認知症の方に絵本の読み聞かせ(2)

今回の帰省でも色々な絵本を持って行ってみました。(きっかけは、こちらの記事を
母は、調子が良い時が多かったせいか、絵中心の絵本も物語中心の本も楽しめました。

絵中心の絵本は、ブライアン・ワイルドスミス(作・絵)の「サーカスがやってきた」と「とり」。
色彩の美しい絵で、「きれいな色だねぇ!」と長い時間眺めていました。
母は、動物が大好きなので動物の絵を特に喜びます。
チンパンジーが綱渡りする絵では、声を出して笑っていました。
(母は、チンパンジーと深い縁があるのです。)
本人が好きなもの、できるだけ身近な題材を選ぶと反応が良いようです。

本をきっかけに昔の記憶などが出て来るので、その時は、本を中断して会話を楽しみました。

母は、花も好きで、星野富弘の花の絵本も「きれいだね」と喜びました。
首の骨を折って手足が動かなくなり、口で描いている人だと説明すると
「気の毒にねぇ・・。辛いだろうねぇ・・」と言っていました。

花といえば、私が撮った花の写真もとても気に入ってくれました。
大きくプリントして飾れたらと思いましたが、ベッドの周囲には、物を飾れるスペースは、とても少ないのです。
天井にでも貼れたらいいかも知れませんが、レビー小体型認知症特有の幻視で、それが恐い人に見えてもいけません。

物語中心の本は、アーノルド・ローベルの「ふたりはいつも」「ふたりはともだち」です。
がまくんが、アイスクリームを頭に乗せて走っているところでは、声をたてて笑っていました。
私の子供が5歳くらいの頃、同じシーンで笑い転げていたことを思い出し、私も幸せに包まれました。

しかし少し低調な時に「絵本、読もうか?」ときくと断ります。
「疲れたからいい。本は、集中しないといけないからね。結構疲れるの。でも読んでもらうのは好きだよ。楽しいよ。また読んでね」


little wood duck-s
ブライアン・ワイルドスミスの絵本

パーキンソン病の始まり(テレビ番組から)

2012年6月28日の「総合診療医 ドクターG」(NHK総合)という番組を見ました。
初診患者の訴える症状(実例に基づく。)から3人の研修医が、病名を考える番組です。
新聞のテレビ欄の番組内容に「体が思うようにならない」という1文があり、レビー小体型認知症だと思って見始めました。

番組で紹介された症状は、以下のようなものでした。

  <歩行に関して>
つまずいたわけでもなく突然転ぶ。
坂道が恐い。
小刻みに歩く。
しかし趣味の社交ダンスは踊れる。等。

  <抑うつ症状に関して>
色々なこと(料理、化粧など)が面倒になってしなくなる。
疲れやすく、ためばかりつく。
仕事のミスが続く。
表情がなくなり、常に暗い顔をしている。等。

  <その他(抑うつ症状とも重なる)>
何をするにもひどく時間がかかる。
頭がぼんやりする感じがする。(表現が少し違っていたかもしれません。)
手を使った動作(料理。字を書く。ボタンをとめる等)が上手くできない。
何もせずに4kg痩せた。
尿失禁がある。等。

最初は、甲状腺機能低下症(詳しくは、こちら)の名前も挙げられましたが、この病気は、体重が増加します。歩行に問題が出るというのも私は読んだことがありません。

番組での正解、正しい診断は、パーキンソン病でした。
パーキンソン病の特徴として音楽やリズムを聞かせると体が動くと説明していました。
(母も辛うじて歩けた頃、歌いながら手を引くと足が動きやすくなりました。)
しかしダンスまで踊れるだろうかという疑問は、ツイッターの書き込みで複数見られました。

母は、パーキンソン病と診断された2005年(67歳)からこれらの症状はほぼ出揃い、5年かけて更にひどくなりました。(体重の低下はあまりありませんでした。)
歩行は、最初の一歩が中々出なかったり、歩き出すと止まらなくなって「助けて!」と言ったり、突然バランスを崩して転ぶことが頻繁になりました。

スイッチをオフにしたように体が固まって動けなくなってしまうことも起こり始めました。
立位、歩行は、膝も腰も曲がったまま。座っていても体が傾くようになりました。

顔は無表情になり、動作も頭の回転も話し方も恐ろしくゆっくりになり、生活に支障をきたしました。
尿失禁は、いつからあったかはわかりませんが、2010年初め頃からひどくなり、自分でパッドを買ってきて使っていました。

レビー小体型認知症の発見者の小阪憲司医師は、パーキンソン病とレビー小体型認知症は、ほぼ同じ病気と言っています。(詳しくは、こちら
パーキンソン病と診断された方とそのご家族は、レビー小体型認知症の症状も知っておいて頂きたいと願っています。

<関連記事>
*「パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係(違い)
*「レビー小体型認知症の症状集

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オーニソガラムの一種のようです。

帰宅しました

今回、滞在が短かったこともありますが、3日間で母は1度も怒りませんでした。
2年間で初めてのことです。
「最近、特に穏やかになったという変化はない」と施設職員の方も妹も言っていました。
これは、天がくれた偶然のプレゼントなのでしょうか?

いったい何が起こったのか、私にもよくわかりません。
『”認知症が治っ”たというのは、こういうことをいうのだろうか・・?』と思いました。
(広告や週刊誌の見出しなどでそう書いてあるのを見ることがあります。)

実際には、BPSD(詳しくは、こちらを。)が、一時治まったというだけで、幻視(幻覚)も妄想も記憶障害も治ってはいないのですが、介護家族にのしかかっていた精神的重圧というものは、魔法のように消えてしまいます。
消えて初めて、それがどんなに重かったかということに気付きます。

BPSDさえなければ、認知症であっても本人も家族も穏やかな心で暮らしていけます。
生活に不便はあったとしても、認知症だから不幸だということは言えないと思います。
勿論、この状態が、来月も続くとは思っていませんが・・・。

しかし母を見ていると、母と優しい職員の方々の人間関係が強まっていると感じました。
そうした職員の方には、私も含めた家族には見せないような笑顔を見せ、昔の母のようにおどけて笑わせようとするのです。
「今日は、引っ越しの日」という妄想は、変わらずに毎日言っています。
しかし母は、あの施設に新たな自分の生活を築いたのだと思いました。
それは、母のことを深く思いやって下さる職員1人ひとりのご努力のお陰だと思います。
家族にできなかったことを職員の方々にして頂きました。
感謝の気持ちで一杯です。

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ムギセンノウ




胃ろうを止める(新聞記事)No.1

2012年6月28日の読売新聞の記事全文(原文通り。青字部分)。(ドクターヨミー)

しかし胃ろうを途中で中止するという選択は、胃ろうにするかどうかを決める選択よりも家族(肉親)への精神的負担は大きくなるだろうと想像します。
食べられなくなる前に、胃ろうについて十分知り、十分考え、本人の状況を十分検討し、後悔しない決断ができるように準備をしたいと私は思っています。

胃ろう・摂食障害についての(このブログの)今までの記事は、こちら。

追記:日野原重明さんが書いた「倫理的に問題のない胃ろう中止」についての記事は、こちらを。


   < 胃ろうなど人工栄養中止可能に、医学会が指針 >

日本老年医学会(理事長・大内尉義東大教授)は27日、高齢者の終末期における胃ろうなどの人工的水分・栄養補給について、導入や中止、差し控えなどを判断する際の指針を決定した。

指針は医療・介護関係者向けに作成されたもので、人工栄養補給を導入する際は、「口からの摂取が可能かどうか十分検討する」などと指摘。
さらに、胃ろうなどの処置で延命が期待できたとしても、本人の意向などにそぐわない場合、複数の医療関係者と本人・家族らが話し合った上で合意すれば差し控えが可能とした。

