「旅のことば」 No.3

是非読んで頂きたい本として以前からご紹介してきた(記事1   
旅のことば 認知症とともによりよく生きるためのヒント」のカードも出ましたので、活用方法を転記します。
旅のことばカード
旅のことばカード」(認知症とともによりよく生きるためのヒント・カード)は、
対話を引き出すのに絶大な効果を発揮します。ぜひ、ご活用ください!

 【 認知症カフェ家族会施設などでの活用方法 】

「旅のことば」カードを用いて、体験談を話し合う場をつくることができます。
まず、数人でグループになり、テーブルのまわりにになって座ります。

そして「本日のテーマ」として、40枚ある「旅のことば」カードから1枚を選び、
グループに渡して日頃実践しているかどうかを話してもらいます。
実践しているという場合には、具体的にはどのようにしているのかを話します。
経験がない方は、経験者に聞いてみたいことがあれば質問してみるのがよいでしょう。

例えば、《なじみの居場所》のカードの場合には、そのような居場所をもっている方は、その場所について具体的に話します。
その場の重要性や、印象的なエピソード、他の人の参考になりそうなことなども交えて
話すとよいでしょう。

司会者がいる場合には、そのカードに書かれている工夫について少し解説してから
グループ内で体験談を話すようにすると、よりスムーズに始めることができます。

旅のことば』書籍版(丸善出版 刊)には、さらに補足的な説明やが書かれているので、参考にしてください。
話し合ったあとは、各参加者に「わが家で明日からできること」をひとりずつ
発表してもらうと、生活をよりよく変えていくイメージを具体化してから終わる
ことになり、さらに有意義な場となるでしょう。


*「旅のことば」(井庭崇・岡田誠編著。慶応義塾大学井庭研究室・認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ著。丸善出版)の帯の言葉→「認知症と出会ったときから手元に置いておきたい人生のノートです(順天堂医学部教授 天野篤)」

<こちらも是非>
必見!「レビーフォーラム2015」の動画集(3本)
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若年性アルツハイマー病の妻と生きる吉田晋悟さんのメッセージ

追記:毎日発信している認知症情報は→twilogをご覧下さい
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「レビーフォーラム2015」の若年性レビー小体型認知症・樋口直美さんの講演動画(→こちら)をご覧になった吉田 晋悟さんからメッセージを頂きました。
認知症の種類は違っても、奥様のご病気(若年性アルツハイマー病)や介護にも通じる所が、色々あったということです。
頂いたメッセージを少し短くして、ご本人の承諾を頂き、ご紹介させて頂きます。
吉田さんご夫婦のご様子は、Facebookでお読み下さい。(→こちら
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(Facebookのプロフィール写真に使われている吉田さんご夫婦)

私の妻が、若年性アルツハイマー型認知症の診断を受けた時、病と向き合うために、関わりのある皆さんに、病いを明らかにする道を選びました
私には牧師、妻には伝道師という公の仕事があったからですが、公にしたことは、とても良かったと思います
診断を受けた年に、京都で「若年性認知症本人会議」という集まりがあり、オーストラリアからクリスティン・ボーデンさん(現、ブライデン)も招かれていました。
本人会議には、7名の患者が出席しましたが、氏名や映像を出すことを承諾したのは、妻を含めて3名でした。その様子(妻の発言、ボーデンさんとの会話等)は、NHKや主要新聞で報道されました。
そうしたこともあり、私は、妻の病は、多くの人々のために、役に立たせていただくのが良いのではないかと思うようになりました。

樋口さんの講演を聴かせていただいて、優れた語り手だと思いました。
妻は、講演をするというより、人に仕えて慰めや励ましを与えるタイプでしたから、別の方法で人々の役に立つ道を二人で話し合ってきました
妻の病は、徐々に進行する道をたどりましたが、それでも、2人で病と向き合う10年ほどの過程を、私が、ありのまま人々に語ったり、ブログやfacebookに書いてきました
それによって、この病に対する偏見が取り除かれたり、理解が深まるのに、多少はお役に立てたかと思っています。こうした思いから、ご本人の思いやお考えを伝える働きは、とても大切だと思っています。

講演から思い当たったこと。
【病人の尊厳について】病の性質は違いますが、妻には、本人の人格を尊ばれなくなる時に、絶望感恐怖感孤独感を強くする傾向が見られました。「早く天国に行きたい」「お母さんに会いたい」「わたしは要らないのよね?」という言葉は、そんな時の妻の心情であったことに思い当たりました。

感性は働いている】言葉で言い表せず、論理的に説明できなくても、状況人の気持ちは、感情で把握できていると分かることが、よくありました。
むしろ、理性で感性の働きを抑えることがないだけに、より敏感に人の気持ちをキャッチしていたようです。
喜怒哀楽の変化が激しいのは、そううつ状態だなどと決め付けて、安定剤に頼ろうとしたこともありましたが、妻の問題よりも、周りの妻に対する接し方に大きな問題があったことに思い当たりました。

【病の改善】介護する私の状態によって、一時的ですが、認知機能が回復することが、よくありました。
樋口さんが、病を隠すことを止められたことで精神的に楽になられて、病の改善が見られたのと、よく似たことがありました。
私たちの場合は、最初から、隠さなければという緊張はありませんでしたが、妻には、仕事をしなければならないという思いが強く(働くことが喜びでした。)、思うように出来なくなると、働けないことが、圧迫感になるようです。自分を責め、人から責められているように感じる時、苛立つだけではなく、認知機能も急激に衰えたようになります。解放してあげる努力は、介護者の務めと思っていますが、うまくいった時には、認知機能が回復します。

幻覚・幻聴】(多くはないのですが)わたしが何も語っていない時に、返事をしたり、語ったりしていますが、私には幻聴とは思えず、むしろ記憶の混乱のように感じます。
幻視も同じで、「あれ!さっきいた人もう帰られたの?」とか「ここに寝ていた男の子は?」とか言いますが、その言っている人物や場所や光景は、ほとんどは時間的なずれで、数日前に寝ていた孫であったり、出かけた公園であったりですから、幻視とは言い難いのですが、症状だけ見ると、幻聴幻視と言われるのかも知れません。


<関連記事>
必見!「レビーフォーラム2015」の動画集(3本)
若年性レビー小体型認知症本人・樋口直美さんが講演で使用したスライド
上記講演原稿全文へのリンク集とプロフィール
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若年性アルツハイマー病・丹野智文さんの体験談(2)

「おはよう21」(介護専門職の総合情報誌)2015年5月号。特集「認知症と生きる」のスペシャル対談から丹野智文さん(41才)の言葉を一部抜粋。写真も雑誌から。
丹野さん写真
(1)からのつづき

認知症になって会社を辞めざるをえない人がたくさんいます。いづらくなってしまう。
でも勤務時間を短縮してもらったり、手助けがあれば、働けると思うのです。
働きたい社会とつながりたいと思っています。
会社を辞めれば、生きがいがなくなってしまいます。何もすることがないと、うつになったり、認知症がさらにんでしまうと思うのです。
少しでも社会とかかわれるようなシステムをつくってほしいです。

認知症になったからといって終わりではない。年配の人の病気というわけではなく、誰にでもなる可能性があります。だからこそ、皆で支え合える社会になってほしいと思っています。そして認知症のことを正しく知ってもらうことが大切です。
そのために、私は、自分のことを隠しません

たとえば、こうしてお話しするときも、認知症のことを伝えず、「失敗しちゃいけない」「変な人だと思われたくない」「ちゃんとしなきゃ」と考えると、精神的につらいですし、疲れます。でもちゃんと知ってもらっていれば、「失敗しても大丈夫」と気持ちが楽になります。
気持ちをオープンにすると、たくさんの人が助けてくれる。そのことを実感しています。偏見をもっている人がいるとしたら、その人とは付き合わなければいいのだと思います。(笑)

(通勤の時には)定期入れに「私は若年アルツハイマーです。ご協力をお願いします」というカードを入れて、途中で自分の居る場所がわからなくなったときに近くの人に見せているんです。そうすると、皆やさしく教えてくれます。
だから隠す必要なんてないのだと思います。

認知症の人は、自分で失敗したことに気づいています。わかっているけど失敗してしまう。それを責められるとすごく傷つきますし、しゃべりたくもなくなります。でもそこで笑ってくれると、まったく負担感がないんですね。失敗しないようにするためには、どうすればいいかを考えるようになります。
(妻も子供も怒らない。)失敗しても怒られない環境が大事だと思います。

6月6日14時〜埼玉丹野智文さんの講演があります→詳細

★5月23日、大分県では佐藤雅彦さん(若年性アルツハイマー病)の講演会→詳細

<関連記事>
*丹野さんの活動「おれんじドア」本人のための総合相談窓口
丹野さんのお話(無料動画 YouTube)
5種類の認知症別 本人と家族の体験談集

若年性アルツハイマー病・丹野智文さんの体験談(1)

「おはよう21」(介護専門職の総合情報誌)2015年5月号。特集「認知症と生きる」のスペシャル対談から丹野智文さん(41才)の言葉を一部抜粋。写真も雑誌から。
丹野さん写真

最初におかしいと感じたのは6年程前です。物覚えが悪くなったなと感じるようになって。(略)メモを見てもやるべきことを思い出せなくなってしまったんです。
(略)近くの脳神経外科を一人で受診しました。すぐ大きな病院に行ってくれということになり、結局3つの医療機関で検査入院を繰り返して、2013年39才でアルツハイマー型認知症と診断されました。

