には人一倍気を使っていたのですが。
最初に夫が見た幻視(幻覚)は、猫。その後、シーツのしわを「蛇だ!」、ソファにかけた服に「どこの子?早く家に帰りなさい」と言ったり。

最初に行った大学病院では「治らないよ」と言われて、本当に落ち込みました。

幻視や錯視以外に起きたのが替え玉妄想(カプグラ症候群)です。「君は、本物か?」と何度も私に聞くんです。
「なんで勝手に妻の服を着るんだ!」と、急にパンチが飛んで来ます。
でも翌日傷を見ると「大丈夫?」となでてくれる。
そして「僕こわれていっちゃうよ」と主人自身が深く落ち込む。
その姿を見て、つらい状態から「一緒に脱出しよう」と決めたんです。

幻視には、良いものもあり「光が落ちてくる。きれいだろ?」と言う時は、共感する。
虫や蛇の時は、確認して一緒に退治することにしたんです。(その方法を書いた記事

レビー小体型認知症は、相手の気持ちにチャンネルを合わせることで前進できる。
家族のオリジナルのケアを考えるといいと思うし、つらければ泣いたっていい。私もいっぱい泣きました。
私が行き詰まっていると、”一人で抱え込まないで”と主人が言ってくれます。
結婚するときから”互いを光らせ活かす最高の脇役になり合おう”と決めていたので頑張れるんだと思います、

   <自宅でもできる7つのケア>(同じページに掲載されたもの)
1. 幻視を受け止め、相手の世界を認める

 (注byしば:本人には”現実”なので否定されると深く傷つきストレスから悪化も)
2. 夜、枕元のライトを明るくする
 (注byしば:幻視は薄暗い所で特に現われやすい。睡眠中暴れるという症状も)
3. 部屋を片付け、床のシミをふく
 (注byしば:パーキンソン症状で転びやすい。床、天井、壁のシミは幻視に見える)
4. 壁の飾りを外す
 (注byしば:壁の色とのコントラストが大きくて目立つと幻視に見えやすい)
5. 玄関マットを外す(転倒防止)
6. 急に後ろから声をかけない(注byしば:驚いて振り返ろうとして転倒しやすい)
7. 寝る時は頭を高くし、食後は急に立ち上がらない。(注byしば:起立性低血圧で)

*カプグラ症候群の仕組みを解説する動画→こちらのリンク集に
*「若年レビー☆キラリ会」の様子は、「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」のブログに。
*「週刊朝日」のレビー小体型認知症特集。その他の記事は→(1)(2)(3)
*レビー介護家族の体験談→「うめのははさんの場合」「私の母の場合」
*このブログのカテゴリー→「レビー小体型認知症について」

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シクラメン(桜草科)

レビー小体型認知症 医師も見抜けず 3(週刊朝日)

雑誌「週刊朝日」(2012年11月16日号)の記事から抜粋。(1)(2)からの続き。

**************************************

  <大好評「ボケない」シリーズ第5弾 まだまだある認知症 レビー小体型 >

症状は、謎に満ち、多様だが、家族の対応でも症状が良くなったり悪化したりするという。
「人、動物、虫など様々な幻視がありますが、本人には、本当に見えているんです。初期にはいわゆる認知症の症状は目立たないことが多いので、介護者の対応が難しいのです」(小阪憲司医師)

幻視から妄想に発展し、「窓から人が見ている」と騒ぎ、警察を呼んでトラブルになる例も少なくない。
パートナーの姿や顔は同じなのに中身だけ入れ替わる「替え玉妄想」が起きることもある。

受け入れて寄り添うことだ大事だ。
「幻視であれば『どういう人?』『どういう動物で今、何してる?』と聞いてあげましょう暗がりでの幻視や錯視が多いので、寝るときにも室内や廊下をやや明るめにしておく工夫で症状が治まることがあります

筋肉のこわばりや歩行障害などの運動障害が出る場合も多いので、けがをしないための環境設定も大切だ。
部屋を片付け、電気コード類はまとめておくとよいでしょう。
良いときと悪いときの波が激しいのも症状の1つ。昨日はボーッとして、今日はしっかりしているということが起きるので、記録をつけて欲しい。
血圧機能に障害が出る自律神経症状も出るので、立ちくらみがしないよう急な動きを避けるなど、配慮も必要ですね」

発症してからの寿命は、アルツハイマー型に比べ短いという説もある。
だが小阪医師は、きっぱりと言う。
「私の視た70代の男性で、『家族が俺に内緒で人を集めて大変なことをしようとしている』など幻視と妄想が出た方がいましたが、早く見つけて正しい治療をしたら、3ヶ月で改善し、先日も一人で旅行に出掛けましたよ

希望はある。道は険しいが、諦めないことが肝心だ

(4)に続く。

 <このブログの関連記事>
*「小阪憲司医師によるレビー解説動画
*「レビー小体型認知症の幻視の種類と特徴
*「幻視はどう見えているのか(医師に訴えない幻視)
レビーの見つけ方(多様な初期症状)
様々な種類の認知症チェックリスト

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不如帰(ホトトギス)
今はもう盛りを過ぎました。

レビー小体型認知症 医師も見抜けず 2(週刊朝日)

雑誌「週刊朝日」(2012年11月16日号)の記事から抜粋。(1)からの続き。

**************************************

  <大好評「ボケない」シリーズ第5弾 まだまだある認知症 レビー小体型 >

レビー小体型認知症は、小阪憲司医師が、1976年に「認知症とパーキンソン病の症状の両方を示す」患者を病理解剖して世界で初めて発見した。

レビー小体(αシヌクレインというたんぱく質)が脳幹に現われればパーキンソン病、主に大脳皮質に現われればレビー小体型認知症。私は、80年代から両者をレビー小体病とまとめる考えを提唱していました」

(関連記事→「パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係」)

国際的なレビー小体型認知症の臨床診断基準ができたのは、’96年。(→臨床診断基準
レビー小体型認知症の発見者である小阪憲司医師の提唱が国際的に認められたのは2006年。