人工栄養補給を開始した後でも、苦痛を長引かせるだけの状態になった場合などは、再度、話し合って合意すれば、栄養分の減量や中止もできるとした。

医療側に対しては、患者側が適切な選択ができるよう、情報提供することを求めている。

国内では近年、口から食べられなくなった高齢者に、おなかに小さな穴を開け、管を通して胃に直接、栄養分や水を送る胃ろうが急に普及。
認知症で、終末期の寝たきりの患者でも、何年も生きられる例が増えた。
一方でそのような延命が必ずしも本人のためになっていない、との声が出ていた。


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アーティチョーク(朝鮮アザミ)
海外ではスーパーで食品として売っています。

今日から帰省します

解決していない問題が、色々待っています。
28日には戻って来る予定です。

今日は、良い天気ですね。
窓から見える葉っぱが、輝いています。

しば

認知症の種類によるBPSD(困った症状)の違い

認知症介護によって家族が追い詰められる原因の1つにBPSDがあります。
BPSDとは、暴言、暴力、徘徊、物盗られ妄想、嫉妬妄想、不潔行為など介護家族が(ほとんどの場合本人も)苦しめられる症状(周辺症状)のことです。
(対応の仕方について書いた記事は、こちらこちらこちらもご参考に。)

BPSDについて認知症専門医の方(コウノメソッド実践医)から有益な非公開コメントを頂きましたので、ご本人の了承を得て、記事にさせて頂きます。(青字部分。書き直させて頂いた部分があり原文通りではありません。)

私の母も2年前から激しいBPSDがあり、自宅介護は困難を極めました。
藁にもすがる思いで遠距離の病院にも連れて行きましたが、薬で穏やかになることは、ありませんでした。

現在でも妄想から怒り、暴言へとつながりますが、時間によっては、昔通りの優しく、思慮深い母に戻ったりします。
そのスイッチが、いつ切り替わるかは、誰にも予測ができません。
突然切り替わることもあれば、何をどうしても怒りが収まらない時もあります。

しかし周囲の人の話を聞くと、家族以外に怒りをぶつけるということは、ほとんどないようです。
施設職員には、愛想も礼儀も良いことが多く、最も親しい母の義姉に対しても怒ったことはないそうです。
BPSDさえなければ、例え認知症になっても心穏やかに暮らしていけるのに・・と何度思ったかわかりませんが、どうにもならないまま現在に至っています。
(BPSDのないアルツハイマー型認知症の方が、自宅で穏やかに幸せに家族と暮らしている例を色々な本で読みました。)

**************************************
  <認知症専門医(コウノメソッド実践医)からのコメント>

時間によって症状の変動が大きいのは、レビー小体型認知症の特徴で す。
レビーの方を穏かにするのは、コウノメソッドでも容易ではありません。
基本的な薬剤やサプリメント(フェルガード)の使用で穏かになるのは、5~6割程度ではないかと思います。

初回受診され、期待はずれだった方々の多くは、再受診しないようです。
それを考慮に入れると、上記の5~6割という数字になるのではないかと思います。

同じレビーでもパーキンソン症状が急速に進行するタイプは、寝たきりになりやすく、治療が難しいという印象があ ります。

認知症の方のBPSDは、家族など近い人にほど出やすいという特徴があります。
介護施設内では、症状のコントロールが容易な場合が多いのです が、家族が面会に来ると急にBPSDが出るという場合が少なくありません。
このため、認知症の方の在宅介護は、著しく困難になる場合が珍しくないのです。
特にレビーの方は、相手により症状が大きく違う方が珍しくありません。

なおピック病を主体として前頭側頭型認知症の場合は、大部分の方がコ ントミン(=ウィンタミン)で穏かになりますので、治療は一番容易だといえると思います。

またアルツハイマー型認知症の場合は、レビー等と比べるとBPSDは、一般に少ないと思います。

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ハマナス

5月の帰省中の母

母は、「昔のままの母」と「怒り狂う母」を交互に繰り返していた。

「お昼ご飯を作りに帰って、また午後来るね」
「ここで食べればいいじゃない!あんたの分だって用意してもらってあるのに、何でそんなひどいこと言うの?!どこに行くっていうの?!あんたまで私にいじわるするの?!もういいよ!帰れ!・・・あっ・・ほら、始まった。止まらなくなるよ。私、頭がバカになっちゃったから、すぐ怒り出すよ。止まらないよ。どうすればいいの?!私、どうすればいいの?!どうすればいいの?!」

午後、妹と2人で訪ねると、顔を見るなり「さぁ行こう!」
船に乗って皆で旅行に行く手配をしてあるのだと言い、港に行くと言い張る。
「今日はお天気があんまり良くないから」などと言っても怒って怒鳴るばかり。
何とか気分を変えようと建物の外へ連れ出したり、お菓子を渡したりしたが、怒りはエスカレートし、私たちをなじり続ける。
「あんたたちは、私がせっかく用意した旅行に行きたくないって言うんだね!」

最近は、こういう時が多いのだと妹が言う。
なんとか落ち着いて欲しいと思い、手を尽くしたが、母は、90分以上怒鳴り続けていた。
おやつの時間になり、初めて機嫌の悪い状態のままの母を置いて帰った。

「私だって、まだ人の役に立ちたいんだよ!」と母は叫んだ。
その一言が、胸に深く深く突き刺さった。
母は、常に人に尽くし、人を助け、人を喜ばせることを生き甲斐にしてきた人だった。
家族だけでなく、周囲の誰に対してもそうだった。
世話される一方の生活が、母には、耐え難いのだ。

翌日の朝は、一転して穏やかだった。
私の子供たちのために母が20年間積み立てた満期金を受け取ったことを告げた。
何の贅沢もせずに、質素な暮らしをしながら懸命に貯めてきたお金だ。

「お母さん、ありがとう。あの子たち、喜ぶよ」
「いいよ。本当はもっと残してあげたかったの。自由に飲み食いしてね。・・本当は、それを見たかった。楽しく飲み食いしてるのを・・そばで見たかった・・・」
「お母さんは、いつも私たちにこんなに良くしてくれたのに・・子供たちにまでこんなにしてくれたのに・・私は、お母さんに何にもしてあげられないよ・・」
涙を見せれば心配をかける。泣いてはいけない。思えば思う程感情は止められなくなる。
母は、昔のままの優しい笑顔と声で、静かに言った。
「泣かないで・・。あんたは、優しい心をいっぱいくれたじゃないの。それでもう十分」

欧米にはなぜ寝たきり老人がいないのか(読売新聞)

2012年6月20日ヨミドクター(読売新聞の医療サイト)の記事から一部抜粋。
記事原文は、こちら。読者の多くの感想も書き込まれています。

ここに書かれたことが、100%正しいかどうかは、私にはわかりません。
医師の倫理や親子間のつながりの深さや医療費など、他にも色々な要因があるのかも知れません。
過去の記事にも書いた通り、胃ろうにした後、家族の懸命のリハビリによって再び口から食べられるようになった例(こちら)もあります。
胃ろうは、単純に良い悪いと決めつけることのできない治療です。
だからこそ深く知り、よく考えなければいけないと思っています。

*胃ろうと嚥下障害についてのこのブログの過去の記事は、こちらです。

以下、青字部分は、原文通り。

***********************************

  < 欧米には、なぜ寝たきり老人がいないのか >

ヨーロッパの福祉大国であるデンマークやスウェーデンには、いわゆる寝たきり老人はいないと、どの福祉関係の本にも書かれています。
他の国ではどうなのかと思い、学会の招請講演で来日したイギリス、アメリカ、オーストラリアの医師をつかまえて聞くと、「自分の国でも寝たきり老人はほとんどいない」とのことでした。
一方、我が国のいわゆる老人病院には、一言も話せない、胃ろう(口を介さず、胃に栄養剤を直接入れるため、腹部に空けた穴)が作られた寝たきりの老人がたくさんいます。

不思議でした。日本の医療水準は決して低くありません。
むしろ優れているといっても良いくらいです。

「なぜ、外国には寝たきり老人はいないのか?」

答えはスウェーデンで見つかりました。
今から5年前になりますが、認知症を専門にしている家内に引き連れられて、認知症専門医のアニカ・タクマン先生にストックホルム近郊の病院や老人介護施設を見学させていただきました。
予想通り、寝たきり老人は1人もいませんでした。
胃ろうの患者もいませんでした。