もう終わりだと思いました。一人になると不安で、夜も眠れませんでした。
(略)インターネットで調べても「2年で寝たきりになる」「10年で死亡する」そんな
情報ばかり(略)。絶望的な気持ちになってしまいました。

何か支援が受けられないかと、区役所に行ったんですが、40歳以下では介護保険も使えない。何もできないと。(略)家族会のことを思い出して行ってみたんです。
2年後に寝たきりになってしまうのだとしたら、妻を助けてくれる人を探しておきたいという思いもありました。

(家族会は)明るく、笑顔で(略)やさしい人ばかりで、私の話を真剣に聞いてくれました。ここには、わかってくれる人がいる。そう感じることができました。
家族の会と出会ったことで、人生が大きく変わったと思います。

同じ境遇にある当事者との出会いも大きいです。広島の当事者の方は、元気パワフル、そしてやさしい。この方を見て、2年経っても寝たきりにはならないことがわかり、それから前向きになれました。

退院後、社長が「会社に戻ってきなさい」と言ってくれ、クビになることを覚悟していただけに嬉しかったです。仕事は営業から事務職に変わり、勤務時間も短縮していますが
働き続けれることに喜びを感じています

仕事のやり方をノートに全部書いています。終わったらチェックを入れます。不安なので、4回位は見直します。時間はかかっていますが、ミスは少ないはずです。わからないことや忘れてしまったことは、恥ずかしがらずに正直に言っています。そのことで周りも上手に私のことを手伝ってくれるようになりました。

(2)に続く

6月6日14時〜埼玉丹野智文さんの講演があります→詳細

★5月23日、大分県で佐藤雅彦さん(若年性アルツハイマー病)の講演会→詳細

<関連記事>
丹野さんも登場する感動の動画「RUN伴」(ランとも)
*丹野さんの活動「おれんじドア」本人のための総合相談窓口
丹野さんのお話(無料動画 YouTube)
5種類の認知症別 本人と家族の体験談集



必見のシンポジウム(YouTube)

追記:中日新聞記事→「徘徊と呼ばないで イメージ払拭へ言い換え模索

追記:23日、大分県で佐藤雅彦さん(若年性アルツハイマー病)の講演会→詳細

追記:ほぼ毎日発信している認知症情報は→twilogをご覧下さい
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追記:6月6日14時〜埼玉丹野智文さんの講演があります→詳細
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2015年4月18日のシンポジウム「ことしもまた、新たなえにしを結ぶ会’15!」が
あまりにも素晴らしく、しかも全部YouTubeで見られるので是非ご覧下さい。
(字幕あり)

大熊由紀子さん(朝日新聞論説委員→国際医療福祉大学大学院他教授)のサイト
に入り、左、一番下から2番目「ことしもまあ新たな縁を結ぶ会」をクリックすると
各登壇者の資料と共にYouTube につながります。
以下、登壇者一覧(上のサイトからコピー)。

◇第1部 「女の度胸が、医療を変える」

☆コーディネーター:ジャーナリスト 鳥集徹さん

★優しさを伝えるケア技術「ユマニチュード
                     総合内科医 本田美和子さん
★「退院したい」と言えないわけ  
              NPO大阪精神医療人権センター副代表 山本深雪さん
★なぜ内部告発しなければならなかったのか? 
                元・千葉県がんセンター麻酔科医 志村福子さん

◇第2部 「地域包括~ニセモノ・ホンモノ~混沌篇」

コーディネーター:一橋大学大学院教授猪飼周平さん 朝日新聞新聞記者生井久美子さん

★地域包括ケアシステムとは?一つの謎である 
                     厚生労働省保険局長 唐澤剛さん
★住み慣れた地域で最期まで暮らし続けるために 
                     東近江市永源寺診療所 花戸貴司さん

◇第3部 「地域包括~ニセモノ・ホンモノ~創造篇」

コーディネーター:一橋大学大学院教授猪飼周平さん 朝日新聞新聞記者生井久美子さん

★39歳でアルツハイマー型認知症と診断されたトップセールスマン 
                       現在ネッツトヨタ勤務 丹野智文さん
★食べること 生きること~最期まで食べられるまちをつくる 
                       新宿食支援研究会代表 五島朋幸さん
★次世代に残すケア文化の模索  
                あおいけあ代表取締役社長&こま使い 加藤忠相さん
★住まいと暮らしと誇りを支える福祉用具 
                 全国福祉用具専門相談員協会理事長 岩元文雄さん
★病院がなくなっても幸せに暮らせる夕張市民  
                     元夕張市立診療所所長 森田洋之さん
★地域を繋ぎ“住み慣れた家での生活”をつくる     社会福祉士 猿渡進平さん
★厚生労働省保険局長                唐澤剛さん
★近江市永源寺診療所                花戸貴司さん 


皆さん本当に素晴らしかったのですが、私は、丹野智文さんと加藤忠相さんのお話が、特に強く心に残りました。レビーフォーラムのスライド(↓)も是非ご覧下さい。

テレビシンポジウム「認知症を考える」

追記:9日は、TBS6:45〜7:30に多過ぎる処方薬の問題を、
17:30〜18:50の間の何十分かでつどい場さくらちゃんを紹介するそうです。
全部見たいです!
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認知症フォーラムにしては珍しくレビー小体型認知症について多く語られた内容。
必見です!
このシンポジウムで高瀬義昌先生がステージ上で「面白い!」を連発されて「あんまり面白いって言うなと怒られた」というエピソードをレビーフォーラムで話されていました。
(必読→高瀬先生 新聞記事 →NPO法人オレンジアクト
ご出演の青山仁さんの通われるデイサービス DAYS BLG!(前田隆行代表)は、
認知症ご本人達の「働きたい!」という夢を叶えた先進的な取り組みで有名な所です。
(→活動を紹介した新聞記事 →前田さんインタビュー

放送:2015年5月9日(土)Eテレ 午後2時00分~午後3時00分

     TVシンポジウム「認知症を考える~社会の中で生きるために~」

内容は、1月23日東京で開催された「フォーラム 認知症時代 いきいきと暮らすために」。

出演:レビー小体型認知症研究会代表世話人の小阪憲司
   認知症疾患医療センター センター長の田久保秀樹
   たかせクリニック院長高瀬義昌氏(レビーフォーラム2015にもご登壇)
   ケアサークル恵愛代表取締役で主任介護支援専門員の大竹容子
   若年性アルツハイマー型認知症で、現在は、町田市のデイサービスに通い、
   自動車販売店での洗車等に従事する青山仁氏。

 こちらのスライドも是非クリックしてご覧下さい↓


認知症の種類別早期発見チェックリスト
5種類の認知症 種類別本人と家族の体験談集

速報:若年性認知症の放送

今日、2015年4月10日(金)夜7時半〜

   NHK「特報首都圏で放送があります。

認知症だと気づかない 〜若年性認知症4万人 早期発見の課題〜

   番組の放送内容 詳細は→こちら

しば:「認知症=物忘れ」と思っていると、絶対に気づかないと思います。
   不眠、頭痛、体調不良といったうつ病に似た症状で始まる方は多く、
   大変しっかりしているのに、ごくたまに「あれ?」と思うようなミスをします。
   ほどんどの家族は「仕事のストレス疲れているだけ」と見過ごします。
   本人も「大丈夫。病気じゃない」と否定します。
   しかし本人は、自分の異変に戸惑い不安を募らせ、家族に心配をかけまいと隠し
   ながら、必死で異変格闘している場合があります。   

<関連記事>
若年性アルツハイマー病藤田和子さんの詳細な体験談
若年性レビー小体型認知症3人の体験談リンク集(Kさんは樋口直美さん)
*「レビーフォーラム2015」での樋口さんの講演原稿全文(配布資料も)
若年性ピック病(前頭側頭型認知症)の体験談(読売新聞)
5種類の認知症 種類別 本人と家族の体験談集(若年性も)
若年性認知症の方々のための掲示板(3つの会)
レビー小体病本人のための掲示板

放送大学の新講座「認知症と生きる('15)」

追記:読売新聞「医療ルネッサンス」で3月25日から若年認知症シリーズ開始。
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放送大学でとても期待できそうな授業が始まります。

主任講師の井出先生は、認知症フレンドシップクラブの理事長でもあり(→こちら
「認知症と生きる人もそうでない人もみんな一緒に走ってたすきをつなごう!」という
RUN伴 “とも”」という素晴らしいイベントの創始者です。
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(写真は→認知症フレンドシップクラブの公式サイトから)

井出先生は、看護師として働かれた後に留学され、大学教授になられた方で
研究だけされてきた方とは、視点が違うと思います。
放送大学は、学生として登録しなくても、どなたでも全授業を見られます。
4月から是非、一緒に見ましょう!


