認知症の告知のあり方(NHKニュース)

2012年10月30日の朝のニュースで認知症の告知について伝えていた。

アンケート調査では、81%の人が認知症の告知を望んでいる。
薬物治療の選択肢が増え、病気への理解も広がったことを背景に告知は増えている。
告知されることで自分の病気を理解し、治療に前向きになるという利点もある。

しかし4割の人は、告知の際に受けた説明の内容に満足していない。
例:「”治りませんね”としか言われなかった。2度と行きたくない」等。

和光病院(埼玉県和光市)で80代の女性にアルツハイマー型認知症を告知する映像が出た。
脳の状態を説明し、病名を告げる。
そして「怖い病気じゃないから大丈夫」と医師が笑顔で伝えていた。
その女性も「(告知は)わかりやすかった」と笑顔でインタビューに答えていた。

病名と「薬を飲みましょう」という言葉以外、何も言われなかったという介護家族は、「支援するという視点から告知して欲しい」と語る。

(ニュースの内容は、以上。)


私の母(レビー小体型認知症)も父(ピック病・前頭側頭型認知症)も2010年に別々の医師から「治療法はない」とだけ言われている。(実際にはある。)
<精神的にギリギリの所まで追い詰められ、ただ家族を救いたい一心で病院に行ったら、握りしめていた最後の命綱を医師に切られた。>
<絶望の中で、かすかな希望を求めて必死の思いで病院に行き、さらに大きな絶望、致命傷だけを与えられて帰る。>
家族からすれば、そういう体験でしかない。

もちろん医師は、カウンセラーでもソーシャルワーカーでもない。
家族が必要としている精神的支援や福祉などの社会的支援の説明は、医師の仕事ではない。
ならばそこにつなげることはできないだろうか?

医師からは、病状、病名、治療法を告げる。
直後に別のスタッフが別室でたとえ5分でも対応すれば、告知はまったく違うものになるではないか。
「包括支援センターに行けば、様々な支援を考えてくれるケアマネジャーがいますよ。
家族会と連絡を取れば、同じ仲間からの支援や情報も得られます。
一人じゃありません。大丈夫ですよ!
進行はゆっくりで、穏やかに自宅で暮らしている方も大勢います。過度に心配する必要はありませんよ」
そう言ってもらうだけで、希望は失われない。

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落ち葉(ソメイヨシノ)

レビー小体型認知症を理解する動画

レビー小体型認知症を発見した小阪憲司医師がこの病気の知識を解説する3回シリーズ。(「認知症フォーラム.com」から)
内容は、少し専門的ですが、とてもわかりやすいので是非見てみて下さい。

1. 発見の経緯や原因、分類について→ 動画その1

2. 症状の特徴や診断基準、正確に診断するための知識など→ 動画その2

*動画の中で説明されているレビー小体型認知症の臨床診断基準 CDLB ガイドライン[2005]一覧表。(「レビー小体型認知症Web辞典」より)

3. 治療法の進歩とケアの重要性について→ 動画その3



<小阪氏の著書に関係する記事>
*「第二の認知症 増えるレビー小体型認知症の今(こちらも)
その他おすすめの本
*「レビー小体型認知症の臨床」(池田学氏との共著)
”「パーキンソン病」「レビー小体型認知症」がわかるQAブック”(織茂 智之氏との共著)(9割のレビー患者を診断できる心筋シンチグラフィ検査について詳しい。)

*斎藤正彦医師の動画は、こちら。

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水引(ミズヒキ)。
肉眼ではほとんど見えないほど小さな花です。
この植物、若い頃からとても好きだったのに、花は昨日初めて見ました。

若年性認知症の豪女性が講演“支援を”(NHKニュース)

2012年10月28日のNHKニュース全文。動画は、こちらを。

***********************************

65歳未満で発症する「若年性認知症」について広く知ってもらおうと、みずから認知症であることを公表したオーストラリア人の女性が東京都内で講演し、「認知症と闘いながら日常生活を送っている私たちを支援して下さい」と呼びかけました。

講演したのはオーストラリア人のクリスティーン・ブライデンさん(63)で、46歳のときに「若年性認知症」と診断されたあと、みずから認知症であることを公表し、世界各地で講演活動を行っています。

日本にも今回を含め5回訪れ、東京・江東区の会場にはおよそ700人が集まりました。

この中でブライデンさんは「認知症と闘いながら日常生活を何とか送ろうともがいています。さまざまな弱みを抱えながらも日々を暮らしている私たちを支援して下さい」と呼びかけました。

「若年性認知症」は日本国内におよそ4万人いると推定され、講演会では国内の「若年性認知症」の人たち6人が、パネルディスカッションを行いました。

このうち7年前に「若年性認知症」と診断されたあとブライデンさんの活動を知り、勇気づけられたという埼玉県の佐藤雅彦さん(58)は「認知症になってもすべてを諦めるのではなく、外に出ていくことが大切だ」と訴えました。