その理由は、高齢あるいは、がんなどで終末期を迎えたら、口から食べられなくなるのは当たり前で、胃ろうや点滴などの人工栄養で延命を図ることは非倫理的であると、国民みんなが認識しているからでした。
逆に、そんなことをするのは老人虐待という考え方さえあるそうです。

ですから日本のように、高齢で口から食べられなくなったからといって胃ろうは作りませんし、点滴もしません。肺炎を起こしても抗生剤の注射もしません。
内服投与のみです。
したがって両手を拘束する必要もありません。
つまり、多くの患者さんは、寝たきりになる前に亡くなっていました。
寝たきり老人がいないのは当然でした。

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ネジバナ。
芝生の中によく生えています。
大好きな花です。

5月の帰省中の父

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うつを治したいという方からの質問

抗うつ剤を止めたいという方からスロージョギングについてご質問を頂きました。
ここに回答を書かせて頂きます。
ただ私は、医師でもスロージョギングの専門家でもないことは、ご了承下さい。

この方は、うつ病ではなく、軽度抑うつ状態で8年間抗うつ剤を服用中だそうです。
「気持ちがすっきりせず、生活に支障はないが、嫌な思い出が頭から離れず、理由もなく不安になったり悲しくなったり、ちょっとしたことで調子が落ちる。この状態をなんとか克服したい」と書かれています。

 <抗うつ剤について>

うつ病には、日本では薬物療法が一般的ですが、薬だけでは治らない患者が少なからずいることは、度々報道されています。一部のクリニックは、安易に大量の抗精神薬や睡眠導入剤を処方し、問題になっています。
一方、認知行動療法は、多くの方に確実な効果があると言われています。

私(うつ病)の場合、毎年変わる主治医(総合病院の精神科医)が、「調子の良い状態が、少なくとも半年以上続かない限りは、抗うつ剤を止めてはいけない」と言い、6年近く抗うつ剤を飲みました。
しかし最後の主治医は、一転して薬を止めることに積極的でした。
生活に支障ない(ある程度眠れ、食べられる)状態が続いているなら止めるべきだと。
私は、その主治医の言葉に従い服薬を止めて良かったと思っています。

 <うつを克服したいというお気持ちについて>

私は、うつ病を完全に治したいと切望している間は、良い状態が続きませんでした。
私も治したい一心であらゆることをしました。ヨガ、呼吸法、早朝散歩等々。
それぞれに確かにそれなりの効果はありました。

けれども完璧な(毎日体調も気分も良い)状態を求めると、小さな不調が、必要以上に大きなストレス(精神的ダメージ)になります。
「今日もやっぱり気分が重い!」「数日良かったのに、やっぱりまたダメか!」と。
そうした過度の期待と失望の繰り返しが、悪循環を生んでいた一因のように思います。

治ることを完全に諦めて「もう一生治らなくていい。こういう体質だと思って付き合っていこう」と決めた時から心身の不調は、少しづつ減っていき、自分でも驚きました。
ストレスがかかれば、体調はどうしても悪化します。それは健康な人間でも同じです。
だるさで動けなくなっても、夜眠れなくても、「そういう時もある。あってもいい。その内良くなる」と思って受け流していると徐々に治まっていきました。
(これは、抗うつ剤を飲んでいた頃の私の個人的な経験で、一般論ではありません。)

「人生は、天気と同じ」と河合隼雄は書いています。
晴れの日、雨の日、台風、梅雨、全部込みで人生だと。
まして中高年にもなれば、晴天の日が減っていくのは、ごく自然なことかと思います。

 長くなりましたが、以下が、ご質問への回答(個人的意見)です。

質問者:うつ病が治った頃、スロージョギングは、毎日続けていましたか?
しば: ほぼ毎日30分続けました。しかし毎日にこだわる必要はないと思います。
質問者:効果は、どのように感じましたか?波はありましたか?
しば: まず、毎日走ってみようと思い立った時点で、既にかなり良い状態になっていた
    のだろうと思います。走った後の爽快感を徐々に強く感じるようになりました。
    何週間かすると、気分も体調も良い日が増えて来たことを感じました。
    波は当然ありますが、毎日一喜一憂しないことが大事かと思います。
質問者:どれ位の運動量が適切なのかが、よくわかりません。
しば: スロージョギングは、毎日30~60分が良いそうです。
    気持ちが良いと思える範囲なら効果があり、苦しい・疲れた・足が痛いと思った
    らやり過ぎ(効果も出ない。)なのだろうと私は思っています。
質問者:30分の有酸素運動を続けていけば、うつは改善していくものでしょうか?
しば: 改善すると本には書いてあります。(下記リンク参照。)私もそう思います。
    短期間にすべての人に劇的な効果が出るとは思いませんが、運動を続けた方が、
    続けないよりも良いと思います。   
    久保田競教授は、ジョギングで脳が大きくなるのに半年かかると書いています。    
    
うつ病についての記事は、こちら。
スロージョギングについての記事は、こちら。
スロージョギングのうつ病への影響についての記事は、こちらこちらをお読み下さい。

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ゴデチア(6月初旬)

スロージョギングと抑うつ症状

抗うつ剤を止めたいという方からスロージョギングについてご質問を頂きました。
ここに回答を書かせて頂きます。
ただ私は、医師でもスロージョギングの専門家でもないことは、ご了承下さい。

この方は、うつ病ではなく、軽度抑うつ状態で8年間抗うつ剤を服用中だそうです。
「気持ちがすっきりせず、生活に支障はないが、嫌な思い出が頭から離れず、理由もなく不安になったり悲しくなったり、ちょっとしたことで調子が落ちる。この状態をなんとか克服したい」と書かれています。

 <抗うつ剤について>

うつ病には、日本では薬物療法が一般的ですが、薬だけでは治らない患者が少なからずいることは、度々報道されています。一部のクリニックは、安易に大量の抗精神薬や睡眠導入剤を処方し、問題になっています。
一方、認知行動療法は、多くの方に確実な効果があると言われています。

私(うつ病)の場合、毎年変わる主治医(総合病院の精神科医)が、「調子の良い状態が、少なくとも半年以上続かない限りは、抗うつ剤を止めてはいけない」と言い、6年近く抗うつ剤を飲みました。
しかし最後の主治医は、一転して薬を止めることに積極的でした。
生活に支障ない(ある程度眠れ、食べられる)状態が続いているなら止めるべきだと。
私は、その主治医の言葉に従い服薬を止めて良かったと思っています。

 <うつを克服したいというお気持ちについて>

私は、うつ病を完全に治したいと切望している間は、良い状態が続きませんでした。
私も治したい一心であらゆることをしました。ヨガ、呼吸法、早朝散歩等々。
それぞれに確かにそれなりの効果はありました。

けれども完璧な(毎日体調も気分も良い)状態を求めると、小さな不調が、必要以上に大きなストレス(精神的ダメージ)になります。
「今日もやっぱり気分が重い!」「数日良かったのに、やっぱりまたダメか!」と。
そうした過度の期待と失望の繰り返しが、悪循環を生んでいた一因のように思います。

治ることを完全に諦めて「もう一生治らなくていい。こういう体質だと思って付き合っていこう」と決めた時から心身の不調は、少しづつ減っていき、自分でも驚きました。
ストレスがかかれば、体調はどうしても悪化します。それは健康な人間でも同じです。
だるさで動けなくなっても、夜眠れなくても、「そういう時もある。あってもいい。その内良くなる」と思って受け流していると徐々に治まっていきました。
(これは、抗うつ剤を飲んでいた頃の私の個人的な経験で、一般論ではありません。)

「人生は、天気と同じ」と河合隼雄は書いています。
晴れの日、雨の日、台風、梅雨、全部込みで人生だと。
まして中高年にもなれば、晴天の日が減っていくのは、ごく自然なことかと思います。