  「認知症と生きる('15)」(テレビ)

   主任講師 井出 訓 放送大学教授

   放送時間(平成27年度4月から) 木曜 6時45分~7時30分

シラバスなど内容詳細→こちら(放送大学公式サイト)

BSデジタル放送 231chで、誰でも視聴できます。
関東の一部の地域では、地上デジタル放送で。
教材も買えます→アマゾン 楽天

お近くの放送大学学習センター(→所在地一覧)まで行けば、学生でなくても無料で教材を見ながら視聴できるはずです。

<関連記事>
5種類の認知症別 本人と家族の体験談集
とても役立つ認知症動画集
レビーフォーラム2015 当事者の講演原稿全文

フォトブック「下半身動かぬセラピー犬シャネル」

追記:毎日発信している認知症情報は→twilogをご覧下さい
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下半身動かぬセラピー犬シャネル 〜緩和ケア病棟の天使たち〜
(監修:青木健 写真:国見祐治 解説:長尾和宏 2015年3月3日ブックマン社発行)
シャネルUnknown
           (画像は→アマゾンから
というフォトブックを一息に読み、繰り返し読み返しています。

名古屋掖済会病院の緩和ケア(ホスピス)病棟でドッグセラピー(アニマルセラピー)犬として皆から愛された老犬シャネルが、静かに語るという形で書かれています。

写真も本当に素晴らしいのですが、写真に添えられた短い言葉が、深く心を打ちます。

  『 最近ちょっとわかってきた。
    人生って、長いか短いかよりも、
    誰と会って、どんな言葉を交わしたかが 大事なんだね。』

  『 大切な人に、大好きな人に、また必ず会えるとは限らない。
    だから今日言っておいたほうがいい。
   「あなたが大切」と。「あなたが大好き」と。 』

シャネルの笑顔は、あまりにも優しく、他の犬たちは、あまりにも可愛く、
文章は、ユーモアがあり、こんなにほっこりとして、癒される本はないのですが、
私は、読みながらたくさんのことを思い出し、たくさんのことを考えさせられました。

今、老いて病と生きる人と向き合うとき、医療者に、介護者に、私たち一人ひとりに
「臓器を病んだ患者(薬物治療が必要な人)」という視点はあっても
「魂を持ち、心のつながりを求めている一人の普通の人間」
という視点が、どれほどあるでしょうか?

私たちは、シャネルたちセラピー犬が起こした数々の変化を「奇跡」と呼びます。
でもそれは、私たちがすっかり忘れてしまっている「当たり前のこと」を
当たり前に行えば、自然に、誰にでも起こることなのかも知れません。

病気と生きている本人にも、その家族にも、その人たちと仕事で関わる全ての人たちにも
贈りたい本だなと思いました。

本の後ろの方に医師、看護師、中部アニマルセラピー代表理事らの言葉(インタビュー、あとがき、解説)があり、これもそれぞれに心に響きました。

<関連動画・記事>
写真を撮った国見さんが投稿したこの本の動画(YouTube)(シャネルが歩く姿も) 
「Dr.和の町医者日記」(長尾和宏医師がブログに書かれた本の感想)
認知症アニマルセラピー ネコを飼う効用(体験談)
魚ロボット・セラピー(NHKで紹介)
中日新聞のシャネルの記事(2014年1月4日)

個人で認知症カフェを立ち上げる②

①からの続き

  < 開設前は、どんなご苦労がありましたか? >

「がんばってね」と声だけは掛けてくれるが、手を貸してくれる人は少ないことを実感。
認知症には関わりたくないといった差別偏見を感じることもあった。 
公的機関と組むことも相談したが、ひとつのボランテイア団体だけとは組めないと却下。
前例もなく、頼る機関もなく、ノウハウもないので、暗中模索だった。

  < 認知症カフェを開いて良かったと思うことは? >

「来てよかった」「自分だけじゃないと安心した」などの声を頂くのが、うれしい
再び来て頂けることが、スタッフ全員の充実感意欲にも繋がっている。
地域包括・事業所・地域の医師らとも信頼関係もできてきた。


  < 困ることは、何ですか?>

マンションの一室を利用しているので、管理組合、自治会へは説明済みでも嫌がる人が。
住所をチラシやインターネットに出せず、安全のために電話で申込をして頂いている。


 < これから認知症カフェを始めたいという方々にアドバイスは? >

ビジョン(誰に来て欲しいのか、どこと繋がっていくのか等)を明確に。
開くだけなら簡単。地域の人に広く知ってもらうことが、ポイント。
私のカフェは、自由な会話・対話を重点し、意見を押し付けないようにしている。 
介護に正解はないので、いろんな選択肢から自分に合うものを選んで頂きたい。
認知症のことを本当に分かっていて、答えを持っているのは、家族だと思う。

  < 今後の夢は、何ですか? >

継続していくこと。内容を充実させ、信頼されるカフェに発展させていくこと。
アイデア次第で何でもできるので、健康イベント講演会なども展開してみたい。
最終的な夢は、いつでも皆が立ち寄れる自由でくつろげるカフェ

*こんな本も参考になります→認知症カフェハンドブック

<関連記事>
病気を隠す苦しみ・人に語ることで得られるもの(体験談)
5種類の認知症 種類別 本人と家族の体験談集(リンク集)
レビー小体型認知症の日常を描くほのぼの漫画10作
介護家族が集まっておしゃべりする会で出た話題など

→ 本人(樋口直美さん)の講演原稿全文

個人で認知症カフェを立ち上げる①

追記:繰り返しご紹介している「旅のことば」、アマゾンで予約受付が始まりました!
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認知症カフェ。その重要性を報道される機会も増えつつあります。
診断されたご本人やご家族、認知症について学びたい方々が、気楽に集まり、
お茶を飲みながら自由にお話しする喫茶店のような場所。交流・情報交換の場です。

レビー小体型認知症のお母様について体験談取材にご協力頂いたameさんが、自ら
認知症カフェ横浜市泉区に作られたことを知り、カフェについて語って頂きました。
(→ameさんのお母様の体験談

いずみ野カフェ「デ・アイ」公式サイト(毎月第4日曜日に開催中)
ツイッター:いずみ野カフェ「デ・アイ」@ameya_izu  

  < なぜ認知症カフェを開こうと思ったのですか? >

生活圏内に、介護者が集まって情報交換をしたり、相談する場所がなかったから。
家族や本人が、ほっと一息つける仲間や場所でありたい。
同時に、認知症の解と啓発もしていけたらと思った。
独居の父(84歳)にも社会参加地域とのつながりの場を持って欲しかった。

  < 開くまでにどのような準備をされましたか? >

リサーチ フォーラム等に参加。開設しているカフェの視察(Dカフェ ラミヨ
挨拶回り 区役所、地域包括、自治会、民生委員、敬老会、社会福祉協議会など
仲間集め 説明会。地域でボランテイアを集める。
資金集め 区役所、横浜市は×。社協の助成金は○。財団の助成など調査中。
場所探し 店舗、空き家、図書館、農協などと交渉したが難航。
      各自治会会館は、他地域の人の利用を望まず、制約が多い。
チラシ製作 
オープン 自宅を開放した。(登録メンバー21名。40代~80代女性が多い)
挨拶回り 区内の地域包括すべて。知り合いの事業所等。近隣(商店、知人等)
SNS等の開設・他ボランティア団体との連携
⑨地域の家族会(複数)への積極的参加により、より多くの人と繋がる


続く

名称は、Dカフェ、オレンジカフェなど様々です。各家族会も同様のことをしています。

<関連記事>
認知症カフェ 私(しば)が思うこと
若年性レビー小体型認知症本人が語る介護者の方々へのメッセージ
カテゴリ:介護家族の心理変化・気持ち

<その他の認知症カフェ(家族会)>
「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」が全国で開いているカフェ
認知症フレンドシップクラブが品川で開いているカフェ
認知症フレンドシップクラブが新潟県十日町市で開いているカフェ

<認知症カフェに関する新聞記事>
朝日新聞 2014年10月3日
読売新聞 2014年11月9日
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木瓜(ボケ)

言葉は凶器であることを自覚しよう

追記:毎日発信している有益情報は→twilogへ

追記:必見!28日3pm〜「悪夢」拡大版再放送があります。詳細は→twilog
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先日のNHKの認知症番組に出演された方が、
「有名になっちゃったね。いくらもらったの?」と言われたのだそうです。

マスコミの取材や研究協力で、お金など1円も出ません。

介護家族や本人が、いったいどういう想い願いを持って敢えて取材に応じているか、
想像すれば、わかることではないですか。

若年性アルツハイマー病とともに生きる佐藤雅彦さんは、著書にこう書かれています。

  講演活動を続けていると、あるとき、知らない人から
  「売名行為はやめなさい」と言われて、とても傷つきました。

  また、前向きなことを話すと、
  「困ったことや問題点はないか」と問い詰めるように聞かれたり、
  「認知症らしくない」と言われたりすることもあって、
  自分が一生懸命に生きようとすればするほど
  世間から冷ややかに見られることが、苦しかったです。

  「あなたは認知症ではないのでは?」「本当にアルツハイマー型認知症?」
  と疑われたことも、一度や二度ではありません。


        (佐藤雅彦著「認知症になった私が伝えたいこと」P.131)

  認知症になっても、いまの私にできることをとおして、
  世の中の役に立つことができれば、孤立するもないし、自分に自信も出て、
  生きがいを感じられます。
(P.113)

<関連動画・記事>
佐藤雅彦さんの感動的な講演動画
若年性アルツハイマー病と生きる藤田和子さんの体験談
若年性レビー小体型認知症と生きる樋口直美さんの講演(原稿全文)
5種類の認知症 種類別 本人と家族の体験談集
とても役に立つ認知症関連 無料動画集
2014102400001.jpg
日本認知症WG共同代表の(左から)中村成信さん、藤田和子さん、佐藤雅彦さん
写真は朝日新聞の医療サイトから。WGはワーキンググループの略。

是非読んで頂きたいもの3点

追記:アマゾンで「旅のことば」予約受付が始まりました!