講演会に参加した看護師の女性は「認知症の人ができることを見守りながら、支援を続けようと強く感じました」と話していました。


*ブライデンさんの著作や関連記事は、こちら

<参考記事>
*「レビーの家族を薬で悪化させない方法」(飲ませてはいけない薬一覧
*うつ病と診断された10年後に若年性レビーと診断されたKさん(50代女性)の体験
 体験談治療と経過本人が語る症状
*「若年性レビー小体型認知症 Hさんの体験談」(リンクもご参考に)
*「レビー小体型認知症は認知症なのか
*「若年性認知症 普通の人として普通に暮らす
*「認知症のわたし(朝日新聞連載記事)
*「NHKある夫婦の記録「隠したって何もないもん」
*「認知症の方本人はどう接して欲しいと思っているのか
*「若年(性)認知症の方とその家族が直面している経済的問題と対策

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コスモス

認知症に鍼(はり)治療 (認知症に効くツボ)

雑誌「病院の実力 こころ・ストレス・認知症 読売新聞医療情報部編」(2012年10月17日発行。750円)のP.183の記事から一部抜粋、一部要約。
2010年6月3日に読売新聞に掲載された記事。

***********************************
   < 体質改善のツボで笑顔に  効用確認する試み >

有料老人ホーム「舞浜倶楽部・富士見サンヴァーロ」(千葉県浦安市)(→関連記事)で、はり治療を行っている兵頭明さん(針灸師。中国の天津中医薬大学客員教授。学校法人後藤学園中医学研究所所長。社団法人老人病研究会常務理事)。

対象は、70〜80代の認知症の入所者3人。
認知症への効果を確認する目的で週1回のはり治療を続けている。

「中国の伝統医療では心と体は一体。治ろうとする力をはりで引き出すと、高齢による様々な体の不調が改善され、認知症に伴うイライラや気分の落ち込みまでもが解消されていきます。
はり治療で認知症は治せないが、症状の進行を遅らせたり、予防したりはできるかもしれない」(兵頭さん)

治療を受けたAさん(重いアルツハイマー病患者)は、足の痛みで車いすを検討されていたが、手すりに頼らず歩けるようになった。
以前は無口で不機嫌そうだったが、痛みが取れ、生き生きとした表情に変わった。
Aさんの娘(50)は「私の名前は忘れたままですが、本人がニコニコしていることが何よりうれしい」と喜ぶ。

社団法人「老人病研究会」(事務局・日本医科大学老人病研究所内。川崎市)では、後藤学園と協力し、認知症などの医学的な知識を備えた「認知症認定針きゅう師(鍼灸師)」を養成する計画を進めている。

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この記事に掲載されたイラスト。クリックすると拡大します。

<認知症の症状を改善するという主なツボ by 兵頭明>
(ツボ名の上をクリックすると図解が出ます)
頭=百会(ひゃくえ)四神聡 神庭 顔=水溝 胸=だん中 背=腎ゆ 
腹=気海 足=血海足三里三陰交太渓(たいけい)、照海
など

追記:パーキンソン病に効く鍼治療のツボ(安保徹著『「薬をやめる」と病気は治る』)
P.267 から 天柱大じょ風門脾ゆ胃ゆ足の三里

*主なツボの探し方:「山田鍼灸のHP」中の「正しいツボの取り方」「自分で出来るツボ療法」がとても分かりやすいです。
(注:各ツボの効能は、ここに書かれている以外にも色々あります。)

*兵頭明監修「ビジュアル版 東洋医学 経絡・ツボの教科書」(アマゾン)は、体質と症状に合わせたツボを探すのにとても良い一冊。(同じ症状でも体質によってツボが若干変わる。)
上記の認知症の症状を改善する主なツボは、この本からの抜き書きです。

追記:上記の本にある物忘れのツボ:特効穴は、四神聡神庭水溝。/「気虚+血虚」タイプには心兪脾兪(効果が弱ければ気海血海)。「精虚+陰虚」タイプには腎兪太渓(効果が弱ければ三陰交)。
神門も心痛、不眠、健忘、認知症、低血圧、便秘などに。

追記:伊東剛著「東西医学の専門医がやさしく教える即効100ツボ」が、ツボ探しには、わかりやすい。人の体の写真の上に骨が描かれているため微妙なポイントが素人にもすぐわかる。

追記:プロ用ビジュアルブックですが、「ツボ単」という本は、ツボの位置を探すのに最も分かりやすいです。(2014年6月現在)

関連記事:「素人でもできる灸治療」(若年性レビー小体型認知症当事者体験談)
自宅でできるツボ療法」(自律神経症状を緩和)
東大での漢方医学セミナー内容」(漢方は難病治療が得意)
若年性レビー小体型認知症の漢方薬治療の実例

レビー小体型認知症の新規患者数の多い病院

雑誌「病院の実力 こころ・ストレス・認知症 読売新聞医療情報部編」(2012年10月17日発行。750円。P.148〜P.167)から。
全国の主な病院を対象に読売新聞がアンケート調査をした結果です。
2010年4月〜2011年3月に診た認知症新規患者数とその内レビー小体型認知症と診断した数を転記しました。(病院の数が膨大なので50人以上の病院だけに絞りました。)

もちろん数がすべてを物語るわけではありませんが、1つの参考にはなります。
(ここに載っていない病院でも有名な病院、評判の良い病院は、当然あります。)

本当は、実際に受診した方やご家族から詳しく様子を伺いたいです。可能であれば。
当事者は正確な診断を切望していますが、医師の言葉や態度から受ける影響も重大です。
医師の一言で絶望に打ちのめされたり、かすかな希望を持てたりしますから。(実際には希望は多いにあるのですが、少なくとも診断の時点でそれに気づくのは難しいです。)