 長くなりましたが、以下が、ご質問への回答(個人的意見)です。

質問者:うつ病が治った頃、スロージョギングは、毎日続けていましたか?
しば: ほぼ毎日30分続けました。しかし毎日にこだわる必要はないと思います。
質問者:効果は、どのように感じましたか?波はありましたか?
しば: まず、毎日走ってみようと思い立った時点で、既にかなり良い状態になっていた
    のだろうと思います。走った後の爽快感を徐々に強く感じるようになりました。
    何週間かすると、気分も体調も良い日が増えて来たことを感じました。
    波は当然ありますが、毎日一喜一憂しないことが大事かと思います。
質問者:どれ位の運動量が適切なのかが、よくわかりません。
しば: スロージョギングは、毎日30~60分が良いそうです。
    気持ちが良いと思える範囲なら効果があり、苦しい・疲れた・足が痛いと思った
    らやり過ぎ(効果も出ない。)なのだろうと私は思っています。
質問者:30分の有酸素運動を続けていけば、うつは改善していくものでしょうか?
しば: 改善すると本には書いてあります。(下記リンク参照。)私もそう思います。
    短期間にすべての人に劇的な効果が出るとは思いませんが、運動を続けた方が、
    続けないよりも良いと思います。   
    久保田競教授は、ジョギングで脳が大きくなるのに半年かかると書いています。    
    
うつ病についての記事は、こちら。
スロージョギングについての記事は、こちら。
スロージョギングのうつ病への影響についての記事は、こちらこちらをお読み下さい。

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ゴデチア(6月初旬)

魚ロボット・セラピー

今朝の7時台のNHKの放送の中で、魚ロボットによるセラピー活動が紹介されました。

イルカやウミガメなど色々な海の生き物のロボットを病気や障害を持つ人たちや子供たちと触れ合わせます。
外見も動き方も本物そっくりに作られた精巧なロボットは、大学の研究所で作られたものではありません。
ロボット工学とは何の縁もなかった林正道さんという方が、長い年数をかけて研究と工夫を重ね、完成させたものだそうです。

林さんは、プロのダイバー(ガイド)でしたが、肺の病気にかかり、潜れなくなってしまいました。
その時にある人から言われた言葉が、ロボット製作のきっかけになったそうです。
「病気で海にも行けない人たちに、海の素晴らしさを伝えて欲しい」

林さんは、現在、色々なロボットを持って全国の施設などを訪問しています。
車いすを利用する人たちに、もっと近くで触れ合って欲しいという願いから「水上を泳ぐ魚型車いす」まで作りました。(ドラえもんのポケットから出て来たよう!)

プールでイルカたちと触れ合う時に見せる障害のある人たちの笑顔・・。
ほとんど手を動かしたことがないという人が、イルカをなでようと手を伸ばしたりもし、職員が驚いていました。

林さん自身もその生き方がそのまま顔に表れていて、障害のある人たちの笑顔と共に強烈な印象を残しました。

犬や猫やあざらしのロボットが、アニマルセラピーの代わりに効果を上げているということは、以前から知っていました。(本物のイルカと泳ぐセラピーというのもあります。)
しかしイルカやカメの方が、複雑な表情や動きがない分、本物に近く作れるでしょう。
テレビで見ても限りなく本物に見え、『私もあのイルカと泳ぎたい!』と思いました。
そして特別養護老人ホームにいる母や知的障害者の授産所に通う兄にも体験させてあげられたらどんなに喜ぶだろうと・・。

   林さんのHPは、こちら。
  (それぞれのロボットを動画で見たりイベント依頼ができるようになっています。)

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これはネットで見つけた「手乗りイルカ」という写真。
本物かどうかわかりませんが、思わず目が釘付けに。

「認知症の人と家族の会」ご紹介

認知症の人と家族の会」東京支部の方からご連絡を頂きました。
どういう会か、このブログでご紹介したいとお伝えし、紹介文(青字)を頂きました。

私(しば)は、家族が認知症ではないかと疑った時、認知症と診断された時、認知症の症状で困った時、真っ先にするべきことは、<相談>だと固く信じています。
絶対に1人で悩んでいてはいけません。八方ふさがりになります。

また相談先で満足な答えを得られなかったとしても、1回で諦めてはいけません。
2カ所3カ所と相談することを勧めます。
同じ相談員、ケアマネジャーでも持っている情報、経験、能力は同じではありせん。
多くの人に相談すれば、自分の視野も知識も広がりますし、優れた人とも巡り会えます。

相談の窓口は、現在、たくさんあります。
市町村の役所にもあります。地域包括センターは、地域の身近な相談機関です。
保健所でも相談にのってくれます。
その他、「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」などの家族会は、本当に強力な味方になってくれます。(関連記事は、こちら。

今回ご紹介する「認知症の人と家族の会」は、誰もが目にした「ちびまる子ちゃん」のイラストの付いた認知症啓蒙パンフレットを監修した大変大きな組織です。
  
この会では、無料の介護相談も受け付けています。

  0120-294-456(携帯075-811-8418通話有料)
  月~金曜日10時~15時(土日祝日除く)

以下、「認知症の人と家族の会」の方が送って下さった自己紹介文です。

公益社団法人 認知症の人と家族の会は、1980年に「呆け老人をかかえる家族の会」として京都で発足。その後、名称変更を経て2010年に公益社団法人となりました。

2012年現在、46都道府県に支部があり、会員数は、約10,000名。
東京都支部は、1980年9月結成。
つどい、会報、電話相談を活動の3つの柱としています。
公開講演会にはどなたでも参加できます。

東京支部ブログは、こちら。
まもなく、今年のアルツハイマーデー記念講演会のお知らせも載せます。


アジサイ
紫陽花(アジサイ)
この種類は、今年初めて見ました。

認知症の在宅ケア支援(新聞記事)

2012年6月19日の日本経済新聞に掲載されたものをWeb版から全文コピー。

**********************************

  < 認知症の在宅ケア支援・厚労省がモデル事業・専門家を派遣 >

厚生労働省は18日、来年度から始める認知症対策を発表した。発症の初期段階から専門家でつくる支援チームが家庭訪問したり、全国300カ所に早期の診断ができる診療所を新たに整備したりするのが柱。認知症で入院する患者は急増しており、自宅で長く暮らせるようにするのが狙いだ。

厚労省は近く、こうした対策を盛り込んだ来年度からの5カ年計画をまとめるが、人材確保や育成などが課題となりそうだ。

厚労省によると、支援チームは看護師や作業療法士らでつくる。
各市町村の地域包括支援センターに設置し、認知症が疑われる高齢者宅を訪れ本人や家族に在宅でのケアなどを説明。
集中的に約6カ月間支援し、医療機関も紹介する。
同省は来年度からモデル事業を始める計画だ。

これまでは大学病院や地域の総合病院などが認知症の診断を担ってきたが、新たに診療所も「身近型認知症疾患医療センター」として整備する。
支援チームやかかりつけ医とも連携し、在宅医療や介護サービスなどの支援につなげる。

このほか薬物治療に関するガイドライン作成や、全国の市町村に医療と介護の連携を進める「認知症地域支援推進員」を配置する予定だ。

厚労省によると、認知症の推計患者は2010年に208万人、25年には323万人に達する。
精神科病院の入院患者数は08年が5.2万人で、1996年の2倍近くに増加している。


追記:この事業計画の問題点について認知症専門医の方がコメントされています。ぜひ併せてお読み下さい。

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蛍袋(ホタルブクロ)。学名はCampanula punctata
平原綾香の「カンパニュラの恋」というとてもきれいな歌を思い出す。

ピック病介護家族の体験談(2)浪費・家族の対応

介護家族の体験談(1)症状など」の続きです。回答(青字)は、ピック病のお父様を介護された浅井郁子さん。質問(赤い字)は私(しば)です。

*************************************

私(しば)の父は、他人からは「全く認知症に見えない」と言われるが、お父様は?