追記
2015年2月24日の中日新聞記事<本当にうつ?レビー小体型認知症も疑って>

NHK認知症特集 ①2月23日きょうの健康 ②24日10pm〜 →内容詳細
   ②は、ご両親ともレビー小体型認知症のうめのははさんが再び登場されます。
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記事本文はここから

慶大井庭崇研究室認知症フレンドリージャパン・イニシアチブのコラボ作品

  『旅のことば 認知症とともによりよく生きるヒント』
   丸善出版から5月20日に出版されます! 内容(チラシ)
                      制作方法など詳細

 これは、診断された直後の本人家族には、必読本です。
 それ以外の方にも社会の一員としてどんな風に接していけるか、どんな風にみんなが
 幸せになれる社会に向かっていけるかが、やさしい絵と言葉で書かれています。
写旅のことば真_convert_20150219184900
(クリックで拡大して読めます。「[本人]の旅のことば」の章より。)
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障害のある人の“きょうだい”が抱える悩み」について
 吉川かおりさん(明星大学人文学部福祉実践学科教授)のインタビュー

     NHK「ハートネット」の公式サイト

 「小さい時から支援する側の要員としてカウントされてしまった人」すべてと
 そういう家族、人を知っているすべての人に是非読んで頂きたい記事です。

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2015年1月27日「レビーフォーラム2015」に登壇
若年性レビー小体型認知症本人の樋口直美さんの講演→全文
使用したスライドは、ツイッターをコピーした下の画面から全部見られます。

上田諭著「治さなくてよい認知症」

追記:ジュリアン・ムーアが、2015年アカデミー賞(主演女優賞)受賞。

追記:ジュリアン・ムーアが若年性アルツハイマー病を演じた「アリスのままで」が、1月11日ゴールデン・グローブ賞主演女優賞受賞原作本を紹介した記事→「静かなアリス
映画の予告動画(字幕なし)「私はこの病いに、ただ苦しめられている(suffering)のでなく、必死で闘っている(struggling)のです」という台詞が印象的。

追記:老化が大きな要因である後期高齢者の認知症中年期に発症する病気は違います。
   若年性アルツハイマー病・佐藤雅彦さん(60才)がラジオで語ったことこちら
(診断後9年を経ても自らの工夫自立した生活をされる姿に感動します)

追記:コメント欄お読み下さい。記事の補足もあります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<記事本文ここから>

必読です。これこそが、介護者に、医師に、マスコミに、声を大にして伝えたいことなので、少し長いですが、本前半の重要部分を抜き書きします。

本にも明記されている通り、この本は高齢のアルツハイマー病を対象に書かれています。
物忘れがひどいからと無理矢理患者にしを飲ませる現在の認知症医療を批判
(注byしば:医療は、レビー小体型の場合、介護と同じ位重要になります。自律神経や意識の障害を伴い、年齢に関係なく適切な治療で改善し、生活の質が向上するからです。)

抜粋した部分は、どの病気にも共通します。是非、最後までお読み下さい。


   < 介護をより楽にするために、介護者が、理解すべきこと >

指摘しない議論しない叱らないを生活上接するときの鉄則として提案したい。
そのうえで「やって」や「こうしなきゃ」と言葉だけで「指導」するのではなく
慰める助ける共にする信条としたいのである。P32

記憶の間違いや(略)ミス、できなくなったことに対し指摘したり(略)
正論を主張して議論したり、感情的に怒ったする態度はとってはいけない。
「どうしてわからないのか、何度言ったらわかるのか」(略)
それは脚を骨折した人に「走れ!」と叱咤しているようなもの。P61

認知症の妄想の原因精神的孤立感と不安である。
生活が満たされていない/楽しみや張り合いがない(略)退屈で何もすることがない日々、自分がしたいことがなかなかできず家人に指図されあるいは頼り切っている生活。
邪魔にされている」という被害者意識が生まれても不思議ではない。P83

本人が、妄想を生まざるを得なかった心情を理解して対応したい
攻撃性、妄想の裏には、孤独感、疎外感と喪失感があることを知って欲しい。
医師も(略)本人の心情を(家族に)理解してもらう努力をすべき。
本人の自己肯定感居場所回復につながり、妄想は徐々に消えていく。P87

認知症を発見した時にすべき第一のことが、
自己肯定感や自尊心の傷つきからの回復である。
さらに生きる役割とそれがもたらす自己効力感の回復である。
本人のできないことを忘れていい、できなくていい受け入れることである。P32

初期から中期には一定の病識をもっている人がほとんど。
認知症の人本人が困っているとしたら、周囲が(略)ことさらに問題視して指摘したり、「治そう」という考えから修正しようとして何度も注意したり、
ときには感情的に叱責したり(略)—。
本人は、周囲からいろいろ非難されることにもっと悩み困っている。(略)
困ることなど何もなかった人を
困っている人にしているのは、実は周囲の見方や対応が中心なのである。P10

認知症は、自己肯定感(自尊心)が傷つき
これまでの対人関係(社会的関係)が壊れる病であり、
関係性悪化を背景とした精神的反応としてBPSDが生まれる
認知症は超高齢社会においては当然なるべきものであって
矯正するべきものではなく肯定と承認を与えるべきもの

三好春樹氏は人間関係が閉鎖的で、「介護をしてもらう」という
一方的な関係
が続いている場合に妄想が出やすいことを指摘。
迷惑をかけているという心理的負担を解消するために妄想が生まれる
嫉妬妄想もまた(略)置き去りにされるのではないかという不安感と怒りが心理的背景。P84
治さなくてよ認知症

     < 医療者が、よりよい医療のために知るべきこと >

認知症専門医は、いまのほうを向いて仕事をしているのか。(略)
認知症の人の気持ちを、認知症を診る医師は何よりもまず考えているだろうか。(略)
本人を前に、家族の訴えばかりに耳を傾けていたら、溝は決定的なものになる。
困っていなかった人を困った人にすることに認知症専門医が手を貸してどうする。
ありのまま受け入れることを指導してこそ専門医。

認知症の人の存在と心情に注目することは現在の認知症診療で一番欠けていること
認知症の人は、自分の存在すら危うく感じられている。
治療者の語りかけが、本当に必要なのは、認知症の人本人である
常に本人の立場に立ち、心情を受け入れて共感する態度が基本である。3章

高齢者のアルツハイマー病に限定して言えば、
病名を本人に告知する必要はないと私は考える。(略)
物忘れを自分でも感じ、周囲から指摘されて不安を覚え
自分の居場所存在自体が揺らぎ始めている認知症の人にとって
その宣告に耐えうる余力は少なくなっているし、何のために耐えるのか、
耐えて得られるメリットがない
。P63

認知症告知:患者さんの多くは(略)落胆し悲観し絶望する。どうやって受け止めるか。
その答えを持っていなければおかしい
本人の心情をよくよく考えた配慮が欠かせない。
安直な告知が、人格や人生を否定することになりかねないことを肝に銘じて、
本人の能力のうち、障害されたのはごく一部であること
認知症という病気には、否定的な側面ばかりではないことなどを
告知と同時に丁寧に説明しなければならない
それができないなら、告知などすべきでない
画像所見や認知機能検査の結果を伝えるときにも(略)
肯定的な所見を同時に伝えて本人の自尊心に配慮し、衝撃を最小限にすることである。P67

アルツハイマー病の場合、軽度から中程度ならば、
脳機能の障害は、脳全体からすればごく一部、それも記憶を中心とした部分であって、
本人のものの見方と考え方、感情や他人への配慮や気遣いには、ほとんど影響を及ぼさないBPSDと呼ばれるものは、脳の神経機能障害から生じているのではない。P70

ところが、認知症専門医の間にすら
脳器質性障害そのものによってBPSDが生じるという認識が広まっている
「診察室で突然大声を上げる(略)初期から見られる」(『認知症ハンドブック』)
このような無理解で一方的な記載が、国内最高とされる認知症の成書(教科書)になされていることは、わが国の認知症臨床の貧しさを象徴するもので、本当に嘆かわしい。P71

  < マスコミが、知るべきこと >

あるテレビの認知症報道:制作側に認知症の人本人の心情に対する理解がまるでない
思い込み、決めつけのもとに番組が作られている。
(略)これを視聴した人の多くが、認知症の人はこんなものだと思うとしたら
認知症診療に与える悪影響は大きく、番組の責任は重い。P48

(下線は、私、しばが加えたものです。)

<こちらも是非読んで下さい>
*「家族よ、ボケと闘うな!」長尾和宏・近藤誠著
*『認知症の「真実」』東田勉著。若年性レビー当時者Kさんやしばも出て来ます。
*「旅の言葉 認知症とともによりよく生きるためのヒント
*「ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!」長尾和宏・丸尾多重子著
*「静かなアリス」リサ・ジェノバ著。小説。若年性アルツハイマー病
 映画「アリスのままで」(ジュリアン・ムーア主演で昨年映画賞多数獲得)の原作
*「誤解だらけの認知症」市川衛著
*「新版 認知症 よい対応・悪い対応」浦上克哉著

2015年のはじまり

改めまして
      あけましておめでとうございます。
          今年もどうぞよろしくお願いいたします。


昨年末は、1年の最後に読んだ「家族よ、ボケと闘うな!」
(長尾和宏医師と役人の近藤誠氏の共著。ブックマン社)が素晴らしく、
記事の冒頭コメント欄やツイッター(1  )でご紹介しました。
これは、是非読んで下さい
コウノメソッドに関しても賛否両論書かれている所が、バランスが取れていて好きです。
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昨日は、「治さなくてよい認知症」(上田諭著 日本評論社)を読み始め、まだ最初の30ページですが、うれしくて、同じくツイッターに抜粋をいくつか書きました。

これは本にも明記されている通り、高齢者のアルツハイマー病を対象に書かれています。(80代90代で物忘れがひどくなった人をみんな病気と診断して、無理矢理薬を飲ませるような真似は止めようと訴えています。)
ですから適切な治療が重要な若年性アルツハイマー病やレビー小体型認知症など他の病気には、当てはまらない部分があります。
しかし認知症の捉え方、接し方など、医師も含め、私たち全員が心しておくべき重要な視点が示されています。こちらも是非お読み下さい。

さて、わたくし、今年のわくわくプロジェクトは、何をしようかと考えております♪
ふと、三日坊主をやり続けたら、1年で121回もの新しい経験ができると気がつき、
中々いいな〜と思っています。
人生で「1度も経験がない」と「1度でも経験したことがある」では、かなり違う
「1度だけ経験した」と「3日で3回も経験した」は、さらに…。
みなさんも是非、わくわくプロジェクトを計画してみて下さいね。
みなさんの1年が、笑顔わくわくで一杯になることをお祈りしています。
コアラ
(From Twitter:Earth Pictures@EarthAddicts instagram)

★お知らせ今月27日(火)の「レビーフォーラム2015」は、見逃せません

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「認知症の人」ってどんな人?