レビー小体型認知症は誤診されやすいので、ここに書かれたような大学病院等で正確な診断を受け、治療はきめ細かく対応してくれるクリニック(開業医)で受ける人が多いと家族会の方からは聞きました。

**************************************

               認知症新患  内レビー患者 初診平均診療時間
山形県 山形県立中央病院   605人     85人     50〜60分
埼玉県 順天堂大学越谷病院  342人     69人     40分
千葉県 順天堂大学浦安病院  1164人    238人     30分
東京都 順天堂大学東京江東
    高齢者医療センター  1145人    149人     40分
    慈恵医科大学葛飾
    医療センター     832人     80人     15〜20分

    慈恵医科大学病院   573人     133人     35分
    東邦大学医療センター
    大橋病院       240人     107人     30分

神奈川 横浜市立大学市民総合 
    医療センター     300人     50人     40分
    昭和大学横浜市 
    北部病院       250〜300人  100人    30〜60分

岐阜県 おくむらクリニック  821人     201人     30分
静岡県 東静脳神経センター  480人     73人      60分
愛知県 名古屋フォレスト
    クリニック      2000人    400人      16分
滋賀県 滋賀県立成人病
    センター       551人     57人      80分

京都府 洛和会音羽病院    550人     70人      30分
    武田総合病院     137人     113人     20分
大阪府 近畿大学病院     419人     50人      45分
兵庫県 県立姫路循環器病  
    センター       864人     164人     60分

高知県 菜の花診療所     324人     51人     40〜60分
福岡県 福岡大学病院     627人     68人      60分
熊本県 菊池病院       291人     85人      120分

(注:色は、見易いように変えているだけです。順番にも意味はありません。
雑誌には上記3項目の他13項目掲載されています。)

有酸素運動が脳を発達させる

「錯覚の科学」(チャブリス、シモンズ共著。2011年に文藝春秋が発行)という本の中に有酸素運動と脳について、希望の持てることが書かれています。(青字部分は原文通り。その他は、要約)

*********************************

(任天堂の脳トレ・ゲームよりも)有酸素運動のような肉体を使うエクササイズの方が、脳にははるかに効果があるのだ。

認知神経学者アーサー・クレイマーが行った有名な実験(「ネイチャー」掲載)がある。
有酸素運動(毎週3時間のウォーキング)と有酸素運動でないエクササイズ(毎週3時間のストレッチと発声気功)を2つのグループに半年させて比較した。

どちらにも健康効果が出たが、有酸素運動をした人たちの認知能力テストの結果が、大幅に向上した。
特に計画立案やマルチタスクのような行動管理能力でそれが目立った。
有酸素運動でないエクササイズでは、認知能力への効果は見られなかった。

別の臨床テストでは、有酸素運動(3日に1度45分のウォーキングを半年)をした人たちだけは、年齢と共に減少する脳脊髄の灰白質(認知能力低下の1因になる。)が減少しなかったことがわかった。

あなたの知的能力を長くたもつ最良の方法は、認知能力を鍛えることとはほとんど関係がないようだ。
脳を直接鍛える方法より体を鍛える(とくに有酸素運動)の方が、効果がありそうだ。
週に数回、適度な速さで30分以上歩くだけでいい。
それで行動管理能力が向上し、健康な脳が維持される。

(P.280〜P.282)

有酸素運動と脳の関係について書いた過去の記事:「運動は脳の機能を最善にする唯一にして最強の手段有酸素運動がうつ病を治す」「あさイチ 物忘れよさようなら」「脳に効くスロージョギング」(認知症の予防だけでなく治療効果もあり)
認知症や種々の病気を予防するための歩き方(健康効果を出すウォーキング)」
カテゴリー:スロージョギング(高齢でも始められる息の切れない有酸素運動)

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スロージョギングの正しい走り方。
1分間を180歩。1秒3歩で走るのがポイントです。
2012年7月4日の「ためしてガッテン」でも紹介されました。内容は、こちら。

認知症の高齢者が楽しめるもの

一昨日テレビで映画「ALWAYS3丁目の夕日」を偶然見ました。
時代は私の子供時代よりも少し古いのですが、見覚えのある町並みが、あまりにも懐かしく、テレビにかじり付いてそればかりに見入ってしまいました。
あぁ、この映画を認知症の高齢者に見せたらストーリーなどわからなくても楽しめるだろうなぁと思いました。
いっそ静止画像やスローで見せるとか・・。(回想法に使えます。)

母が、せん妄で会話もままならなかった頃も「昭和こども図鑑」を見せると、3輪の自動車を見た瞬間、別人のようになって言いました。
「ダイハツ・ミゼット!(父を見て)これに乗って、3人で初めて旅行に行ったね!オムツいっぱい持って熱海に行ったね!」

「認知症の人に楽しめるものなんてありますか?」と聞かれることがあります。
母は、昔好きだったものが、要介護5になっても好きです。
動物(特に熊、馬、犬、猫)や花や風景の写真をとても喜びます。

「認知症の人」とくくることはできないのだと思います。
飛行機が好きだった方は、多分ずっと飛行機が好きでしょうし、相撲が好きだった方は相撲を、音楽が好きだった方は音楽を喜ぶのではないでしょうか?