小阪氏によると、70歳前後で発症するタイプのレビー小体型認知症は、記憶障害を伴うことが多く、アルツハイマー型と混同されやすく、初期症状が多彩診断が難しいという。

(関連記事→「レビーの2つのタイプ」)

うつ病、統合失調症、老年期精神病とも間違えられやすい
短時間の診察では誤診されやすいようだ。

(関連記事→「誤診の多さ」「医師に幻視を訴えない」「なぜ認知症は誤診されるか(久山町の調査)」)

「医師が話をじっくり聞けない医療体制も問題。
幻視を『せん妄』と判断して抗精神病薬を出すと、この病気では薬に過敏反応する特徴があるため、過鎮静となったりパーキンソン症状が出ることがあります

(関連記事→薬の副作用で動けなくなった体験談
診断を誤ると、廃人状態を招いてしまう危険がある

「アルツハイマー型に処方できる認知症薬(アリセプト等)は、レビー小体型にとても効きますが、用量に配慮が必要
(関連記事→「アリセプトの使い方について」)
しかもレビー小体型に対しての処方は、まだ保険適用外なのです。

抑肝散(よくかんさん)という漢方は、幻視や妄想等を緩和します。
ただ薬の使い方次第で状態が変わるので病気の認識が急務です。」

*注意byしば:抑肝散も多過ぎると足のむくみや日中の眠気などの副作用が出ます。
レビーは、薬への過敏な反応(深刻な副作用も劇的改善も。)が症状の1つですが、個人差が非常に大きく、飲む前にどの程度の反応が出るかは分かりません。
小阪医師も次のように著書に書いています。
「医師から処方された薬でも悪化がみられたら速やかに報告・相談、場合によっては介護者の判断で服用を中断することも必要となる(「第二の認知症」P186)」

*この記事は(3)に続く。 全文は、週刊朝日を買ってお読み下さい。

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「第二の認知症 増えるレビー小体型認知症の今」(小阪憲司著)は、レビーを知るための必読本です。(→アマゾン

レビー小体型認知症に関する番組紹介ブログ

2012年11月13日の「NHK生活情報ブログ」にレビー小体型認知症に関する番組の記事があります。
脳内に蓄積するレビー小体や患者ご本人の写真など14枚の写真も掲載。

   →こちら。(「第二の認知症 正しい理解を」)

以下、この記事から一部を抜粋します。(青字部分)

男性(患者本人)は、(幻視に悩まされた)当時の心境について
「目が覚めると、部屋いっぱいに人がずらっと並んで睨み付けているような形で、それが長時間になると、精神的にもまいってくる。
なんとも言えない恐怖だった」と語っています。

レビー小体は脳内に出るため、診断を受けている段階で画像検査などで確認するのは難しいということです。

また、一般の人だけではなく、医療や介護に携わる人たちの間でも、十分に理解が進んでいません

さまざまな症状が出るうえに初期の段階では、記憶障害の症状があまりみられないため、別の病気と誤って診断されるケースも少なくありません。

さらに、薬が効き過ぎるなどの副作用が出やすいため、薬の量などが合わずに、体調が悪化するケースもあり、誤診によって処方された、別の病気の薬が体調悪化を招くということも起きています。

<このブログの関連記事>
*「レビー小体型認知症の幻視の種類と特徴
*「幻視はどう見えているのか(医師に訴えない幻視)

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「NHK生活情報ブログ」に掲載された写真

飲み込み困難を早期発見しリハビリを(朝日新聞)

2012年11月8日朝日新聞の記事から(以下、青字部分)。

 <嚥下(えんげ)障害 「むせ」や声の変化…兆候に注意>(チェックリストあり)

高齢になったり脳の病気になったりすると、ものをのみ込む「嚥下(えんげ)」の力が弱くなることがあります。怖いのは、ものが間違って肺に入り、肺炎が起きること。障害をなるべく早く見抜き、嚥下力を鍛えることが大事です。

食事や唾液(だえき)をのみ込むときには、のどの組織や筋肉が気管をふさぎながら、ものを食道に押し込む。
これらの動きが悪くなるのが嚥下障害で、栄養不足や、肺に食べ物や唾液などが入って起きる「誤嚥(ごえん)性肺炎」の原因になる。
 *続きは→朝日新聞apitalを。

 <この記事で紹介された役立つサイト>

   *藤島式嚥下体操のやり方(イラストで詳しく図解)
   (「浜松市リハビリテーション病院」公式サイト)

   *嚥下リハビリを相談できる全国の医療機関一覧
   (「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会」公式サイト)

   *胃ろう(PEG)に関する10の質問と回答(夫々に動画付き)
   (「PEGドクターズネットワーク」公式サイト。胃ろうに賛成する医師達の意見)

     Q1 PEG(胃ろう)ってなんですか?
     Q2 ご飯は口からも食べられますか?
     Q3 お風呂には入れますか?
     Q4 リハビリやスポーツに支障はありませんか?
     Q5 栄養摂取にどれくらい時間がかかりますか?
     Q6 交換は必要ですか?
     Q7 在宅介護はできますか?
     Q8 元気になったら元に戻せますか?
     Q9 床ずれが改善するといわれますか?
     Q10 栄養剤の調剤は面倒ですか?