ピック病は、初期には記憶障害もあまり見られず、会話もちゃんとでき、計算もできるので、中~重度になるまでは、他人からは正常に見えることが多いのではないか。

反社会的行動や困った行動はあったか?その時の本人の様子は?

最も困ったことは、財産を人に貸したり投資したりしてほとんど失ってしまったこと。
本人は、きょとんとしていた。
追及しても満足な会話にならず、通帳とカードを預かると、1日中電話がかかってきた。
そのため私が離職して同居し、父を24時間見守ることを決心。


浅井さんが見守ることで、お父様の浪費は、防ぐことができたか?

通帳・カードを取り上げて、財布には1日千円のみ入れて母から渡す等の強硬処置をするしかなかった。母は、言い聞かせようとして、毎日ヘトヘトになったが、今、思えば、病気の人に言い聞かせるのは無理だった。

浪費について悩んでいる家族に何かアドバイスは?

お金に関することは、本当に頭が痛い問題。だからこそ徹底した管理しかないのでは?
病気のせいで起こしていることなので、まずは同情してあげること。
そして家族一体となってお金を守る方法を考えてほしい。
そのためには、成年後見制度を検討したり、同居している家族が本人に出来るだけ付き添ってお財布代わりになってあげたりしては。


医療・福祉・介護の従事者への要望があれば。

本人の人生の歴史、性格、習性、しぐさの意味などの情報を家族から収集する姿勢を持って欲しい。それらが、認知症ケアには、最も大切な部分だから。

ピック病と診断されたご本人やご家族に伝えたいことは?

(個人差があるので、あくまでも浅井家の場合で考えると)ピック病は、何をするかわからない部分があるので、(現実的には難しいが)本当は誰かが、常にそば付いていてあげた方が良いと思う。
ピック病は、本人の習癖やこだわりが強く出る。人間の根源的な部分(本能や性格等)が露わになる印象がある。
本人がすることを止めようとすると何としてもしようと頑張るので、難しいが、覚悟してとことん付き合うか、危険が伴わないことなら放置して見守るのが良いのかなと思う。


*カテゴリ「ピック病について
(家族から見た「なぜ万引きをするのか」、ピック病の映画、ケアのコツ等)

バラ
バラ

ピック病介護家族の体験談(1)症状など

ピック病(前頭側頭型認知症)の方とご家族のためになるのであればと、浅井郁子さんが、お父様を介護された貴重な体験談を提供して下さいました。(本人の承諾を得てお名前を書かせて頂いています。)

本やネットに書かれた症状からでは、決してわからない姿が見えてきます。
但しピック病も含めて認知症の症状は、個人差が大変大きいことをご理解下さい。
(私の父ともそっくりな部分もあれば、正反対の部分もあります。)

字数の関係で、浅井さんのお言葉を短く省略したり、要約しています。
実際には、浅井さんは、大変丁寧な言葉で私の質問に答えて下さっています。
従って、文責は、私(しば)にあります。
以下、赤い字が、私の質問、青字が、浅井さんの回答を書き直したものです。

***********************************

お父様のピック病発病時の年齢と介護度は?

78歳でピック病を発症。便失禁をきっかけに要介護1。その後、脳梗塞から失語症になり要介護3。硬膜下血腫の手術後、車いすとなり要介護4。肺炎を起こし要介護5。

病院に行くきっかけとなった症状は?

勤め先の方から「その場にそぐわないことを言うようになったので引退した方が良い」と進言されたこと。

異常に怒りっぽくなるという変化はなかったか?

元気な頃のほうが、欲望やストレスが多かったせいか、怒りっぽかった。元々性格的に優しく大人しいタイプで、私に怒りをぶつけるようなことはなかった。

それ以前にもあったと、後になって気が付いた症状は?

本人がしきりに「忘れっぽくなったなあ」と首をひねりながら言うようになった。
家中の壁に歌手や女優の写真、絵画等を隙間なく張りだした。等。


どのような検査、診断、治療を?

長谷川式の後、CTとMRI。主治医が3~4か月間症状を見た結果、ピック病の診断。
数か月間はアリセプトを服用、その後は気分を穏やかにする薬や眠剤を服用。

その後の症状は?

・偏食が著しくなり、バケットに塩を振ったものを頻繁に食べていた。
・同じものをいくつも買ったり、お金を貸したり、財布にあるお金を使い切らないと
 気が済まない様子だった。
・毎日10時に家を出て明治神宮に行き、ほぼ決まったコースを辿って午後に帰宅。
 本人は、たまにしか出掛けてないと思っているようだった。
・家の中で一時もじっとせず、無意味な整理整頓のようなことを毎日繰り返していた。
・電話の取次ぎができなくなり、そのまま切ってしまうこともあった。
・人の話を聞く様子がなくなった。
・便失禁をして、それを平気で踏んで作業を続けるなど、衛生観念がなくなった。等。
(但し、その後、脳梗塞、失語症等も起こり、症状の原因が判断できなくなった。)

「(2)浪費・家族の対応」に続く。

浅井さんが介護経験を元に作られたケアダイアリー(介護手帳)→(1) (2) 

*カテゴリ「ピック病について

追記:2014年8月7日に日本テレビ「得する人!損する人!」でピック病特集を放送しました。新井哲明筑波大学准教授が解説していました。

マツバボタン
松葉菊(マツバギク)
南アフリカ原産。

内科を受診する多くのうつ病患者

うつ病と認知症は、症状が似ています。
(追記:甲状腺機能低下症(橋本病)にも良く似た症状が出ます。)

高齢者のうつ病は認知症に、若年性認知症はうつ病に誤診されることが多いので注意が必要です。


以下は、うつ病に関して、2012年6月14日「日経メディカル オンライン」に掲載された記事の一部を抜粋(青字部分。調査結果は黒字)。

************************************

うつ病の生涯有病率は7~10人に1人と高く、多くの患者が身体的な症状を訴えて内科を受診する。

「胃痛、動悸、疼痛などを主訴として内科を受診する患者の中には、うつ病を抱えている患者が多く存在する」と語るのは、信愛クリニック(神奈川県鎌倉市)院長の井出広幸氏。

しかし、ほとんどのうつ病患者は、自分自身がうつ病であることに気づいていないか、認めようとしない。そのため、うつ病に起因する何らかの身体的不調のみを訴えて内科を受診する患者が少なくない。

実際、抑うつ症状を有する患者の6割以上が、まず内科を受診するという国内の調査結果もある。
   <後に心療内科を受診した抑うつ患者の初診診療科>(三木治 心身医学2002)

   内科 64.7% 婦人科9.5% 脳外科8.4% 精神科5.6% 
   心療内科3.8% 耳鼻科3.8% 整形外科2.8% その他1.4%

また、内科を受診する患者の約1割は、うつ病患者ともいわれている。

厚生労働省はこれまで、医療計画上の重点対策を必要とする対象疾患に癌、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病を指定してきたが、昨年これら4大疾患に「精神疾患」を加えて5大疾患とした。

08年の患者調査によれば、精神疾患の患者数は約323万人と、4大疾患で最も患者数が多い糖尿病(約237万人)を大きく上回り、次いで多い癌(約152万人)の2倍以上。
厚労省は、「うつ病や認知症の増加により、精神疾患が国民に広く関わる疾患となった」としている。

この記事は日経メディカル2012年6月号特集「うつ病・認知症診療 15のコツ」の転載です。


*うつ病・躁うつ病に関するこのブログの今までの記事は、こちらを。

アジサイ
ガクアジサイ

人iPS細胞でアルツハイマー症状改善

2012年6月13日の日本経済新聞夕刊の記事(青字部分。ほぼ原文通り)。


聖マリアンナ医科大学の藤原成芳助教らは13日、ヒトの様々な細胞に育つiPS細胞から脳神経細胞をつくり、アルツハイマー病に似た症状を改善する実験にマウスで成功したと発表した。
改善の効果をさらに確認し、1~2年後をめどにサルでも効果を確かめ、患者への応用を探る。