母は、絵本の読み聞かせも喜びます。
読み手(私)と一緒に同じものを楽しむ時間が好きなのかも知れません。
習字は、嫌いなようです。
習字がとても楽しいという方も必ずいらっしゃると思います。
母は、「上手く書けないから嫌。情けない。恥ずかしい」と言います。

「驚きの介護民俗学」を書いた六車由実氏は、ご自身が働く介護施設で「幻聴妄想かるた」を使い「認知症のばあちゃんたちに大ウケだった。ばあちゃんたち、ぶつぶつ反応してから、がはがは笑う。笑いのツボにハマったようだ」とツイッターに書いています。

何がツボにハマるかは、やってみなければわかりません。
今は、ありとあらゆるDVDなど何でも簡単に手に入ります(借りることもできます)。
気負わず、構えず、気楽に何でも試してみましょう。
ポイントは、本人が若い頃からずっと好きなものです。
(レビー小体型認知症は、状態に波がありますから、1度では諦めずに。)

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平穏死を考える(日経新聞)

2012年10月20日の日本経済新聞夕刊の記事から抜き書き(一部要約)。

  「平穏死」を考える 石飛幸三さんに聞く
        「延命ありき」は無責任  人生の最後 自ら描く

人間は必ず死ぬ。できれば天寿をまっとうし、穏やかに逝きたい。
ところが現代医療は、この願いを踏みにじり、死期の迫ったお年寄りに無用の苦痛を強いている。
特別養護老人ホーム「芦花ホーム」の医師・石飛幸三さんは、2年半前に著した『「平穏死」のすすめ』でこんな現状を報告。高齢社会の医療のあり方に一石を投じた。

7年前に特養の医師になった。
そこで目にしたのは、手足が曲がったままかたまり、寝返りも打てず、自分の意思もなくした人が、1日3回胃ろうで宇宙食のような栄養液を入れられて生き永らえている姿だった。

「皆が責任をとらなくなったから」こんな事態が起きている。
お年寄りの容体が急変すると、責任を追及されないよう施設職員は、すぐ病院に送る。病院は、すぐ胃ろうをつくり施設に送り返す。

「私は、胃ろうがすべて悪いと言っているのではない。脳梗塞で一時的に食べられなくなった人が、体力を回復するまでのつなぎとして利用するなど、まだ先があるなら効果を発揮する場面も多い。
胃ろう自体は、有効な医療手段です。でも、それを老衰のお年寄りに自分たちの責任逃れのために行うことに疑問を呈しているのです。

「人間は、生き物です。老衰が進むと体が食べ物を求めなくなる。
それなのに家族も介護士もひとさじでも多く食べさせようとする。
でも、それがお年寄りの体に負担をかけ、誤嚥性肺炎を引き起こす。
あげくは点滴や胃ろうで栄養を補給する。体は悲鳴をあげている」

「発想の転換が必要なんです。
生物としての寿命をまっとうした体は、余分な荷物をおろして旅立とうとしている。
三宅島ではお年寄りが食べられなくなると、水だけをそっとそばに置いていたそうです。
静かに見守るのが、本人にとって一番楽なんです」

石飛さんは、それぞれが元気なときから自分の死と向き合い、どんな最期を迎えたいかを言葉や文書で周囲に伝えることを勧める。

「胃ろうは1人1年間で500万円の医療費がかかる。今の高齢者もツケを若者に回して延命しようなどと考えていないはず。高齢者の意思を無視して自分たちの責任回避を図るのは、現代版の棄老(うば捨て)でしょう」

著書:『「平穏死」のすすめ』『「平穏死」という選択』


*このブログのカテゴリ:「胃ろう・嚥下障害」
*このブログのカテゴリ:「死を受けれるために」

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芙蓉(フヨウ)

平穏死を考える(日経新聞)

2012年10月20日の日本経済新聞夕刊の記事から抜き書き(一部要約)。

  「平穏死」を考える 石飛幸三さんに聞く
        「延命ありき」は無責任  人生の最後 自ら描く

人間は必ず死ぬ。できれば天寿をまっとうし、穏やかに逝きたい。
ところが現代医療は、この願いを踏みにじり、死期の迫ったお年寄りに無用の苦痛を強いている。
特別養護老人ホーム「芦花ホーム」の医師・石飛幸三さんは、2年半前に著した『「平穏死」のすすめ』でこんな現状を報告。高齢社会の医療のあり方に一石を投じた。

7年前に特養の医師になった。
そこで目にしたのは、手足が曲がったままかたまり、寝返りも打てず、自分の意思もなくした人が、1日3回胃ろうで宇宙食のような栄養液を入れられて生き永らえている姿だった。

「皆が責任をとらなくなったから」こんな事態が起きている。
お年寄りの容体が急変すると、責任を追及されないよう施設職員は、すぐ病院に送る。病院は、すぐ胃ろうをつくり施設に送り返す。

「私は、胃ろうがすべて悪いと言っているのではない。脳梗塞で一時的に食べられなくなった人が、体力を回復するまでのつなぎとして利用するなど、まだ先があるなら効果を発揮する場面も多い。
胃ろう自体は、有効な医療手段です。でも、それを老衰のお年寄りに自分たちの責任逃れのために行うことに疑問を呈しているのです。