追記:ツイッターに『認知症の「真実」』からの抜粋を掲載しました→ツイログ
追記:「ハートネットTV」が認知症に関する疑問・質問を募集中こちら
‥……………………………………………………………………………………………

  <「認知症という言葉の意味(1)」からの続き>

もし万一、こんな言葉を聞いたら、みなさんは、どう思われますか?

   ”がんの人”は、消化ができず、寝たきりで、会話も何もできません」

小学生でも「間違っている」と言うはずです。多くの方は、次のことをっています。

   ① がんには、色々な種類があり、それぞれ出る症状が違う
   ② がんにはステージがあり、初期には症状は目立たない、或は(がんの場合)ない
   ③ 何もできなくなるのは、最も進行した患者だけ。
    それまでは、外見も普通の人と変わらないし、色々なことができる。

①〜③は、認知症にもそのまま全て当てはまります
でも、この3つすら、知らない方が多いと感じます。
認知症にだけはなりたくないよね」と誰もが言うのが、今の日本社会です。

正確でない理解は、医療・介護のプロの方の中にも頻繁に見られます
薬の副作用で一時的に認知症がひどくなったように見えても(薬剤性せん妄
周囲が与えるストレス環境の変化、脱水便秘などで悪化していても
全部「認知症だからBPSDだ)」と扱うことは、決して珍しくないと思います。

認知症を起こす病気には、多くの種類があり、症状ケアの要点も違います。
 せん妄」は、認知症とは違います。(レビー小体型では起こりやすいです。)

認知症と呼ばれる病気の進行には、ステージがあります。
 アルツハイマー型の場合は、「FAST」に従ってゆっくり、なだらかに進行します。
 レビー小体型の場合は、症状進行の仕方速度も一人ひとり大きく違います
 ひどく進行したように見えても適切な医療介護で別人のように回復することは
 よくあります。(薬に弱いという特徴があるために一時的に悪化しやすいのです。)

認知症の初診患者の多くは、既にかなり進行した人だとある医師が講演会で話しました。
早期に気が付くのは、認知症の詳しい知識がある人だけだと私も思います。
ごく早期の場合は、画像に出ず、「異常なし」と誤診された方を大勢知っています。

せん妄でない限り、重度にならない限り、レビー小体型では調子の悪い時(「認知の変動」と呼ぶ)でない限り、認知症と生きる方々は、「認知症の人」には見えません

せん妄の詳しい説明→メルクマニュアル医学百科

「レビー小体型認知症は認知症の定義に当てはまらない」に続く。

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認知症本人の掲示板(3つの会)  *レビー小体型認知症本人の掲示板
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菊(キク)
(去年、介護に疲れ切っている介護家族へのメッセージを書いた記事に添えた写真です)

認知症という言葉の意味(1)

情報:「TIP 正しい治療と薬の情報」(別府宏圀医師が代表。2013年日本ジャーナリスト協会特別賞受賞)という薬の副作用情報を発信し続ける優れた雑誌があります。
別府氏は、ディペックス(認知症やがん等の患者や家族の語りを公開)の理事長。

追記:話題違いますが、去年レビー小体型認知症をテーマに放送した「ためしてガッテン」の内容が、遂に書籍化されました。→「NHKためしてガッテン 科学のワザで脳から若返る。」。短いですがコンパクトに重要点が書かれています。
…………………………………………………………………………………………………………

認知症」を表す英語は、「dementia」(ディメンシア)。
語源は、ラテン語です。

mens」は、英語の「mind」と同じです。
精神知性/思考や理解や意志を司る正気」を意味します。

「de」は、「ない」を意味する接頭語。

つまり「dementia」(「認知症」)の語源の意味は、
精神・心がない知性、理解力、思考力、意志がなく愚か正気を失っている」。

衝撃的で、正しくなく、苦痛を感じる内容ですが、辞書にもそう載っています。

英語の「out of mind」は、「正気でない。気が狂っている」という意味です。

レビー小体型認知症の英語名は、「Dementia with Lewy Bodies」(DLB)。
レビー(Lewy。パーキンソン病患者の脳からレビー小体を初めて発見した人の名)
小体(bodies)を伴った認知症(dementia)」という意味です。


「統合失調症」が「精神分裂病」と呼ばれ、
「知的障害」が「精神薄弱」と呼ばれていたことを思い出します。

では、「認知症」という言葉は?
「認知症」という言葉の正確な定義は、何でしょうか?

今、目の前に子供がいて、質問されたとします。
「認知症って何?」「認知症の人ってどんな人?」
みなさんなら、どう説明されますか?

 — 次の記事へ続く —
     
<関連記事>
高齢者の認知症は、脳の病気なのか?認知症症状は何から生まれるのか?
*認知症は病名か?「認知症は病気である」は正しいか?「誤解だらけの認知症」から
*関連カテゴリ:「認知症とは/ケア・介護」
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藤田和子さん(若年性アルツハイマー病)のスピーチ

追記:記事「認知症は本当に壊れた人なのか」by 谷本有香 The Huffington Post

追記:障害や認知症への誤解偏見をコメント(12番目)に書きましたこちら
…………………………………………………………………………………………

2014年11月5日〜8日「認知症サミット日本後継イベント」東京で開催。
このブログで何度もご紹介している藤田和子さんが、スピーチをされました。
全文は→こちら(「3つの会」) 以下、一部を抜粋してご紹介します。


    藤田和子さんのスピーチ抜粋 (2014年11月6日)

私は、認知症の診断を受けた認知症の本人です。2007年にアルツハイマー病と診断されました。その後も、3人の娘を育てるとして、仕事を持つ夫のとして、大切に家庭を営んで来ました。 言葉では言い表せない不安生きづらさを体験してきました
認知症にまつわる様々な問題にも、積極的に取り組んできました。(略)
認知症についての偏見は残念ながらいまだ根深く、日常生活の中で私自身も経験します。

「認知症になったら何も分からない」「何も出来ない」という偏見は、認知症と診断された人自身を蝕み生きる気力を奪います
本人だけでなく、家族も、社会から孤立します
診断を受けるのが怖くて、病院に行けず苦悩する人が大勢います。(略)

私の場合、常に意識をはりつめ頑張り努力し続ければ、日常生活が出来ます
だから周囲の人には分かりにくく、その苦悩をひとりで抱え込まざるを得ません
それでも頑張り続け、疲弊し、もう、無理という段階まで来た時、生活が破たんするのだと思います。そこまできて、はじめて、介護保険サービスの対象とされます。

この期間のことを「空白の期間」と呼びます。
この「空白の期間」絶望してしまう人が数多くいます
これは私のようにまだ年齢が若い人だけではなく、高齢になった人も同じです。
「空白の期間」の解消は、これから認知症になる可能性のある、すべての人にとって現実のものであり深刻かつ切実な問題です。(略)

どの分野の人たちも、我がこととして、真剣な取り組みご一緒しましょう
認知症になった全ての人が、希望尊厳をもって暮らせる社会の実現にむけて


<関連記事>
藤田和子さんの体験談集(リンク集)
藤田さんが共同代表をつとめる認知症当事者団体の活動(ニュース)
藤田さんの鳥取での活動(新聞記事)
佐藤雅彦さんの著書と講演動画(素晴らしい本と動画!おすすめ!)
当事者たちの掲示板(3つの会)学ぶ事が多いです。必見!
レビー小体型認知症当事者のための掲示板(誕生したばかり。ぜひご参加を!)
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日本認知症WG共同代表の(左から)中村成信さん、藤田和子さん、佐藤雅彦さん
写真は朝日新聞の医療サイトから。

日本認知症ワーキンググループの活動

追記:話題が違いますが、「レビー小体型認知症と認知症を伴うパーキンソン病違い」「レビー小体型は認知症か」についてのコメントをお読み下さい!こちらの(別の記事の)一番下です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2014年12月4日「日本海新聞」から。(全文、原文通り。)

  < 認知症初期の支援 充実 知事に求める 日本WGの藤田さん >

10月に発足した国内初の認知症当事者団体「日本認知症ワーキンググループ(WG)」で共同代表を努める藤田和子さん(53)=鳥取市=が2日、鳥取県庁に平井伸治知事を訪ね、初期段階から適切な支援を受けられる体制の充実を求めた。

看護師として働いていた45歳の時にアルツハイマー型認知症と診断された藤田さんは、2010年に若年性認知症問題に取り組む「クローバー」を設立した。WGでは国に施策の提案を行い、11月に東京で開かれた認知症国際会議では壇上で当事者の思いを訴えた

藤田さんは適切な支援を受けられず孤立する「空白の期間」の解消が切実と訴え
診断された時は本人も衝撃初期からどう認知症と共に生きていくか一緒に考えてくれる仕組みが必要」と話した。

企業や社会の理解の大切さも強調し、当事者が希望尊厳をもって暮らせる社会の実現のために、偏見をなくすための啓発サポート体制の充実など「鳥取から取り組みを行い、全国に発信してほしい」と求めた。

平井知事は鳥取県がホストとしてWGのフォーラムを行うことや家族だけでなく本人を支えるサポーターの養成などを約束した。


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日本認知症WG共同代表の(左から)中村成信さん、藤田和子さん、佐藤雅彦さん
写真は朝日新聞の医療サイトから。

<関連記事>
佐藤雅彦さんの著書と講演動画(素晴らしい本と動画!おすすめ!)
当事者たちの掲示板(3つの会)学ぶ事が多いです。必見!
レビー小体型認知症当事者のための掲示板(誕生したばかり。ぜひご参加を!)