*このブログ内のカテゴリ:「胃ろう・嚥下障害」
(胃ろうに関しては、賛成意見・反対意見、両方の情報を掲載しています。)

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アメリカ梯梧 (アメリカデイゴ)。別名:海紅豆(カイコウズ)
沖縄のデイゴとは、全然違う花です。
夏の花のはずなのに、なぜかまだ咲いている・・。
今年は、花の時期がかなり狂っています。

介護施設の種類・費用・選び方(月刊誌から)

*「月刊日経マネー」特集セレクト(丁寧でわかりやすい記事です。)
「知っておきたい介護施設の選び方 介護のお金の仕組み」→日本経済新聞公式サイト

<ここからは、私(しば)の思うことです。>
先日、ある人と話しました。
60代半ばのその方と70代の御主人は、大の甘い物好きで運動は大嫌い。
医師から夫婦で減量を勧められていますが、生活習慣を変える気は、ありません。
「だってコレ(お菓子)楽しみに生きてるんだから〜。止められないわよ」
「もし病気や認知症になって介護が必要になったらどうするんですか?」
「大丈夫!その時は老人ホームに入れるから。お父さんにもそう言い聞かせてあるの」

彼女は、特別養護老人ホームに入れずに入居を待っている人が、どの施設にも何百人もいるということを知りませんでした。(都市部ではどこでもそうだと聞いています。)

介護度が重くなれば即座に入れると思っている人も少なくありませんが、要介護5でも簡単には入れないのが現状です。今後、ますます厳しくなっていくと思います。

過去にも何度か書きましたが、介護施設は、まだ全く必要性を感じていない内からよく調べ、見学に行き、選び、予約申し込みしておくことが大事だと思います。

自宅介護ができなくなる日は、突然来ます。
*症状が一気に変わり、介護者が夜眠ることもできなくなる。*介護者が、過労や心労で倒れて入院したり、介護うつ病になる。*介護者自身も認知症や深刻な病気だとわかる。
その日になってから慌てて施設を探し始めますか?
私は、そうでした。
夜、ほとんど眠れない状態で、昼間は死に物狂いで施設を探して回りました。

「心身共限界。でも自宅で介護したい。施設になど入れたくない」という人もいます。
もちろん気持ちはよくわかりますが、決意して選択するしかないと思います。
自分も助かりたい、親にも私がするのと同じ最高の介護をしたい、その両方を取るのは(普通の経済状況の人には)無理です。

夢のような施設は、どこにもありません。家族に代わる人はいません。
その現実は、どんなに辛くても受け入れなければいけません。
でも施設の足りない部分は、家族が補うことができます。
近ければ、毎日通って、笑顔と愛情を届けることができるかもしれません。

最近、家族会の方から聞いて知った「逆ショートステイ」という方法もあります。
仕事のある平日は施設で看てもらい、週末は自宅で家族水入らずで過ごす方法です。
平日に数日間の休暇を取って、一緒に車いすで旅行に行くことだってできます。

100%かゼロかではありません。
工夫すれば、色々な道が開けてきます。
困った時は、とにかくなるべく沢山の手(兄弟や親戚、有料ヘルパー等)を借りて、早めになるべく沢山の人(ケアマネ、家族会、相談機関、施設等)に相談すれば、必ず何とかなります。

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権萃(ゴンズイ)。別名「狐の茶袋」「黒臭木(クロクサギ)」だそうです。



介護する人のための手帳(2)

9月にご紹介した介護手帳「ケアダイアリー」(→記事)が、紀伊國屋書店に置かれました。実用的で大変役立つものです。実物を手に取って見てみて下さい。

新宿本店5階で開催中の医療系手帳展にもあります。(公式サイト)
紀伊國屋書店の札幌本店、新宿本店、新宿南店、国分寺店、北千住マルイ店、玉川高島屋店、横浜店、さいたま新都心店、流山おおたかの森店、福井店、梅田本店、広島店、長崎店、福岡本店にもあるそうです。(他の店舗でも注文可。)

この手帳を企画販売されている浅井郁子さんは、前頭側頭葉型認知症(ピック病)のお父様を介護されるために1度お仕事を辞められた方です。
以前、このブログにとても貴重な介護体験談(→記事)を提供して下さいました。

浅井さんは、ケアダイアリー公式サイトに介護についてのエッセイを書かれていますが、こちらも面白いです。
少しだけ抜粋します。(青字部分)
人間が正常な状態の時は実は仮面をつけているのだと認知症になった父を見て思う。
●認知症介護の世界はコメディ要素が多い。
●これほどコミュニケーションをとろうと努力する世界は、ほんとのところあまりない。

認知症介護で日常的に起こる大小様々な「騒動」は、アップで見ると(主観で見ると)「大変」でしかありませんが、遠くから見ると(右往左往する自分も含めて)コメディだと私も強く思います。
客観的に見ることができれば、「騒動」に飲み込まれず、心の余裕を失いにくくなります。
心の余裕があれば、深く豊かな人間関係を築くことができ、介護は、幸せに満たされる経験になり得ます。(この点は、育児とまったく同じです。)
そのためにも書く(記録する)ということは、とても大きな効果があると思います。

*このブログのカテゴリ「ピック病について

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B6(B5の半分。12.8×18.2cm)、厚さ9mm、200g。持ち歩きにも便利です。
ビニールカバー付き。白い帯は外せます。
(ちょっと曲がってしまいました。すみません。)

レビー小体型認知症 医師も見抜けず 1(週刊朝日)

雑誌「週刊朝日」(2012年11月16日号)の記事を公式サイトからネット上で公開されている全文を転記(青字)。

『医師がわからない病気なんてありえない』と私たち介護家族は、みな思っていた。
けれども最初からレビー小体型認知症と正しく診断された人を私は、一人も知らない。
パーキンソン病、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、うつ病等と診断されることが多く、統合失調症と診断された人もいる。

小阪憲司著「第二の認知症」P.206にも書かれている。
「全国に少なくとも64万人以上いると推計されるレビー患者の圧倒的多数は、そうと診断されずにいる人たちである。いうまでもなくその理由は、この病気を知らない医師がまだ多いからだ。」

************************************

    <「ないものがリアルに見える」認知症 医師も見抜けず >

増え続ける認知症。なかでも3大認知症のひとつ、レビー小体型認知症の罹患者数の勢いが止まらない。
症状が多彩なうえ、正しい診断がつきにくく、治療法も多岐にわたる、医師にとっても患者にとっても「難しい」認知症だ。

「みんなに昼ごはんを出さないの? 部下が8人も来てるじゃない」
都内在住の加畑裕美子さん(当時52)は、10年前、同居する80代の父親の言葉に愕然とした。父親の部屋をのぞくと、椅子や段ボールなどが8つ、テレビの前に並べてある。しかし、人の姿はどこにもない…。