遺伝子組み換えで作ったアルツハイマー病症状を示すマウスを水槽で泳がせゴールにたどり着けるかを実験。(症状が重いマウスはゴールの位置を記憶できないと想定。)

脳の海馬にヒトのiPS細胞から作った神経細胞を移植した6匹のマウスの内2匹が20~40秒後にゴールにたどり着いた。

研究チームは「神経細胞が再生して、脳内で電気信号が伝わりやすくなった可能性がある」とみている。

ただ移植しなかったマウスの中にもゴールできたマウスがいた。
実験の症例をさらに増やして確認するほか、神経細胞の作成や移植の条件を変えて調べる。



ムラサキツユクサ
紫露草(ムラサキツユクサ)

実は凄いラジオ体操(テレビ体操・みんなの体操)

ラジオ体操が、むち打ち、四十肩・五十肩、腰痛、ひざ痛などのリハビリに良いと整骨院の先生が言ったという記事を以前書きました。
その後、ラジオ体操とちょっと縁があるので、再びご紹介します。

先月、本屋で「実はスゴイ!大人のラジオ体操」(中村格子著)という本を発見。
2012年6月13日の日本経済新聞夕刊の読書欄「ベストセラーの裏側」にもこの本が紹介されていました。35万部も売れたそうです。

著者は、新体操の日本代表のチームドクター。
本にはこう書かれています。
「ラジオ体操第1は、(略)その1つ1つが健康増進のために計算し尽くされた動きであり、ポイントを押さえて正確に行えば、美しい体のラインづくりに役立ちます」

私は、自分の体の衰えを実感する1番手っ取り早い方法が、ラジオ体操(テレビ体操)をしてみることだと去年から思ってきました。
< Eテレで毎朝 6時25分~6時35分 放送。総合テレビは、こちら。 >

試しにテレビを見ながら10分間、体を動かしてみて下さい。
40代以上の、多分ほとんどの人が、愕然とすると思います。
私もでした。
『できない!付いて行けない!息が切れる!苦しい!
昔(運動部に入っていた中高時代)、あんなにバカにしていた体操なのに・・・!』

以来、気がむくと時々やっているんですが、ある日、体操をやっているアシスタントさんの名前を見たら、昔からよく知っている○○ちゃんでした。
(すっかり美しい女性になっていて、顔からは、すぐにはわかりませんでした。)
その後、『○○ちゃん、頑張れ~!・・それにしてもハードだわ・・』と思いながら、やる回数がちょっと増えました。

年齢と共に、体力・筋肉はどんどん落ち、関節は固まる一方です。
運動不足は、身体だけではなく、脳も蝕んでいくことがわかっています。
スロージョギング30分は無理」という方、1回だけ試しにテレビ体操で、自分の体をチェックしてみませんか?

カシワバアジサイ
柏葉紫陽花(カシワバアジサイ)
かなり大きく長いブーケのような花の固まりの1つをアップ。

介護の工夫でできること・できないこと

介護の工夫例の記事では書き足りなかったことを書き加えます。

確かに「ある工夫」が効果を上げ、悩みに悩んだことが、解決されることもあります。
そうした実例のデータベースが、どこかのサイトにできればいいのにとも思っています。
(既にあったらどうぞ教えて下さい。)

けれども実際には、Aさんに効いた工夫が、Bさんにも効くとは限りません。
Aさんに昨日まで効いていた工夫が、今日も効くとは限りません。

暴言・暴力・物盗られ妄想(「嫁がお金を盗む」)・嫉妬妄想(「夫は浮気中」)・昼夜逆転・不潔行為(弄便)など家族が困り果てる症状(周辺症状。BPSD)は、多々あります。
「こうすれば良い」というアドバイスも本やネットでたくさん見ます。
(主には、叱らず、否定せず、説得せず、本人の抱える不安や不快を取り除く等)

けれども結局、「これをすればピタリと治まる」という決め手などありません。
治す薬もありません。(抗精神薬や睡眠薬は、病気を悪化させる場合があります。)
押せば解決する魔法のボタンが、どこかに必ずあるはずだと探しても辛くなるだけです。
子供の不登校などの問題を簡単には解決できないのと同じだと思います。

その言葉や行為の裏側に隠れたその人の気持ちを見つめ、その人の心の平安を脅かすもの、苦しめているもの(孤独感、不安など)を時間をかけて少しづつ取り除く以外にはないといわれています。

でもそれこそが最も困難なことで、私は、いつも無力感で泣きたくなります。
母の妄想が消えたことは、1度もありません。

昔読んだ河合隼雄氏の本の中に「嫁が財布を盗んだと姑は言うが、本当に盗んだものは、最愛の息子」と書かれていました。
(嫁が標的になりやすいのは、世話をかけていることへの申し訳なさを無意識に打ち消そうとするためという説明も誰かの本にありました。)
それが本当なのかどうかは、わかりません。
本当だとしても、離婚して息子を姑に返すことはできません。
ただそういう視点を持てば「私も辛いけど、この人も辛いんだ」と思えると納得しました。

最後に。老人ホームでの様々な工夫には感心させられることがよくあります。
「他の人は違うけど、この人はこうすると食べてくれる、飲んでくれる」という工夫を見るとびっくりします。
愛情と注意深い観察と創意工夫(諦めずに試行錯誤を続ける根気)は、家族にもできなかったことを可能にするのだと思います。

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イングリッシュ・ラベンダー
人通りのない空き地に咲いていました。
どこかから種が来て広がったようです。

介護の工夫例(失認や幻視に)

NHKテレビ「きょうの健康」(2012年4月5日放送)で紹介された介護の工夫例。

<アルツハイマー型認知症で起こる「失認」(見ているものが理解できなくなる)>

 (問題)  玄関や脱衣所のマットが谷底に見え、恐くて踏めない。
 (解決法) マットを取るか、床と同系色のマットにすると安心する。

 (問題)  内側が白い茶碗にご飯を盛るとご飯が入っていないように感じる。
     「ご飯をもらえない」「意地悪をされている」と感じる場合がある。
 (解決法) 黒塗りの茶碗にご飯を盛ったり、ふりかけをかけたりする。

<レビー小体型認知症の幻視(幻覚)>

 見えているものは実在していない物だときちんと説明し、理解してもらい、不安を
 取り除くことが大切。
 布団の上に大勢の人が立っている幻視のために布団に入れなかった方が、幻視であるこ
 とを理解し、安心した後も人は見える。本人が「どいて下さい」と頼んだところ、隅に
 寄ってくれたので、布団に入ることができたという実例がある。

幻視を減らす工夫、幻視への対応として「レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック」には、こう書かれている。

*見間違いが多いので、壁にコートをかけたりしない。(人に見える。)
*目立つ色のものを置かない。
*壁やカーペットやカーテンの柄はシンプルにする。シミは取り除く。
*家の中の照度や電球(蛍光灯より白熱灯が良い。)を統一する。

*幻視は、強く否定したり感情的に対応すると悪化する。
 「本当はいませんが、あなたには見えるのだからしかたないですね」
 「そういう病気だから、見えるのもムリはないですよ」
 「確かにいるけど、悪さをしないから大丈夫」
 「おまじないをして帰って(消えて)もらいましょう」などと伝えるとよい。

*恐怖感や興奮がある場合は、何が見えるのか、十分に話を聞いてあげる。
*時には、介護者が幻視を追い払う演技も有効。

*介護者が、繰り返し幻視であることを説明することで安心することもある。
(この場合も時間をかけて本人の訴えに十分耳を傾けることが大切。)
*いったんその場所を離れ、別の部屋で話を聞くということもよい。

*はぐらかしたり、ごまかしたりは、レビー小体型認知症の人には、不適切。
(真実を伝えない方がよい場合もあるアルツハイマー病とは対応が異なる。)