東田勉著『認知症の「真実」』からの抜粋他のツイート

この1週間にツイッターに書いたツイート(記事)の一部をご紹介。しば@703shiba 
(追記;ツイッターに登録していない方でも見られるtwilogは→こちら

写真+3_convert_20141119084810
   (クリックすると拡大し、字が読めます。)→詳細
富永和夫医師「若年認知症はひとつの『障害』と見るのが最もよいのでは(略)『病気』として見ているからどうしても『治療』という発想になり『生活』という発想がない/(略)今では障害者というよりも普通の人という考え方。誰でもなるのだから(略)認知症があっても普通の人『認知症の「真実」』

堀口淳「現場の患者はもっと雑であるし変化・変動するものである。認知症患者も統合失調症患者も24時間を通じてフルに認知症であったりはしない。周囲が驚かされるほどの認知力(略)などを発揮する瞬間や時間があるのである。この変化は極めて人間的であるし動的でもある」『認知症の「真実」』P37

介護家族「レビー小体型認知症は認知症ではないだろうと私は感じています。レビー小体病でいいんじゃないでしょうか。”症状として認知の変動があります”または”認知症のような症状を示すことがあります”でよかったと思います」『認知症の「真実」』P156 神経難病だとも語っている。私も同感。

「厚生省は(略)薬害防止や患者救済に先手を打つべき(略)痴呆症薬脳の刺激伝達物質に作用するので効き目が劇的であるほど副作用の方も強いことが予想される。それに老人の代謝機能は個人差が大きい(略)重い副作用が見落とされがちだ」1989年朝日新聞社説『認知症の「真実」』P178から

週刊朝日「認知症治療。添付文書通りなら良いと思っている医師がいるが薬の効き方には個人差。効きすぎる場合がある。震え、ぼーっとする、ふらつく等の副作用が出たら量を減らす必要。副作用と認知症の悪化を区別できない医師増量や別の薬を足す」→ 出典

ぼくは物覚えが悪いHONZ書評手術によって海馬を失った男性から分かった記憶の仕組み。自伝的エピソード記憶と意味記憶は別々の処理を経た機能他/認知症とつく病気を診断された方々の話からもずっと未知であった症状や脳の仕組みが見えてくる

認知症の権威とされる医師の著書を読んでレビー小体型のことはあまりご存じないんだなぁと思うことは多々ある。テレビで「認知症は物忘れの病気です」と説明される方々も同様。アルツハイマー病の介護家族の本を読んでレビーの症状がズラリと並んでいることも。こうして正しい理解は遅々として広がらず

周囲はリスクを除こうと動くが「当事者には”リスクを冒す権利”がある。リスクを冒してでも自分がやりたいことをする権利がある」という言葉が印象に残ったハートネット。私の兄も言葉での意思疎通困難で意思がないと見なす人が多いが意思も感情もある。意思尊重は課題(12月3日)

今夜9時Eテレ:統合失調症の経験者が主演、ダウン症の男性が助演のドラマ。50人ものあらゆる障がいを持った方々が出演。コメディータッチで障がいとは何かを考える詳細 主人公が悩まされる幻覚。レビー小体型認知症の幻視は内容が違うが同類の苦悩あり
                           (2014年12月5日)
<関連記事>
レビー小体型認知症へのアリセプトの副作用(製薬会社発表)必読
薬の副作用で起こる具体的な症状(認知症の進行ではない!)
高齢者なら誰でも副作用を起こしやすい薬一覧
その他おすすめの本、記事、番組、動画など

認知症恐怖の時代から一歩前に(クローズアップ現代)

2014年11月10日のNHK「クローズアップ現代」は、衝撃的でした。
1人で認知症の両親、更に義父母や配偶者を自宅介護する方が増えているという話題。

  *番組の全内容のテキスト。動画”多重介護”担い手たちの悲鳴

確かにこれは、緊急に取り組むべき重大な課題です。
介護者が、バタバタと病に倒れていくような現状を放置しておくことは許されません。

ただ、1つ抵抗を感じたのは、地獄のような状況の原因のすべてを「認知症」に押し付けているように見えたところです。
『親が認知症になると奈落の底に突き落とされるぞ』と脅されているように感じました。

番組に登場されたあるご夫婦は、90才前後でした。
その年齢になって、人間が、病み弱り自立した生活ができなくなることは「社会問題」でしょうか?それは、自然現象に近いこと・長生きをすれば、私たちのほぼ全員が迎える未来ではないでしょうか?

そのご夫婦を献身的に介護される息子さんも含めて、これほど介護者に負担がかかっている原因超高齢化・少子化など、行政も医療も地域もすべて含めた社会全体のひずみではないでしょうか?

親が認知症になったら地獄。ならなければOK」という問題ではないと思います。
認知症にすべての原因を押し付けるような表現には、大きな抵抗を感じます。

世論を動かし、行政への働きかけを進めることは必要ですが、認知症をよく知らない多くの方の認知症に対する恐怖心を煽ってはいけないと思います。

先日ご紹介したセッション(→内容)でオランダ政府の方が話されていました。
「認知症に対する社会の態度には、3段階ある。
まず、”無視・タブー視の時代”。次が、”恐怖の時代”。最後に、”希望の時代

日本はまさに「認知症恐怖の時代」にあると思います。
その中で、希望を訴えている人たちが続々と出て来ました。こちら
私もその末端にいるつもりです。
希望の時代を一緒に目指しましょう!

追記:そのために必要なのは、正確な知識です。
認知症は、症状の名前です。認知症症状を起こす病気には沢山の種類があります。
長期に渡る段階があり、多くの方がイメージしているのは、末期の姿です。
周囲の接し方慎重な医療で、長期間、穏やかに幸せに生活できます。
不適切な対応、不安、ストレスで悪化し、本人も周囲も困る症状(BPSD)が起こります。
入院などで急激に起こる「せん妄」と認知症は、違います。

<関連記事>
周囲が作る「認知症」
高齢者の認知症は脳の病気か?(必見動画があります)
認知症のイメージが変わる動画(私たちにできるサポート)
「旅のことば」プロジェクト(視点を変えれば世界が変わる!)

くろげん_convert_20141111202459
番組の中で紹介された手法。(クリックで拡大します)
介護者のすべての要素を書き出してどう支援していくかを多職種で考える。

注目の記事と動画のご紹介

レビー小体型認知症 特集記事(2014年11月7日の日本経済新聞夕刊)。

記事全文(日経新聞公式サイト) (参考2分でわかるレビー小体型認知症
ポスターB16n
(病院に貼られたエーザイ作成のポスター。クリックで拡大。 知っておくべき副作用
ツイッター「おふく ‏@ofuku_chandayo」さんの投稿からご本人の承諾を得て転用)

 この記事の中に小阪憲司医師のチェックリストが載っていますが、介護家族で
 「5つも当てはまらなかった」と言う方が、時々いらっしゃいますのでご注意を。

  ●より的確な目安 →臨床診断基準(医師用)
  ●本人家族が、自分で気づくための症状チェックリスト →こちら
  ●アルツハイマー病などとの誤診に気づく質問票 →こちら (山口晴保教授考案)
…………………………………………………………………………………………………………………………
  <その他、是非見て頂きたい動画、読んで頂きたい記事をご紹介します>

認知症国際会議で若年性アルツハイマー型認知症の藤田和子さんスピーチ
 NHKニュース動画と記事 →藤田さんたちの活動組織

 「認知症になったら何も分からない、何もできないという偏見は、
  認知症と診断された人自身をむしばみ生きる気力を失います。
  認知症になったすべての人が、希望尊厳を持って暮らせる社会実現に向けて、
  真剣な取り組みをご一緒しましょう」
(藤田和子さん)
……………………………………………………………………………………………
脳性まひの障害を持つ医師、熊谷晋一郎さんのインタビュー→こちら
必読です。多くを教えられます。「自立とは」の言葉には目から鱗が落ちます。)
…………………………………………………………………………………………………………………………
  レビー小体って何?レビー小体を作るαシヌクレインって何?と思っている方へ

パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係やレビー小体について分かりやすい→論文
…………………………………………………………………………………………………………………………
  最後に、脳血流を上げる意外な方法。(もしかしたら得意かも?)