これがレビー小体型認知症の主な症状、「ないものが見える」幻視だ。(関連記事

裕美子さんはかかりつけ医に相談し、大病院の神経内科に連れていった。診断結果は脳血管性の認知症。血流をよくする薬を飲んだが、夜になると塀を乗り越えたり、鳥に餌をやると言ってティッシュをまいたりと、奇行は止まらない。

同じ病院で、今度はパーキンソン病だと言われた。だが処方された薬を飲むと、ヨダレを垂らし、動けなくなる廃人状態に。不安と過労の中、ケアマネジャーの紹介で都内の神経内科クリニックに行って、ようやく病名がわかったのだ。

「それレビーだね、と父の歩く姿を見てすぐに医師が言ったんです。最初の症状から2年も経っていました」

なぜ医師が見抜けない状況が起きるのか。

「古い学説がまかり通っているのが問題なんです」。
レビー小体型認知症の発見者であるメディカルケアコート・クリニック(横浜市)の小阪憲司院長はそう指摘する。
「レビー小体型認知症に現れるレビー小体(αシヌクレインというたんぱく質)は、100年も前にドイツのレビー教授がパーキンソン病の患者の脳幹で見つけたもの。でも脳幹に現れても大脳皮質には現れないと60年以上も考えられてきたのです」


(2)に続きます。とても良い記事ですので是非買ってお読み下さい。

<関連記事>
「加畑さんの講演資料」 「様々な認知症・早期発見のための知識とチェックリスト」 「レビー小体型認知症とパーキンソン病の関係」 「レビー特有の幻視の種類と特徴」 「解説動画」 「レビー初期症状」 「介護体験談」「レビーの症状と誤診の多さ」

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11月の芙蓉(フヨウ)

若年認知症 ある夫婦の記録(2)(Eテレ)

(1)からの続き。NHKの「ハートネットTV」の放送から(→公式サイト

4年前、京子さんは、がんを患い、手術をしたが再発。痛みも強くなり、夫婦の強い希望だった自宅介護を諦めざるをえなくなった。
康雄さんは、グループホームに。進行し、言葉による意思疎通が難しくなっている。

京子さんは、自ら病気になって「病気を隠さず周囲の人に支えられて生きること」が本当に大切なのだと初めて気付いたと語る。

妻として夫に何ができるのか、常に施設のスタッフと話し合い、考え続けている。
初めて、夫婦で施設のお風呂に入ることにした。(京子さんは着衣。介護職員が付く)
夫婦2人で同じ湯船にゆっくり浸かる。穏やかな表情の康雄さん。
「私ね、こんな日が来ると思ってなかった・・。良かった・・」と涙を流す京子さん。

京子さんは、夫の介護ができなくなったことで自分を責めていた。
今は、施設職員のサポートを受けて、夫婦の穏やかな時間を取り戻せたという。
自宅で介護していた頃には、そんな余裕はなかったと。

妻「本当に人に助けてもらって、自分が、介護者が病気でも夫婦で居られる時間もとれる。出来ないことはあるけど、でもできることはまだまだある。それは主人もある。夫婦としてもあると思うんですよね。
進行した主人を見るのは、こみ上げるものはあるけど、でも初期の頃に闘ってたイライラとか ”もう一人にして!頼むから!”っていうことはなくなって、夫婦で穏やかな時間が持てるようになる」

京子さんは、孤立しがちな若年認知症の人と家族の力になりたいと考え、2年前から講演活動をしている。去年、地元の日野市内に若年認知症の家族会を作った(連絡先)。市民向けの映画(「明日の記憶」)上映会の開催にも奔走した。

家族会の集まり(食事会)に出た康雄さんは、とても穏やかで、珍しく言葉も出た。
会員「輪が広がって心強いです。(ご夫婦を見ると)励みになるし(将来が)怖くない」

京子さん自身も他の介護仲間たち(自ら闘病しながら介護)に励まされると語る。
介護仲間「介護する方が元気でなくちゃだめ。子供には面倒みさせられない。主人が頑張っている間は、私も頑張りたい。1日でも長く生きるのよ!」

妻「(長生きはできないかも知れない)でも年数だけじゃないので、一生懸命生きることですね。・・幸せですよね。隠さないでいられて・・。皆さんが気にして心配して下さって・・。今、主人がしゃべれたら・・何て言うでしょうね」

*映画「明日の記憶」動画→YouTube 原作本書評→アマゾン

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若年認知症 ある夫婦の記録(1)(Eテレ)

2012年11月7日のEテレ「ハートネットTV」は深く心に残りました。(→公式サイト
以下、番組の内容をまとめました。(省略した部分もあります。)

 < 隠したって何もないもん > ―若年認知症 ある夫婦の記録―

仙波康雄さん(57才)は、49才の時、若年性アルツハイマー型認知症と診断された。

妻「8年経ちますが、こんなにして夫婦で外に出て、ロック(コンサート)やこんな素晴らしい仲間とひとときを過ごすことができます。初期の若年認知症の方、将来が不安でしょうが、そんなことないですよ!8年経ってもこんなふうにしていられます。大丈夫です!」

妻の京子さんは、高校生の頃から付き合っていた同級生。
康雄さんは、49才の時、仕事のミスが目立つようになり、病気に気付いた。

診断当初は、夫婦共、周囲に病気を打ち明けられずにいた。
康雄さんは、仕事を辞め、家にこもりがちになっていた。
2年後、自宅のトイレの場所がわからない等、日常生活に支障が出始めた。
その頃の康雄さんが、思い詰めた表情で語る。
「(診断されて)もう終わりだなと思いました。・・やっぱ辛いですよね・・。・・なんかかんか言われるし・・ものすごくね・・嫌だったね・・」