「人間は、生き物です。老衰が進むと体が食べ物を求めなくなる。
それなのに家族も介護士もひとさじでも多く食べさせようとする。
でも、それがお年寄りの体に負担をかけ、誤嚥性肺炎を引き起こす。
あげくは点滴や胃ろうで栄養を補給する。体は悲鳴をあげている」

「発想の転換が必要なんです。
生物としての寿命をまっとうした体は、余分な荷物をおろして旅立とうとしている。
三宅島ではお年寄りが食べられなくなると、水だけをそっとそばに置いていたそうです。
静かに見守るのが、本人にとって一番楽なんです」

石飛さんは、それぞれが元気なときから自分の死と向き合い、どんな最期を迎えたいかを言葉や文書で周囲に伝えることを勧める。

「胃ろうは1人1年間で500万円の医療費がかかる。今の高齢者もツケを若者に回して延命しようなどと考えていないはず。高齢者の意思を無視して自分たちの責任回避を図るのは、現代版の棄老(うば捨て)でしょう」

著書:『「平穏死」のすすめ』『「平穏死」という選択』


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芙蓉(フヨウ)

レビー小体型認知症の検査(心筋シンチグラフィ)

MIBG心筋シンチグラフィについて詳しく書かれた”「パーキンソン病」「レビー小体型認知症」がわかるQAブック”(小阪 憲司・織茂 智之 著)の一部要約(青字部分)と検査を受けた人の話を紹介。

*この本の内容の一部(しかしかなり詳細)が読める。→「メディカ出版公式サイト」

レビー小体型認知症は、CTやMRI検査では、診断できない。
レビー小体型認知症の鑑別診断に最近よく利用されるようになったのが、MIBG心筋シンチグラフィ。心臓交感神経の状態をみる神経核医学検査だ。
心臓の自律神経に集まる性質の放射性造影剤MIBGを微量投与し、心臓を撮影する。
(注:1割のレビー小体型認知症患者はこの検査でも異常が見つからない。
本人に心臓に関する自覚症状はない。心臓自体が悪いのでもない。)

MIBGは、放射性物質だが、害はレントゲンと同程度で、ほとんど体外に排出されるので心配はないといわれている。
これを注射し、15~30分後と3~4時間後の2回ガンマカメラで撮像。
(撮影時間は、合計30分程度だが、検査の間に時間を置くので半日では済まない。)
この間は運動(自転車も。)は禁止だが、歩いたり食事をすることに問題はない。
薬も制限がないが、三環系抗うつ薬やレセルピン等の薬剤を服用時には結果の解釈に注意を要する。

検査料金(費用)は、東京のある病院では、18650円。(3割負担の場合)
<追記:2013年3月から医療保険適応に。>

この検査によってレビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症、パーキンソン病と他のパーキンソン症状をともに鑑別できる。
前頭側頭型認知症でもパーキンソン症状がみられることがあるが、この検査で鑑別できる。

*MIBG心筋シンチグラフィを実施している施設一覧(2012年9月10日現在)
*MIBG心筋シンチグラフィ:パーキンソン病の場合

*このブログのカテゴリ「認知症の予防・診断・治療」は、こちら。

参考サイト:「レビー小体型認知症Web事典」(大変詳しい資料です。ダウンロードして下さい。)

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芙蓉(フヨウ)
夏からまだ咲き続けている。

認知症は怖くない(日経新聞)

2012年10月17日の日本経済新聞夕刊「らいふプラス」に掲載の記事から抜粋。
全国キャラバン・メイト連絡協議会の「認知症サポーター」養成(ブログ内関連記事)や福井県若狭町の取り組みは割愛しました。
(以下、青字部分が日経記事から。原文通り。)

<認知症 皆で見守ろう/早期診断で悪化を防ぐ/サポーター活躍 正しい理解促す>

認知症を患う人が300万人を超えた。
2025年には470万人に達するという。
だが、過度に騒ぐ必要はない。
周囲が病気を理解し、適切な手助けをすれば、多くは自宅で穏やかに暮らせる。
まずは認知症への偏見を取り除くことが大切だ。
地域や職場で認知症サポーターを養成する動きも広がっている。

毎日がアルツハイマー」(記録動画)の監督、関口祐加さん。
「認知症を障害とみないことが大切。
認知症を隠さない。正しい知識を持つ。さらに言うなら認知症の世界を楽しんじゃう。
昔の厳しい母より今の母の方がみんな大好き。認知症への世間の偏見をたたき壊したい」

認知症は特殊で怖い病気との印象がある。
だが、65歳以上の10人に1人がかかる身近な病気だ。
初期は、軽い物忘れ程度が一般的。
病気の原因や本人の性格で症状も異なる。(認知症の種類別の症状)
(略)感情は正常なため、周囲の反応が本人を傷つけ混乱に拍車をかけることもある。

順天堂大学大学院の新井平伊教授は
「早期発見、早期治療が一番大切。
物忘れの頻度が急に増えたり、内容がひどくなったりしたら、かかりつけ医などに相談し、専門医の診断を受けること。
いい薬も開発され、軽い段階でみつければ進行を遅らすこともできる」