●「認知症&受験に勝つ!脳フル回転する昔遊び」(ためしてガッテン公式サイト)
………………………………………………………………………………………………………………………

追記:「旅のことば」を井庭研究室と作った認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ
 設立した徳田雄人さんへのインタビュー認知症フレンドシップクラブ理事)

<関連記事>
レビー小体型認知症 アリセプトの副作用(製薬会社発表)必読!
レビー小体型認知症の診断が難しい6つの理由(家族に知識がないと誤診される!)
パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係について書いた記事 リンク集
αシヌクレインには毒性の違う2種類がある(進行速度の違いに関係か)
認知症と障害者(ヨミドクターから)
とても役立つ「認知症 動画集」 必見です。
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紅葉(モミジ)

「旅のことば」 No.2

10月28日の記事でご紹介した「認知症フレンドリー社会」のセッションに行きました。

英国アルツハイマー病協会会長やオランダ政府認知症対策担当者からそれぞれの社会の取り組みなど伺い、とても刺激的でした。例えば:

 ●認知症と生きている本人たちの声を聞いて、それを全国レベルで生かしていく。
  (例:暗証番号の代わりにサインで預金を引き出せる金融システム作り等)
 ●やってみたことに対して定期的に評価をし改善していく


聞けば当たり前ですが、日本にはまだその発想自体が、殆ど広がっていません

  英国での取り組みとしては:
  一般市民へ認知症情報提供(自ら早期に気づき、受診するように)
  ②医師に認知症教育をする
  ③かかりつけ医が認知症診断をすると1件55ポンド出す

 (これは、2週間前に導入された新制度。賛否両論ある。)

日本では、②が、あまりにも遅れてはいないでしょうか。

旅のことば3

小冊子旅のことば 認知症とともによりよく生きるためのヒント
(制作:慶應大井庭崇研究所×認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ
も頂いてきました。(詳細と中身の一部が見られます→こちら

これは試作品(Ver.0.80)だそうで、これを読んで「こんな場所で、こんな使い方をしたらいい」というアイデア集めているそうです。
あまり部数がないそうですが、是非提案をしたいという方は、「旅のことばプロジェクト」でも私でもご連絡下さい。(公開/非公開コメントを下さい。)

私は、読了して、今までになかった画期的な小冊子(本)だと思いました。
本人家族経験談(インタビュー調査)から作られているので、内容は高度なのですが、柔らかく易しい言葉が、心の奥に抵抗なく届きます。実際に役に立ちます。
同じ苦しみを経験した先輩から「こんな問題は、こんな風に考えてみたら/やってみたら上手くいったよ」と話し掛けられているような、あたたかい、希望に満ちた本です。
今まで医師や福祉・介護のプロが書く本が越えられなかったをひらりと越えています。

追記:この冊子を紹介した神奈川新聞の記事→こちら

<関連記事>
認知症の当事者が、日本初の全国組織(リンクで代表3人の体験談も)
「旅のことば」No.1 (この小冊子が入手できるイベント案内)
私たちは、認知症と生きる方 本人に意見を聞いたことがあるのか?
旅のことば写真 1
「旅のことば」の中身

認知症 私たちにできるサポートの具体例

素晴らしい動画を教えて頂きました。
アルツハイマー型認知症と診断された高齢女性が、社会生活を続けていく中で、
どんな時に、どんなことで、どう困るのか
その時に周囲の人は、どんな風に接したらいいのかをドラマ仕立てで示す動画
です。

登場人物たちが、皆、魅力的で、映像も音楽もきれい。映画のように楽しめます

時々、ふっと困る時もあるけれども、周囲がほんのちょっと配慮するだけで、今まで通り幸せに社会生活を続けていけるという認知症の本当の姿を知ることができます
日本のテレビでは、こうした姿を見せることがないと、この動画を見て気づきました。
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(この動画でアルツハイマー型認知症と生きる女性。画像はこちらから) 

   ●動画 → こちら(英語ですが、映像だけでも分かります)
  (主人公が困る場面:好きな「チューリップ」という名前が出てこない。
   横断歩道を渡るタイミングが掴みにくい。支払いに多く払い過ぎてしまう。
   鏡を見て戸惑う。店内で友人がいる場所を探せない。)

   ●職種別サポート方法(4種)→ こちらを
  (左からコールセンター職員用、運転手用、店員用、用紙に記入してもらう仕事用)

多くの方が「認知症の人」という言葉で思い浮かべるイメージは、一時的に急激に起こる「せん妄」という特殊な状態や長い年月の末に訪れる重度の段階ではないでしょうか。
(ある医師は、講演会で「高齢者が、初めて家族に連れられて受診し、認知症と診断される時には、既にほとんどの方が、重度に至っている。
家族は、初期中期には、認知症とは気づかない」と話しました。)

そんな誤ったイメージが、この動画で崩れると思います。

私は、これを全国の小中学生全企業の全従業員に見て頂きたいと思います。
レビー小体型認知症編などもできれば、更にうれしいです。

この動画は、先日のNHK、ETV特集で紹介されたアルツハイマー・スコットランド」という団体の「認知症フレンド・スコットランド」というサイトで紹介されています。

これは、皆さんご自身の何十年か後の姿でもあります。
その時「何、グズグスしてるんだ!」と怒鳴られるのと、動画のように接してもらえる社会と、皆さんは、どちらを望みますか? 今の日本は、どちらだと思いますか?

最初の動画の冒頭部分「私は、認知症と診断されていますが、外出が大好きです。
自分が好きなことは、できるだけ長く続けたいと思っています。
皆さんは、私のような認知症の方と会っても、多分そうとは気づかないでしょう。
認知症を起こす病気数多くあり、症状は一人ひとり違います


<関連記事>
認知症当事者が初の全国組織(連絡先や体験談集も)
とても役に立つ 認知症 動画集
認知症をテーマにした映画集
周囲が作る「認知症」

高齢者の認知症は脳の病気か?

(追記:ここでは、高齢者の認知症について書いています。若年性は少し違います)

認知症は、病名ではなく「自力での社会生活支障をきたす状態」を指す言葉です。
(日本でも使われている「アメリカ精神医学会精神障害診断基準」から。)

しかし多くの医師の啓蒙活動によって、多くの方は、こう信じていないでしょうか。
「認知症は、物忘れがひどくなる脳の病気である。(脳が萎縮する病気)
しかし早期発見し、早期治療さえすれば、進行を遅らせることはできる」

     私も長年それを鵜呑みにしてきました。
     しかし、今、大きな疑問を持っています。

認知症を引き起こす病気には、多くの種類があります。
レビー小体型認知症やピック病では、物忘れがない方々がいます。
脳も萎縮せずMRIPETによる画像診断精度は決して高くありません
早期であればある程、診断は困難。正しく診断できる医師は、少ないです。
薬剤過敏性(薬に弱い特徴)のあるレビー小体型認知症では、誤った薬物治療によって、改善する人以上に悪化する人がいると私は思っています。(→体験談集

アルツハイマー型認知症では早期に病識(病気の自覚)が失われる」とどの本にも書かれていますが、最近、それが間違っていることがわかってきました。(出典→アピタル

医師にも研究者にも認知症と生きる方々の内部(脳、心、体)で、何が起こっているのかわからないのです。
内部に残された多くの能力が、接し方によって引き出せるなどということは、多くの医師にとって関心のないことです。
それは医学の領域外のことですが、体と心を切り離して認知症という症状を改善することはできないと思います。

私は、今、認知症とよばれる症状を作っているのは、病気そのものよりも、医師の誤診誤った治療、周囲の人の接し方、社会の誤解偏見無関心、社会の仕組み(ATMを使わなければ預金を下ろせない等)などではないかと考えています。

この動画是非見てみて下さい。認知症介護で有名な三好春樹さんのインタビューです。
(自分が、明日倒れて認知症になっても苦しまずにすむ方法も語られています。)

    三好春樹氏、認知症とは何かを語る→YouTube(認知症きらきらネット)

三好氏の介護哲学集→こちら(介護や医療の職員向けですが家族にも)

<関連記事>
ユマニチュード(認知症介護術)テレビの放送内容詳細(実践動画も)
薬以外の様々な方法で改善した体験談
市川衛著「誤解だらけの認知症」認知症は病気か?
認知症介護・医療の何が間違っているのか 長尾和宏・丸尾多重子共著

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『旅のことば— 認知症とともによりよく生きるためのヒント』

追記:この小冊子の中身も見られる紹介スライド→こちら
……………………………………………………………………………

7月にインタビュー調査に協力させて頂いた研究を基に、素敵な小冊子が完成しました。
私もまだ見ていませんが、プレスリリースで拝見すると、私たち皆に、とても役に立ちそうです。制作して下さった皆様、ありがとうございます。そして本当にご苦労様でした。
<以下、プレスリリースから抜粋、転記。>
…………………………………………………………………………………………

   慶應義塾大学 SFC研究所 井庭崇研究室は、
   認知症とともに よりよく生きることを実践する工夫を まとめた
   パターン・ランゲージ
   『旅のことば — 認知症とともによりよく生きるためのヒント』を 制作しました。

   これは、認知症を受け入れつつ よりよい人生を生きるために、
   本人、家族、周囲のそれぞれが、
   具体的に どのような行動を起こすことができるのか を記述したものです。

   これにより、認知症であっても いきいきと暮らしている人たちの
   「前向きで実践的な工夫」を 広く紹介・共有し、
   多くの方が、より前向きに 暮らしていけるようになること、
   また、認知症とともに生きること について
   社会的な対話を 促すきっかけを つくることを 目指しています。

11 月に行われる以下のイベントで展示・発表、および冊子の配布をします。

  ▷ 完成披露会見 日時: 2014 年 10 月 31 日(金) 15:00 – 16:00

  ▷ 「認知症フレンドリー社会をどのように実現するのか?」ダイアローグセッション
    日時: 2014 年 11 月 4 日(火) 13:00 – 16:00

  ▷ G8 認知症サミット日本後継イベント(ブース展示)
    日時: 2014 年 11 月 5 日(水) 09:30 – 17:30
    2014年11月6日(木) 09:30 – 17:00