しかし夫婦は、病気を隠さずに生きようと決める。
妻「嫌な思いもするかもしれない。だけど、だからって隠しているよりは、もう何十倍もしゃべった方がいい。本人にもいいし、私にもいいし。誰かれ構わずしゃべるって意味じゃなくて、隠さない方がいい。ね?」
夫「うん。隠したって何もないもん」

回りに打ち明けると多くの人が支えてくれるようになった。
高校の同級生たちが、家に集った。
友人「嫌なことも良いことも忘れて構わない。思い出をどんどん、消えた分だけ作って行けば、この先もきっともっと楽しい人生を送れるんじゃないかなって・・」

(2)に続く。

  <このブログの関連記事>
「若年認知症の方の抱える問題」
「認知症本人のための交流サイト」
「脳の病気、障害への偏見と差別」(幻視)
*2012年9月に朝日新聞の「認知症のわたし」シリーズやクリスティーン・ブライデンさんの記事などを書いています。→こちら。

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「ハートネットTV」の公式サイトから。康雄さんと京子さん。

認知症と生きる人のためのサイト

認知症という病と共に生きる方(ご本人)のための新しいサイトが、できたそうです。
掲示板(ご本人用/それ以外の方用)、最新医療情報(工事中)などのコーナー有り。
介護家族用サイトは多々ありますが、当事者のためのサイトは、初めて見ました。
画期的だと思います。
以下、青字部分は、このサイトからのコピーです。

***********************************

    「3つの会@web」(←クリック)
       「つたえる」「つくる」「つながる」を通して
           「認知症と生きる時間」をかけがえのないものに!

3つの会@webは、「3つの会」による活動のひとつです。

3つの会は、認知症と生きる人による、認知症と生きる人のための会として生まれました。

認知症と生きるわたしたちは、生きづらさも、暮らしも人それぞれです。

診断されたばかりの人。認知症とつきあいながら暮らしをつくってきた人。
認知症とともに今を生きる人たちは、たくさんいるはず。

みんなが声や経験をつたえあって一人ひとりの暮らしをつくっていこう。
そして、ゆるやかにつながりながら社会へ声を発信しよう。

そう考えたわたしたちは「つたえる」「つくる」「つながる」という3つのキーワードの頭文字をとって「3つの会」(つまり「つ」が3つ)をつくりました。

わたしたちは、「認知症」を理由にあきらめない。何かを強制されることもない。
イベントやwebサイトなどを通して意見交換・意見発信をしたり、さまざまな支援のかたちをつくりながら自分がしたいことを実現させていく。それが、3つの会の活動です。

3つの会は、NPO法人 認知症当事者の会のサポートを得て事務局を運営しています。


<若年(性)認知症に関する情報(関東地区)>
*若年認知症家族会「彩星(ほし)の会」ホームページ
*認知症フレンドシップクラブ柏事務局から若年性認知症の情報
*千葉県柏市の若年認知症家族会「アルパの会」
*東京都世田谷区の若年レビー小体型認知症の会「若年レビー☆キラリ会」
上記以外にも全国にあると思います。検索で調べてみて下さい。

若年性レビー小体型認知症ご本人の体験談集(3人)

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ランタナ

「正常」と「異常」の間(幻視)

レビー小体型認知症患者には、幻視(幻覚)と本物は、全く見分けがつかないという。
消えて初めて幻視とわかったり、こんな所にこんなものが居る訳がないから幻視だろうと考えたり、周囲の人の反応を観察してわかると患者本人から聞いた。→(体験談)

病気の進行と共にその幻視に対応して行動したり(「妄想」と呼ばれることが多い。)、混乱したりして(錯乱状態などと言われる。)、本人も家族も悩むことが増えていく。→(体験談)

しかし「そうした行動を”妄想”(症状)と呼べるのか。正常な反応ではないか」とレビー小体型認知症のフォーラムで尾崎純郎氏(レビー小体型認知症家族を支える会顧問・日本老年行動科学学会常任理事・レビー関係者必読本「第二の認知症」の執筆協力者)が言われた。
「誰でも自分の家に知らない男が侵入して来れば、当然警察を呼ぶと思う」と。

それは、私たちに最も必要な(しかしよく忘れられる)視点ではないかと思った。

「病気、BPSD、異常、頭が変」と決めつけられ、向精神薬を処方され、副作用で劇的に悪化する例が後を絶たない。→(体験談。非常に多くの介護家族から同様の話を聞く)
周囲が声高に否定し、叱責したり、見下したりすれば、本人もストレスから更に悪化する。
(自分を脅かすものの存在自体を信じてもらえず、自分が家族や人から「異常者」としか見られないやり切れなさ、悲しみ、苦しみを想像してみよう。)

困難があっても、周囲が、普通の人だと思って普通に接すれば、普通の人として穏やかに暮らしていける道もあるだろう。容易ではないにしても。

「最強のふたり」という仏映画の中で、介護者として雇われた若者には、身体障害を持つ雇い主への同情がかけらもない。
自分より劣った者(可哀想な人)という意識がなく、対等な存在として見ている。
その時、障害は、障壁にならない。2人は、深い友情を築くことができる。
それは、脳の病気(認知症、うつ病、統合失調症など)や障害でも同じだろう。

「みんな私のことを妄想があるというが、正常だといわれている人だって同じようなものだ。仕事の休憩時間の雑談で、みんなが芸能人のゴシップ記事を、実際に起きていることかのように喜んで話している。それこそ妄想ではないか」という統合失調症患者の言葉を大野裕氏が紹介していた。(2012年11月2日の日本経済新聞夕刊「こころの健康学」)

「異常」と「正常」の間は、深い海で隔てられているわけではない。
それは陸続きで、見た目もあまり変わらない。境界線などどこにもない。
違うのは、ただそこに偏見と差別が満ちあふれているか、いないかだけ。

<関連記事>
*クリスティーン・ブライデンさんの書く「認知症への偏見」→こちら
*認知症や障害を受け入れること→こちら
認知症という言葉

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百日草(ジニア)
同じ茎から出ているように見えたので、金子みすずの「みんなちがって、みんないい」みたいな花だなと思いました。
よく観察したら2種類の百日章を1つに束ねてありました。