<認知症の人への対応心得>
3つの「ない」 ●驚かせない ●急がせない ●自尊心を傷つけない
(認知症サポーターテキストから)

(追記byしば:他人なら「驚かせない」。家族なら「不安にさせない」が良いかと)

*ブログ内関連記事:「認知症早期発見のための知識とチェックリスト」
*ブログ内関連記事:「レビー小体型認知症の母の日々」
*カテゴリー:「認知症ケア・介護」
*カテゴリー:「認知症の予防・診断・治療」

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イヌサフラン(コルチカム)
葉っぱがありません。

「認知症 思いを語る」(読売新聞)

読売新聞に「認知症 思いを語る」というシリーズが掲載されました。
認知症を患う方ご本人やご家族の気持ちが胸に迫り、同時に希望や勇気も与えられる優れた記事です。
全文を公式サイトで読むことができます。(下記の「こちら」をクリックして下さい。)


  (1)こもりきり「あかん」(2012年10月10日)記事全文はこちら

特製ベストで外出する辻井弘さん(79)。幻視を否定される田岡千代子さん(85)他。

  (2)正しい診断 ありがとう(10月11日)記事全文はこちら

長くそううつ病と誤診されていた前頭側頭型認知症の男性(77)他。

  (3)発症 でも働きたい(10月12日)記事全文はこちら

うつ病と誤診された前頭側頭型認知症の竹内裕さん(62)。若年性の荒平覚さん(61)。

  (4)50代発症 家計苦しく(10月13日)記事全文はこちら

自律神経失調症と誤診された元大学教授(58)。うつ病と診断の中学校副校長(58)。

  (5)夫婦で探る小さな希望 (10月14日)記事全文はこちら

支え合う夫婦、山崎奈保子さん(78)と良昭さん。青津優子さん(59)と彰さん。

  (6)津波後も「うちさ帰る」(10月15日)記事全文は こちら

被災された高齢者の方たち。環境変化で徘徊も。

  (7)心の中 変わらない(10月16日)記事全文はこちら

元東大教授で若年性認知症になった若井晋さん(65)。孫の世話を担い自立した生活を保っている女性(76)。子を気使うレビー小体型認知症の角野静枝さん(87)。

<参考記事>
*「若年性レビー小体型認知症 Kさんの体験談」(認知機能低下がほとんどない)
*「若年性レビー小体型認知症 Hさんの体験談」(リンクもご参考に)
*「レビー小体型認知症は認知症なのか
*「レビーの家族を薬で悪化させない方法」(飲ませてはいけない薬一覧

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エリカ

1日1笑 ロックで踊るオウム

今朝(7時台)のNHKの「世界の動画」で見たオウムです。
朝から大笑いできました。

YouTube 「白いオウムがロックで踊る動画

YouTube 「踊るオウム その2」(こちらは、足でリズムをとります。)


その他の「1日1笑」シリーズ

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「動物のおもしろ画像集」から。

耐えること。「しなう心」

これは、昔、ホスピスでボランティアをしていた頃、本から抜き書きしたものです。
そうしたものがたくさんあるので、少しづつご紹介していきます。



「詩集 病者・花」 細川宏遺稿集から。


      しなう心
   
    苦痛のはげしい時こそ

    しなやかな心を失うまい

    やわらかにしなう心である

    ふりつむ雪の重さを静かに受け取り

    軟らかく身を撓(たわ)めつつ

    春を待つ細い竹のしなやかさを思い浮かべて

    じっと苦しみに耐えてみよう                           


(著者は、胃がんのため44才で亡くなった東大医学部教授)

*YouTubeからショパン:ノクターン 嬰ハ短調 (演奏:五嶋みどり)

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ピック病 なぜ万引きするのか

先日、ピック病のご家族の介護をされた方とお話をする機会を頂きました。
その中から学ぶことは、非常に多かったのですが、一部ご紹介します。
(いずれもう少しまとめて書きたいと思っています。)

  <なぜピック病を患う方は、「万引き」をするのか?>

その方のご家族も毎日決まった時間に決まった道を歩き、決まった店で決まったものを黙って持って帰って来たそうです。(常同行動というピック病の症状です。)
その方は、尾行して常同行動のパターンを把握し、店の人に病気を説明して連絡先を渡し、家族が支払えるようにしたそうです。

「ウチの物とヨソの物、タダの物と有料の物の区別ができなくなるから、ウチの物を持って帰る感覚で、黙って持って帰って来るんですよ」

物欲の固まりになるわけでも、邪悪になるわけでもなく、悪気なく「万引き」と呼ばれてしまう行為をしているようです。

確かに私の父(不必要な物を際限なく買い続けています。万引きはしていないと思います。)を見ていても奇妙な「無邪気さ」を感じます。
欲とも関係なく、常にケロッとしている。何か問うと人事のようにキョトンとする。
そこがまた私たちの理解を超え、私たちを混乱させるところです。
(もちろん非難するともの凄い勢いで怒り出します。)

「物=必要だから買う」という「私たちの常識」が、父からは欠落しています。
本人もなぜ買うのかは、わかっていないようです。
「何に使うの?」と笑顔で聞くと「別に何に使うってわけじゃないんだが・・」