  ▷ 「認知症パターン・ランゲージによる対話のワークショップ」
   日時: 2014 年 11 月 16 日(日) 14:00 – 16:30


場所は、いずれも六本木詳細、問い合わせ、参加申込は→こちら

<関連記事>
*歴史的なニュース「「認知症の当事者が初の全国組織」
5種類の認知症 種類別 本人と介護家族の体験談集
*認知症になっても安心の社会を目指してRUN TOMO-RROW(RUN伴 “とも” )
 (NPO法人「認知症フレンドシップクラブ」の公式サイトへ)

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川面(かわも)に映る紅葉

認知症の当事者が初の全国組織

追記:この全国組織の公式サイトはこちら(3つの会@WEB) 会員募集中!
……………………………………………………………………………………

2014年10月23日のNHKニュース。(動画付き公式サイトから全文コピー。)
 
   < 認知症の人たちで作る初の全国組織 >

認知症の人たちだけで作る初の全国組織設立され、23日、塩崎厚生労働大臣に
当事者の声国の政策に反映する機会を増やしてほしいと要望しました。

認知症の人たちだけで作る初の全国組織、「日本認知症ワーキンググループ」
病気への偏見をなくし当事者の声国の政策に取り入れてほしいと、
今月、設立されたもので、23日は、代表3人が厚生労働省を訪れ塩崎厚生労働大臣と面会しました。

この中で3人は、認知症への理解不足偏見が残っている現状を訴え、
認知症対策を議論する国の会議などにメンバーとして参加する機会を増やして欲しいと要望しました。

これに対して塩崎大臣は
「認知症の当事者が、公に声を上げたことには意味があると考えている。
認知症になっても希望尊厳をもって暮らしていけるような社会実現にしっかりと取り組んでいきたい」と述べ、国としてさらに対策に取り組む考えを示しました。

代表の1人で、鳥取市に住む藤田和子さん(53)は、
「認知症の当事者は何もできないという偏見が根強く残っている。
私たちが発言することで、認知症になっても自分たちの意思で活動し
社会に貢献できるんだということを示していきたい」と話していました。

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写真は、47NEWSの記事から→こちら  *→毎日新聞の記事
FNNニュース動画こちら  →日本経済新聞記事

<この団体の代表をつとめる3人の体験談>
藤田和子さんの体験談(リンク集)
若年性アルツハイマー型認知症の佐藤雅彦さんの感動的な講演動画
ピック病を患う中村成信さんの記事
<その他の体験談>
5種類の認知症 種類別 本人と介護家族の体験談集
認知症のわたし(朝日新聞連載)

認知症の本人に聞いたことがありますか?

「驚きの介護民俗学」の著者で介護職員の六車由実さん(→記事)のツイートが、印象的だったのでご紹介します。

2014年9月20日放送のETV特集(Eテレ)「私たち抜きに 私たちのことを決めないで ~初期認知症と生きる~」(→記事・番組内容詳細)
( →番組に出演されていた若年性アルツハイマー型認知症の藤田和子さんの体験談

この番組に触発された六車さんは、グループホームの定例の話し合い(カンファレンス)認知症の利用者さん達を囲んで行ったそうです。

「利用者さんは、今の状況自分の思いをしっかりと説明してくれた
 こんな当たり前のことが、どうして今までされてこなかったのかと改めて思う」


とツイッターに書かれています。(六車由実@marronmiymiy)

「認知症の人は、分かっていない。まともなことなど話せない」という残酷な誤解は、
日本中に、いまだに広く、深く浸透していると思います。でもそう頭から思い込んでいるのは、実は、多くの医師看護師介護職員の方々でないかと、私は、感じています。

「何でもちゃんと分かっているのに、理解や返事に時間がかかるから、分かっているとは思ってもらえない。介護職員から、”分かっている人”として接してもらえない
というのは、レビー小体型認知症のご家族から頻繁に聞く悩みです。(→実例

私は、認知症と生きている方々が、切実に必要としているのは、お膳立てされた娯楽以上に、普通の人間として接し話をじっくりと聞いてくれる人だと思います。

敬意親愛の気持ちを持って「今、困っていることは、どんなことですか?」「そういう時、どんな感じがしますか?どう思いますか?」「うれしい時、楽しい時は、どんな時ですか?」など色々質問してみて下さい。
ゆっくりと繰り返し分かるまで伝え、返事が返るまで辛抱して待って下さい。
想像もしなかった言葉が、出てくると思います。

<関連記事>
認知症高齢者11人の手記(文藝春秋)(家族へも語られない苦悩)
74才、要介護4、長谷川式知能テスト4点の時に母が語った自分の症状(的確に語る)
日本でも始まっている認知症当事者たちの活動(「3つの会」というサイト)
*認知症当事者団体「日本認知症ワーキンググループ」発足の記事→毎日新聞
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「スコットランドで初めて認知症の当事者として声を上げた一人、ジェームズ・マキロップさん(右)。彼の存在が認知症政策を大きく変えるきっかけとなった」
この文と写真は、NHK公式サイトから。

周囲が作る「認知症」 

前の記事(「認知症高齢者の手記集」→こちら)からの続きです。

文藝春秋(2014年8月号)に掲載された『「認知症高齢者」11人の手記を公開する』。
解説:重度認知症デイケア「小山のおうち」を開設した高橋幸男医師(エスポアール出雲クリニック院長)。聞き手:奥野修司氏(ノンフィクションライター)

以下(青字部分)は、記事からの抜粋です。
………………………………………………………………………………………………

「小山のおうち」では「徘徊」や「物盗られ妄想」といった認知症特有の行動がほとんどない(略)ここにいる人たちはよく笑い、よく喋る
笑顔はQOL(生活の質)を高めるといわれる。そのせいか、ほぼ全員が中程度から重度なのに、どう見ても軽度にしか見えないのである。

ボケてもいい社会であれば、それだけで屈託がなくなり、穏やかになっていくものだ。
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認知症になると話ができなくなるかというと、そうではない。(略)
家では会話がないのに、「小山のおうち」ではすらすら喋るのは、尋ねられた後、
二呼吸か三呼吸は待ってもらえるからだ。

認知症高齢者は家族の中で孤立しているだけでなく、毎日怖い顔で叱られ続ける世界にいる。(略)やがて精神的にも限界がくる。
我慢の限界を超えると暴力をふるう人もいるが、「帰ります」と家を出て行く例が多い。
(略)本人は「家出」のつもりでも、世間では「徘徊」と呼ぶ。(略)
本人にすれば、自分の居場所を探しているだけなのだ。

話しかけてみることが重要である。認知症になっても(略)心は壊れていないのだから、我々と同じように悩んでいるのだ。(略)辛さは並大抵ではない。
たとえ言葉のキャッチボールができなくなっても、分からなくなったと思うべきではない
その人の得意話苦労話など、古い記憶に根ざした話を、こちらから一方的に話せば通じているはずだ。話しかけることによって人間関係が維持されれば、大事にされていると思い、穏やかになっていく

(略)高齢化社会がやってきて(略)<認知症の人=人格が壊れた人>というイメージが出来上がる。それを決定的にしたのが、有吉佐和子さんの「恍惚の人」だった。(略)
それがいつの間にか日本人の認知症観になってしまったのである。
(略)認知症の人はバカにされ、きわめて生きにくい存在になってしまった。
家族が「しっかりしろ」というのも、その背後に惚けることを認めない文化があるからだ。

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写真は2枚ともユマニチュードの記事から。2人とも「手の付けられない重度認知症」と
周囲からは思われていたが、敬意と愛情を持って話し掛けられるとこの笑顔。

<関連記事>
認知症と生きる方が必要とする2つのもの
認知症安心ケア10か条(浦上克哉・鳥取大学医学部教授の著書から)
フランス発「ユマニチュード」認知症介護の技術
風邪薬、胃薬、鎮痛剤、睡眠薬、精神安定剤などの薬で認知症が悪化することも
薬以外の様々な方法で劇的に改善するレビー小体型認知症の体験談
プロフィール

<しば>

Author:<しば>
私は認知症について希望を持てる情報を集め、共有している一介護家族です。医療・福祉の従事者ではありません。

特定の医師・治療法等へのこだわり、信仰する宗教はありません。
認知症に関連するビジネスもしていません。
掲載する情報は正確・公正であるよう努めています。

このブログ内の記事は、出典さえ書いて頂ければ、自由にコピーして資料等として使って頂いて構いません。リンクもご自由に。

’13年5月から「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(全国に広がる家族会)公式サイトに「しば記者デスク」「体験記」というコーナーを頂き記事を連載中。(こちらの記事は会に著作権があります。)

ツイッター:しば@703shiba

*レビー小体型認知症の症状やチェック方法は、カテゴリの一番上「症状チェック」を。


母 '05パーキンソン病と診断。’10.3月要支援2→要介護4へ激変。5月レビーと診断。2度の転倒骨折入院の後、自宅介護が困難に。8月末グループホーム入所。’11年3月に圧迫骨折で寝たきりに。7月特養入所・要介護5に認定。'12年要介護4に回復。’14年なぜか要介護5になるが穏やかで普通に会話が可能。
S13(1938)年生まれ。

父 ’10年9月ピック病(前頭側頭型認知症)と診断。
昭和2桁生まれ。

私 ’60年代生の女性。300km離れた所に住む。日々の介護はきょうだいに頼り’10年から月1回、’12年から1〜2ヶ月に1回帰省。

好きなこと:読むこと・書くこと・草花の写真を撮ること等々。

*記事に付けた花の写真は私が撮影したものです。

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