両親のこと

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レビー小体型認知症のシンポジウム(NHKニュース)

2012年11月4日NHK朝のニュースでレビー小体型認知症のシンポジウムを報道。
動画は→「NHK NEWSWEB」
以下、青字部分は、上記公式サイトから全文引用。


   < レビー小体型認知症の理解を >

「レビー小体型認知症」は、脳に「レビー小体」と呼ばれるタンパク質などがたまることで起きるもので、認知症全体のおよそ2割に上り、アルツハイマー型に次いで多いとされています。

シンポジウムでは横浜市立大学医学部の小阪憲司名誉教授が講演し、「レビー小体型認知症」の特徴は、実際には存在しない人や物が見える「幻視」や、歩行が小刻みになったり手足が震えたりする「運動障害」などが出ることだと説明しました。

そのうえで「現状では特徴がよく知られていないため、ほかの病気と誤診されるケースがたびたびある」と述べました。

また、医師や患者などによる意見交換が行われ、このうち、去年、レビー小体型認知症と診断された79歳の男性は「この病気の症状を多く体験し、本当に悩まされた1年でした」と話したうえで、治療によって幻視がほとんどなくなったことなどを紹介し、適切な治療を受けさせてくれた家族と医師に感謝の言葉を述べていました。

講演した小阪名誉教授は「特徴を知っていれば診断もしやすい病気なので、患者の家族だけでなく、医療や介護に携わる人も正しい知識を持つことが大切だ」と話しています。


追記byしば:小阪憲司氏は、レビー小体型認知症の発見者で現役の医師です。
著書は→こちら(アマゾン)。トップから3冊はレビー関係者の必読本です。
小阪氏が解説するレビー小体型認知症の動画は→こちら。

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(出典:NHK NEWSWEB)

レビー小体型認知症の特徴と問題点(レビー小体型認知症のフォーラムの資料から・3)

2012年10月30日に行われたレビー小体型認知症がテーマのフォーラム(主催「日本認知症コミュニケーション協議会(JADECC)」。公式サイト)の配布資料から。

講演された「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国6カ所にある患者家族会)代表の加畑裕美子さん作成の資料です。


 < 家族が考えるレビー小体型認知症 >

*軽いうつ状態から始まります。
*認知機能が低下するというより、集中力や注意力がダウン
睡眠中に大声を発したり、動き回ったりします。
*睡眠時の無呼吸がみられます。
見えるはずのないものが、3D映像のようにはっきりと見えたり、それに従って行動
 することが増えて、周囲の人からコンタクトを拒否するせん妄状態になったり、不安
 を訴えることが多くあります。

 < 身体的な特徴 >

*立ち姿は、両手を少し前のほうにおいた状態です。
*腕を支えて少し動かすと、歯車のような抵抗を感じます。
すくみ足・小刻み歩行などがみられます。
*なんとなく、またはひどく体が傾きます。
急に倒れることもあります。
起立性低血圧もみられます。
*急な意識消失もあり、しばらくすると回復します。
多汗・多涎・微熱・こもり熱(レビー熱といってます)がみられます。
*体がリラックスしている状態のとき、ペンを持っているような手つきをしていることが
 あります。(「ペンの手」と呼んでいます。)
SH3G0010 (3)

以上のような症状が日内変動でみられます。
これらの症状は、どの順番で現われるかは、人それぞれでわかりません。

しかし忘れてはいけないのは「本人はしっかり状況をわかっている」ということです。
もしろん既往症や身体状況により一概には決めつけられませんが、レビーの方は、どんなときも「考えている」と思います。

レビーという病気について学ぼうとする気持ちと一緒に、ご本人の意志をしっかりキャッチしようとする気持ちを忘れないでほしいのです。家族や支える人々の大きな仕事の1つだと感じています。

早期診断ができるようになったレビー小体型認知症。
ところが、その診断後のフォローがなかなかされていないのが現状です。

運がよければ、良い医師に出会い、介護支援にも恵まれ、早期から環境整備されて、ご本人も家族も穏やかに過ごすことができ、ちょっと外れてしまうと、父と私が苦しんだ10年も目の状態となんら変わりない状況が繰り返されています。

病院も同じです。レビーを理解する医師がいても病棟にレビーを理解する人々がいるわけではありません。入院するたびにご本人も苦しみ、家族も落胆させられます。

あきらめるのではなく、一人でも多く、レビーを正しく知ってくれる人を増やしたい。
そして、今、現役介護家族、一人ひとりがその思いを伝え広げていっています。

*加畑さんの資料(1)(2)も必ずお読み下さい。
*追記byしば:立ち姿は、スキーヤーのようでもあります。足を開いて膝も腰も曲がったままヨチヨチと歩きます。これは2009年3月(当時70才)の母の立ち姿です。急激な異変(要支援2→要介護4)が起こる12ヶ月前でした。
P1000167_2.jpg

<関連記事>
*「人・動物・虫だけではないレビー小体型認知症の幻視の種類と特徴
*「レビー小体型認知症の特集記事シリーズ(朝日新聞。2013年1月)
*「医師に幻視を訴えないため誤診されることの多いレビー小体型認知症

レビー小体型認知症の特徴と問題点(レビー小体型認知症のフォーラムの資料から・3)

2012年10月30日に行われたレビー小体型認知症がテーマのフォーラム(主催「日本認知症コミュニケーション協議会(JADECC)」。公式サイト)の配布資料から。

講演された「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国6カ所にある患者家族会)代表の加畑裕美子さん作成の資料です。


 < 家族が考えるレビー小体型認知症 >

*軽いうつ状態から始まります。
*認知機能が低下するというより、集中力や注意力がダウン
睡眠中に大声を発したり、動き回ったりします。
*睡眠時の無呼吸がみられます。
見えるはずのないものが、3D映像のようにはっきりと見えたり、それに従って行動
 することが増えて、周囲の人からコンタクトを拒否するせん妄状態になったり、不安
 を訴えることが多くあります。