「ピック病=反社会的人間」という単純な知識が広まり、医療・介護関係者からは怖れらることが多いのですが、家族から見るとピック病は、「子供の無邪気さを持つ病気」のようにも見えます。

「けれども人からは(時には家族からも)理解されず孤立し、本人は理由が理解できないために混乱し、誰よりも苦しんでいると思う」というのが、お話しして下さった方と私の共通の認識でした。

*カテゴリ「ピック病について

追記:2014年8月7日に日本テレビ「得する人!損する人!」でピック病特集を放送しました。新井哲明筑波大学准教授が解説していました。

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薮蘭(ヤブラン)別名リリオペ。
ちょっとピンボケですが。アップで見ると可憐です。

認知症のわたし(7)朝日新聞

2012年10月5日の朝日新聞夕刊に掲載。
「ニッポン人・脈・記」のシリーズ「認知症のわたし」の7回目。
以下、青字部分は、要約ではなく、印象に残った部分の抜き書きです。


  安心感は良く効く薬

厚生労働省が6月にまとめた施策は、反省の弁から始まっている。
<私たちは、認知症の人の訴えを理解しようとするどころか、疎んじ、拘束するなど不当な扱いをしてきた>

家族や施設の人と協力すれば、入院はほとんど必要ない。

家族への支援こそが大事だとわかり、携帯電話の番号を伝えた。
「いつでもつながるという安心感は、下手な薬よりよく効く。
家族が穏やかだと本人も落ち着きます」(精神科医の上野秀樹さん)

認知症の人が通う宅老所「つくしの家」。
スタッフは利用者とほぼ同じ人数だったから、じっくり向き合えた。
湊鉄子さんたちは、認知症の人の徘徊について歩いた。
歩き疲れたころに、偶然を装ってあいさつし、お茶を勧める。

見学に行った新田国夫さん(医師)は驚いた。
この宅老所に通うようになると、お年寄りの不眠や興奮は治まり、薬がいらなくなった。
必要なのは、認知症の人と向き合う人手であり、入院ではない。

認知症の人のケアに関しては、医者は添え物でいい、と新田さんは言う。
「何が有効かは、本人の立場になって介護する人が知っている。
現場は、医学を超えていることを、医師は知っておくべきだ」


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バジルの花
10月6日撮影

認知症介護の原則

レビー小体型認知症の臨床」(小阪憲司・池田学著。医学書院2010年5月発行)は、医師向けの本ですが、対談形式で書かれ読み易い良書です。
(一般向けには、小阪憲司著「第二の認知症 増えるレビー小体型認知症の今」が、レビー小体型認知症介護家族の必読書です。)

その中に介護の重要ポイントが書かれていたので抜き書きします。(青字部分)


有名な室伏君士先生の認知症介護の4つの原則を少し紹介します。

1. 不安を解消するように対応する。
  (急激な変化を避ける。安心の場を与える。なじみの関係を作る。等)

2. 言語や心理をよく把握して対処する。
  (説得よりは納得を。反応や行動パターンを理解する。等)

3. 温かくもてなすようにする。
  (本人の良い点を見出し良いつきあいを。軽蔑・排除・無視・怒る・強制しない)

4. 自分を得させるようにする。
  (相手のペースに合わせる。行動を共にする。等)

その人に合ったケアが大事。
そのためには、その人(性格、生活、家族など全般)を理解することが必要。
パーソン・センタード・ケアは、まさにそれを言っている。(→関連記事

さらにその人の病気を理解しなくてはいけない。病気に合ったケアが必要になる。
特にレビー小体型認知症の場合は、病気を理解してないと転んで事故が起こるし、大変なことになる。
(「レビー小体型認知症の臨床」P.123〜124)

追記byしば:レビーは、初期からBPSD(周辺症状。徘徊・妄想など本人も家族も困り果てる症状)が出やすく、パーキンソン症状(体が思うように動かなくなる。)や自律神経症状(便秘、体温調節ができない等多様。)などもあるため「大変なことになる」と書かれているのだと思います。

「説得よりは納得を」:幻視とそれを現実と信じることから生じる妄想に対し、正しい説明・説得(「そんなものはない・いない・そんなことがあるはずがない」)は効果がないだけでなく、本人を精神的に追い詰め、BPSDを悪化させると言われています。

*レビー小体型認知症を早期発見するための記事はこちら。主症状は、こちらを。
*私の母の症状(BPSD含む)は、こちら。

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彼岸花(ヒガンバナ)。
今年はずいぶん遅れて10月6日に満開。

1日1笑「 だーはっはっは!」(子猫とキリンの親子も)

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            「ジワジワ来る○○」(片岡K著)より。「だーはっはっは!」

介護をしていると、信じられないようなことが、よく起こります。
困った時は、とりあえず、ちょっと笑いましょう!
とにかく食べて、寝ましょう。
考えるのは、それからでオーライ。

あっ。「1日1笑」シリーズ、他にも色々あるんです。
「手をあげろ」「ラーメンズ動画・未来ちゃん」「泥酔」「親子で昼寝」「起こさないで下さい」

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「びっくり図鑑」に掲載。

突然、話は変わりますが、昨日(2012年10月3日)「クローズアップ現代」でMITメディアラボ所長の伊藤穰一氏が、ワクワクするような話をしていました。(この方の公式ブログも面白いです。)問題解決のヒントがある気がしました。