*近づいたり触ったりすると消えることがほとんど。
「じゃあ、一緒に触ってみましょう。ほら、消えちゃうでしょ」と安心させる。

*脱水、風邪、腰痛、便秘など体の不調で幻視が増える場合があるので注意する。

続きは、「介護の工夫でできること・できないこと」を。

ベゴニア

ベゴニア
八重のベゴニア

福島市で認知症の見極め検診始まる(ニュース)

2012年6月10日NHKオンライン福島放送局のニュースから全文コピー(青字部分)。

こうした検診が、全国の市町村で行われるようになって欲しいと願います。
認知症の方の多くは、自分が病気だとは考えず、病院に連れて行くことは、困難です。
男性の場合は、「俺は病気じゃない!」と激怒する(これも症状の1つ。)ことが多々あります。
私は、父を病院に連れて行く時、暴れないように取り押さえてもらう人を保健所に頼みに行きました。(保健所では、そういう仕事もして下さると病院で聞いて。実際には不要でしたが。)

ただ、アルツハイマー型認知症だけでなく、レビー小体型認知症脳血管性認知症やピック病(前頭側頭型認知症)のチェックも確実に行って欲しいと思います。

***********************************

認知症の早期発見につなげようと、高齢者を対象に認知症かどうかを見極める検診が県内で初めて福島市で10日から始まりました。
この検診は福島市医師会が65歳以上の高齢者を対象に、県内で初めて行いました。
初日の10日は、およそ50人が受診しました。

認知症は老化による「もの忘れ」との違いがわかりにくい一方で、早期に発見出来れば薬による治療で進行を遅らせることができます。

検診では、事前に研修を受けた保健師などが、受診した人にきょうの日付や、今、自分がいる建物の名前などを尋ねたり、説明した単語や数字をその場で繰り返してもらったりと、認知症かどうかを見極めるチェックシートで問診しました。
そのあと専門の医師がチェックシートの結果をもとに認知症かどうかを判断し、結果を本人に伝えていました。

福島市医師会では今年度は一部の地区を対象に検診を行って課題を洗い出した上で、将来的には市全域に取り組みを広めたいとしています。

受診した70歳の女性は「たまに人の名前が思い出せないので、一度見てもらおうと思って来ました。わざわざ病院に行くのは大変ですが、こうして近所で気軽に検診が受けられると本当にありがたいです」と話していました。

福島市医師会の丹治伸夫会長は、「チェックシートによる問診だけではなく、専門の医師による診断も行いさらに認知症だと診断された人には、その場で病院への紹介もしています。
毎回、ここまでの態勢を維持できるかなど課題はあるが、今回の結果を検証した上で、市全域での実施につなげたい」と話しています。

マツバボタン
松葉牡丹(マツバボタン)

昏睡状態にある人とのコミュニケーション

先日、胃ろうの特集番組を見た時、家族の方が「もう(私の言葉も気持ちも)何も届かないのに、そんな状態で生き続けることが良いことなのか」という意味のことを話されていました。
『そうではありません。届いています。ただ反応できないだけ、答えられないだけです』
私は、そう伝えたいと強く思いました。

以前にも、記事(「意識がないように見える人に話しかける」)に書きましたが、最近、諸富祥彦氏の本で「コーマ(昏睡状態)・ワーク」というものがあることを知り、是非ご紹介したいと思いました。
諸富氏は、「コーマ・ワークの普及を心から願う」と書いています。私もです。

以下、青字部分が、本からの引用です。


1度昏睡状態になって、その後意識が戻ってきた方の多くが語るように、いわゆる「昏睡状態」にある人は、一見、意識がないように見えても、実はちゃんと聞こえていることが多いものです。(略)

「コーマ・ワーク」といって、プロセス指向心理学の創始者アーノルド・ミンデル氏が開発した昏睡状態の人と「心を1つにして」コミュニケーションをとっていく方法です。
米国ではすでに多くの人が専門家(コーマ・ワーカー)としてトレーニングを受け、家族の方が、昏睡状態にある人とコミュニケーションするのを援助するために活躍しています。(岸原千雅子さんによる手引書の翻訳が近刊とのことです。)

コーマ・ワークでは、昏睡状態にある人の発するさまざまなシグナル、たとえば唸り声、咳、眼球の動き、筋肉の動きなどを、無意味な生理的反応として切り捨ててかからず、それらは「何かを訴え表現しているのかもしれない」「単なる肉体的苦痛の表現ではなく、死にゆく人の心の表現かもしれない」と考えます。
(略)相手に呼吸を合わせ、言葉のトーンを合わせ、相手のペースに従って、必要あらば、そのほんの少しの反応があった部分をていねいに触って刺激してみたりしながら、昏睡状態にある人が、少しでも自分を表現し、その心の世界が展開していくことができるように援助していくのです。


出典:「人生を半分あきらめて生きる」諸富祥彦(明治大学教授)著 P.163~164

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額紫陽花(ガクアジサイ)

認知症の人と一緒に走るイベント

私も会員になっているNPO法人認知症フレンドシップクラブで、とてもユニークなイベントを開催します。是非とも公式HPをご覧下さい。


認知症を発症しても、失うのは、その人のごく一部分でしかありません。
(進行と共にそれは増えていきますが、末期になっても心は残っていると感じます。)
母も含めて多くの人が、「人の役に立ちたい」と言い続けます。
どなたにも感情(心)は、豊かに残っています。
(母には、人の本心を鋭く見抜く力も残っています。
恐らく認知症の多くの方が、そうなのだと思います。)

こうしたイベントを通して、誰もが、認知症の方の「ありのままの姿」を知ることができたらいいなと思います。
「何もできない人、何もわからない人」という歪められた認知症像が、変わるでしょう。

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公式HP「RUN TOMO-RROW(ラントモロー)2012」からのコピー。

「認知症を治せ!」(NHKスペシャルの動画)

2年近く前の放送ですが、2010年10月31日のNHKスペシャル「認知症を治せ!」の動画を見つけました。見る価値のある良い番組でした。

番組の内容詳細は、こちらを。
*2010年11月1日にこの番組に関して私が書いた記事は、こちらです。

   <50分の番組(動画)は、こちらです。>

 < 内容 >

■認知症の患者比率
■治せる認知症…「正常圧水頭症」
■劇的に改善する認知症…「レビー小体型認知症」
■認知症治療の鍵を握るタイプ別診断
■「アルツハイマー病」で進む新薬開発
■「アルツハイマー病」予防の最前線
■認知症を招く生活習慣病



今、再び見て、印象に残ったのは、生活習慣病が認知症のリスクを高めるという事実。
高血糖、高血圧、高いコレステロール値などによって、40~50代から20年かけて脳が冒されていくと説明しています。
運動習慣、食生活は、40代から既にとても重要だということです。
また既に認知症(番組ではアルツハイマー病)を発症した後でも運動習慣と食生活の改善によって進行を遅らせることができるようだと伝えています。

もちろんどれだけ気を付けても認知症になる人もいれば、不摂生で大丈夫な人もいます。
タバコと肺がんの関係と似ていると思います。
1本も吸わなくても肺がんになる人はいます。100本吸ってもならない人も。
けれども「だからタバコを吸ってもいい」と言う人に賛同する人は、いないでしょう。

体に良いことは、脳にも良い。
将来の自分と自分を介護することになる人のことを考えたら、予防は真剣に考えたいと思います。

*生活習慣病、認知症予防に有効な有酸素運動としてスロージョギングがあります。


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時計草(トケイソウ)

なにごとも二度は起こらない(シンボルスカの詩)

以前、記事でご紹介したヴィスワヴァ・シンボルスカの詩集「終わりと始まり」を読んでいます。
昔、タゴールの詩を繰り返し読んだことがあるのですが、その時以来の衝撃を受けています。

         なにごとも二度は起こらない
         けっして だからこそ
         人は生まれることにも上達せず
         死ぬ経験を積むこともできない
          