 < 身体的な特徴 >

*立ち姿は、両手を少し前のほうにおいた状態です。
*腕を支えて少し動かすと、歯車のような抵抗を感じます。
すくみ足・小刻み歩行などがみられます。
*なんとなく、またはひどく体が傾きます。
急に倒れることもあります。
起立性低血圧もみられます。
*急な意識消失もあり、しばらくすると回復します。
多汗・多涎・微熱・こもり熱(レビー熱といってます)がみられます。
*体がリラックスしている状態のとき、ペンを持っているような手つきをしていることが
 あります。(「ペンの手」と呼んでいます。)
SH3G0010 (3)

以上のような症状が日内変動でみられます。
これらの症状は、どの順番で現われるかは、人それぞれでわかりません

しかし忘れてはいけないのは「本人はしっかり状況をわかっている」ということです。
もしろん既往症や身体状況により一概には決めつけられませんが、レビーの方は、どんなときも「考えている」と思います。

レビーという病気について学ぼうとする気持ちと一緒に、ご本人の意志をしっかりキャッチしようとする気持ちを忘れないでほしいのです。家族や支える人々の大きな仕事の1つだと感じています。

早期診断ができるようになったレビー小体型認知症。
ところが、その診断後のフォローがなかなかされていないのが現状です。

運がよければ、良い医師に出会い、介護支援にも恵まれ、早期から環境整備されて、ご本人も家族も穏やかに過ごすことができ、ちょっと外れてしまうと、父と私が苦しんだ10年も目の状態となんら変わりない状況が繰り返されています。

病院も同じです。レビーを理解する医師がいても病棟にレビーを理解する人々がいるわけではありません。入院するたびにご本人も苦しみ、家族も落胆させられます。

あきらめるのではなく、一人でも多く、レビーを正しく知ってくれる人を増やしたい。
そして、今、現役介護家族、一人ひとりがその思いを伝え広げていっています。

*加畑さんの資料(1)(2)も必ずお読み下さい。
*追記byしば:立ち姿は、スキーヤーのようでもあります。足を開いて膝も腰も曲がったままヨチヨチと歩きます。これは2009年3月(当時70才)の母の立ち姿です。急激な異変(要支援2→要介護4)が起こる12ヶ月前でした。
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<関連記事>
処方された向精神薬で悪化したレビー患者家族の語る体験談(リンクも含めると多数)
*「人・動物・虫だけではないレビー小体型認知症の幻視の種類と特徴
*「レビー小体型認知症の特集記事シリーズ(朝日新聞。2013年1月)
*「医師に幻視を訴えないため誤診されることの多いレビー小体型認知症

介護家族が語るレビー介護のポイント(レビー小体型認知症のフォーラムの資料から・2)

2012年10月30日に行われたレビー小体型認知症がテーマのフォーラム(主催「日本認知症コミュニケーション協議会(JADECC)」。公式サイト)の配布資料から。

講演された「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国6カ所にある患者家族会)代表の加畑裕美子さん作成の資料です。

一番身近にいる介護家族だからこそわかる接し方のコツが並んでいます。
アルツハイマー型の方と同じケアでは上手くいきません。
医療・介護・福祉関係者、その他すべての方に知っていて頂きたい重要情報です。


    <私たちが伝えたいこと>

*レビーは、決して恐ろしく難しい認知症ではありません。

*わからないように見えても聞こえています。理解しています。

*3秒ではなく30秒、もっと待って下さい。

*せん妄の中にいても、その人を知っていれば、ほんの少しの声かけで、こちらの世界に
 戻ってくることもできます。マニュアルに頼らないでください。

*「眠いのね」で片付けないでください。
 眠りたいわけではないのに、目が閉じてしまいます。
 意識が瞬間的に飛んでしまうこともあります。
 でも起きています。聞こえています。

*病気としての症状と対処を知ってください。(主な症状初期症状など

*大勢で声をかけないでください。一人の人がゆっくり説明してください。

*理解したら混乱はしません。抵抗も出ません。検査もきちんと受けられます。

*多くの人が、基本的に穏やかで真面目な性格、飄々とした性格、ウィットに富んだ性格
 の持ち主です。

*「レビー小体型認知症の進行は早い、予後が悪い」と簡単に言わないでください。
 私たちは、「今」を大切に生きています。


(3)に続く。
●フォーラム資料(1)「レビー小体型認知症介護家族がしなくてはいけないこと」
 →記事はこちらを。
●上記の実例:私の母の日常(1)急激な悪化(2)特徴的な症状(3)幻視など
●レビー小体型認知症の多様な幻視の種類と特徴→こちら。
●各種認知症の詳しい症状→こちらを。

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不如帰(ホトトギス)

レビー小体型認知症のフォーラムの資料から(1)

2012年10月30日に行われたレビー小体型認知症がテーマのフォーラム(主催「日本認知症コミュニケーション協議会(JADECC)」。公式サイト)の配布資料から。

講演された「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国6カ所にある患者家族会)代表の加畑裕美子さん作成の資料です。(加畑さんは、レビー小体型認知症のお父様とアルツハイマーのお母様を介護されていました。)

私もこの会から常に的確なアドバイスを頂けたからこそ何とかやってこられました。
会発行の「ゆるりん通信」(この名前からは想像できない深い専門知識から体験談まで広く網羅した本当に内容の濃い会報)は、どれほど役立ち、勇気付けられたかわかりません。
レビー介護家族には、必読の会報です。

******************************
加畑裕美子さん作成

  < レビー家族の挑戦 >

1)レビーを知ってもらうために
  1.「第二の認知症
  2.「レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック
  3.「ゆるりん通信」(家族の声の発信)
  この3つをケアマネさんや施設の職員の方に渡して、理解して頂く。

2)薬の調整
  誰もが同じようにできることではないけれど、理解をし、一緒に考えてくれる医師と
  ともにご本人に合った調整を。また疑問は、必ず医師や薬剤師に尋ねる。