「違和感がある環境で人は学ぶ。自分への投資は学び。学ぶためには楽をしてはいけない」
「新しいチャンスを探す時、集中すると見えない。きのこ狩りと同じでふわっと見る」
「心がオープンな人が良い。そういう人達はお互いに出会うもの」
「現場から答えが出て来る」
「議論は飽きた。とりあえず作ってみよう」
「まったく想像できないような新しいものを探すのが好き」
「自分が想像もできないことを考えている人達が沢山いて、それをつなぐ」

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「びっくり図鑑」に掲載。

父のこと(2)

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認知症と障害者(読売新聞)

2012年10月1日 読売新聞。全文を「ヨミドクター」から転記します。

 <このブログ内の関連記事>
*「障害を受け入れること(大江健三郎の本から」は、こちら。
*「認知症や障害を受け入れること」という記事は、こちら。

以下、青字部分が、読売新聞から全文、原文通り。

  <精神科医が語る認知症 身近な障害の問題として>

認知症になる大きな要因は年をとることです。
高齢化が進む日本では、認知症の問題は避けて通れません。

私は、この問題は、国全体として「障害」の問題に取り組む良い機会になると考えています。
これまで、いわゆる「三障害」、つまり身体障害、知的障害、精神障害について、国民の多くは「特別な人の問題」として目を向けず、正面から考えずに済ませることができていたと思います。

一方、誰がなってもおかしくない高齢者の認知症は、加齢による身体機能の低下(身体障害)、認知機能障害(知的障害)に加え、場合によれば精神症状・行動障害(精神障害)と、従来の分類による三障害のすべてが出現する可能性があります。

認知症は自分自身だけでなく、大切な家族や親しい人がなるかもしれない極めて身近な障害の問題とも言えるのです。
自分の周りで認知症を体験することで、この社会がいかに障害のある人に対して冷たいか、障害のある人にとって暮らしにくいかを理解することができるようになります。
障害のある人もない人も、かけがえのない個人として尊重され、ともに支え合う「共生社会」の実現を、自分の問題として考えるきっかけになるのではないでしょうか。

2006年に採択された国連の障害者権利条約を批准するため、昨年8月に障害者基本法が改正されました。
今年7月には、共生社会の実現を目指し、内閣府で障害者政策委員会の議論も始まりました。

認知症になっても、自分が思い描いた人生を送ることができ、基本的人権を持った人として尊重されるべきだと思います。
認知症の問題も共生社会実現の問題として議論されることが期待されます。
(上野秀樹、海上寮療養所勤務)


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芙蓉(フヨウ)

父のこと

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認知症のわたし(3)(朝日新聞)

朝日新聞夕刊「ニッポン人・脈・記」蘭に連載中「認知症のわたし」。
2012年9月28日掲載の第3回は、スウェーデンの高齢者介護について本を書かれた藤原瑠美さんとスウェーデンの介護を日本で実現しようとしているグスタフ・ストランデルさん。

*ストランデルさんの職場のある浦安市には、「生活力回復促す介護」でご紹介した「夢のみずうみ村」も。
*スウェーデンに関する記事:「なぜ欧米には寝たきり老人がいないのか」
 スウェーデンも含めた施設を取材し本を書いた田口ランディの「老いという希望」
*「認知症のわたし」過去の記事:(1)(2)も是非是非お読み下さい。

以下、青字部分は、記事からの一部抜粋と要約です。


    <3>普段通りに暮らしたい

藤原瑠美さん(65)の母は、89年に81歳で認知症を発症した。母娘の2人暮らし。
銀座「和光」の副部長を続けながら明るく介護をしようと決めた。
医師には「1、2ヶ月で寝たきり痴呆になる」と言われたが、8年後までオムツなし。
トイレまでの3mを歩けるように歌でリズムをとるようにしていた。
言葉を失っても5人のケアチームは、尿意を知らせる泣き声の違いで意思をつかんだ。

週1度は美容院で髪をセットし、明るい色の服を身に着けた。
給与の大半は、介護費に消えた。2000年に母を看取った。

映画「安心して老いるために」(羽田澄子監督)を見て、05年にスウェーデンを訪ねた。
認知症の人に対するスタッフの表情が明るいのに驚いた。
認知症のデイサービスでは、誰が認知症なのか、言われなければ分からなかった。
おしゃれな服、思い思いの髪型、伸びた背筋、笑顔。

「安心して過ごせれば、認知症の人は自分の力を発揮できる。人と話し、体を動かす。居心地よくすることが何より」と市の職員。

藤原さんは、5回現地を訪ね「ニルスの国の高齢者ケア」を出版した。
協力者のグスタフ・ストランデルさん(38)は、当時、日本でスウェーデンの福祉やケア方法を紹介する活動をしていた。

ストランデルさんは、建築家で京大教授の外山義さん(02年52歳で急逝)と出会い、高齢者施設を紹介してもらった。(外山さんは、高齢者の住環境を研究し、家庭的な施設を次々と作った。)
日本で300カ所の高齢者施設を回わり現実を目の当たりにした。

理想の実践をと請われ、09年浦安市の舞浜倶楽部を任された。
「日本は少子化の中で、介護にかけるお金も人材も足りていない」

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芙蓉(フヨウ)


プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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