                 ヴィスワヴァ・シンボルスカ


彼女は、ノーベル賞記念講演の中で「太陽のもとではすべてが新しい」と言っています。

確かに私たちは、一生を「初めての経験」を繰り返しながら終えていくのだと思います。
初めて二十歳になり、初めて30になり、40になり、50に、60に、70になります。
その年齢に相応しい服も態度も言葉使いも考え方もまったくわからないままに。

ある人は、初めて結婚し、初めて赤ちゃんを育て、初めて思春期の子供と向き合い、初めて独立していく子供を見送ります。
初めて他人が義理の子供とになり、初めて孫と接します。

初めて親が認知症になり、初めて親のオムツを代え、初めて親を施設に入れます。
初めて親と死別します。
初めて自分の体も弱り、初めて人の助けを借りて生きるようになります。

すべてが、生まれて初めての経験です。
上手くいくはずがありません。
誰もが、どうすれば良いのか見当も付かず、右往左往し、試行錯誤し、悩み、後悔し、時に開き直り、そして学び・・。
泣いたり、怒ったり、笑ったり、力を振り絞ったり、へたり込んだり、・・。
そうしている内に、いつの間にか時が流れて、違う段階にいる自分を見付けます。

嵐の中では気が付かなくても、後になって振り返ると、こう思わずにはいられません。
すべては新鮮で、輝いていて、涙が出るほど貴重で、かけがえがなく、愛おしかったと。


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今頃出てきた生け垣の新芽。
春には小さな白いバラのような花が鈴なりでした。

スロージョギングとウォーキングの比較

最近、本屋の目立つ場所に置かれている「20歳若く見えるために私が実践している100の習慣(南雲吉則著)」。
「走るな。ジョギングは健康に悪い」と書かれています。
けれども南雲氏のいうジョギングは、「息を切らせて走るジョギング」のことです。

スロージョギングは、息が切れません。(切れる方は、速度・走り方が違います。)
心肺への負担は、ウォーキングと変わらないと田中宏暁教授は言っています。

では、ウォーキングとスロージョギングを比較すると、何が違い、どちらが良いのでしょうか。

田中教授は、「ウォーキングは、健康な人の運動としては、軽過ぎる」と講演で話していました。
ウォーキングでスロージョギングと同程度の健康効果を得るためには、スロージョギングの2倍の距離を歩かなければいけないという話でした。
(同じ距離ならば、スロージョギングの消費カロリーは、ウォーキングの1.6倍と「ためしてガッテン」の公式サイトには、書かれていますが、田中教授は、2倍と言っています。)
田中教授は、日に30分(週3日で効果。理想は、週180分)のスロージョギングを勧めていますが、ウォーキングの場合は、日に1時間歩かなければいけません。

これだけウォーキングが良いという認識が全国に広まり、多くの人が、健康のために歩いているのに、「血圧・血糖値・悪玉コレステロール値が、正常値まで下がった。痩せた」という声をあまり聞かないのは、ウォーキングだけでは、十分な運動量に達していない人がほとんどだからだそうです。


スロージョギングでは、ウォーキングで鍛えられないインナーマッスルの大腰筋などを鍛える効果があると田中教授は、YouTubeのスロージョギング講座で説明しています。
大腰筋は、加齢と共に著しく衰える筋肉だそうです。
大腰筋が衰えるとつまづきやすくなる、転倒(骨折)する、姿勢・体型が崩れる、腰痛・むくみ・冷え性等になりやすくなるなど様々な深刻な影響が出ます。

また久保田競京都大学名誉教授(脳科学者)は、著書(「仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング」「バカはなおせる」他)の中で、「歩くよりも走る方が、脳の前頭前野の働きを活発にする(「「頭が良くなる」)ことが実験で証明された」と書いています。

ただし久保田教授のいう「走る」は、時速9kmですから、スロージョギング初心者のスピード(時速4~5km)ではありません。
しかし田中教授は、「スロージョギングを毎日続けると3ヶ月後には、多くの人が、息が切れないまま時速6~7kmで走れるようになる、さらに6~12ヶ月間続けると誰でもフルマラソンを完走できるようになる」と書いています。
長く続けることで、誰でも息切れなしに時速9kmに近付いていくことは確かです。

*スロージョギングについての今までの記事は、こちら。

追記:久保田競氏は「バカはなおせる」の98ページにこう書いています。
「走らなくなったら終わり」です。脳が衰えます。(略)意図して走るようにすべきです。歩くだけでは不十分です。

追記:私自身は、ウォーキング(散歩)も好きでよく歩きます。木や草花を見ながら歩くのは、とてもリラックスできます。
田中教授は、体力のない初心者や高齢者には、「1分走って1分歩く」を繰り返す方法を勧めています。

*スロージョギングの自分に合った最適速度(ニコニコペース)/ウォーキングの違いについて書かれた朝日新聞の良いサイトは、こちら。

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スロージョギングの正しい走り方。
1分間を180歩。1秒3歩で走るのがポイントです。

アルツハイマー病の診断装置開発(新聞記事から)

2012年6月5日の日本経済新聞朝刊に掲載。
記事の冒頭部分のみは、「日経WEB刊」に。

以下、青字部分は、記事全文の要約。


   「く」の字識別でアルツハイマー診断 岡山大 中国で臨床研究

「く」の字の膨らみに指先で触れてもらい、アルツハイマー病かどうかを診断する装置を、岡山大学の呉景龍教授と同大病院の阿部康二教授らが開発した。
今の診断法よりも記憶、認知能力を正しく判別できるとみる。

アルツハイマー病になると、「く」の字の開き具合(角度)を識別する能力が落ちる点に着目した。

検査は、角度の違う2つの「く」に触れてもらい、どちらが大きく開いているかを答えてもらう。
検査時間は、約15分。

健常者では、10度程度の開きの差を区別できるが、アルツハイマー病では22~23度の差になるまでわからない。
(岡山大病院で平均71歳の37人に試した結果。)

近く中国の北京大学病院で臨床研究を始める。スウェーデンでも計画中。
有効性を検証する。

米国で開発されたアンケート方式の診断が、現在は主流だが、言語や教育レベルなどに依存し、客観性に欠けると指摘されている。


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八重のドクダミ
初めて見ました。

認知症の新治療開発ニュース(新聞記事から)

2012年6月4日中日新聞(WEB版)から全文コピー(青字部分)。


  神経難病の進行を抑制 名大などが新治療法 

遺伝子異常により、神経細胞に有害なタンパク質が蓄積する神経難病「球脊髄性筋萎縮症(SBMA)」の進行を抑える治療法を、名古屋大大学院医学系研究科の祖父江元教授や大学院生の宮崎雄医師らのグループが自治医科大のグループと共同で開発した。

病気のメカニズムがよく似ているアルツハイマー病やパーキンソン病の治療にも応用が期待できる。英医学誌「ネイチャー・メディシン」電子版に3日、発表した。

SBMAは遺伝子異常が原因で、神経細胞に有害なタンパク質を運動神経にため込んで、全身の筋肉がやせ細る難病。全国に2千人の患者がいる。

グループは、タンパク質の量を調節するマイクロリボ核酸(RNA)に注目。
培養細胞の実験で、神経細胞に有害なタンパク質の合成を促す「CELF2」というタンパク質を発見し、CELF2の発現を抑制するマイクロRNAを特定した。
SBMAの症状を再現したマウス40匹を2グループに分け、一方にだけこのマイクロRNAを大量に投与すると、有害なタンパク質は60%減少した。
人間の患者から採取した皮膚細胞にも投与したところ、70%減少した。

アルツハイマー病やパーキンソン病をはじめ、SBMAと同様に神経細胞に有害なタンパク質をため込んで引き起こされる病気は少なくない。
疾患ごとに、タンパク質の量を減らすマイクロRNAを見つけることで、治療法の応用が可能になる。

祖父江教授は「これまでは疾患別に原因究明がなされてきたが、患者数の少ない疾患から共通の要素を見いだすことができた。広く応用できる治療法になる」と期待を込める。


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ビヨウヤナギ(ビジョヤナギ)
花のアルバムは、こちら。

5月の帰省中の母

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プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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