3)ADL(日常生活動作)を保つために
  生活の中での運動が基本。
  ホリスティックに、鍼(はり)、マッサージ、アロマ、旅行、デイサービスの上手な
  利用など、様々な努力。

4)「今」を大切にするために
  笑顔。作れなかったら口角を上げる。
  仲間をさがそう。

(2)(3)に続く。

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秋明菊(シュウメイギク)

若年認知症のブライデンさんの講演

「医療介護ニュース」に掲載された記事を全文引用しました。(青字部分)
*2012年10月28日のブライデンさん来日記念講演会関連記事NHK動画


   認知症当事者の声、訴え続ける- 豪ブライデン夫妻が講演

認知症の当事者運動を続けるクリスティーン・ブライデン氏が30日、東京都内で講演し、豪政府の要職にあった1995年に46歳でアルツハイマー病と告知されてから、「患者ではなく、1人の人間として」生きられるよう活動してきた歴史や、現在の生活を語った。
診断の後に結婚した夫のポール・ブライデン氏も同席し、残された能力を最大限に引き出す存在としての「enabler(イネイブラー)」の役割を紹介した。

クリスティーン氏は告知された当時、3人の娘を育てるシングルマザーで、豪政府科学技術顧問だった。
「認知症協会に電話しても、『家族に対する支援はあるが、本人向けにはない』と言われてショックだったし、腹立たしかった」とクリスティーン氏。
その後早期退職し、手記を出版したり、アルツハイマー病の国際会議で講演したりするなど、「当事者の声を聴かずして私たちのことを決めないで」と発信してきた。

認知症の症状が進んだ現在を「記憶は人生に物語を与えてくれるものだが、それが消えてしまう」と表し、ポール氏が日々の記憶を補うことで「過去、今、未来をつないでくれている」と語る。日常生活の中で「選ぶ」という行為も「選択肢を覚えることができず、かなりストレスがある」と言うが、ポール氏が彼女の状況に合わせ、2つに絞ってくれたり、時には1つに決めたりしてくれるため、ストレスを減らすことができているという。
このような生活を「認知症という音楽に合わせて、2人でダンスしているイメージ」と話し、「だんだんと不協和音になっても、音楽に合わせて踊りたい」と語った。
 
以前は、「ケアパートナー」としていた介護者のことを、最近は好んで「enabler」という造語を使っているという。
ポール氏は、「その人ができることを、その人のできる最大限の力でできるようにする」という言葉に込めた意味を紹介し、「できないことではなく、できることに注目してほしい」と語った。
講演は東和薬品が主催。国立長寿医療研究センターの遠藤英俊・内科総合診療部長がコーディネーターを務めた。【大島迪子】

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若年認知症のクリスティーンさんと夫のポールさん
「医療介護ニュース」に掲載された写真)

レビー小体型認知症のフォーラムから

2012年10月30日にレビー小体型認知症のフォーラム(詳細)に行って来ました。
とても内容の濃い充実したフォーラムでした。
(家族会の方々ともお会いできたのですが、それについては次回の記事で。)

そこで聞いてメモしたこと(知らなかったこと。まだこのブログに書いていなかったこと。再び書いた方が良いと思ったことなど)を箇条書きで記録しておきます。


*入院すると薬を変えられる。→レビー小体型認知症患者は、副作用で悪化しやすい。
(追記byしば:向精神薬を投与され体が動かなくなるという経験を頻繁に聞きます。)

*レビーは、記憶力よりも注意力が低下する。→転倒のリスクが高い。
(追記byしば:物忘れがアルツハイマー型とは異なります。転倒骨折は悪化の原因に)

*若年(性)認知症患者を対象にしたデイサービスは、東京にも1カ所しかない。
(追記byしば:若年認知症の定義や抱える問題は、こちら。

*レビー小体型認知症は、症状も多様。薬への反応も多様。進行の仕方も多様。介護家族の悩みも多様。笑顔が一番効果がある。
(追記byしば:そのため患者に合った薬物治療法を見つけるのは、専門医でも容易ではありません。ピタリと合えば劇的に良くなることもありますが、母のようにそういかない例もあります。介護者の笑顔が薬よりも効果があるという言葉に深く深く同感します。)

*「レビーはインテリが多い。真面目な人が多い。正直者が多い」とよく医師が言う。
(追記byしば:母はインテリではありませんが、真面目な人です。ユーモアもあります)

*65歳以上の高齢者で風呂場で亡くなる人は、年間3303人。
(寒い脱衣所との温度差が原因のヒートショック—血圧の急激な変化—が多い。)
 室内の事故で亡くなる人は、交通事故死の数よりも多い。

(追記byしば:レビーは転倒骨折防止が必須。階段や段差も危険です。)

*自律神経症状:特徴的なのは起立性低血圧/便秘/頻尿/多汗・寝汗(無汗の場合も)
それ以外に、頭痛/イライラ/めまい/ドライアイ/耳鳴り/息苦しさ/動悸/胸痛/肩こり/背中の痛み/食欲不振/倦怠感/むくみ/インポテンツ/微熱/手足の冷え・しびれ

(追記byしば:「レビーの見つけ方」「チェックリスト」「症状全般」参照)

*REM(レム)睡眠行動障害は、30〜40代からあったという人が多い。
(追記byしば:これが最初に現われる症状であることが多い。母にも元気な頃から)

*うつも前駆症状の1つ。抗うつ剤で良くならない高齢者の「うつ病」はレビーの疑い。

*レビーの特徴である「認知の変動」(ボーッとして頭が回転しないような時としっかりして正常に見える時がある。)はアルツハイマー型にはない。(アルツハイマー型で幻視が見える場合は少なく、パーキンソン症状はまれ。)

SPECT検査(脳血流検査)では、60〜70%の患者に異常が発見される。
心筋シンチグラフィ検査(詳細)では、90%の患者に異常が発見される。
(初期には、CTやMRIでは、脳の萎縮などの異常がないのがレビーの特徴。)


<続く>

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秋明菊(シュウメイギク)
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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